【感想・ネタバレ】さよなら! 僕らのソニーのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月20日

「技術のソニー」ブランドはいかにして凋落したのかを、ソニーの経営陣の動きから読み解いた本。

ソニー暗黒の低迷期とブランド失墜はなぜ起こったのか。本書を読むと、創業の理念からかけ離れていき、自己保身に走ろうとする経営陣が原因であることが見えてきます。

ムダには未来のために必要なムダ(先行投資)と、...続きを読む本当のムダ(不必要な出費)があります。ソニーの大きな失敗は先行投資までカットしたこと。

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Posted by ブクログ 2013年04月16日

嘗てソニーVAIOのMXという、PCとミニコンポが一体になったような趣味全開のパソコンを愛用していた。2000年頃までは、こういった革新的なプロダクツをリリースしていたソニーであったが、出井政権になった後、まさに瓦解していくとはこの事かというレベルで舵取りがおかしくなってしまった。
ハワード ストリ...続きを読むンガー時代には、まるで山崎豊子が『沈まぬ太陽』で描いたJALの如く、首脳陣の私利私欲ぶりが顕著になっていった。
井深、盛田の創業者の意思はどこに行ってしまったのだろう。一SONYファンとしては寂しい限りだ。

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Posted by ブクログ 2012年05月22日

ソニーが革新的な企業から今の状態になるまでが内部の深くまで切り込んで書かれており、とてもわかりやすく、読みやすかったです。

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Posted by ブクログ 2012年09月13日

さよなら、僕らのソニー、というまさにそのタイトルが表しているとおりの、日本のものづくりの代表とも言えた「僕らの」ソニーが変わっていってしまい、去りゆく輝きに感謝しお別れを告げる、という本。
僕は、ソニー製品に囲まれて育ち、ソニーファンである。僕の家には、トリニトロンテレビがあり、ベータがあり、ベータ...続きを読むが壊れた時には、またベータを買い直した親父がおり、盛田さんの本もいくつか読んだし、就職活動ではソニーの関連会社をひたすら受け、自由闊達とした理想工場へ、僕も寄与したいと本気で思っていた。
そんなこともあり、昨今のソニーには大変悲しい思いを持っておりましたが、まさにそうした「僕ら」の思いで表現されている本でした。

最後あたりを引用します。
「SONY」ブランドが輝いていたかつてのソニーを知る者にとって、日に日にメーカー・マインドを失っていくソニーの姿を見るのは辛い。しかし、「グローバル企業」とは、こういうものなのだろうなとも思う。

グローバル経営を目指すストリンガー体制のソニーでは、地球市場を見渡しては儲かる場所をいち早くみつけ、その場所に出向いて利益が確保できるビジネスを展開し、その見返りに経営トップは莫大な報酬を得る、という企業を理想としているのだろう。

いまの私たちに出来ることは、未来への「希望」を与えてくれた「SONY」に感謝の言葉を捧げるとともに、こう言うだけである。「さよなら!僕らのソニー」

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Posted by ブクログ 2012年08月28日

小さい頃からソニー製品を愛してやまない著者のソニー愛。ウォークマンにCDプレイヤー、高性能ブラウン管テレビ、プレステ・・・。次はどんな商品で「僕ら」を驚かせてくれるのか。

しかし、最近のソニーは、そんなワクワクする商品を登場させなくなって久しい。ソニーショックによる株価暴落を経て、多くの優秀な人材...続きを読むをリストラし、ソニー創立時の幹部たちもいなくなった。効率優先の外国人社長ハワード・ストリンガーが率いるソニーはネットワークでつながった世界市場を相手に、ものづくりよりもエンターテイメントやネットビジネスを重視するようになった。

そんなソニーは「僕ら」のソニーじゃない。著者は批判しつつも、これも時代なのかとあきらめ、ソニーに「さよなら!」を告げたとさ。

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Posted by ブクログ 2012年08月19日

ビジョナリーカンパニーを読んだあと、読みました。
読みやすかったです。
個人的な印象がしっかり含まれていて、まぁ主観といえばそれまでだけれど、登場人物がイメージしやすかった。

