【感想・ネタバレ】失踪当時の服装はのレビュー

あらすじ

1950年3月。アメリカのマサチューセッツ州にあるパーカー・カレッジの一年生、ローウェル・ミッチェルが失踪した。彼女は美しく成績優秀な学生で、男性とのうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが、部下とともに捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由も、彼女の行方もまったくつかめない。事故か? 他殺か? 自殺か? 雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと鋭い推理・尋問で見事に解き明かしていく。アメリカ・ミステリ界を代表する巨匠が、捜査の実態をこの上なくリアルに描いた警察小説の里程標的傑作、新訳決定版!

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Posted by ブクログ

帯に「最初から最後まで捜査をするだけ」「なのに抜群に面白い」とあり、いや内容のネタバレじゃねーか!と思いつつも読んだら、目から鱗。まさにその通りで、抜群に面白かった。

「警察捜査小説」を確立した里程標的傑作らしいが、そう言われるのにも納得。「警察小説」ではなく「警察捜査小説」というのがポイント。

探偵小説の警察と言えば得てして探偵役の主人公を引き立たせるための無能役として描かれる、というお決まりのパターンがあるが、本作を読むと「本気になった警察の凄さ」がよくわかる。

文章が読みやすく、上司と部下の掛け合いが面白く、「無駄な風景描写」「もってまわった台詞回し」「複雑すぎる人物相関」「暗い雰囲気」「暗い心理描写の掘り下げ」「ふわっとしてわかりづらい進行」等が一切なく、わかりやすくサッパリと読みやすく、そして捜査の過程を読んでいるだけなのに極めて面白い、という本作でした。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

この小説には謎めいた洋館や快刀乱麻の名探偵も出てきません。倦み疲れた警察官たちが、手がかりを一つ一つたどって事件を解決するお話。めちゃくちゃ地味です。
でもめちゃくちゃ面白かった!

女子大生が失踪した。決まった恋人もおらず真面目な彼女に一体何が起こったのか…
1950年代に書かれた作品で、現在のような化学捜査がない時代。地道な捜査で少しずつ真相に近づいていく過程がとても面白いです。

作品内では「事件」と「捜査」だけに焦点が当てられていて、登場人物たち(特に主人公のフォード署長)のプライベートな場面はほとんど出てきません。でも会話や言動の描写で人となりが想像できるのは、作者のヒラリー・ウォーの腕なんでしょうね。

正義感に溢れているわけではないけれど、警察官としての使命を果たす男たちが格好良いです。おすすめの1冊。

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

警察の捜査とはこういうものなのか、と肌感覚で理解することができた小説です。「捜査が行き詰まる」と一言で表現されることがあるが、それがどういう状態なのかをこの小説は描いています。証拠がなかなか出てこない中、あらゆる可能性を考慮して捜査を続ける警察の苦闘が実に生々しく語られています。
夢中になって読み進めてしまう傑作です。

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2024年03月30日

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行方不明になった女子学生を警察が捜査する話。警察小説こ基礎というだけあって余計な寄り道がなく、事件の解決に少しづつ前進していくストーリーはとても読みやすく、自分好みでした。警察署長も推理小説によくいる頭でっかちの無能タイプと思いきや優秀な警察官で、部下との会話はコミカルで面白かった

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2022年08月03日

Posted by ブクログ

米マサチューセッツの女子寮からふっと消えてしまったのは、美しく聡明で落ち着いた女正徒だった。気まぐれというのも彼女に合わない、深い付き合いのボーイフレンドもいなかった。
すぐに帰ってくるだろう、突然消えた娘は周りの願いむなしくいつまでも帰らなかった。
全寮制のカレッジからいなくなった18歳、美しく聡明な娘は失踪か誘拐されたのか殺人か。

1952年発表の警察小説の嚆矢となる本格推理小説だという、ここから「警察捜査小説」が始まったということだが。今も全く古くなく優れたミステリの一つのジャンルをしっかり守っている。そんな警察小説は嬉しくて読まずにはいられない。かっちり出来上がっていてエンタメといえど少し姿勢をただして読むような力がある。

正しく犯人当てのフーダニット小説で、そこに特殊な背景や、人間関係があり、警察側には頭脳明晰のボス警察署長フォードがいて、脇に切れるが少し癖のある嫌味な奴や凡庸に見えて細かい気が付きよく働く部下が定石のように揃っている。気の利いたウィットに富んだ会話もよくできている。読んでよかった☆5つの名作だった。

