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売れっ子脚本家という立場を捨て、おしゃれを捨て、50代の妻子ある男、レオとの恋愛を選んだ33歳のモリ。ただレオがいて、楽しくおしゃべりして、美味しくご飯を食べる。3年続いているそんな生活が「幸福の極限」だった。幸せの絶頂は、永遠に続くのか。人生の本質を教えてくれる、恋愛小説。
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Posted by ブクログ
綱渡りの幸福に、はらはらしながら感情移入して、この作品も一気に読んでしまった。 切なくて胸がきゅんとなるんだけど、決して不幸せさは感じさせない、田辺聖子さんの作品が好きな理由かもしれない。
相変わらず、時代を感じさせない、田辺さんの作品。 角田さんの解説がまた、とっても共感できる。 山田詠美さんの解説もそうだったけれど、田辺本は、解説がこちらの気持ちを代弁してくれることが多い。 なので、解説を読み終えて改めて、読後の満足に浸れたりする。 ただ、この作品のラストは、今まで読んできた田辺...続きを読む本とは、ちょっとちがうかな。 わたしにとっては、ちょっと物足りないラストだった。 あれ?終わりなの?という感じ。 角田さんの解説が、足してくれました。
幸せってなんだ?
こんなに好きな人と巡り会えて、なんて幸せなんだろうと主人公のことを思ったけど、考え方を含めてその人に振り回されるのは、やっぱり嫌だな。 自分で選んだことでも…
何度か読んでる田辺聖子さんの一冊。 20才年上の妻子持ちの男の人と共棲みして3年、元売れっ子ライター33才のモリ。男性の好み通りに(自分もそうしたいと思って)仕事もセーブして出来るだけシンプルな暮らしを堪能していたのに、ムクムクと仕事欲というか人から評価されたい、外の世界を意識しだした途端、二人だけ...続きを読むの強固だと思ってた世界が崩れてしまう。 隠者のような愉悦な暮らしが3年経ったのと、モリがまだ33才というのと。仕方ないことなんだろうなぁ。
売れっ子脚本家だったモリ。50代の妻子持ち、レオと出会って仕事を減らし、彼との生活に没頭する。 この生活がまったりとしていて楽しげでゆるやかで、思わず「かくありたい」と思わせるところがお見事。 自分の価値観、彼の価値観、それがぴったりと一致して、二人の暮らしは桃源郷のようだ。 けれどもそれが崩れ始...続きを読むめる。 物書きとしてのモリの欲求、認められたいという思い。 レオとの仲は軋み、不穏な空気が漂い始めたところで物語は唐突に終わる。 実際に「カモカのおっちゃん」との暮らしを大切にしていた著者にとって、それ以上は書けなかったというのが本当のところかもしれない。書いたら現実になってしまう、つるかめつるかめ、と背中を丸めて指に息を吹きかける、少女のような著者の姿が目に浮かぶ。けれどもその小さな体の中には、「書きたい」という欲求が、とめようもなくあふれていたのではないだろうか。
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