文春作品一覧

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  • 繁栄の昭和
    3.5
    文壇のマエストロ、超斬新な短編集 迷宮殺人の現場にいた謎の小人、 人工臓器を体内に入れた科学探偵、 窃盗団に身をやつした貴公子、 ツツイヤスタカを思わせる俳優兼作家……。 メタフィクションとノスタルジー、奇想に満ちた妖しげな世界に、どこまでも誘われてください。 ツツイワールド大爆発! 【目次】 繁栄の昭和 大盗庶幾 科学探偵帆村 リア王 一族散らし語り 役割演技 メタノワール つばくろ会からまいりました 横領 絵の教室 知床岬 高清子とその時代
  • 半グレと芸能人
    3.2
    市川海老蔵、宮迫博之、田村亮……。 なぜ芸能人は半グレ=反社会的勢力と接点を持ってしまうのか? 『週刊文春』の特派記者として15年のキャリアを積んだ筆者が、あまり報じられることのない取材の裏側を明かしつつ、芸能人と半グレたちの“夜の生息域”に迫る! ・関東連合を芸能人や起業家らと結びつけた“黒幕”の正体 ・市川海老蔵事件の取材で厄介だった関東連合の情報操作 ・芸能人、スポーツ選手、政治家が集った「西麻布迎賓館」の実態 ・金塊強奪犯は、なぜ芸能人と写真を撮れたのか? 第1章 関東連合を六本木に連れてきた男 第2章 折口雅博が築いた西麻布の“城” 第3章 市川海老蔵事件と関東連合崩壊の予兆 第4章 六本木フラワー襲撃事件 第5章 西麻布迎賓館事件 第6章 半グレ最新事情と金塊強奪犯
  • はんざい漫才
    3.0
    女三十一歳、寄席ではじける! スキャンダルの傷をもつ漫才コンビが神楽坂倶楽部に出演することに。席亭代理・希美子にも人生の決断の時が。寄席ミステリ第三弾!
  • 「半沢直樹」で経済がわかる!
    3.6
    『経済の入門書であると同時に、「半沢直樹」シリーズの入門書である』(池井戸潤 序文より) ●半沢は取引先の訪問で何を見ているのか? ●粉飾決算の手口とそれを見抜く方法 ●最優秀店舗に選ばれるといくらもらえる? ●金融庁の「黒崎キャラ」は本当にいるの? ●M&Aから焦土的経営まで、企業買収の最前線とは? ●バブル期とは何だったのか? 「半沢直樹」シリーズに登場する台詞や事象を上げて、経済・金融用語を優しく解説した1冊。「100のキーワード」でお金をめぐる社会の仕組みが丸わかり! 「半沢直樹」ワールドを2度楽しめる本。 文庫書き下ろし作品。
  • 藩邸差配役日日控
    4.2
    里村五郎兵衛は、神宮寺藩江戸藩邸差配役を務めている。 陰で〈なんでも屋〉と揶揄される差配役には、藩邸内の揉め事が 大小問わず持ち込まれ、里村は対応に追われる毎日。 そんななか、桜見物に行った若君が行方知れずになった、という報せが。 すぐさま探索に向かおうとする里村だったが、 江戸家老に「むりに見つけずともよい」と謎めいた言葉を投げかけられ……。 最注目の時代小説家が描く、静謐にして痛快な物語。
  • 半導体探偵マキナの未定義な冒険
    4.0
    名探偵に深刻なエラーが発生しました! 京都大学推理小説研究会の「秘密兵器」が放つ、「犯人探し」ならぬ「探偵探し」。 主人公の正行は17歳の男子高校生。 のんびり帰宅部の大人しい青年だが、彼には天才科学者の祖父がいた。 祖父は現役引退後、研究所にこもってひそかに人間そっくりのAI搭載探偵ロボットを開発し、依頼人に派遣するボランティアをおこなっていたのだ。 ある日、3体の探偵ロボットがエラーを起こし、勝手に町に出て「探偵」活動を始めてしまった。 唯一正常に機能している探偵マキナと正行のコンビは、あちこちで「捜査中」と思われる「探偵」たちを、無事に見つけ出すことができるのだろうか? 今度は何を出してくる? と毎作、目が離せない。まことに「未定義な」才能の持ち主である。――綾辻行人 星新一と「ミステリーランド」が好きな人に薦めたい。――法月綸太郎 ロボット探偵がロボット探偵を探す。二十一世紀のパット・マガー!――我孫子武丸 EQ(エレクトロニック・カルテット)ここに爆誕!――麻耶雄嵩
  • 半導体有事
    4.2
    経済安全保障の最前線! アメリカが中国に突きつけた異次元の半導体規制。このままだと中国の半導体工場はやがて稼働できなくなる。追い詰められた中国が狙うのは、世界のトップ企業、台湾のTSMC――。世界中が半導体製造能力をめぐる競争に駆り立てられているなか、日本は再び失敗を繰り返すのか? 新会社ラピダスのいう、「2027年までに2ナノの最先端半導体をつくる」なんてできっこない!
