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ミスコン女王が殺された
シンフルの町に着くなり巻きこまれた騒動にケリをつけ、当初の計画どおり静かに暮らそうとしたCIA秘密工作員フォーチュンの決意を、一本の電話が打ち砕く。ハリウッドに行った元ミスコン女王パンジーが帰ってきたのだ。折しも夏祭りのメインイベントが子どもミスコンに決まり、元ミスコン女王という経歴に偽装しているフォーチュンは、パンジーと共同で運営を任されるが、大衝突をしてしまう。その翌日パンジーが殺されたことを知ったフォーチュンと地元婦人会コンビは、疑いを晴らすため動きだす……暴走が止まらない、痛快度大増量の第2弾!/解説=大矢博子 -
マーキングブルース
――あなたの知らないところから、 猫は見ている。人の心の闇の中を。 猫好きでエッセイストとしても活躍する女優・室井滋が 初めて紡いだ“猫”と“女”の不思議な物語。 第1夜 猫随想「深夜の訪問者」 猫物語「帰省」 第2夜 猫随想「可愛い仔がお家で待ってます」 猫物語「クリスマス、タクシーで」 第3夜 猫随想「真夜中のチラシ」 猫物語「29番の猫」 第4夜 猫随想「美容師A子、かく語りき」 猫物語「若いうちから猫と暮らすと……」 第5夜 猫随想「あの仔のためならどこまでも」 猫物語「粉雪の舞う夜に」 第6夜 猫随想「シゲルとチビ その愛の形」 猫物語「ぼくは繋がれし者」 第7夜 猫随想「大切にしよう“ネコ”と“エコ”」 猫物語「男一匹、松岡!」 -
オカンといっしょ
〈人間関係不得意〉 伝説のハガキ職人が自らの生い立ちを赤裸々に綴った型破りな青春家族小説! 僕は父の顔を知らない。気がついたら、オカンとふたり。 すぐ新作のオッサン(新しい男)を家に連れてくる、オカン。 「別に、二人のままで、ええやんけ!」 切なさを振り切るように、子どもの頃からひたすら「笑い」を摂取し、さみしさも、情熱も、性欲も、すべてをネタにして生きてきた。 本書は、いまなお抜けられない暗路を行くツチヤタカユキの赤裸々な記録であり、母と息子、不器用でイカれたふたりの泣き笑い、そのすべてが詰まった愛すべき青春家族小説である -
日曜の午後はミステリ作家とお茶を
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」そう宣言しているミステリ作家のシャンクス。しかし実際は、彼はロマンス作家である妻のコーラと一緒にいくつもの謎や事件に遭遇し、推理を披露して見事解決に導いているのだ。取材を受けているときに犯罪の発生を見抜いたり、殺人容疑で捕まった友人のため真相を探ったり、犯人当てイベント中に起きた『マルタの鷹』初版本盗難事件に挑んだり、講演を依頼された大学で殺人事件に巻き込まれたり……。結婚20年余りになる作家夫妻の日常と謎解き。図書館司書の著者が贈る連作ミステリ短編集。/解説=大矢博子 -
イレーナ、失われた力
新章開幕!死刑囚の日々から8年――いま、新たなる試煉が始まる。 国の最高司令官の毒見役となって、死刑を免れた日から8年――いまでは敵対国との間を繋ぐ連絡官を務めるイレーナだが、ある夜事件は起きた。何者かに毒矢で射られ、いっさいの魔力を失ったのだ。絶体絶命の窮地に陥ったイレーナ。頼みの綱のヴァレクもまた、長年固い絆で結ばれていた最高司令官との関係に、いま暗雲がたちこめ……。新たな敵、試される信頼と裏切り。〈霊魂の探しびと篇〉開幕!■『毒見師イレーナ』ラジオドラマ化決定!NHK-FM 青春アドベンチャーにて2018年1月29日より放送開始予定! -
修道女フィデルマの挑戦 修道女フィデルマ短編集