ビジョナリーカンパニーで絶賛されていた、ビジョンを持った経営とモノづくりへの敬意は、この本を読んでしまうと残念ながらもう期...続きを読む待できないのかな、と思いました。

ストリンガーさんの経営手腕についてよく言う人はいないのね。確かに顧問弁護士がストリンガーさんの次に高給取りで、やっている仕事は会社を守ることではなくストリンガーさんなのね。

今、グーグルで必要なことは全部ソニーから教わった、という本と併読しているけれど、それもやはりカリスマを失い迷走する社内構図が見えました。

でも、それでもソニーの復権を、みな待ち望んでいるはずです。

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Posted by ブクログ 2012年05月23日

大赤字を出したソニー、パナソニック、シャープ。

この本を読むとなるべくしてなったと思う。

時代の流れでは片付けられない。
韓国勢も確かにすごいが、私に言わせれば日本勢の自爆。

復活を願う!

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Posted by ブクログ 2013年04月23日

最近、ストリンガー体制が崩れて、どこに行くのかますますわからないソニーのこれまでの歴史と、なぜ魅力的な製品を開発できなくなくなったのかの筆者の意見。

本書は単なるソニーの社史ではなく、町工場だったような東京通信工業が、いかにしてトランジスターラジオ、ウォークマン、CDといろいろな独創的な製品を作っ...続きを読むてきたが、創業者から連なるエレキの会社としての製品を大切にする文化が、4代目の出井社長辺りからずれてきたように感じた。テレビも不採算部門になりつつあるが、製品作りを知らない人がトップについてしまった悲劇なのだろうか。

しかし、縮小する市場に投資はできないし、改めて会社経営を数十年単位で行うことは難しいと感じた。ソニーファンや凋落するソニーの原因を知りたい人には良い本だと思う。

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Posted by ブクログ 2019年01月03日

ソニーの迷走を経営陣に焦点を当ててまとめた本。出井氏やストリンガー氏の経営方針が井深氏、盛田氏が創った古き良きソニーをどう変えてしまったかと切々と著している。

ソニーファンであった著者のソニーへの愛を感じるが、ソニーとの別離(=ソニー復活の諦め)の宣言ともとれる。

『週刊ダイヤモンド』の特集「さ...続きを読むようなら!伝説のソニー」とセットで購入。

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Posted by ブクログ 2013年06月06日

成功し成長を続けたベンチャー企業において、やがて創業者が第一線から離れ、普通の大企業に脱皮するということがいかに難しいか。本書はソニーの内情を題材にしているが、その意味で多くの企業にとっても非常に示唆に富んだ一冊である。

本書では、技術にこだわり革新的なモノづくりを進めてきたソニーが、創業者の引退...続きを読むとともに、製品へのこだわりをなくし、米国流の経営手法に基づいた短期的な数字を目標にした会社に変わったことが現在の凋落の一因であると指摘し、出井氏、ストリンガー氏の経営を批判している。たしかに豊富な内部取材に基づく具体的なエピソードの数々は説得力がある。

しかし、創業者というビジネスオーナーが明確で、その意思を反映させることそのもの戦略そのものであるベンチャー企業が、やがて巨大化し、創業者が引退した後に普通の大企業に脱皮する際には、株主、市場、従業員を納得させるために経営数値にこだわるのは当然だろう。問題は、数値自体がが目的化し、ビジネスの方向性が失われることだろう。

創業者なきあとの普通の大企業であっても、いかにビジネスオーナーシップを明確にして、成長のダイナミズムを維持するか。最近のAppleなどをみていても同様な課題に直面しているようであり、他の多くの企業にとっても、ソニーの事例は示唆に富んでいるのは間違いない。

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Posted by ブクログ 2013年06月04日

【目次】
1. 僕らのソニー
2. ソニー神話の崩壊
3. 「ソニーらしい」商品
4. 「技術のソニー」とテレビ凋落
5. ホワッツ・ソニー
6. 黒船来襲
7. ストリンガー独裁
8. さよなら!僕らのソニー

【概要】
高い技術力で独自の製品を生み出すことで夢を与えてきたソニーが、技術を失うこと...続きを読むでそのブランド価値を失っていく。
ソニー神話に心を躍らせた一人である著者が、経営人事を軸に、ソニーの栄枯盛衰を語る。