  • 反日種族主義 日韓危機の根源
    5.0
    激震が走った話題のベストセラー 憂国の研究者グループが、慰安婦問題、徴用工問題、竹島問題などを実証的研究に基づき検証。韓国に蔓延する「嘘の歴史」を指摘する。 目次 日本語版序文 はじめに プロローグ 嘘の国 ●第1部 種族主義の記憶 1 荒唐無稽『アリラン』 2 片手にピストルを、もう片方に測量器を 3 食糧を収奪したって? 4 日本の植民地支配の方式 5 「強制動員」の神話 6 果たして「強制労働」「奴隷労働」だったのか? 7 朝鮮人の賃金差別の虚構性 8 陸軍特別志願兵、彼らは誰なのか! 9 もともと請求するものなどなかった――請求権協定の真実 10 厚顔無恥で愚かな韓日会談決死反対 ●第2部 種族主義の象徴と幻想 11 白頭山神話の内幕 12 独島、反日種族主義の最高象徴 13 鉄杭神話の真実 14 旧総督府庁舎の解体――大韓民国の歴史を消す 15 親日清算という詐欺劇 16 ネバー・エンディング・ストーリー 「賠償!賠償!賠償!」 17 反日種族主義の神学 ●第3部 種族主義の牙城、慰安婦 18 我々の中の慰安婦 19 公娼制の成立と文化 20 日本軍慰安婦問題の真実 21 解放後の四十余年間、慰安婦問題は存在しなかった 22 韓日関係が破綻するまで エピローグ 反日種族主義の報い 解説 「反日種族主義」が問いかける憂国 久保田るり子(産経新聞編集委員) 文庫版付記 ※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 反日種族主義との闘争
    4.4
    1巻1,599円 (税込)
    日韓関係に破綻をもたらした大法院(最高裁)の判事たちは、恥を知らなければならない―― 韓国の歴史認識を徹底批判、日韓両国で大ベストセラーとなった『反日種族主義』。寄せられた批判に答える! 『反日種族主義』には、韓国内から強烈な抵抗と罵倒が寄せられた。 第二弾となる『反日種族主義との闘争』は、降り注いだ批判に誠意を持って答え、 あらためて5つのテーマで韓国に根付いた「嘘」を実証的に明らかにする、刺激的な歴史書だ。 ・慰安婦強制連行説に対する再批判――強制動員拡大解釈の問題点 ・日本に行ったらみな強制動員なのか? ・韓国大法院の判事たちは恥を知らなければならない ・国際社会を説得できない独島(竹島)固有領土説 ・日本の植民地“支配”ではなく、移植された“制度”が近代化をもたらした 第1編 日本軍慰安婦 第2編 戦時動員(強制徴用) 第3編 独島(竹島) 第4編 土地・林野調査(収奪論) 第5編 植民地近代化 特別寄稿 作られた中国の反日感情 解説 久保田るり子(産経新聞編集委員)
  • 反日種族主義 「慰安婦問題」最終結論
    1.0
    1巻2,400円 (税込)
    「慰安婦神話」を実証的に論破する! 韓国、日本、そして世界は、真実に基づかない運動に騙されてきた―― 【エピローグより】今まで慰安婦運動グループの研究者や運動家たちが主張してきたものは、架空の作り話というしかない。(略)彼らは、道を歩いて至り村の井戸で水を汲んでいたりした少女を、いきなり現れた官憲が父母も知らないうちに捕まえ連れていったと主張する。(略)しかし、そうしたことは、本書で論じてきたように全て事実ではない。 慰安婦は20万人いた? 幼い少女も動員? 官憲による強制連行? 慰安所では無報酬だった? 慰安婦を虐待、虐殺……? こうした「主張」は、全て事実ではない。
  • 反日種族主義と日本人
    4.0
    40万部超のベストセラーとなった『反日種族主義』の日本人のための公式副読本。 韓国で出版された『反日種族主義』の日本での翻訳出版を執筆者たちに薦めた産経新聞編集委員の久保田るり子氏による書き下ろし。『反日種族主義』執筆者6人へのインタビューも収録。 文在寅政権は韓国の歴代政権の中でも最も「反日」を前面に押し出している。韓国で「反日」がここまで大きくなった背景には、戦後日本の新聞や政治家、左派文化人による言動がある。日韓を離間させようとする北朝鮮や朝鮮総連の思惑を後押ししてきた戦後日本の左派勢力の責任を問う一冊。 慰安婦問題や徴用工問題で日本の左派勢力がどんな役割を果たしてきたのか、日本人として知っておかなければならない事実を提示する。