法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマ。彼女がまだ修道女になる前、モラン師が学院長をつとめるタラの学問所に入学した時に出合った、フィデルマ最初の事件「化粧ポウチ」、フィデルマが学問所の最終試験として出された事件の謎を解く「痣」、ドーリィーの資格を得、修道女になってからの事件、三晩続けて聞かれた死を告げるバンシーの声の正体「バンシー」、有名なローマ第九ヒスパニア軍団の鷲の謎にフィデルマが挑む「消えた鷲」など全6編を収録。若き日のフィデルマに会える、人気シリーズ日本オリジナル短編集第4弾。/解説=大矢博子 -
ずっとあなたが好きでした
「二度読み必至」を超えた、三度読み推奨ミステリー! あなたはこの企みを見抜けるか!? 年齢を偽ってスーパーでアルバイトする中学生の大和。バイト仲間の高校生・三千穂といい雰囲気になったが、正社員の宗像主任が露骨に2人の邪魔をする(「ずっとあなたが好きでした」)。 脱サラして立ち上げた会社が倒産、妻にも逃げられた五十嵐は、富士の樹海でネットの自殺サイトで知り合った男女と集団自殺をはかるドライブに出る。しかし、自殺仲間の一人、仁木智子に恋心を抱いていることに気づき(「黄泉路より」)。 弓木が通う小樽の小学校に東京から転校生がやってきた。人形のようにかわいく、裕福な生活を送る有坂弥生。風邪で休んだ弥生にプリントを届けにいった弓木は、彼女の部屋にも入る機会を得たのだが、思いがけずネックレスを持ち出してしまい……(「遠い初恋」)など13作を収録。 恋をめぐる小説集……だが? サプライズ・ミステリーの名手が書く恋愛小説集が一筋縄でいくはずがない! この企みに気づいた瞬間、あなたはまた最初から読み直したくなる。 解説:大矢博子 -
犯罪心理捜査官セバスチャン 少女
父親、母親、そしてふたりの息子。その家では一家四人が無残な死体で発見された。凶器は散弾銃、怪しい人物はすぐに挙がった。違法狩猟をめぐって、殺害された一家ともめていた男がいたのだ。だが、事件への関与を証明するのは困難。現場のトシュビー市の市長の夫で、捜査責任者のエリック・フロディーン警部は外部から応援を要請する決心をした。昇進したての彼は、なんとしてでも早急に事件を解決し、自分の昇進が妻のコネではないことを証明したかった。そこで呼ばれた最高の人材、それがトルケル率いる国家刑事警察殺人捜査特別班だった。凄腕の迷惑捜査官、本領発揮! 人気シリーズ第4弾。 -
キリング・ゲーム
ディーヴァーの後継者、カーリイの超絶ミステリー登場。まったくつながりのない連続殺人の謎を解け。 街で連続殺人が起こっていた。しかし凶器も手口もバラバラ、被害者同士にもつながりはまったくない。ただ現場に1セント硬貨が残されていることだけが共通していた。被害者をランダムに選ぶ動機なき殺人なのか? やがて犯人がカーソンを名指しで警察に挑戦状を送りつけてくるに及び、事件は警察の威信をかけたものとなる。過去の経験から「動機なき無差別殺人」などないと信じるカーソンだったが、突破口は一向に見えてこず、被害者の遺族の悲しみに向き合うことしかできなかった。 一方、殺人犯は微細な証拠も残さぬように細心の注意を払って殺人を遂行していた。ルーマニアの独裁政権下で心理実験のモルモットとされた過去を持つ男の狙いはいったい何か。 「このミス」「週刊文春ミステリーベスト10」などランキング常連のミステリー作家が超絶技巧で放ったシリーズ随一のはなれわざ。意外な動機は、巧妙に敷かれた伏線とエピソードの網の目に隠されて、あなたの目の前にある! -
逆向誘拐