【感想】
以前読んだ「The Laxuary」に、ブランドビジネスにとって最も大切なことは、その製品に対する「あこがれ」を生み出すことだ、と書かれていた。
そういう意味で、ソニー製品は高性能であることにブランド価値があり、自ら高性能路線を捨てたことによりソニー神話が自壊した、と。

まぁ、大筋その通りなのだろうけど、いくつか疑問もわく。

(1)ソニー=高性能って、どの時代まで実感があったんだろうか。
 少なくとも、自分がテレビやパソコンやポータブルMDプレイヤーを買う頃には、既にソニー製品はオンリーワンではなく、数ある選択肢の一つにすぎなかった。
 むしろ、「ソニータイマー」の悪名もあるとおり、しょっちゅう故障して買い替える羽目になった、という記憶しかない。
 「音のソニー」という単語に胸がドキドキするのは、今の50代よりも上くらいなのかな。

(2)創業者や生え抜きじゃない経営者に、ブランドを維持することって可能なのだろうか。
 製品に対する「あこがれ」を生むのに、その製品にまつわる開発秘話や歴史が大きな役割を果たすと思う。
 そういう意味で、創業者一族って、それだけで有利。
 自伝がほとんどそのまま製品の開発秘話なわけだし。
 また、生え抜きの経営者も、入社以来受け継いできた創業者スピリットだとか、過去からつながる製品群の一部の開発に携わった経験だとか、その人の歴史がブランドを体現することができる。
 しかし、外から来た経営者に、そのブランドの夢を見ることってできるんだろうか。
 アップルとかグーグルとか、あと20年後にもまだあこがれられているんだろうか。

(3)高い技術力を結集したPS3やPS Vitaにあこがれをもてないのはなぜなんだろうか。
 PS3やPS Vitaが高性能なのは疑いがないけれど、それが「ソニー神話」につながっているかというと、結構疑問。
 そもそも、PS3の開発秘話ってあまり聞かないし。
 ニーズ不明の(ムダな)高性能と、高性能をありがたがらないユーザに逆切れする久夛良木健に、あこがれよりも反感を覚えた印象しかない。
 むしろ、山内溥が試作品のゲームボーイを床に叩き付けたという逸話(実話じゃないらしいけど)のほうに、心躍るものがある。
 そして、PS3にしろ、PS Vitaにしろ、「買ってまでやりたいゲームがない」って理由で売れてないのでは。
 そうすると、ハードよりもコンテンツを重視した戦略が、そこまで間違っていなかったという気もする(でも結局コンテンツ不足だった、という点に目をつぶれば)。

 ブランド戦略と、PS3の敗因とについて、もう少し調べてみよう。

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Posted by ブクログ 2013年03月06日

 私にとって、ソニーといえばPlayStationとWalkmanを生み出した世界的に有名な日本の企業であり、企業体質についてあれこれ言われたとしても、それは有名な企業だからこそのやっかみだと思っていた。PSNの流出事件後の対応と、「宣伝戦略」の事を知るまでは。
 一体どうして今のような社風になって...続きを読むしまったのかを知るために、この本を手に取った。

 第一章「僕らのソニー」は、私達が一般的に抱いているソニーのイメージを改めて見つめ直し、かつ筆者の体験談・耳にした話を綴っている。
 筆者はソニー製のテープレコーダー、FMラジオ、ラジカセを例え値段が他社製品よりも高くとも「高性能・高機能・高品質」でかつデザインが良いという理由で購入し、社会人になってからはソニー製品に対する信頼度の高さとブランドの強さを身にしみて感じるようになり、ドキュメンタリー番組で、反日感情が根強い戦後のアメリカで「ソニーは日本の会社であり、私たちは日の丸に恥じないことをやるため」に国旗を掲げ、日本製品のイメージを変えるために奮闘している姿を観て「ソニーは他の日本企業とは違う」と思うようになったという(戦略としては「ブーメラン効果」もあったという)。
 筆者の友人が体験した、「ソニーによって人種差別されていた自分が救われた」というエピソードは、日本人ならば誰もがグッとくる話だ。時代が時代とはいえ、「日本人は猿真似しか出来ない」と言われ続けた友人は胸がスッとしただろう。その一方で、ソニー(米)では「外国人が一人でもいたら日本語は話さない。彼らが疎外感を感じてしまうから」という国際企業への志をはっきりと顕しているのも素晴らしい。が、章の終わりは、そのソニーがどうして「ソニーらしい」商品を作れなくなっているのかを明らかにするという、暗い締めで終わっている。