  • 半分、青い。 上
    4.4
    1~2巻968~1,018円 (税込)
    心は、空を飛ぶ。 片耳を失聴したヒロイン、スズメの愛と勇気の物語――。 高度成長期の終わり、岐阜県の小さな食堂に生まれたスズメ。 小学生の時に病気で左耳を失聴してしまうが、我が子を愛してやまない両親と、 同じ日に同じ病院で生まれた幼馴染のリツに支えられ健やかに成長する。 高校を卒業したスズメは少女漫画家を目指し上京し、 人気漫画家・秋風羽織のもとで仲間と修業に打ち込むが……。 最注目の「連続テレビ小説」を小説でお楽しみ下さい
  • 半分の月がのぼる空 1
    4.0
    1~4巻671~712円 (税込)
    これぞライトノベルの金字塔! 2003年、電撃文庫より刊行が開始されたこの『半月』シリーズは、またたく間にライトノベルファンにとどまらない広範な読者を獲得しました。そして2013年、装いも新たに刊行された文春文庫全4巻は、主人公たちの台詞を物語の舞台、伊勢弁に改めたリメイク版です。肝炎で入院中の高校生・戎崎裕一は、エロ本集めが趣味の多田さんや元ヤンキーの看護師・亜希子さんに翻弄される日々の中で、同い年の秋庭里香に出会う。人形のように美しく、本を愛し、そして女王様のようにワガママな里香は、難しい病気をかかえていた――。ドラマ、映画、漫画、アニメになったボーイ・ミーツ・ガールの聖典をぜひ電子書籍で!
  • はんぶんのユウジと
    3.3
    1巻1,300円 (税込)
    絶妙な毒とユーモアで贈る、待望の連作短編小説 新婚早々見合い結婚した夫を亡くし、悲劇の未亡人というレッテルを貼られたイオリ。悲しむこともできず、夫の遺骨と暮らし始めるが。
  • 「反米」日本の正体
    4.0
    アメリカから日本人が見た日米の「ねじれ」と「非対称」の歴史。 1853年のペリー来航から160年以上の時間が流れたが、日本とアメリカの関係には常に「ねじれ」と「非対称性」がつきまとっていた。 そもそも黒船来航こそが「非対称な関係」の始まりだった。善意と無反省からの「押しつけ」と「ラブコール」を取り混ぜてくるアメリカ。右往左往するだけの日本。 このパターンは戦後改革にも言えるし、近年の構造改革論議でも同じだ。 この「非対称性」より問題なのは「ねじれ」である。 どうして、心の奥に反米を抱えた勢力が長期間にわたって親米政権としてふるまってきたのか。 民主主義と人権の概念を掲げる勢力がどうしてアメリカへの反感を持ち続けているのか。 また、日本の知識層には反米感情がある一方で、アメリカの知日派はアメリカにおける知識層だという「ねじれ」もある。 日本からアメリカへの視線は常に現実的で打算的である。 だがアメリカから日本を見つめているのは、理想主義的で、哲学的・思索的な人々だ。 残念ながら、そこに共通のフィールドがない。 歴史認識問題、沖縄基地問題、集団的自衛権、そして台頭する中国の存在など、さまざまなリスクが絡み、大きなクライシスにさらされている日米関係。 そこにある日米の「ねじれ」に在米作家が鋭く迫る。
  • 伴侶の死
    -
    あなたは自分にとって大切な人――たとえば夫や妻のことを、本当に知っていると言えますか? 著者は、38年間連れ添った夫を、癌告知からわずか12日で失います。突然の別れに混乱する中、著者の中で芽生えたのは、「夫はどんな人だったのか?」という、自責を含んだ問いでした。そうして、夫の真の姿を知るために旧知の人たちを訪ね歩き、「夫探し」の旅を始めた著者が見出した答えとは……。夫婦の在り方を問い、ベストセラーとなった名著、四半世紀の時を超えて待望の復刊です
  • ハートフル・ラブ
    3.6
    『イニシエーション・ラブ』著者が放つ珠玉のミステリ7篇 日本推理作家協会賞候補となった「夫の余命」のほか、名手の技が冴える驚愕ミステリ連発! 最新書き下ろし収録のオリジナル短篇集。
  • ハーバード大の研究でわかった ピーナッツで長生き!