誘拐ミステリーに新風を吹き込む、香港生まれ、カナダ在住の女性ミステリ作家登場。第3回島田荘司推理小説賞受賞作! 投資銀行A&Bに、クライアントである家電製品ソフトウェア開発企業・クインテスの極秘財務資料を誘拐したとのメールが届く。その財務データは、CHOK(Continuous Harmonization of Kinetics)という企画に関連したものであるらしい。 情報システム部のエンジニア植嶝仁の調査によって、そのメールはA&B社内のルータを介して送信されたものであることが判明する。犯人はA&Bの関係部署の人間なのか? 身代金受け渡しは二日後に迫っている。 再び犯人からメールが届き、そこには奇想天外な身代金の受け渡し方法が記されていた。ネットオークションに200の食品を出したので、それに入札しろという。しかしこんな少額の決済で犯人は満足できるのだろうか? 身代金が目的ではないとしたら、犯人の目的は何なのか? 機密データの流出でクインテスの評価を失墜させ、株価を操作しようという魂胆なのか? 植嶝仁は華僑系財閥の御曹司であり、父の会社はCHOKに関する投資信託にも関与しているらしい。事件が明るみにでれば、父の会社の損失も計り知れない。出品者の足取りを追う警察――しかしその捜査もむなしく、犯人は捕まらないままオークションの取引は成立。混迷の中、植嶝仁は真犯人の狙いを突き止めることができるのか? 巨大ビジネスの世界を舞台にネット社会の盲点を突く身代金受け渡しのトリックと、ラストで鮮やかに反転する誘拐の構図。抜群のミステリーセンスが光るアジアミステリーのニューウェーブです。 -
幻肢
島田荘司作品中、初めて映画化された青春ミステリーの傑作! 病院で目覚めた医大生・糸永遥は自分の名前さえ思い出せず、思い出せたのは恋人の雅人の名前だけ。交通事故を起こして大怪我をし、ERに運び込まれた遥は、一過性全健忘によりほとんどの記憶を失ったのだった。 治療の結果、徐々に記憶は回復していくが、事故当時の状況だけがどうしても思い出せない。車に同乗していたはずの雅人の安否もわからず、不安と焦燥で遥はうつ病を発症し自殺未遂を起こす。うつ病の治療のためTMS(経頭蓋磁気刺激法)を受けるが、治療直後から雅人の幻を見るようになる。幻の恋人とデートを重ねる遥は、やがてTMSなしではいられなくなっていく……。 男女のナイーヴな恋愛感情が織りなすミステリー。小説版は映画版とは男女の役どころが入れ替わっている。 -
ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊
「知の巨人」立花隆と「知の怪物」佐藤優が作り上げた空前絶後のブックリスト! まず「ブックリスト1」では、21世紀を生きるための教養書を、書斎の本棚からお互いが100冊選んだ。 「私は年齢は四十歳から五十歳ぐらいで、「教育」の現場に携わる人を思い浮かべて百冊リストを作りました。「教育」というのは学校教育だけでなく企業や役所での教育を含みます」(佐藤) 「二十一世紀はインターネット時代でもある。しかし、ネットで最先端の情報に辿り着き、わかるためには、評価が定まった基礎的な本をまず読んでおかなければならない。そうでないと、そもそも検索エンジンにどういうキーワードを入れていいかわからないはず」(立花) ついで「ブックリスト2」では書店にある文庫・新書からお互いに100冊ずつ選んだ。 「意識したのは、二十代、三十代のがっついたビジネス・パーソン。武器として本を使う人を念頭において、徹底的に実用性を重視しました」(佐藤) 「万巻の書を読みつくせる人はいません。結局は、人生の残り時間を確認しながら、最大の成果を得られるように計画を作るしかない。そのとき、知識の系統樹が頭に入っていることが大切です」(立花) 博覧強記の二人が400冊もの膨大な愛読書を持ち寄り、古典の読み方から、仕事術、インテリジェンスの技法から、戦争論、歴史、宗教、科学を縦横無尽に語り、知性の磨きかたを徹底指南する。 -
トレント最後の事件
