作品一覧 2024/04/10更新 文藝春秋 NEW 試し読み フォロー 君がいる場所、そこがソニーだ ソニーを去った異端たちの夢 試し読み フォロー さよなら! 僕らのソニー 試し読み フォロー 女性を創造する ワコール物語 試し読み フォロー 戦争体験と経営者 試し読み フォロー ソニー 厚木スピリット 試し読み フォロー ソニー最後の異端 近藤哲二郎とA3研究所 試し読み フォロー チャイナリスク ある邦銀の挑戦(小学館文庫) 試し読み フォロー 堤清二とセゾングループ 試し読み フォロー 覇者の誤算 日米コンピュータ戦争の40年 試し読み フォロー 魔術師(小学館文庫) 試し読み フォロー 松下幸之助の憂鬱 試し読み フォロー マーケティングのSONY 市場を創り出すDNA 試し読み フォロー 1~13件目 / 13件<<<1・・・・・・・・・>>> 立石泰則の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 戦争体験と経営者 立石泰則 経済を専門とする職業ライターが書いたので読みやすく、さっと読めた。ただ書き手としての技術の高さ故か、読み物として面白くするような技術を散りばめられているような気がして、専門家の著した本よりは重厚さには欠ける。しかし、著者もそれは意図しているだろうし、結果、引き込まれるような読書体験をすることができた...続きを読む。 戦地に赴いた経営者は、その体験から得た教訓や使命感を経営に活かし、独特の経営観を構築した。戦争の体験は言語にあらわすことにできないほど悲惨で、当時、若輩の一庶民に過ぎなかった後の名経営者達も、多くの帰還者と同じように、生かされていることの申し訳無さを感じたという。 その精神的なダメージは、帰還後にも完全に治癒することはできなかったのだろうと想像することは容易い。 その理由は、彼らと比べるのは僭越であるが私自身の体験によるものからである。過去の強烈な体験によって与えられた精神的なダメージは、悪夢やフラッシュバックによって鮮明に保持され続け、ちょっとした相手の行動も警戒してしまうようになり、時には気を失いかけるときもあった。文字通り人生を一変させた。 なにかの引用になるが、一度つけたぬか漬けは、もとに戻らないのと同じように、脳の思考回路も変わってしまって、もとに戻らなくなるのだろう。 権力に振り回されてきた彼らの国家に対する猜疑心を私は、以前は冷めた目で見てきた。平和の社会に安住している中で、メディアがスキャンダラスな報道に終始している。そうした環境下におかれた政治家や官僚に対して、同情の念すら抱いていた私は権力に従順な人間だったのだろう。 しかし、自分が当事者となり、入社した企業など一個人では対抗できない大きな権力(他にもあるだろう )に相当痛みつけられた後ならよく分かる。権力というのは保身のためなら手段を選ばないのだ。 ちょっとしたきっかけで、権力に従順であった者にも、強権的な力が及んでくることは肝に銘じておくことだ。 戦後日本は経済大国になった。その要因は様々であるが、戦争を体験した先人のその家庭をも顧みない労働と、彼らの技術革新に対する貪欲さは多いに経済成長に貢献しただろう。 臭い表現となるが、豊かな国を築いた先人の意志に反して、再び戦争への道を通ることは許されない。それなりに過酷な体験をしている中だからこそ、私はこの書に非常に共感できるのである。 Posted by ブクログ さよなら! 僕らのソニー 立石泰則 「技術のソニー」ブランドはいかにして凋落したのかを、ソニーの経営陣の動きから読み解いた本。 ソニー暗黒の低迷期とブランド失墜はなぜ起こったのか。本書を読むと、創業の理念からかけ離れていき、自己保身に走ろうとする経営陣が原因であることが見えてきます。 ムダには未来のために必要なムダ(先行投資)と、...続きを読む本当のムダ(不必要な出費)があります。ソニーの大きな失敗は先行投資までカットしたこと。 Posted by ブクログ 文藝春秋 2015年 6月号 立花隆 / 梅原猛 / 塩野七生 / 伊集院静 / 坪内祐三 / 後藤謙次 / 御厨貴 / 古川貞二郎 / 山内昌之 / 養老孟司 / 川島裕 / 浜田宏一 / 綿矢りさ / 西加奈子 / 川淵三郎 / 松田美智子 / 小池真理子 / 和田誠 / 金田一秀穂 / 岡井隆 イイネ 10年前から毎月購読していますが、本の整理が大変ですので3年前から電子ブックに変更。もう少し、普通の書籍に比べて安くなるとありがたいですが... cerami 松下幸之助の憂鬱 立石泰則 チェック項目7箇所。「創業者」は創業者であることだけで求心力を持つ、と言われる、その創業者を失った松下電器の最大の課題は、どのようにして新たな求心力を生みだし、いかにして維持・発展させていくか、にあった、ある意味、それは創業者を超えて進まなければならないというもっともハードルの高い挑戦でもある。松下...続きを読む幸之助の創業者精神と経営理念を堅持した企業としての再建を目指すなら、少なくとも松下電器に与えられた「使命」をいま一度改めて考えるべきである、創業者精神を忘れた企業に復活などあり得ないからだ、そのための手がかりのひとつとして、松下幸之助の評伝を通じて彼の経営哲学の成り立ちを振り返ったのが本書である。たとえ意図しなくても結果として利益を独占することになれば、必ず周囲の反発を買って失敗することを学んだと考えて、松下の経営理念「共存共栄」の原型になったと判断した、しかしその後の取材で、それに加えて幸之助は「生き抜く知恵」を得たのではないかと考えるようになった、それは、「(周囲の)顔色を窺う」ことの大切さを学んだことである。当時は「豊かさ」を感じるには、必要なモノが十二分にある時である、大量生産こそ、産業人、つまり幸之助と松下電器の使命というわけである。しばしば戦後、松下電器は「マネ下電器」と揶揄されてきた、それは、他社が先行して開発・発売した製品が売れ出すと、同じような製品を大量に製造・販売し、瞬く間に高い市場のシェアを奪うからである、しかしここにこそ、廉価な商品を大量に販売することで日本から貧乏をなくすという水道哲学に基づく松下幸之助の経営手法、松下商法の根幹がある。松下幸之助の社長時代、ある家電製品で不具合が生じ全品を回収するという問題が起きた、その製品の開発担当の幹部が、幸之助の呼び出しを受けた時のことである。危機だからと言っては、その都度、退任した幸之助が登場してくるようでは、それこそいつまで経っても後継者は育たない。 Posted by ブクログ さよなら! 僕らのソニー 立石泰則 嘗てソニーVAIOのMXという、PCとミニコンポが一体になったような趣味全開のパソコンを愛用していた。2000年頃までは、こういった革新的なプロダクツをリリースしていたソニーであったが、出井政権になった後、まさに瓦解していくとはこの事かというレベルで舵取りがおかしくなってしまった。 ハワード ストリ...続きを読むンガー時代には、まるで山崎豊子が『沈まぬ太陽』で描いたJALの如く、首脳陣の私利私欲ぶりが顕著になっていった。 井深、盛田の創業者の意思はどこに行ってしまったのだろう。一SONYファンとしては寂しい限りだ。 Posted by ブクログ 立石泰則のレビューをもっと見る