    -
    ピーナッツを食べると太る? ニキビ・吹き出物がでる? 鼻血がでる?これらは全部誤解! ナッツの中でも抗酸化力はダントツ!薄皮に含まれるポリフェノールが体を若返らせる! つまり、ピーナッツを食べると長生きできるのだ! 安価で続けやすく、ハーバード大学も大注目するピーナッツの長生き効果のすべてを慶応大医学部教授が徹底解説。 ●1章 ピーナッツを食べると「健康、キレイ、長生きできる」 ・ピーナッツを食べると「健康にいい」。なぜなら「豆の仲間」だから。 ・ピーナッツを食べると「動脈硬化の予防になる」。なぜなら「身体に大切なあぶらのバランスがいい」から。 ・ほかに、「糖尿病の予防になる」「肝機能がよくなる」「便秘が治る」「ダイエット効果がある」「肌がツヤツヤになる」「夫婦仲がよくなる」といった効果も。 ●2章 ピーナッツ「常識のウソ」 ・太る⇒ウソ。 ・ニキビ・吹き出物の原因⇒根拠なし。 ・鼻血が出る⇒根拠なし。 ●3章 アーモンドよりピーナッツがおススメ。10の理由 ・効果は7割だけど、なんといっても値段が4割。 ・抗酸化物質はナッツ類より多い。 ・栄養のバランスを取り、メニュー不足の調整になる。 ほか ●4章 長生き効果が最大になる「医学的に正しい食べ方」とは。 ・必ず薄皮つきで食べる。 ・毎日30粒で2・5グラムの食物繊維。 ・朝一番に食べる。 ・よく噛んで食べる。満腹感と咀嚼する力。 ・バターピーナッツや塩ピーナッツは避ける。 ●5章 主菜からおつまみ、デザートまで「ピーナッツメニュー」簡単レシピ集
  • バイアウト 企業買収
    3.4
    金儲けを第一主義に、敵対的TOBなどで世間の注目を集める相馬ファンド。相馬との念願の取引にこぎつけた外資系証券会社の広田美潮だったが、買付を依頼された銘柄は、皮肉にも幼い頃自分を捨てた父の音楽会社だった。また相馬だけでなく他三社がTOBを仕掛けてくる異常事態発生。生き残りをかけた熾烈な戦いが始まった。金儲けは悪か? 企業の価値とは何か? 日本経済の希望を書き続ける著者渾身の長編小説。
  • バイトのネズミダくん
    4.5
    ティッシュ配りは命がけ――…!? サメの歯磨き、ゾウの背中洗い、猫カフェ勤務にハリネズミの代役……。 ちいさくても元気いっぱいなネズミダくんの、スリル満点バイトライフ!! すべてのがんばり屋さんに捧ぐ、どうぶつ×お仕事コメディ♪ 「ネコノヒ―」「スキネズミ」「悲熊」で愛される、キューライス最新作がついに刊行!! けなげなネズミダくんに元気をもらえる、オールカラー4コマを200本以上収録!!
  • バカになれ! カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」
    4.0
    常識外れのグローバル仕事術! カルロス・ゴーンCEO直轄プロジェクトで、日産GT-Rを 「ヒト・カネ・時間は通常の半分」という非常識な方式で世界一に導いたカリスマ・エンジニア、水野和敏さん。 その発想法は、新しいアイデア、チーム運営、ブランド構築など、イノベーションの起こし方のヒントにあふれています。 ・宣伝費はゼロ。アラブの王族にクチコミさせる。 ・「漏れ聞こえる」オフィスにせよ。 ・リーダーは30分遅く出社しろ。早く帰れ。 ・失敗させてチームをつくる。 ・英語はできないほうが効く! ・ノートはとるな。 ・恋愛しろ。思考のプロテクトを外せ! そして最終章で明らかにされる、 日産を退社後の「アジア圏での新たな挑戦」とは――。 「誰もやってないことだから、やるんだよ!」の“水野節”で元気がでる一冊です!
  • 幕府軍艦「回天」始末
    3.8
    歴史に秘められた事実を掘り起こした傑作長篇。 明治二年三月二十五日の夜明け。 宮古湾に碇泊している新政府軍の艦隊を 旧幕府軍の軍艦「回天」が襲った――。 箱館に立てこもった榎本武揚、土方歳三らは、次第に追い詰められていく状況を打開しようと、新鋭艦・開陽丸なきあと二番手の軍艦だった「回天」を使い、大胆な奇襲に賭けたのだった。 奇襲には成功したが、外輪船で小回りが利かない「回天」は、新政府艦隊に包囲されて集中砲撃を浴びる――。 一切作者の主観的視点は入れ込まず、事実のみをたどり、「回天」の運命を追いながら、初めて海上から箱館戦争が描かれた。 後に書かれる『天狗争乱』につながる、隠れた名作。 薩摩藩領宝島において、外国の捕鯨船員と島の警備の日本人との間の、小規模ながら戦闘がおこなわれた様子を描く「牛」を併録。 解説・森 史朗
  • ちょっと徳右衛門 幕府役人事情
    4.0
    八十石取りの与力・浜野徳右衛門32歳。日々のお役目は無難にこなし、偉くなるより家庭円満の暮らしを愛していたが、ある日、息子の慎之介が上役の息子にイジメられていることを知り……出世を望む妻、上司や同僚の視線、人情が呼ぶ意外な事件。右往左往の徳右衛門、ささやかな幸せを守れるか!? 剣の腕は確かで上司の信頼も厚い、マイホーム侍、見参。新感覚時代シリーズ初登場!