アメリカ実業界の巨人マンダースンが、イギリスにある別邸で頭を撃たれ殺害された。突然の死を受け、ウォール街はじめ世界の投機市場は大混乱に陥る。画家にして名探偵のトレントは懇意の新聞社主に依頼され、この事件を解決して記事にするべく、特派員として現地に赴いた。そこで彼は最重要容疑者である、被害者の美しき妻メイベルと出会うのだった。盟友チェスタトンに捧げられた本書は、独創的な大トリックを有し、恋愛の要素をミステリに持ちこみ成功している。推理小説を旧来の型より大きく前進させ、黄金時代の黎明を告げた記念碑的名作。/解説=杉江松恋 -
ルート66
完璧な美貌の天才ハッカー、ニューヨーク市警刑事キャシー・マロリー。彼女の家の居間に女の死体が一体。それなのに部屋の主は行方不明。自殺ととれないことはないが、マロリーが殺していないとも言いきれない。マロリーはいったいどこに行ったのか? 相棒のライカーはクレジットカードの利用記録から、彼女のあとを追う。マロリーが改造したフォルクスワーゲンを飛ばしているのはルート66、別名マザー・ロードとも呼ばれる道だ。自分が生まれる前に書かれた古い手紙をたよりに辿る彼女の旅が、ルート66上で起きた奇怪な殺人事件と交差する。 -
ペナンブラ氏の24時間書店
失業中だったぼくが、ふとしたきっかけで働くことになった〈ミスター・ペナンブラの二十四時間書店〉は変わった店だった。まったく繁盛していないのに店名どおり24時間営業で、梯子つきの高い高い棚には、Google検索でもヒットしない謎の本がぎっしり詰まっているのだ。どうやら暗号で書かれているらしいそれらの本の解読に、ぼくは友人たちの力を借りてこっそり挑むが、それは五百年越しの謎を解き明かす旅の始まりだった──すべての本好き、読書好きに贈る冒険と友情、その他もろもろ盛りだくさんの物語。全米図書館協会アレックス賞受賞作。/解説=米光一成 -
ハリー・クバート事件
【驚異のメガヒット! 徹夜の覚悟なしに読み始めないで下さい!!】デビュー作の大ヒットで一躍ベストセラー作家となったマーカス・ゴールドマンは、第二作の執筆に行き詰まり、大学の恩師で国民的作家、ハリー・クバートに悩みを打ち明け助言を求めていた。しかし、そのハリー・クバートが、33年前に失踪した美少女ノラ殺害の容疑で逮捕されてしまう。彼の家の庭に埋められていたノラの白骨死体が発見されたのだ! 師の無実を信じるマーカスは、事件について独自に調べはじめ、それを師に教えられた小説作法に従って、一冊の本にまとめあげることにしたのだったが……。驚異の新人による傑作! -
虚擬街頭漂流記
第一回島田荘司推理小説賞受賞作 2020年、台湾政府は大地震の被害で寂れた台北きっての繁華街・西門町をネット上に仮想都市として再建する計画を進めていた。仮想都市=ヴァーチャストリートの制作に携わるエンジニア・顔 露華はシステムのバグを点検するため、上司の大山とともにヴァーチャストリートへ進入し、謎の男の撲殺死体を発見する。 仮想空間でその人間に起った出来事は、特殊なスーツを装着することで現実の人体にも反映される。つまり、現実世界でもその男は殺されたのだ。だが、殺人が起った時間帯にヴァーチャストリートに存在したのは露華と大山のみ。しかも二人には完璧なアリバイが? SF的設定の中に構築された高度なトリックと、結末に思わず涙する感動のストーリー。アジアから逆輸入された21世紀本格ミステリーの傑作登場。 -
ぼくは漫画大王
第三回島田荘司推理小説賞受賞! 注目の台湾ミステリー 物語は第十二章から始まる。家出していた妻が自宅に戻ると、夫が殺され息子の健ちゃんは密室に閉じ込められていた……。 話は第一章に戻り、奇数章はライバル“太っ許(ふとっきょ)”と漫画大王の座を争う小学生・健ちゃん、偶数章は少年時代に起きた事件のトラウマで鬱々とした人生を送っている妻子持ちの方志宏(ほうしこう)という男を主人公に、二つの視点から語られてゆく。殺人事件の真犯人は誰? 懐かしき日本の漫画と、1970年代から80年代にかけての台湾の空気を盛り込んだ、企みに満ちた本格ミステリー。 -
猫が死体を連れてきた
