作品一覧 2020/01/08更新 生まれながらの犠牲者 試し読み フォロー 失踪当時の服装は 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> ヒラリー・ウォーの作品をすべて見る
ユーザーレビュー 失踪当時の服装は ヒラリー・ウォー / 法村里絵 警察の捜査とはこういうものなのか、と肌感覚で理解することができた小説です。「捜査が行き詰まる」と一言で表現されることがあるが、それがどういう状態なのかをこの小説は描いています。証拠がなかなか出てこない中、あらゆる可能性を考慮して捜査を続ける警察の苦闘が実に生々しく語られています。 夢中になって読み進...続きを読むめてしまう傑作です。 Posted by ブクログ 失踪当時の服装は ヒラリー・ウォー / 法村里絵 行方不明になった女子学生を警察が捜査する話。警察小説こ基礎というだけあって余計な寄り道がなく、事件の解決に少しづつ前進していくストーリーはとても読みやすく、自分好みでした。警察署長も推理小説によくいる頭でっかちの無能タイプと思いきや優秀な警察官で、部下との会話はコミカルで面白かった Posted by ブクログ 失踪当時の服装は ヒラリー・ウォー / 法村里絵 米マサチューセッツの女子寮からふっと消えてしまったのは、美しく聡明で落ち着いた女正徒だった。気まぐれというのも彼女に合わない、深い付き合いのボーイフレンドもいなかった。 すぐに帰ってくるだろう、突然消えた娘は周りの願いむなしくいつまでも帰らなかった。 全寮制のカレッジからいなくなった18歳、美しく聡...続きを読む明な娘は失踪か誘拐されたのか殺人か。 1952年発表の警察小説の嚆矢となる本格推理小説だという、ここから「警察捜査小説」が始まったということだが。今も全く古くなく優れたミステリの一つのジャンルをしっかり守っている。そんな警察小説は嬉しくて読まずにはいられない。かっちり出来上がっていてエンタメといえど少し姿勢をただして読むような力がある。 正しく犯人当てのフーダニット小説で、そこに特殊な背景や、人間関係があり、警察側には頭脳明晰のボス警察署長フォードがいて、脇に切れるが少し癖のある嫌味な奴や凡庸に見えて細かい気が付きよく働く部下が定石のように揃っている。気の利いたウィットに富んだ会話もよくできている。読んでよかった☆5つの名作だった。 ところが、読み始めてすぐ、あ!と気がついた(まだ一ページ目なのに)これではないか。彼女はこうしていなくなったのではないか。この何気ない一行が気になった。 捜査はなかなか進展しない。同室の寮生も、少し気分が悪そうで途中で授業を抜けたということしかわからない。 部屋からは着替えが少し無くなりハンドバックも見えない、出かけたらしいが姿を見たものもいなし、駅でも見かけられていない。 もう調べ尽くし訊き尽くし打つ手もなくなった。 だた一つ、一冊の日記帳を穴のあくほど読んでいた署長が疑問を持つ。 読みながら次第に思い通りの方向に進んでいくと、読者として緊張する。この小さな一言の手掛かりは、あそこに続くのかな。 しかしそうやすやすと問屋は下ろさないだろう。もし私の推理通りなら、なんと巧みに話を膨らまして警察官たちをへとへとになるまで働かせることか。親の嘆きの深いことか。 寮長の驚きや関係者の保身や男友達の慌てぶりや、すり寄ってくる記者たちや。 これで決まりかと思う容疑者たちを追い始めると、私の推理も揺らぎ始まるが、容疑も晴れて解放されてしまうとひょっとしたらひょっとして推理通りかも、、、と何か緊張して、またドキドキ緊張が始まる。 と、こんな感じでこの作品は心臓に悪いほど楽しませてくれた。久しぶりの大当たりで作者にはその話の迷路を構築した力に改めて驚いた。 Posted by ブクログ 失踪当時の服装は ヒラリー・ウォー / 法村里絵 淡々と、細かい部分を確認し、じわじわと周囲から追い詰める。根気良く、とことんまで調べつくし、犯人にたどり着く。 その結果が、最後の一言に全て集約される。 堪能させていただきました。 Posted by ブクログ 失踪当時の服装は ヒラリー・ウォー / 法村里絵 失踪当時の服装は 「64」を読んで警察小説がむしょうに読みたくなった時にたまたま見つけた小説。 女子大生が謎の失踪を遂げ、地元警察のフォード署長がその行方を探すというあらすじでトリックはなし。 部下キャメロンと毒舌の応酬を繰り広げながら少しずつ地道に彼女の足取りをつかんでいきます。 地道に足を使って...続きを読む追っていく、それだけの物語なんだけど、証明したりマスコミの名の下知る権利というノコギリを振りかざす記者や被害者の弱った気持ちを食い物にしようとする私立探偵から、被害者の家族を守っても、苛立ちをぶつけられたり捜査の妨害をされたりしてやってられない状況が続きます。 この踏んだり蹴ったり感は64に通じるものがあり。 ラストシーン、えっそこでおわるの!とびっくりしたけど、この小説は犯人の物語なのではなく、警察の捜査の物語だからこれでいいのだろう。 Posted by ブクログ ヒラリー・ウォーのレビューをもっと見る