  • 幕末
    完結
    -
    歴史はときに、血を欲する──司馬遼太郎のロングセラー歴史小説を、『墨攻』や『ムカデ戦旗』で知られる時代劇画の第一人者である森秀樹がコミカライズ! 原作の連作短編集中、「桜田門外の変」と「花屋町の襲撃」の2編を収録しました。 「桜田門外の変」は、尊皇攘夷派の薩摩藩士・有村治左衛門が水戸藩の脱藩志士17名と供に、大老・井伊直弼を襲撃するまでを描いた作品。安政の大獄で父と兄が獄死した松子と治左衛門との、淡い恋も綴られる。この暗殺事件から幕末狂瀾の時代が始まります。 「花屋町の襲撃」は、海援隊の陸奥陽之助(宗光)が、暗殺された坂本竜馬の仇を討つまでの物語。同士として頼ったのは京女のお桂と、剣客「後家鞘の彦六」。竜馬との奇妙な恩義で結ばれた3人の復讐劇の直後、王政復古の号令が下り、幕末は終わりを告げます──。 本作は、週刊文春において2017年5月から10カ月にわたって連載され、動乱の時代を彩った志士たちの群像描写と緊迫感溢れる殺陣シーンが大きな反響を呼びました。 なお、司馬遼太郎・森秀樹コンビによる「文春時代コミックス」シリーズとして、2021年6月刊の今作を皮切りに、7月に『新選組血風録 一』、8月に『新選組血風録 二』、9月に『新選組血風録 三』を連続刊行する予定です。ご期待ください。
  • 幕末新選組 新装版
    4.2
    なあに、明治維新なんてえものはね、つまり薩長たち雄藩と徳川との争いさ。いまのような文明開化の世が来たのも、そいつは時勢というやつでね。つまりは日本国民がえらいのだよ──いたずら好きの腕白小僧が、父の意に反しひたすら剣術の稽古にあけ暮れて十年。折しも幕末の動乱期、永倉新八は剣道の快感に没入した青春の血汐をそのまま新選組に投じた。女には弱いが、剣をとっては近藤勇以上と噂された新八の、維新後におよぶ生涯を、さわやかに描ききった長篇。
  • 幕末風塵録
    -
    浦賀にペリー艦隊が突如、現れたのは、嘉永六年六月のこと。この黒船ショックが、その後どういう変容を遂げて明治維新や現代に受け継がれて行ったか──。「戊辰戦争の敗者の慰霊鎮魂なしには、明治以後の歴史は語り得ない」とする著者が、動乱の幕末の深層を抉り、将軍から遊女まで、人々の息遣いに触れさせてくれる随想集。《目次の一部》榎本武揚と樺太、吉田松蔭とテレパシー、大奥は砂糖天国、家茂びいき、将軍の気くばり、トコトンヤレ節由来、写真術事始、ナポレオンと留学生ほか。
  • ばくりや
    3.6
    1巻611円 (税込)
    あなたの「能力」を、あなたにはない誰かの「能力」と交換いたします――。北の街の路地裏に「ばくりや」という店がひっそりあった。女に異常に好かれる三波は、その力を交換すべく店を訪ねたが……。その他、就職先が必ず潰れる、ささいなことでも泣けるなど、能力を交換した人々の悲喜劇を描く異色の連作短篇集!