身を切るような秋風がたちはじめたバラクラヴァ。新たな騒動の始まりを告げたのは、シャンディ教授の家政婦ミセス・ローマックスの飼い猫、エドモンドがくわえてきたかつらだった。持ち主にしてローマックス家の下宿人でもあるアングレー名誉教授に返却すべくさがしに出かけると、当の本人は博物館(になる予定のクラブハウス)の裏手で冷たくなっていた。第一発見者になったミセス・ローマックスの要請で駆けつけたシャンディ教授が少し調べただけで、不審な点がいくつも見つかり……? 農業大学の町が舞台の、明るく楽しいシリーズ第4弾。/解説=澤木喬 -
イナカ川柳 農作業 しなくてよいは ウソだった
都会への憧れ、くどい人間関係、楽しみは街道沿いのチェーン店……。 コラム誌としても人気の高い「TV Bros.」の人気投稿企画「イナカ川柳」が一冊に! 都会からは考えられない田舎のいまを、ときに憎しみを、ときに愛情を、ときに哀切を持って描き出す川柳コーナー。 約10年にわたる連載から、傑作・怪作・珍作を精選、約400句を一挙収録! ・プチ家出 街まで100キロ プチじゃない ・ごじゃっぺを 言ってんじゃねえよ デレスケが ・今日だけで ジャンボ尾崎を 5人見た ・西友と ジャスコとサティと 西友と ・寒いとか そんなレベルの 話じゃねえ ・気がつけば 隣の嫁は 外国人 ・用水路 プカプカ浮かぶ クロックス ・猪は 速い固い 止まらない ・スナックで ママと社長が メルトダウン 東京周辺に住む人たちは人口の1/4にすぎません。この本には3/4の日本人のあるあるネタが揃っています! -
ヴァイキング、ヴァイキング
バラクラヴァ郡の地元紙記者クロンカイトは、105歳の誕生日をひかえた女性ヒルダのインタヴューに農場を訪れたあと、近くにあるルーン石碑を見にいこうとして、偶然、作男の怪しい死亡事故に遭遇する。その後、彼がくだんの石碑のことを大々的に報じるや、やじ馬が大挙して押しよせ、農場一帯は混乱の極みに。さらに第二、第三の“事故”が起き、石碑をたてたヴァイキングの呪いか? とささやかれるなか、シャンディ教授はまたしても右往左往するはめになりつつも、事件解決をめざす。温かなユーモアが満載の、心の底から楽しめる傑作ミステリ第3弾。/解説=宮脇孝雄 -
氷の家
フレッド・フィリプスが走っている……その言葉は八月の静かな午後、さながら牧師のお茶会で誰かが発したおならのように鳴りひびいた。庭師を周章狼狽させたのは、邸の氷室に鎮座していた無惨な死骸――性別は男。だが、胴体を何ものかに食い荒らされたその死骸は、人々の嘔吐を誘うばかりで、いっこうに素姓を明示しようとしない。はたして彼は何者なのか? 迷走する推理と精妙な人物造形が読む者を八幡の藪知らずに彷徨わせ、伝統的な探偵小説に織りこまれた洞察の数々が清冽な感動を呼ぶ。新しい古典と言うにふさわしい、まさに斬新な物語。英国推理作家協会最優秀新人賞受賞作!/解説=巽昌章 -
大好き!
「将来、世界的に有名な歌手になるあたしで、ドキュメンタリー映画を撮ってよ」。中学一年生ながら既に10年のキャリアを持つバレエダンサーの道を諦めて、歌手になるという新たな夢を抱いた方城悠月。主人公、稲村平も将来は映画監督になりたいと思っていた。悠月の理想通りにライブは成功するのか? 平の映画は? そして中学生男女の初々しい恋はどんな軌跡を描き、どのような場所に着地するのか? 2人の夢が交差する……。ドリカムの楽曲「うれしい!楽しい!大好き!」にインスパイアされた青春小説。『OtoBon ソングノベルズ大賞~音楽を感じる小説~DREAMS COME TRUE編』の【入選】受賞作品。 -
にぎやかな眠り
