【感想・ネタバレ】さよなら! 僕らのソニーのレビュー

あらすじ

「たしかなことは、かつてソニーのウォークマンにときめいたようなことは、もう二度と起こらないということである」(本文抜粋)。“技術のソニー”ブランドは、なぜ凋落してしまったのか? それを解くカギは、大賀、出井、ストリンガーと続く経営陣の知られざる暗闘にあった! 経営の失敗がいかに企業ブランドに影響を与えるか、他人事ではないその怖さを指摘。電子版のための加筆2章分を追加し、平井一夫新社長体制についても記述。ビジネスマン必読の一冊。

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Posted by ブクログ

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「技術のソニー」ブランドはいかにして凋落したのかを、ソニーの経営陣の動きから読み解いた本。

ソニー暗黒の低迷期とブランド失墜はなぜ起こったのか。本書を読むと、創業の理念からかけ離れていき、自己保身に走ろうとする経営陣が原因であることが見えてきます。

ムダには未来のために必要なムダ(先行投資)と、本当のムダ(不必要な出費)があります。ソニーの大きな失敗は先行投資までカットしたこと。

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2021年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

よく考察されていて、読んでいて面白かったです。
本ではソニーの経営陣が「エレキを捨てた」というネガティブな表現でしたが、物作り一辺倒ではソニーに未来は無いと考え、この大企業で大きく経営戦略変更した点、時代・市場の要求に合わせて会社を変えていこうとしている点で、その成果が上がっておらず、間違った方針変更だったとしても、すごいなと感心しました。ただ経営戦略を考えるとき、会社創設時から守ってきた軸までずらしてしまったように書かれていたので、この点が(ソニーに対して)残念だなと思いました。

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2013年05月22日

Posted by ブクログ

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面白かった!小さくても頭脳と技術の先鋭集団たることを目指していたソニーが、大きくなってダメになってしまった。その凋落の原因は、一言でいえば、「未来を切り開く技術」を失ったこと。
会社の規模がでかくなって、一つの失敗から受ける損失もでかくなると、守りに入る。時間もお金もかかる新しい技術開発よりも、いますぐお金になる既存領域の改善と新領域への進出。前者はコスト削減(リストラ、研究費カット、高品質削除と売れ筋商品(二番手商品)の大量販売・安売り、後者はソフトビジネス(映像・音楽)やちゃりんちゃりんビジネス(ソニー損保・ソニー銀行)の展開。でもこれって仕方ないことで、時代にあわせて会社も人もかわっていかざるを得ないんだと思う。
大事なことは、もう昔のソニーのままではいられなくなったということ。そして、次のソニーの進むべき道を探さなければいけないということ。アップルに負け、サムスン・LGに負けたソニーが次に進むべき道は、ほんとにもうエレクトロニクスではないのかもしれない。大変だな、、、ソニー。。。

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2013年04月28日

Posted by ブクログ

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トランジスタラジオ、ウォークマン、CDなど、世の中を変える魅力的な製品を生み出してきたソニーが、なぜ凋落していったかを問う本。
ソニーは90年代半ばから、目先の売り上げに固執してしまい、強みだった商品開発能力に影を落とすようになったという。確かに当時以前ほどソニー製品に魅力を感じなくなっていたし、ソニー神話の神通力が徐々に失われていったのだろう。ソニーのトップは、大賀、出井、そしてストリンガーへ変わっていくが、エレキ軽視、ネット偏重へと会社の方針は傾いていった。
出井氏がネット社会に対応した製品を打ち出せなかった理由の一つに、当時ソニーが抱えていた借金の返済に追われていたことがある。大賀社長時代、映画会社と音楽会社の買収で負った有利子負債が重荷になっていた。これら買収会社のアメリカ人経営者による乱脈経営は「ヒット&ラン」という本が出版されているという。
著者のストリンガー氏の評価は出井氏よりも厳しく、技術軽視、コストカッターとしてもの作りそのものに関心がないと評している。

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2012年10月22日

Posted by ブクログ

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日本を代表するメーカー、ソニー衰退の裏事情。
かつてのソニーは、高品質な製品を作る代表的な企業として有名だったが、創業者亡き後、徐々にその評判が低下し現在では普通の電機メーカーになってしまった。長年ソニーを取材し続けてきた著者は、経営の度重なる方針転換が現在の状況を招いたと考える。時代をリードする技術を持ちながら、それを製品に生かせなかったこと。時代の流れを読み切れず、ユーザーの志向の変化についていけなかったこと。創業時の指針に反し、メーカーでありながら、コンテンツビジネスを重視したことで、核となる収益手段を失ったことが要因と指摘する。経営者が会社を纏めきれないことも原因としている。
著者は、様々な問題を抱えて、昔のような優秀な製品を生み出すソニーは戻ってこないと考えている。
若い頃、ソニーの製品を買った人達は、みんな誇らしげでした。ソニーは高性能の代名詞で、高価でなかなか手が出ないので、持っている人が羨ましかった記憶があります。また、優秀な企業として、多くのビジネス書に成功例として採り上げられていたのを思い出します。しかし、創業者が相次いで亡くなった頃から、革新的な製品が出なくなり業績が悪くなってきている印象があります。この本を読むとその理由が判るような気がしました。

(追記)2021年現在、ソニーは大復活を遂げました。1兆円の利益を挙げて、この本に書かれた時代とは大きく変わりました。この本のタイトルは「さよなら、昔のソニー」に変えた方が良いかもしれません。ビジネス本は難しい、、。

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2012年05月18日

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