サージウスの死神

サージウスの死神

660円 (税込)

3pt

徹夜明けの仕事帰り、俺はビルの屋上から飛び降りてきた男となぜか目が合った。男はすぐに目の前のアスファルトの上でぐちゃぐちゃになった。警察の取り調べを受け、男の側頭部に3センチくらいの穴が開いていたと聞かされる。警察から解放された俺は、着替えを持ってきてくれた会社の同僚と地下カジノ「freeze」に繰り出すことにした。早速ルーレットへ。初日は負けたが俺はルーレットが気に入り、しばしばfreezeを訪れるようになる。300万円近く負けて俺は勝負に出た。そして預金のすべてを失った。会社にも行かず、俺は借金をしてルーレットに賭け続けた。ルーレット台にかじりつきホイールを凝視していると、突然影が落ちてきて数字の形になった。頭蓋骨から焔がこぼれ「26」という数字が見えた。一数字賭けに勝った。その後俺は家に戻らなくなった。カネは狩るものだと理解し、勝つことに徹底した。俺は賭けて、生きのびることができる。なぜなら、頭蓋骨のなかに「数」を飼っているからだ。あの男と目が合ってから……。

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サージウスの死神 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    文章の圧力が凄く、主人公の感情や描写をとても直接的に感じとることができ、常に作品に引き込まれていて気づいたら読み終わっていた。

    純文学という分野は今まであまり触れたことのない世界だったが、純文学特有の言葉選びや表現がとても新鮮で魅力的に感じた。

    作品自体もカジノがテーマではあるが現代社会や人間観

    0
    2025年11月26日

    Posted by ブクログ

    佐藤究のルーツを辿る。
    それは恐慌なる純文学。なぜだろう。妙に感情移入できてしまった。ただ、わたしは一切の賭け事に興味はない。……はず……。侵食。

    0
    2023年12月10日

    Posted by ブクログ

    佐藤究氏が「佐藤憲胤」名義で著したデビュー作。いわゆるギャンブル脳の描写であるとか狂気の描写が面白い。しかし、本作品にあるのは推敲のうえ作られた「狂った世界」であり「テスカトリポカ」のような緊張感や迫力にも欠ける。とはいえデビュー作ならではの熱量や良い意味で肩に力の入った筆圧が伝わってくる。

    0
    2023年02月20日

    Posted by ブクログ

    佐藤究氏の純文学作品。ただ、今後のエンタメ作品の感性も感じさせる描写が見られ、引き込まれるタイプの純文学に感じました。

    0
    2021年10月17日

    Posted by ブクログ

    著者は、純文学とエンターテイメントを併せ持ったものをつくっていると、どこかのインタビューを読んだことがある。たしかにこの作品の半分過ぎまではどんどんストーリーに引き込まれ、先が気になる展開であった。しかし、後半一気にたたみかけるように、深い世界へひきずり込んでいくところが、何かを主張するような、別の

    0
    2021年08月06日

    Posted by ブクログ

    2004年第47回群像新人文学賞優秀作
    佐藤憲胤名義での受賞作です。
    純文学の登竜門とされる賞を経て、しかし その後しばらく沈黙、エンタメ作家として『QJKJQ』『Ank』で再デビューします。こちらの作品は、いわば“最初のデビュー作”15年を経て文庫化されたものだそうです。

    解説には「文が短くて速

    0
    2025年09月27日

    Posted by ブクログ

    佐藤究のデビュー作。
    「QJKJQ」「アンク」「テスカトリポカ」を読んで
    独特の世界観を知ったつもりだったけど、このストーリーは、主人公や他のキャラクターのギャンブルに対する哲学が独特過ぎて、面食らった。
    佐藤究の言葉の繋ぎ方、表現がオリジナル過ぎていて、他に比べる小説家が思い浮かばない

    サージウ

    0
    2025年07月05日

    Posted by ブクログ

    純文学色が強い初期作、というかデビュー作
    読み慣れたエンタメ系の他作品とは違った趣
    ギャンブルで頭の中がグッチャグチャ、終始体調の悪い主人公
    文章から脂汗が滲んでくるようで
    読んでるこっちも具合が悪くなってくる

    0
    2025年04月30日

    Posted by ブクログ

    冒頭の独特な雰囲気と主人公がどんどん壊れていく展開を楽しめた。
    中盤以降話概念的な話が多くなるにつれて置いてけぼりにされている感覚が強くなってしまった。
    積読していたのを二日酔い気味の日に一気読みしたけれど、ある意味良いタイミングで読めたと思う。

    0
    2025年03月20日

    Posted by ブクログ

    主人公がギャンブルの世界にはまっていく話?
    一つ一つの文章のスピード感がすごくて一気に読んでしまった。
    どれが現実でどれが虚構で過去なのか未来なのか現実なのかすべてわからなかった。

    正直話の内容は理解できなかった。ただ、本を読み進めることを辞めたいとは最後まで思わなかった。

    0
    2025年02月24日

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