ところが、読み始めてすぐ、あ!と気がついた(まだ一ページ目なのに)これではないか。彼女はこうしていなくなったのではないか。この何気ない一行が気になった。

捜査はなかなか進展しない。同室の寮生も、少し気分が悪そうで途中で授業を抜けたということしかわからない。
部屋からは着替えが少し無くなりハンドバックも見えない、出かけたらしいが姿を見たものもいなし、駅でも見かけられていない。

もう調べ尽くし訊き尽くし打つ手もなくなった。
だた一つ、一冊の日記帳を穴のあくほど読んでいた署長が疑問を持つ。


読みながら次第に思い通りの方向に進んでいくと、読者として緊張する。この小さな一言の手掛かりは、あそこに続くのかな。

しかしそうやすやすと問屋は下ろさないだろう。もし私の推理通りなら、なんと巧みに話を膨らまして警察官たちをへとへとになるまで働かせることか。親の嘆きの深いことか。
寮長の驚きや関係者の保身や男友達の慌てぶりや、すり寄ってくる記者たちや。

これで決まりかと思う容疑者たちを追い始めると、私の推理も揺らぎ始まるが、容疑も晴れて解放されてしまうとひょっとしたらひょっとして推理通りかも、、、と何か緊張して、またドキドキ緊張が始まる。

と、こんな感じでこの作品は心臓に悪いほど楽しませてくれた。久しぶりの大当たりで作者にはその話の迷路を構築した力に改めて驚いた。

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2021年01月01日

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淡々と、細かい部分を確認し、じわじわと周囲から追い詰める。根気良く、とことんまで調べつくし、犯人にたどり着く。
その結果が、最後の一言に全て集約される。
堪能させていただきました。

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2015年04月11日

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失踪当時の服装は
「64」を読んで警察小説がむしょうに読みたくなった時にたまたま見つけた小説。
女子大生が謎の失踪を遂げ、地元警察のフォード署長がその行方を探すというあらすじでトリックはなし。
部下キャメロンと毒舌の応酬を繰り広げながら少しずつ地道に彼女の足取りをつかんでいきます。
地道に足を使って追っていく、それだけの物語なんだけど、証明したりマスコミの名の下知る権利というノコギリを振りかざす記者や被害者の弱った気持ちを食い物にしようとする私立探偵から、被害者の家族を守っても、苛立ちをぶつけられたり捜査の妨害をされたりしてやってられない状況が続きます。
この踏んだり蹴ったり感は64に通じるものがあり。
ラストシーン、えっそこでおわるの!とびっくりしたけど、この小説は犯人の物語なのではなく、警察の捜査の物語だからこれでいいのだろう。

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2015年03月25日

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ある時間からあの子の姿が見えないな?となり、具合が悪くて診察室にいるのか?と思いきやおらず、じゃあ急用で外出か?と思えば外出届けも出されていないしスーツケースもある。
そしてさすがにこの時間までいないのはおかしいぞと騒ぎが広がり、失踪事件扱いとなり、父親が呼ばれ、警察に通報され、地道な捜査が始まる。

ずっと捜査が続くのだが、不思議と読んでいて面白く、続きが気になる。女生徒の失踪ということで、家庭環境や学業などに問題が無さそうであれば男に決まってる、と虱潰しに、日記内に登場する全ての男の名前を書き出し、分類に分け、当たっていく。
終盤、刑事の推理で犯罪の流れが語られていき、犯人逮捕で話は終わる。これはこれでスッキリ。

そこそこ長いので、そろそろ進展があってもいいんじゃないか?と途中焦れったく思うところもある。

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2025年01月23日

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ネタバレ

「自由研究には向かない殺人」で紹介されていたので気になって読んでみた。警察捜査小説というジャンルを立ち上げた作品。
18歳の少女が寮から突然姿を消し、死体で発見される。自殺かと思われた事件を、警察署長のフォードと部下のキャメロンが地道な捜査で真相を明らかにする。最近ではスマートな警察小説が多いなか、フォードたちの捜査はとにかく泥臭い。わずかな可能性を追及し、少しずつ真相に迫っていく過程は読み応えがあり引き込まれる。
捜査過程のみが淡々と書かれているようでいて、フォードの犯人に対する怒りや、少女の死に対するやるせなさなどが垣間見える、実は人情味のある作品だ。
ヒラリーウォーの他の作品も読んでみたい。

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2024年06月07日

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熱い警察官のお話。ある登場人物のセリフ。「警察の仕事がどういうものかは、わかっているだろう?歩いて、歩いて、歩きまくる。そして、あらゆる可能性について調べ尽くす。一トンの砂を篩にかけて、ひと粒の金をさがすような仕事だ。百人に話を聞いて何も得られなければ、また歩きまわって、もう百人に話を聞く。そういうものだ」
この小説には結果的に事件に関係ない情報が多く語られる。途中まではそういうのを読むのが面倒くさく感じるが、やがてそれらが物語のリアリティを高め、読者と物語の警官たちとの一体感を生んでいることに気づく。天才探偵や伏線はりまくりトリックなどに食傷気味の方は一読を。

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2024年03月09日

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1952年に出版された「警察ミステリーの嚆矢」らしい.警察署長が主人公で,派手さはないものの,グイグイ読ませる.