 第二章では「ソニー神話の崩壊」という、大変ネガティヴな章タイトルがつけられている。
 

 

 

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Posted by ブクログ 2013年02月17日

ソニーがいかに変わっていったか、を描く秀作。
著者自身がソニーについて思い入れがあってこそ書ける内容なので表層的な部分をさらう新聞や雑誌の記事とは違うわけです。もちろんいろんな考え方があるので正しいかどうかはともかく、会社が大きくなるにつれていろんな弊害が出てきて、そこを壊す人がいないまま今に至って...続きを読むいるということでしょう。いい会社のはずだったんですけどね。

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Posted by ブクログ 2012年12月23日

 以前、大学院の教授におすすめしてもらった本。ソニーが何故これほど深刻な経営状態になってしまったのかを、トップマネジメントの観点から論じている。
 著者はブランドを「クオリティとメッセージで担保される消耗品」だと定義している。消耗品であるからには、ふさわしい商品を作り続けてブランドを維持するしかない...続きを読む。今のソニーには、それが出来ない。ソニーはもはやウォークマンに代表される「ソニーらしい」商品を生み出すメーカーではなくなり、ネットワークビジネスとの融合にこだわるコングロマリットになってしまった。出井とストリンガーというふたりの経営者が、ソニーを決定的に変えてしまった。かつて日本人に勇気を与えた「僕らのソニー」はもはや存在しない。

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Posted by ブクログ 2012年09月26日

う~ん。

片側からの視点であるので、
内容が一方的であるという指摘は出来るかもしれませんが、
それでも、結構な説得力のある内容。

出井さんが社長になった時、
SONYの新しい時代が来たと思ったんですが、
その後伸び悩んでしまったのは、
何故だろうと思っていました。
それが、この本で、或る一側面で...続きを読むすが、
理由がわかりました。

それにしても、もう、SONYは終わったんですね。

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Posted by ブクログ 2012年09月26日

ウォークマン世代の自分としては、ソニーの商品はとにかく“格好良かった”。「企業30年説」なんて言葉があるが、組織が巨大になりすぎる、経営者が愚かでそれに気づかない企業は大抵「さよなら」なんじゃないだろうか。「さよなら 僕のソニー」。

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Posted by ブクログ 2013年05月22日

よく考察されていて、読んでいて面白かったです。
本ではソニーの経営陣が「エレキを捨てた」というネガティブな表現でしたが、物作り一辺倒ではソニーに未来は無いと考え、この大企業で大きく経営戦略変更した点、時代・市場の要求に合わせて会社を変えていこうとしている点で、その成果が上がっておらず、間違った方針変...続きを読む更だったとしても、すごいなと感心しました。ただ経営戦略を考えるとき、会社創設時から守ってきた軸までずらしてしまったように書かれていたので、この点が(ソニーに対して)残念だなと思いました。

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Posted by ブクログ 2012年09月09日

ソニーの製品なんて、実はこないだiPhoneの付属品のイヤホンが壊れたから、適当に選んだイヤホンがソニー製初めてってくらい、別に大した思い入れもない会社なんだけど、それでも、最初に「会社設立趣意書」を見た15年前は、それこそすごい会社なんだとそれだけで思えたものです。