特徴といえば農業大学があることくらいの田舎町バラクラヴァ。この町が活気づく季節――クリスマスが今年もやってきた。ふだんは静かな町全体がクリスマス仕様に彩られ、見物客の大群が押し寄せる季節が。毎年くりかえされる大騒ぎにうんざりしていた大学教授のシャンディは、とてつもなく派手なイルミネーションで自宅を飾りつけて妨害を試みるが、それが事件を招いてしまう。休暇の船旅を早めに切りあげた教授がわが家で目にしたのは、親友の妻の死体だった……! アガサ賞生涯功労賞作家の出世作となった、万人に愛された傑作シリーズ第1弾。/解説=浅羽莢子 -
助手席のチェット
リトル探偵事務所にある母親から持ち込まれた事件は高校生の娘の失踪だった。元刑事でバツイチの探偵バーニー・リトルは誘拐事件と判断、相棒の大型犬チェットと調査を開始したが、身代金要求はない。父親は単なる家出としてバーニーを解雇してしまう! 警察犬訓練所を優秀な成績で卒業、はできなかったが、それでも優秀な相棒犬チェットは、おのれの嗅覚を信じ、危険もかえりみず、バーニーをサポートする。チェットが犬の視点、犬の心ですべてを語り全世界の犬好きの心を鷲掴みにした史上最強の犬ミステリ『ぼくの名はチェット』(単行本版)改題。/解説=杉江松恋 -
ユダの窓
一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。話の途中で気を失ったアンズウェルが目を覚ましたとき、密室内にいたのは胸に矢を突き立てられて事切れたヒュームと自分だけだった――。殺人の被疑者となったアンズウェルは中央刑事裁判所で裁かれることとなり、ヘンリ・メリヴェール卿が弁護に当たる。被告人の立場は圧倒的に不利、十数年ぶりの法廷に立つH・M卿に勝算はあるのか。法廷ものとして謎解きとして、間然するところのない本格ミステリの絶品。/座談会 ジョン・ディクスン・カーの魅力=瀬戸川猛資、鏡明、北村薫、斎藤嘉久、戸川安宣(司会)/本座談会と『ユダの窓』について=戸川安宣 -
偽証裁判
1857年10月、ヘスターは新たな仕事を得た。エディンバラの名家の女主人メアリが夜行列車でロンドンを訪れ、数日滞在したのちに帰宅する予定で、その間の付き添いを請け負ったのだ。彼女は高齢で心臓に持病があり、薬の飲み忘れは命に関わる。経験豊富な看護婦であるヘスターは車中で指示通りに薬を飲ませたが、翌朝、メアリはこときれていた。身に覚えのない殺人の罪で起訴されてしまったヘスターの絞首刑を防ぐには、裁判で無実を証明するしかない。私立探偵モンクは真犯人を見つけるべく捜査を開始する。緊迫感に満ち満ちた傑作法廷ミステリ! -
後宮の筆跡鑑定官
カクヨム恋愛小説大賞【ナツガタリ'25】異世界で働く女性の恋部門《大賞》受賞作。 極東大陸の雄たる玄国の後宮にて、公文書の真贋と検閲を担う特殊機関――筆録房。その主である深玉は筆跡鑑定が専門で、書かれた文字から性格までも読み解く変わり者。 そんな彼女に、ある日一通の遺書が届く。謎めいた美貌の官吏・夏丞と共にやって来たその遺書は、後宮で自死したある寵妃のもので――。 最初は真贋の鑑定だけのはずだった。だが、後宮で連鎖する不審死に、囁かれる呪いの噂。遺書に託された暗号(メッセージ)に気付いた深玉は、徐々に寵妃の死の真相に近づいていく。 筆跡鑑定が専門の検閲女官×謎多き美貌の官吏が挑む、中華後宮ミステリ! ◆◆◆登場人物◆◆◆ 【陶深玉(とうしんぎょく)】 玄国の後宮で筆跡鑑定が専門の検閲女官。公文書の真贋を担う筆録房の主を務める。人が嫌いで筆録房に引きこもりがち。 【姚夏丞(ようかじょう)】 巧みな話術と美貌を持つ謎多き男。外廷の官吏として深玉に遺書の鑑定を依頼してきたが、その本心は――。 -
花乃香町のオオカミ花屋
触れた人の心の痛みを感じる力を持つ大学生の咲彩は、ある日不思議な三兄弟と出会う。手が触れても何も伝わってこない彼らは実は「狼混じり」という、狼に姿を変えることができる者たちだった。町の片隅でひっそりと花屋を営む彼らの正体を知ってしまった咲彩は、ひょんなことから花屋を手伝うことになる。しかし花屋を訪れるのは、困りごとを抱えた人たちで――。 -