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2023年10月30日

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ある美人女子大生が学生寮から謎の失踪、幾日か過ぎる。地方警察官の地道な捜査といったら、すぐに思い出すのは松本清張さんの初期作品の新鮮さですけどね。
「構造がいたってシンプル」で淡々と物語が進むのに、読むのが止められない、というのは惹句どおり。清張さんにはにじみ出る暗さがありましたが、こちらは深刻なストリーなのに淡々としていて、しかもその当地の警察署長と巡査部長のキャラクターがだんだんに濃厚になってくるのは、ほほえましいものがありまして、のちの「警察ものの」お手本でもありそうです。アメリカミステリーの古典(1952年)でしょう。

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2019年06月30日

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警察捜査小説の嚆矢ということですが、時代の違いや、国の違いも有り腑に落ちない所もあった。

ただ、圧倒的な執念と推理力で、犯人を追い詰めていくフォード署長を中心とした警察官の姿には心を打たれた。

犯人は早い段階で目星がついたが、この小説は犯人当てより、その過程を描く事に主眼があるので気にはならなかった。

それにしても、犯人の女性をたらし込む技術は羨ましい。具体的な事は書かれてないがあやかりたい。

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2018年08月25日

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警察小説として名高い本書ですが、宮部みゆき氏の推薦の言葉にある通り「捜査小説」の方がしっくりきます。
一人の女学生の失踪事件をしつこいほどに徹底的に捜査する過程を、じっくりと楽しむ1冊でした。

現実的な捜査ですから当然聞き込み、考察、捜査の繰り返しでとっても地味。
サプライズや派手な演出はなく、個性的な登場人物もいません。
しかし、ジリジリと真相に迫っていく過程は楽しく、地道に積み重ねたものが結実するラストは気持ちいい。地味ながらしっかりエンターテイメントをしていたと思います。

途中がたるくなりますし、人間ドラマも何もないので退屈な面もあるんですが、余計なものを全て排してひたすら捜査過程を描くというのはなかなか斬新な1冊なのではないでしょうか。
個人的にはフォード署長とキャメロン巡査部長の掛け合いが、もっと軽妙で楽しいものであったらなぁと思います。

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2016年01月21日

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このところ短編が続いたので、ガッツリ集中して読めるものを。
ということで、『米澤屋書店』で紹介され積読になっていたこちらをチョイス。さらに帯には宮部みゆきさんの推薦文が。うーん私得!

一言で感想を述べるなら、「警察の執念ってすごい!」。
よく耳にする「徹底的に洗え」がどんなものか、それをまざまざと見せつけられて恐れ入りました。

カレッジ1年生のミッチェル嬢はどこへ行ったのか?
それ一本で書き通すのかと思いきや、中盤からはもう一捻り。しかし、フォード署長らのやることは変わりません。
歩き、話を聞き、あらゆる証拠を集め、また歩く。
特に、筆跡のメモをもとにニューヨーク中のホテルの宿泊者名簿を虱潰しに探すシーンには驚きました。いや、そこまでも大概のことをやっているんですけどね。。

ただ、気になる点もいくつか。
以前読んだ『幻の女』では、「彼女は何者なのか?」に視点が置かれていたため、今作のミッチェルにも何かものすごい秘密が隠されているのではと期待してしまい……なので、「何があったか?」に関してはやや物足りなさを感じました。まあ、警察の手法を描くことが主旨ならそこはあまり、なのかもしれませんが。
また、犯人に狙いを定めるきっかけは少し弱いのではないかなーと。描いたストーリーに合う証拠を探しているようにも見えてしまいました。
それに、フォード署長のパワハラ発言もなかなか……。皮肉屋なキャメロンとのやりとりがガス抜きにはなっていましたが(⁠^⁠^⁠;

と、ツッコミどころもなくはないのですが、地味な割になぜか読ませる勢いのある本作。
こちらでは警察の泥臭い手法の勝利でしたが、他の探偵たちがこの事件を扱ったらどんなふうに解決に導くのだろう?と想像も膨らみました。
機会があれば著者の他の作品も読んでみたいですね。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