そのいわゆる古きよきソニー...続きを読むが消えて行く様が描かれています。
後継者というのは、ほんと重要な経営課題。

個人的には、経営者が外へ外へ(社交クラブ的な意味での外)と意識がいってしまったという、出井さんの部分の描写が気になりますね。


著者の本は、これが2冊目。
フェリカの真実というのも、この方。
ソニー系をずっと追っているのでしょうね。

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Posted by ブクログ 2013年04月28日

面白かった!小さくても頭脳と技術の先鋭集団たることを目指していたソニーが、大きくなってダメになってしまった。その凋落の原因は、一言でいえば、「未来を切り開く技術」を失ったこと。
会社の規模がでかくなって、一つの失敗から受ける損失もでかくなると、守りに入る。時間もお金もかかる新しい技術開発よりも、いま...続きを読むすぐお金になる既存領域の改善と新領域への進出。前者はコスト削減(リストラ、研究費カット、高品質削除と売れ筋商品(二番手商品)の大量販売・安売り、後者はソフトビジネス(映像・音楽)やちゃりんちゃりんビジネス(ソニー損保・ソニー銀行)の展開。でもこれって仕方ないことで、時代にあわせて会社も人もかわっていかざるを得ないんだと思う。
大事なことは、もう昔のソニーのままではいられなくなったということ。そして、次のソニーの進むべき道を探さなければいけないということ。アップルに負け、サムスン・LGに負けたソニーが次に進むべき道は、ほんとにもうエレクトロニクスではないのかもしれない。大変だな、、、ソニー。。。

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Posted by ブクログ 2015年11月29日

ソニーの現状を見るとこの本は説得力がある。ただ、現在の全従業員を養うために短期的な収益が求められるのも仕方がないかと。昔のソニーらしさを求めるにはソニーが大きくなりすぎた感があるのは事実で、アップルや任天堂のようなファブレス路線とTV事業の縮小等の絞り込みを行い、新規事業に投資して誰もが欲しくなるよ...続きを読むうなソニー製品を作ってほしい。

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Posted by ブクログ 2014年02月09日

ソニーかぶれの著者が、90年代後半から現在に至るまでの
ソニーの凋落の原因を考察し、栄光の復活を期待しつつ失望する書籍。

2011年11月に出版されているのでストリンガー政権で本書は終わっている。

著者は「エレクトロニクス」のソニー好き故の厳しい内容だが、
根底に流れているのはソニー愛。
その愛...続きを読むは創業者からの流れを汲む時代のソニーまで。


何故この本を手に取ったのかイマイチ覚えていない。
取り分けソニー好きな訳ではない。
CDを生み出したのに、ラジカセにコンポとソニー製品で
いつも一番最初に不調になった箇所はCD読み取り部だった。
いまでは稼働する箇所が最も壊れやすいと身をもって理解しているが、
いち消費者としてはブランドイメージの低下になりうる。


プレステだって仕方なしに買った。
ナムコのシステム11の下位互換だというし。
持っていたソフトの9割はナムコ製だったし。
プレステはナムコ専用機と思っていた。

気づけばドラクエVIIが出たけど、何度熱暴走でデータが飛んだことか。
「ふっかつのじゅもん」の写し間違えなら自己責任だけど、
エアコンの効いた部屋で扇風機を直当てしないとダメなゲーム機を
出荷しちゃうなんて信じられない!今考えると。
コンシューマ品ってそんなもの?
いやコンシューマ品だからこそ重要なんじゃないの!

だからソニー信奉者ではなかった。

ソニー製品で唯一満足したのはMDウォークマン(MZ-E30)くらい。
あれも充電池部分が出っ張っていて不思議な外観だった、いま思えば。

技術に絡む話は面白かったが、経営者の話、特に技術系出身でない人の話になってから
読むのが怠くなってきた。
つまり本書が言いたい部分ってきっとココなんだよねきっと!

年明けの週アスではCESの英語スピーチで「KANDO」と連呼していたと報道されていたが
VAIOでは感動できないんだね、もう二度と。
VAIO持ったことないけど505RXって響きに憧れたなぁ。

是非昨今の話題を増補版で扱ってほしいな。

それにしても、こうもアンチ巨人のように愛されるソニーってすごい。

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Posted by ブクログ 2013年05月05日

さよなら!僕らのソニー、と言いつつエールを送る本だと感じた。著者はかつてのトリニトロンやウォークマンにときめいたようなことは二度と起こらないと断言する。ハードからソフトへ人々の関心が移っているのは確かだし、すでにソニーはエレクトロニクス一辺倒の企業ではない。ウォークマンに代表される、ライフスタイルを...続きを読む変えるような商品はもう出ないのだろうか。

