失踪当時の服装は

失踪当時の服装は

小説・文芸
1,018円 (税込)

5pt

1950年3月。アメリカのマサチューセッツ州にあるパーカー・カレッジの一年生、ローウェル・ミッチェルが失踪した。彼女は美しく成績優秀な学生で、男性とのうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが、部下とともに捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由も、彼女の行方もまったくつかめない。事故か? 他殺か? 自殺か? 雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと鋭い推理・尋問で見事に解き明かしていく。アメリカ・ミステリ界を代表する巨匠が、捜査の実態をこの上なくリアルに描いた警察小説の里程標的傑作、新訳決定版!

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失踪当時の服装は のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    帯に「最初から最後まで捜査をするだけ」「なのに抜群に面白い」とあり、いや内容のネタバレじゃねーか!と思いつつも読んだら、目から鱗。まさにその通りで、抜群に面白かった。

    「警察捜査小説」を確立した里程標的傑作らしいが、そう言われるのにも納得。「警察小説」ではなく「警察捜査小説」というのがポイント。

    探偵小説の警察と言えば得てして探偵役の主人公を引き立たせるための無能役として描かれる、というお決まりのパターンがあるが、本作を読むと「本気になった警察の凄さ」がよくわかる。

    文章が読みやすく、上司と部下の掛け合いが面白く、「無駄な風景描写」「もってまわった台詞回し」「複雑すぎる人物相関」「暗い雰囲気」「暗い心理描写の掘り下げ」「ふわっとしてわかりづらい進行」等が一切なく、わかりやすくサッパリと読みやすく、そして捜査の過程を読んでいるだけなのに極めて面白い、という本作でした。

    0
    2025年11月08日

    Posted by ブクログ

    警察の捜査とはこういうものなのか、と肌感覚で理解することができた小説です。「捜査が行き詰まる」と一言で表現されることがあるが、それがどういう状態なのかをこの小説は描いています。証拠がなかなか出てこない中、あらゆる可能性を考慮して捜査を続ける警察の苦闘が実に生々しく語られています。
    夢中になって読み進めてしまう傑作です。

    0
    2024年03月30日

    Posted by ブクログ

    行方不明になった女子学生を警察が捜査する話。警察小説こ基礎というだけあって余計な寄り道がなく、事件の解決に少しづつ前進していくストーリーはとても読みやすく、自分好みでした。警察署長も推理小説によくいる頭でっかちの無能タイプと思いきや優秀な警察官で、部下との会話はコミカルで面白かった

    0
    2022年08月03日

    Posted by ブクログ

    米マサチューセッツの女子寮からふっと消えてしまったのは、美しく聡明で落ち着いた女正徒だった。気まぐれというのも彼女に合わない、深い付き合いのボーイフレンドもいなかった。
    すぐに帰ってくるだろう、突然消えた娘は周りの願いむなしくいつまでも帰らなかった。
    全寮制のカレッジからいなくなった18歳、美しく聡明な娘は失踪か誘拐されたのか殺人か。

    1952年発表の警察小説の嚆矢となる本格推理小説だという、ここから「警察捜査小説」が始まったということだが。今も全く古くなく優れたミステリの一つのジャンルをしっかり守っている。そんな警察小説は嬉しくて読まずにはいられない。かっちり出来上がっていてエンタメといえど少し姿勢をただして読むような力がある。

    正しく犯人当てのフーダニット小説で、そこに特殊な背景や、人間関係があり、警察側には頭脳明晰のボス警察署長フォードがいて、脇に切れるが少し癖のある嫌味な奴や凡庸に見えて細かい気が付きよく働く部下が定石のように揃っている。気の利いたウィットに富んだ会話もよくできている。読んでよかった☆5つの名作だった。

    ところが、読み始めてすぐ、あ!と気がついた(まだ一ページ目なのに)これではないか。彼女はこうしていなくなったのではないか。この何気ない一行が気になった。

    捜査はなかなか進展しない。同室の寮生も、少し気分が悪そうで途中で授業を抜けたということしかわからない。
    部屋からは着替えが少し無くなりハンドバックも見えない、出かけたらしいが姿を見たものもいなし、駅でも見かけられていない。

    もう調べ尽くし訊き尽くし打つ手もなくなった。
    だた一つ、一冊の日記帳を穴のあくほど読んでいた署長が疑問を持つ。


    読みながら次第に思い通りの方向に進んでいくと、読者として緊張する。この小さな一言の手掛かりは、あそこに続くのかな。

    しかしそうやすやすと問屋は下ろさないだろう。もし私の推理通りなら、なんと巧みに話を膨らまして警察官たちをへとへとになるまで働かせることか。親の嘆きの深いことか。
    寮長の驚きや関係者の保身や男友達の慌てぶりや、すり寄ってくる記者たちや。

    これで決まりかと思う容疑者たちを追い始めると、私の推理も揺らぎ始まるが、容疑も晴れて解放されてしまうとひょっとしたらひょっとして推理通りかも、、、と何か緊張して、またドキドキ緊張が始まる。