死に戻り雑草令嬢は愛する旦那様と別れたい
\!「カクヨム恋愛小説大賞【ナツガタリ'25】異世界で働く女性の恋部門」《特別賞》受賞作!/ もうあの手に触れられなくてもいい。もう二度と会えなくてもかまわない。 ──だから、ローレンス様に生きていてほしい。 ローレンス様を喪うくらいなら、私の恋は叶わなくていい。 貧乏男爵家の娘・サラは完璧な美貌を持つ若き公爵・ローレンスと結婚し、愛される幸せな日々を送っていた。しかし、事故に遭い彼はサラを庇って絶命してしまう。 絶望の中サラが目を覚ますとそこは彼と出会う前の 世界だった。二度と愛する彼を不幸にしないため、今世はひっそりと生きようとするサラ。でも、彼女の前になぜか再びローレンスが現れ、甘く執拗に求めてきて……? 絶対に結ばれてはいけない二人の、胸焦がれる死に戻りラブストーリー! -
第四太子の教育係
「閨教育なら受けてやってもいいけど?」 「貴方には不要です。第四太子の子種など無駄ですから」 30歳にして女史長を務める優秀な女官・小琳は、呆子(アホ)殿下と悪名高い第四太子・成嵐の教育係を命じられる。国宝級の美貌ながら遊び人で将来性がないと冷遇される成嵐は、小琳の講義を受ける気など一切ナシ。しかし成嵐は、とある理由で愚か者のふりをしていただけで――。 成嵐の才を見抜き、教え導こうとする小琳。その一方、宮中では獣の不審死や体調を崩す者が増えたりと、異変が起こりはじめて……!? 堅物エリート女官と悪名高いダメ殿下。凸凹師弟が宮中の事件を解決する、大注目の痛快・中華風ファンタジー開幕! 【主な登場人物】 ・小琳 30歳。優秀な女史長で多くの教え子を育ててきた。一度聞いたことは忘れないという特技を持つ。 ・成嵐 22歳。第四太子で、数々の教育係が逃げ出してきた問題児。訳あって優秀なことを隠している。 -
ザ・ミッション
球団広報の奮闘を描く 堂場野球小説の真骨頂! 食品会社からプロ野球「横浜パイレーツ」広報部へ出向した三上。 古巣に復帰した元大リーガー石岡の専属広報となり、引退後の監督就任へと導くのが、彼に課された極秘任務(ミッション)だ。 打撃絶好調の石岡はなぜか取材拒否を貫き、三上は番記者との間で板挟みに。 チーム内にも不穏な空気が漂う。石岡の不可解な行動の真意は? 三上は業務を完遂できるのか!? 巻末に、現役球団広報・横浜ベイスターズ小泉匡さんと、本作品著者・堂場瞬一さんとの対談を掲載。 プロ野球界を陰で支える広報業務のリアルな舞台裏に迫ります。小説本編と合わせ、ぜひお楽しみください! -
D列車でいこう〈新装版〉
2007年上半期「本の雑誌」ベスト10! 累計55万部のベストセラー 「終電の神様」の著者が贈る 読めば元気になるお仕事小説! 奇抜なアイデアと熱い思いで 廃線寸前のローカル線を救え! 出向を打診され悩んでいた銀行支店長の河原崎は、偶然訪れた 広島県の第三セクター・山花線で、元官僚で撮り鉄の 中年鉄道マニア・田中と出会う。 開業以来赤字続きで廃線が決まった山花線を救いたいという 田中の夢に心を動かされた河原崎は銀行を退職。 才色兼備でMBA取得の部下・由希を誘い、田中と三人で会社を設立、 山花町へやってきた。 奇抜なアイデアで町民たちを巻き込んで、いざ、山花線再建へ! -
読めない人のための村上春樹入門