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Posted by ブクログ 2013年01月22日

経営者の最大のメッセージは人事である。

工場を持たないメーカー、
標準化された廉価商品を外部の製造会社に委託生産させる販売会社、
例えばパソコンの『デル』や液晶テレビの『ビジオ』など水平分業の申し子たちが、
ストリンガー氏が目指すソニーのエレキ事業の理想像なのかも知れない。

ソニーは日本企業であ...続きを読むり、エレクトロニクス・メーカーであり続けると
信じて疑わない日本人とソニーファンにとって認めがたいことであろうが、
グローバル企業になるということは、そういうことなのである。

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Posted by ブクログ 2013年01月02日

ソニーがいかにしてエクセレント・カンパニーから普通のパッとしない企業に没落していったかを、経営人事視点で追った本。ノンフィクションライターとして定評のある著者だけに、章立てが上手く読みやすかった。

通読しての全体的な印象は、ノスタルジー。乱暴にまとめると「昔のソニーはよかったな」だが、もちろんこれ...続きを読むで終わると駄作。本書では歴代の社長や役員へのインタビューをベースに、歴代社長がソニーをどうしようと考え行動したか、あるいは行動しなかったかを綴る。時々「それは穿ちすぎでは」と思われるような著者の推測も入るが、おおむね間違ってはいないだろう。

本書では「ソニーは技術を捨ててしまった」というフレーズが何度も登場する。確かに出井社長時代からソニーはハードウェアビジネスからソフトウェアやネットワークでのビジネスに傾倒していった。著者はそれに対し極めて批判的だが、本当にその判断が間違いだったのかは僕は疑問だ。現に、今我が世の春を謳歌している企業───アップル、グーグル、サムソンなど───は、まさに独自のハードウェア新技術の開発に全く価値を置いていない企業ばかりだ。また、メーカーとして倒産の危機に遭い別業種で復活したIBMのような企業もあるし、逆に自社開発にこだわるあまり没落していった企業は数知れない。後出しジャンケンで「あれは失敗だった」といった批判は意味が無いだろう。

本書で最大の「戦犯」とされているのが前CEO(2012年現在)のハワード・ストリンガー氏。彼がソニーのDNAを完全に壊してしまったということだが、それを是とするか否とするかは意見が分かれるだろう。確かに彼の経営は大失敗だったが、「創業者の思いが詰まった○○の売却」といった事例を多く紹介してそれを批判するのは「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ではないか。
ただし著者自身、本書が多分にノスタルジーが込められたノンフィクションであることは自覚的、というか敢えてそういう一冊にしたのは明らか。題名にも現れているように、この本の主人公は「僕らの」ソニーなのだ。

最後に、ソニーから離れて本書の感想を述べておく。まとめると、大企業の役員であってもやはり人間というのは客観的な判断だけでなく自身のプライドや情に左右されてしまうのだなという衝撃。会社に長く勤めているとそういう場面は頻繁にお目にかかるが、大企業のトップ人事にもそんな理由で決まったりするのかと驚いた。
本書で批判されている人物の中で、完全な悪人として描かれている人間は一人もいない。ただ能力が欠けていたり、器でなかったりするに過ぎない。本来のコーポレート・ガバナンス(企業統治)というのはそういった一人の人間の適性などに左右されずに経営が安定的に機能するためのもののはずが、機能していないのが残念。民主主義の限界と同種の問題を感じた。

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Posted by ブクログ 2012年10月22日

トランジスタラジオ、ウォークマン、CDなど、世の中を変える魅力的な製品を生み出してきたソニーが、なぜ凋落していったかを問う本。
ソニーは90年代半ばから、目先の売り上げに固執してしまい、強みだった商品開発能力に影を落とすようになったという。確かに当時以前ほどソニー製品に魅力を感じなくなっていたし、ソ...続きを読むニー神話の神通力が徐々に失われていったのだろう。ソニーのトップは、大賀、出井、そしてストリンガーへ変わっていくが、エレキ軽視、ネット偏重へと会社の方針は傾いていった。
出井氏がネット社会に対応した製品を打ち出せなかった理由の一つに、当時ソニーが抱えていた借金の返済に追われていたことがある。大賀社長時代、映画会社と音楽会社の買収で負った有利子負債が重荷になっていた。これら買収会社のアメリカ人経営者による乱脈経営は「ヒット&ラン」という本が出版されているという。
著者のストリンガー氏の評価は出井氏よりも厳しく、技術軽視、コストカッターとしてもの作りそのものに関心がないと評している。