 1950年代の本格警察捜査ミステリのエポックメイキングとされている作品。
 登場人物の深い心理描写や魅力的な探偵・刑事が出てくるわけでも、突飛なトリックが用いられているわけでもない。行方不明になった女子学生をめぐる警察署長とその部下の刑事たちの執念の捜査。これが淡々と語られる。現代的には、この点で少し物足りなさを感じるが、先が気になる不思議な魅力がある。秋の夜長にぴったりな1冊かもしれない。

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2024年11月04日

Posted by ブクログ

1950年でも全く違和感なく楽しめる。

でもこの時代の貞操観念って、日本とあまり変わらなかったんだって意外かも。

いろいろなトリックミステリーよりも、こんな地道な捜査系が好きだと改めて気付かされる。

旅の電車の中、古典ミステリーはなぜか相性が合う!

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2023年06月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

期待して読んだが、私には合わなかった。ちょっと署長の偏見が強すぎる。あと思い込みが激しすぎる。
被害者がジーパンで学校外に出てはいけない、ってびっくり。1950年代とは今とは全く違った価値観だったのだ。
他の方々のレビューでは「署長と巡査部長の掛け合いが面白い」という意見が多かったが、私はあまり笑えなかった。

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2022年07月02日

Posted by ブクログ

アメリカの作家ヒラリー・ウォーの長篇ミステリ作品『失踪当時の服装は(原題:Last Seen Wearing...)』を読みました。
ここのところ、アメリカの作家の作品が続いています。

-----story-------------
●宮部みゆき氏推薦──「『捜査小説とはこういうものだ』というお手本のような傑作」

1950年3月。カレッジの一年生、ローウェルが失踪した。
彼女は成績優秀な学生でうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由もわからない。
事故か? 他殺か? 自殺か? 雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと推理・尋問で見事に解き明かしていく。
巨匠が捜査の実態をこの上なくリアルに描いた警察小説のパイオニア的傑作! 
解説=川出正樹
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1952年(昭和27年)に刊行された作品で、警察小説のパイオニア的作品して認知されている作品です。

1950年3月3日、マサチューセッツ州ブリストルの女子大学からロウエル・ミッチェルという美貌の女子学生が失踪した… ブリストルの警察署長フランク・W・フォードは若手の巡査部長バート・K・キャメロンとともに、長年の経験を頼りに、この雲をつかむような事件に挑むが、行方は杳として知れない――。

失踪か? 誘拐か? 殺人か? 雲をつかむような少女失踪事件を、刑事たちが地道な聞き込みと推理、尋問で解き明かしていく… 捜査の実態をこの上なくリアルに描いた警察小説の代表的傑作、新訳決定版!

思いつく限りの人々から証言を集め、穴が開くほど被害者の日記を読み返し、何度も事実を確認して、推論を巡らし、仮説を立てて検証… その過程で新事実が判明し誤りに気付くと、すぐさま方針を転換し、新たな仮説に基づき捜査を続け、最終的に些細な手掛かりから意外なかいけつを導き出すというシンプルな展開、、、

地味な展開なので、やや冗長な感じがありますが、警察の仕事を細部まで描いたリアルさが印象に残る警察小説でしたね… フォード署長とキャメロン巡査部長の遠慮ないやりとりも印象的、名コンビですね。

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2022年05月14日

Posted by ブクログ

結末が予想できないという意味では面白かったけど、わりと淡々と進むので物足りなさもある。
約70年前の小説なので、最近のものと比べてはいけないとは思うけど。。

警察の捜査がかなり緻密に行われているのが分かってよかった。
題名もぴったり。

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2021年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

さすがに、時代が変わっちゃったかなーという印象。
この町の警察署長は、もはや、警察だか、街を牛耳る(自分は正しいと思い込んでいる)暴力団だかというレベルwで現実味がない。
とはいえ、たまたまこの本を読んでいた時、TVで「ランボー」をやっていて。それを見たら、少なくとも80年代の前半くらいまでは、「この町では、俺が法律だ/正義だ」みたいな警察はアメリカでは珍しくなかったのかもしれないなーと思った。
★3つは、この手の小説の先駆ということで、かなりオマケw

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2020年02月11日

Posted by ブクログ

地道な捜査が実を結び、真相が明らかになる……のはいいのだが、その捜査方法が旧態依然としている。つまりは違法捜査で、なんとも言い難い。

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2019年03月16日

Posted by ブクログ

地味、地味、ひたすら地味。
でも面白い。一気に読めた。
地道な捜査だからこそ?一緒に捜査しているような錯覚に。これは結末にたどり着くまで中断できません!

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2017年09月10日

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