  • 化けギツネのちくわ
    -
    モフモフ、まるまる、キツネの子。 大好きなうまなスティック、葉っぱの名刺、しゅわしゅわラムネ、初めてのプール遊び……幼いちくわの目に映る人間の世界は、驚きでいっぱい! 雑貨屋店主の正一さんの不器用な愛情に包まれて、相棒の猫のたびと今日も一緒に遊んでいます。Xで大注目、5000万PVの大人気作がついに書籍化! かわいくて、癒される、元気なちくわの愛くるしい毎日。 ちくわが正一さんと出会うまでの特別描きおろしも収録。
  • 婆娑羅大名 佐々木道誉
    3.5
    「婆娑羅」という言葉をご存じでしょうか。室町時代初期に上級武士の間で猖獗を極めた乱暴な行動様式のことで、 戦国末期に流行った「傾奇」の先輩と考えるとわかりやすいでしょう。この婆娑羅の代表が、本書の主人公、佐々木(京極)道誉です。 『太平記』の中で、楠木正成と並んでもっとも魅力的に描かれるこの男の生涯を通じて、日本人の美意識、出処進退の源流に 迫ろうというのが本書の目的です。  なぜ美意識か。現代で「道」とつく芸術、たとえば茶道や香道、花道といったものの源流は、すべてこの男にあるからです。 花道では池坊専慶が花道書を記す200年以上も前に、道誉はそれを書き残しています。  また、婆娑羅は「乱暴狼藉」と同意語のように思われていますが、さにあらず。意のままに振舞っても、 そこに確固たる美意識があれば、それは狼藉ではなく、「道」に通じる。ここに筆者の「男の生き方の理想」すなわち「自由」の境地を 道誉で示そうという目論見があります。後半では、婆娑羅の後継者ではあるが、どんどん矮小化されていった傾奇者、 さらに三島由紀夫の自決の美意識も取り上げ、「見事に死ぬこと」しか男ぶりを示すことができなくなった時代の悲哀にも迫ります。  ゲーム「戦国BASARA」などの影響で、BASARAもしくはバサラという言葉は今の若い人たちにも親しみがあるようですが、 本物の婆娑羅を楽しんでみてください。
  • バッドエンドの誘惑
    -
    なぜ人は後味が悪い、厭な映画を観たいと思うのか  悪意に晒され、失恋に傷つき、人生に絶望するような映画。後味が悪い、救いのない映画。そんな映画に惹かれてしまうのはなぜだろう? 気鋭の映画評論家が挑む、衝撃のバッドエンドムービー評論集。タイミングの悪さ、先の見えない絶望、イヤな女に子供の不幸、そして美しい残酷で彩られた国々の映画。後味の悪い映画を分類し読み解くことで、映画の新しい魅力を導き出す。  電子版には6,400字の書き下ろし原稿「女性監督たちによるバッドエンド映画名鑑」を追加収録。 第1章 バッドエンドの誘惑  タイミングが悪い/神は人の上に人を作った/絶望の長さ/侘しさ―/報いなし 第2章 世界イヤ映画紀行  韓国イヤ映画紀行/メキシコイヤ映画紀行/イギリスイヤ映画紀行/オランダイヤ映画紀行/オーストラリアイヤイヤ映画紀行/デンマーク映画紀行 第3章 女とこども  バックステージの闇/イヤな女の顛末/ハイミスの悲劇/幼女の嘘で村八分/こどもの受難/死を招く愛/女性監督たちによるバッドエンド映画名鑑 ●真魚八重子(まな・やえこ) 愛知県出身。映写技師を経て現在は映画評論家。朝日新聞、週刊文春CINEMA、夜リラタイム、ぴあ等を中心に執筆中。著書に『映画系女子がゆく』(青弓社)、『血とエロスはいとこ同士』(Pヴァイン)他。共著に『監督と俳優の美学(日本映画は生きている5)「監督としての勝新太郎論」』(岩波書店) 、『戦う女たち――日本映画の女性アクション』(作品社)他多数。
  • 伴天連の呪い
    3.0
    大好評「彦輔」シリーズ第2弾! ちゃっかり御家人三男坊・鹿角(かづの)彦輔が芝の寺へ遊山に出かけたところ、隣の寺の裏手で額に十字の焼き印を押された死体が発見された。そこはかつて、切支丹の伴天連(ばてれん)が何十人も火あぶりにされた寺だという。彦輔は意外な犯人に行き当たるが――個性豊かな面々が江戸の町で大活躍する傑作時代小説集!
  • バナナの丸かじり
    4.3
    バナナの皮を踏むと本当に滑って転ぶのか? 嫌いは嫌い、好きは好き。鰻重っておいしいんだよねー! と叫びたくなる抱腹絶倒の東海林ワールド、「丸かじり」シリーズ第41弾!
  • ババア・ウォーズ 新たなる美貌
    3.6
    マッド高梨の手腕で、見事に若さを手に入れた女王様は27歳のウリセンに恋をした――。新しい恋愛は新しい地獄への道しるべなのか!? うさぎさんの週刊文春連載エッセイ「さすらいの女王」をまとめた一冊。巻末に福岡伸一教授との特別対談「うさぎという生き物」を収録!