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Posted by ブクログ 2012年05月18日

日本を代表するメーカー、ソニー衰退の裏事情。
かつてのソニーは、高品質な製品を作る代表的な企業として有名だったが、創業者亡き後、徐々にその評判が低下し現在では普通の電機メーカーになってしまった。長年ソニーを取材し続けてきた著者は、経営の度重なる方針転換が現在の状況を招いたと考える。時代をリードする技...続きを読む術を持ちながら、それを製品に生かせなかったこと。時代の流れを読み切れず、ユーザーの志向の変化についていけなかったこと。創業時の指針に反し、メーカーでありながら、コンテンツビジネスを重視したことで、核となる収益手段を失ったことが要因と指摘する。経営者が会社を纏めきれないことも原因としている。
著者は、様々な問題を抱えて、昔のような優秀な製品を生み出すソニーは戻ってこないと考えている。
若い頃、ソニーの製品を買った人達は、みんな誇らしげでした。ソニーは高性能の代名詞で、高価でなかなか手が出ないので、持っている人が羨ましかった記憶があります。また、優秀な企業として、多くのビジネス書に成功例として採り上げられていたのを思い出します。しかし、創業者が相次いで亡くなった頃から、革新的な製品が出なくなり業績が悪くなってきている印象があります。この本を読むとその理由が判るような気がしました。

(追記)2021年現在、ソニーは大復活を遂げました。1兆円の利益を挙げて、この本に書かれた時代とは大きく変わりました。この本のタイトルは「さよなら、昔のソニー」に変えた方が良いかもしれません。ビジネス本は難しい、、。

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Posted by ブクログ 2024年01月04日

•ソニーがハードからソフトへと転換を図ったこと、技術軽視に傾いたこと、技術者の流出、経営状態が悪化した経緯がよく分かる。
•一方で出版後10年以上経った今、ソニーはソフト変換の成果をもとに大復活を見せている。当時の判断は間違っていないとも言える。
•さらに、ハードの凋落もイメージセンサーやデジカメの...続きを読むコア技術で復活を見せており、その後10年で何が起こったのか、興味深い。

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Posted by ブクログ 2019年06月12日

これが現実なのか、と思ってしまうが大企業、グローバル企業はこういう問題をいつもはらんでいることだと思う。

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Posted by ブクログ 2013年03月19日

常にワンランク上のステイタスとして君臨したSONYの横文字も今や十把一絡げの赤札商品。高品質、高機能のソニーブランドはもはや見る影もない。ソニーの没落をノスタルジックな哀愁をもって寂しく振り返る。巨大化による弊害、戦略の誤り、目先の利益、ドロドロの権力闘争とエゴに翻弄され今も迷走するソニー。復権の糸...続きを読む口は杳として知れない。さよなら!僕らのソニー。

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Posted by ブクログ 2012年05月20日

立石さんという琵琶法師を得て、ソニー物語が平家物語として語られています。今や誰もが「モノからコトへ」を唱えますが、その流れに表層的にマネジメントが乗ると、こういうストーリーになるのでしょう。設立趣意書の「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場」というソニーから...続きを読む、盛田・大賀時代の「ソフトとハードは、ソニーグループの両輪」を経て出井時代の「ソフトとハードの融合」、そして「デジタル時代では製品の差異化は難しい」と考えるストリンガー時代へ。ただ、生き残る、ということは変わり続けるということも真実だと思います。「日本から」「エレクトロニクス事業から」見たソニーが「米国から」「エンタテインメント事業から」見たソニーに変わっていく。ただ、その企業がソニーである必要はあるのでしょうか?しかし、平家と違って、まだソニーは滅亡していません。今日だってCLの決勝は"make.believe"の看板で埋まっていました。ウォークマン世代の自分としては、「時代は進化した、ソニーはどうですか?」と見つめて行きたいと思います。

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