    と、こんな感じでこの作品は心臓に悪いほど楽しませてくれた。久しぶりの大当たりで作者にはその話の迷路を構築した力に改めて驚いた。

    0
    2021年01月01日

    Posted by ブクログ

    失踪当時の服装は
    「64」を読んで警察小説がむしょうに読みたくなった時にたまたま見つけた小説。
    女子大生が謎の失踪を遂げ、地元警察のフォード署長がその行方を探すというあらすじでトリックはなし。
    部下キャメロンと毒舌の応酬を繰り広げながら少しずつ地道に彼女の足取りをつかんでいきます。
    地道に足を使って追っていく、それだけの物語なんだけど、証明したりマスコミの名の下知る権利というノコギリを振りかざす記者や被害者の弱った気持ちを食い物にしようとする私立探偵から、被害者の家族を守っても、苛立ちをぶつけられたり捜査の妨害をされたりしてやってられない状況が続きます。
    この踏んだり蹴ったり感は64に通じるものがあり。
    ラストシーン、えっそこでおわるの!とびっくりしたけど、この小説は犯人の物語なのではなく、警察の捜査の物語だからこれでいいのだろう。

    0
    2015年03月25日

    Posted by ブクログ

    1950年の米国マサチューセッツ州の大学で、女子学生ローウェル・ミッチェルがいなくなった。地元警察が必死に探すが、見つからない。彼女に何が起こったのか?
    やがて、大学から少し離れた川下で死体となって見つかる。彼女は、妊娠していた。

    作品が出版されたのは、1953年。現代なら、すぐに分かりそうな事も、地道に調べ証拠を積み重ねていかなくてはならない。そんな地道な捜査を、ひたすら描いている。それが、逆に新鮮だった。

    0
    2026年09月21日

    Posted by ブクログ

    1952年出版というから、実に74年前の作品である。
    1950年3月、1人の女子大生、ローウェルが忽然と姿を消す。午前の授業に出席した後、寮に戻り、体調が悪いから昼食は採らずに少し横になると友人に告げた彼女は、しかし、その後、黙ってどこかに出かけたようだった。そのまま、夕食の時間になっても、門限の時間を過ぎても帰ってこなかった。
    友人たちも不審に思い始め、寮母や学寮長にも騒ぎが届く。ローウェルの実家にも連絡がいったが、彼女はそこにもいなかった。
    昼日中、キャンパスを後にした女子大生はいったいどこへ行ってしまったのだろうか。

    本書では、この女子大生失踪という1つの事件を実に丹念に追っていく。
    捜査にあたることになったフォード署長は、部下のキャメロン巡査部長らとともに、雲をつかむような事件に挑んでいく。
    とにかく、この件、手掛かりがないのだ。ローウェルは、美人で、家族との関係もよく、成績もまずまず、性格もよかった。時々デートをする相手も複数いたが、深い関係ではなく、特にふしだらというわけではなかった。
    果たして彼女はどこに向かい、今、どこにいるのだろうか。
    フォードはローウェルの日記を何度も読み返し、部下に命じて思いつく限りの人から証言を集め、ローウェルの足跡を追おうとする。
    仮説は何度か覆され、そのたび、軌道修正がされていく。
    捜査員が時間外に署長の自宅に呼び出されたり、署長が部下を強圧的に叱りつけたり、捜査の進展を議論しながら酒を飲んでいたり、といった時代を感じさせる描写もある。が、一方で、地道な捜査というのは、基本的には昔も今も変わらないのではないか、と感じさせる普遍性もある。

    タイトルの「失踪当時の服装は(Last Seen Waring)」は、ローウェルの失踪人手配書の文面から。消えた女子大生の面影を浮かばせる、うまいタイトルだと思う。
    本作では、こうした手配書のほかにも、新聞記事も挿入され、また事件や捜査の進行に合わせて日付も入れ、実在の都市や施設名にも触れている。女子大学の様子も生き生きと描写され、ノンフィクションのようなリアリティを作り出している。
    フォードの捜査は天才型というより努力家タイプである。派手な展開はないが、綿密で濃厚な読み味。
    終盤に向かい、明かされていく真相や事件の犯人に、納得の吐息が漏れる。

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    2026年09月14日

    Posted by ブクログ

    熱い警察官のお話。ある登場人物のセリフ。「警察の仕事がどういうものかは、わかっているだろう?歩いて、歩いて、歩きまくる。そして、あらゆる可能性について調べ尽くす。一トンの砂を篩にかけて、ひと粒の金をさがすような仕事だ。百人に話を聞いて何も得られなければ、また歩きまわって、もう百人に話を聞く。そういうものだ」
    この小説には結果的に事件に関係ない情報が多く語られる。途中まではそういうのを読むのが面倒くさく感じるが、やがてそれらが物語のリアリティを高め、読者と物語の警官たちとの一体感を生んでいることに気づく。天才探偵や伏線はりまくりトリックなどに食傷気味の方は一読を。

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    2024年03月09日

    Posted by ブクログ

    1952年に出版された「警察ミステリーの嚆矢」らしい.警察署長が主人公で,派手さはないものの,グイグイ読ませる.

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    2023年10月30日

    Posted by ブクログ

    ある美人女子大生が学生寮から謎の失踪、幾日か過ぎる。地方警察官の地道な捜査といったら、すぐに思い出すのは松本清張さんの初期作品の新鮮さですけどね。
    「構造がいたってシンプル」で淡々と物語が進むのに、読むのが止められない、というのは惹句どおり。清張さんにはにじみ出る暗さがありましたが、こちらは深刻なストリーなのに淡々としていて、しかもその当地の警察署長と巡査部長のキャラクターがだんだんに濃厚になってくるのは、ほほえましいものがありまして、のちの「警察ものの」お手本でもありそうです。アメリカミステリーの古典(1952年)でしょう。

    0
    2019年06月30日

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