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満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは、38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは――。不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる全7篇を収録。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
すとんと腑に落ちる。 悲しくも不思議で、どこかあたたかい。 的確なことばづかいで読みやすく、やさしい気持ちになれる短編集。
不器用だけど、人間味溢れる人々のちょっといい話ばかりを集めた珠玉の短編集。 登場人物の個性になんとも味がある。まるで古典落語の世界のようだ。街の匂いや人の匂いが文章から漂ってくる。人間描写の巧さは特筆である。 お気に入りは「おかえり、ボギー」。こんな泥臭い純愛ストーリーは今時流行らないかもしれないが...続きを読む、この気持ちは日本人しか持てないだろうし、理解もできないだろう。ジュリーの「カサブランカ・ダンディー」って、この世代は絶対真似したよ。
あとがきによると大人向けの『おとぎ話』を書きたかったと書いてあった。ある程度の大人なら、きっと経験した事があるだろう人生の哀しいシーンをテーマに書かれた短編集である。 表題作の『嫁の遺言』は、嫁の死で、僅か三年間で結婚生活を終えた男と嫁の物語。残された男の胸に小石のように残った嫁の遺言… 個人的...続きを読むには『あんた』と『窓の中の日曜日』が良かった。『窓の中の日曜日』は自分の過去の経験と重なるものがあり、涙腺が緩んだ。
「いちばんめ」が好き。自分の高校時代を思い出したりして、キュンとなった。どの話も、大なり小なり切ないなーっていう印象がある短編集だったな。
死んだ妻と残された夫、互いに一番目だった初恋の相手、母が一生大事にしている思い、娘を思う不器用な父の愛、不幸になるとわかっていながらそばにいたいと思う気持ち、離婚して手放した娘への母の思い、不器用で意地っぱりな娘の幸せを後押しする父の愛。7つの短編は、どこにでもある市井の人々の人情や思いやりを、軽い...続きを読む笑いで包みながら描き出す。 笑って泣ける、泣けて笑える、そして読後にさわやかな余韻が残る物語。読んだ人それぞれに一番好きな作品があるような、珠玉の短編集。 もっとカトゲン作品を読みたくなった。
華々しいハッピーエンドはない作品集。 そこはかとなく、不幸せ感が漂うが、不幸なのかというとそうでもない。 人はそれぞれ、様々な価値観で生きているのだ。 『あの人への年賀状』が、一番好き。
良いお話でした! 良いお話が7つ入っています! 例えばレストランで美味しいサラダが7種類出てきたら、後半イヤになりますよね! 正直、そんな感じでした 読むの飽きてくるの! でも、不器用だけど人情味溢れ、人間が一層いとおしく感じる7篇が入っていると、帯には書いてありますから。。。
人の気持ちって、そう簡単にはわからないものだし、また逆にそう簡単に気持ちを伝えられないものだよなぁ…と思ってしまう短編集。 味わい深い話も有。 2014.3.21
嫁の遺言ほか6つの短編がおさめられている。どの作品も良かったけど、特に好きな作品は『いちばんめ』と『あの人への年賀状』『窓の中の日曜日』かな。つぎは『泣きながら、呼んだ人』を手にとってみたい。地元の本屋のさわや書店フェザン店の方が解説されてて驚いた。
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嫁の遺言
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加藤元
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