  • バビロンの階段
    4.0
    青春大炎上……『横浜大戦争』で話題の若きストーリーテラー、超弩級書き下ろし! 目が覚めると、夕方の16時23分。外は雨が降っている。 大学を中退して、仕送りもなく、2年近く続いた居酒屋のバイトもやめた。携帯も壊れた。 ただひとり付き合っていた人妻ともケンカした。 アパートの部屋を飛び出した僕は、なんとなく訪れた新宿の古びたバーで、かつて天才児として名を馳せていた親友の「サクマ」と再会して、ひさしぶりにビールを飲んだ。そのときには、すでに、貨物列車に轢かれて死んでしまっていたはずのサクマと……。 親友の死の謎を追いかけて、僕はようやく、自分の意思で動きはじめていた。 「バビロン」とは何か? サクマは「バビロン」にいるのか? ユーチューバー、女天才弁護士、伝説の元プロレスラー、美少女の元同級生……使えるものはなんでも使って、親友の死の謎を追いかける!
  • バブル・バブル・バブル
    3.0
    パルコ系クリエーターとして、バブルをど真ん中で経験したヒキタクニオが 自らの仕事と恋愛、青春の日々を回想するドキュメンタリーノベル。 1967年、故郷の福岡を出て東京へ。大学在学中にイラストレーターとしてデビューし、 やがて大規模なグラフィック展覧会「80 sグラフィックパワー展」の顔ぶれに20代で抜擢され、 パルコ系クリエイターの仲間入りを果たす。 それがきっかけで、汐留の国鉄跡地に造られることになった 大型ライブハウス&ディスコ「サイカー PSYCHER」の内外装を任され、 さらにゲームファンタジア渋谷の外壁や店内アートを担当する。 時はバブル全盛時代。数々の変人たちと出会いながら、 充実した仕事の毎日を送る一方で、同郷の恋人と別れてモデルと結婚。 絶頂の日々を過ごしつつも、確実に時代の変化を感じていた――。 解説 日比野克彦 バブル当時、著者が出会った人々 空間プロデューサー、コンセプチャー、デザイナー、 女性のアート系プロデューサー、新進気鋭の映画監督、 広告代理店の営業マン、超能力者、老舗ホストクラブの男、 ヤクザの3人組、銀座で豪遊するキング・オブ・バブル社長、 アニメ「ちびまる子ちゃん」を平成のサザエさんに仕立てた男……
  • バベル
    3.5
    新型ウイルスの出現によって、日本中がパニックに―― ある日突然、同棲している恋人が高熱で意識不明の重体となり、 救急車で搬送される。彼に付き添い続けた悠希にも、魔の手がしのびより……。 感染爆発が始まった原因不明の新型ウイルス「バベル」に、人間が立ち向かう術はあるのか? 日本政府はある対策を講じる決断をする。 近未来の日本を襲った緊迫のバイオクライシス・ノベル! 毎年インフルエンザの季節が到来するとマスクの人が増え、自分の周囲にインフル患者が出た途端に緊張感が高まりますが、この小説は、インフルどころではない最強のウィルスが日本国内に発生してしまうという、「もしかして、ひょっとしたらありえるんじゃないか」という危機感さえ感じさせる緊迫した内容となっています。 極小サイズだけど、人間を恐怖のどん底に陥れる「ウィルス」によって、日本は恐ろしい事態に陥ります。追い詰められた人々は、どのような手を打つのでしょうか? 読み始めたら、最後まで止まることができません。
  • 番犬は庭を守る
    3.8
    とてつもなく過激で痛快、そして悲惨――とにかく無類に面白い。 ページをめくる手が止まらない傑作長篇! 原子力発電所が爆発し、臨界事故が続発するようになった世界。そこでは、放射能汚染による精子の減少と劣悪化が深刻な問題となっていた。 優良精子保有者である「種馬」の精子は民間の精子バンクが高額で買い上げ、その一家には一生遊んで暮らせる大金が転がり込んでくる。 一方で、第二次性徴期を迎えても、生殖器が大きくならず、セックスのできない不幸な子どもたちは「小便小僧」と呼ばれていた。 「小便小僧」として生まれたウマソーは高校を卒業後、警備保障会社に就職をするが、 市長の娘に恋をした罰として、使用済みの核燃料や放射性廃棄物で溢れる、廃炉になった原発を警備することになる。 やがてウマソーの性器は徐々に失われ……。 超格差社会の最底辺を生きるウマソーは、次々と襲いかかる悪夢にどう立ち向かっていくのか。 岩井俊二が全身全霊を込めて書ききった、壮大で豊饒なエンタテインメント。 解説・金原瑞人 ※この電子書籍は2012年1月に幻冬舎より刊行され、文藝春秋より2020年1月に刊行した文庫版を底本としています。
  • 晩鐘 上
    3.0
    1~2巻652~702円 (税込)