「今さら読み始めるのはちょっと……」という人へ 日本最大の現役作家であり、何十カ国語にも翻訳されて文学賞も多数受賞している村上春樹は、国内では「今さら読み始められない」「読んではみたが消化不良」「設定が非現実的で苦手」とも言われてきた。本書は村上研究で博士号を取得した著者が、一般読者向けにごく読みやすい文章で、村上作品へのよくある誤解を解きつつ、どう読めば現代人にとって得るものがあるのかを示す。村上がデビューから一貫して「自由の困難さ」を描いてきたことを指摘し、『ノルウェイの森』や『1Q84』などのベストセラーから「ドライブ・マイ・カー」などの短編、エッセイやインタビューに至るまで幅広く紹介して未読者にも興味を抱かせる、新鮮な入門書。 【内容】 はじめに 苦しみ悩む人々に寄り添い、人生と向き合えるよう背中を押す文学 第一章 村上春樹の読まれ方 ――批評的読解と世界的共感 第二章 村上春樹が考える「自由」とは何か ――地下鉄サリン事件と「単純な物語」 第三章 「橋を焼いた」作家 ――三つの習慣と「意識の整え方」 第四章 『ノルウェイの森』と『1Q84』 ――ベストセラーの“謎”を解く 第五章 諸刃の剣としての「想像力」 ――「かえるくん」「ドライブ・マイ・カー」「海辺のカフカ」 第六章 資本主義社会をどう生きるか ――「交換」から「象」へ おわりに 自ら作った壁に向き合う -
イグジット
まもなく国家の財政は破綻します! 出版社の営業・池内貴弘は急な異動で月刊誌の経済担当に。新たな職場に戸惑う最中、叔母から不動産運用に関して相談を受ける。執拗に融資を持ちかける担当者は、なんと仙台の地銀に勤務する池内の元恋人だった。 池内は面会するも、直後に彼女は自殺してしまう。一体なぜ? 周辺取材から見えてきたのは苦境の地銀と、過酷なノルマだった。彼女はその処方箋を求めて、ある男に会っていたという。 古賀遼、人は彼を金融界の掃除屋と呼ぶ。政界の重鎮の命を受け、日銀総裁人事にも関与していたようだ。池内は、古賀の暗躍を白日のもとに晒そうと奔走するが――。 この小説は経済記事よりリアルだ――解説・原真人氏(朝日新聞編集委員) -
9月9日9時9分
家族と愛をめぐる難題に挑む鮮烈な傑作長編! タイ・バンコクからの帰国子女である高校1年生の漣は、通学中の痴漢や思いやりに欠ける日本の日常に馴染めず、心細さを感じていた。家に帰れば、理解あるやさしい両親と大好きな姉が漣を心配してくれている。だが、姉は離婚をしてから、人が変わってしまった。そんななか、高校の渡り廊下で出会った先輩に、漣の心は一瞬で囚われてしまう。やっと見つけた自分の居場所に、高まる気持ちを抑えることができない漣だったが、あるとき漣は、彼との恋が漣の家族を傷つけるものであることに気がついてしまう。大切な家族のために、別れるべきなのかもしれない。でも、自分の幸せを優先することは、そんなにいけないことなのだろうか。漣は家族と自分の幸せのため、新たな未来を探す覚悟を決める。初恋と青春を捧げ、漣が導き出した答えとは……。バンコクに住んでいた著者が描くタイの描写は圧巻! 気鋭の作家が、高校生のみずみずしい視点で家族と愛をめぐる難題に挑む傑作長編、待望の文庫化! ※この作品は単行本版『9月9日9時9分』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
無痛の子 FEAR NOTHING
手負いの女刑事が謎に迫る傑作サスペンス! 自宅のベッドで殺された女性の遺体からは、小さな皮膚片がいくつも剥がされ、持ち去れていた。現場を検証していたボストン市警殺人課の女刑事D・D・ウォレンは、何者かの気配を感じたはずみに階段から転落し、左肩に大怪我を負う。リハビリ中、ペインコントロールのためにクリニックを訪れたD・Dは、精神科医の女性アデラインに出会う。先天性無痛性であるが故に「痛み」を専門にした、という彼女。その矢先、第二の事件が発生した。ふたつの事件の類似性を辿ると、やがて40年以上前の連続殺人事件が浮かび上がる。その犯人はアデラインの実父であり、さらに彼女の姉もまた14歳で初めての殺人を犯し服役中だった――。 大好評D・D・ウォレンシリーズ『棺の女』の前日譚。残酷な運命の下に生まれた女医と、執念を燃やす手負いの女刑事のドラマティックすぎる傑作サスペンス!
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