    佐藤愛子九十歳・奇跡の話題作、待望の文庫化! 老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年間は夫であった畑中辰彦のものだった。 「究極の悲劇は喜劇だよ」 辰彦はそういった。 それにしても、どうして普通じゃ滅多にないことばかり起るのか。 当時の文学仲間たちはもう誰もいない。 共に文学を志し、夫婦となり、離婚の後は背負わずともよい辰彦の借金を抱え、必死に働き生きた杉は、思う……。 あの歳月はいったい何だったのか? 私は辰彦にとってどういう存在だったのか? 杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索する。 枯淡の境地で、杉が得た答えとは。 『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であった男と過ぎし日々を透徹した筆で描く、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。
  • バンド臨終図巻 ビートルズからSMAPまで
    3.8
    ゴールデンボンバー 鬼龍院翔、絶賛! あなたが好きだったあのバンドはなぜ解散したのか? 金の分配、ドラッグ、メンバーの死、お馴染みの音楽性の不一致。ときにはマネージャーが暴走し、メンバーが殴り合い、美しい解散宣言もあれば、泥沼の裁判沙汰に至ることも。ビートルズからSMAPまで、古今東西のバンド200組の解散事情を網羅する、音楽ファン悶絶必至の大著。
  • BAR来夢来人 1
    完結
    3.0
    都会の片隅に佇むBAR「来夢来人」。バーテンダー・沙羅のカクテルには、願いを叶える不思議なパワーが…。過去を悔やむ会社員、結婚詐欺に遭った大学生、娘の素行に悩む父親…願いが叶った彼らの行く末は、幸か?不幸か?…。今宵、一酔の幻をどうぞ。 【同時収録】特別読切BAR来夢来人
  • BURNT OUT ROOM【文春e-Books】
    -
    1巻305円 (税込)
    文春文庫×エブリスタ 第1回バディ小説大賞受賞作が電子書籍化! 文春文庫が小説投稿サイト「エブリスタ」とコラボして開催した「バディ小説大賞」。 「お仕事」をテーマとした第一回にはたくさんの応募が寄せられ、「BURNT OUT ROOM」が栄えある大賞を受賞した。 その受賞作が電子書籍として登場する。 【あらすじ】 40万人の人口を誇る東京都夕暮市。 棉苗上亮(わたなえじょうすけ)は夕暮消防署ではたらく現場ひとすじの消防士だ。 上亮は人知れず悩んでいた。一昨日、ジャワ・ハイツ203号室で起きた火事。 その現場で、要救助者を救うことができなかったことを――。 上亮はその火災現場を調査する警察に呼び出され、再びジャワ・ハイツを訪れる。 そこで上亮を待っていたのは、個性豊かな警察官の面々。 中でも群を抜いて奇抜なのは、VRのヘッドギアをつけて捜査する男。 「火事場の奇人(シャーロック)」の異名をとる天才刑事・穂村彗星だった。 事故として片付けられていた火災現場を不審がる彗星は言う。 「僕たちの仕事は実にシンプルだ」 「この焦げ付いた空間から、真実という名のダイヤモンドを拾い上げること」 熱血消防士×変人警察官!? 性格も考え方も正反対のふたりは、「真実という名のダイヤモンド」を見つけ出すことができるのか? 「作品としての個性があって、他作品からひとつ抜けていました。」 「ミステリーとしての構成も達者」 と選考委員から絶賛された、新世代のバディ小説の誕生。
  • パウル・ツェランと中国の天使
    3.8
    コロナ禍のベルリン。若き研究者のパトリックはカフェで、ツェランを愛読する謎めいた中国系の男性に出会う。 “死のフーガ”“糸の太陽たち”“子午線”……2人は想像力を駆使しながらツェランの詩の世界に接近していく。 世界文学の旗手とツェラン研究の第一人者による「注釈付き翻訳小説」。
  • 朴槿恵  心を操られた大統領
    -
    【電子版先行発売】 韓国の憲政史上初めて弾劾審判によって罷免された朴槿恵前大統領。彼女は、朴正煕元大統領の娘として政界入りし、圧倒的な支持を受けて大統領に当選したはずだった……。しかし、側近・崔順実とのスキャンダルによって前代未聞の弾劾、罷免された大統領となってしまった。なぜ、朴槿恵前大統領はこのような事態に陥ったのか。“親友”崔順実が、親子二代にわたって朴槿恵を洗脳し続けた「黒幕」だった事実を現地報道と取材で読み解いた、大統領洗脳の歴史。
  • 朴槿恵の真実 哀しき反日プリンセス
    3.8
    韓国の政治はなぜかくも混乱するのか? なぜ「反日」にこだわるのか? セウォル号事故、スキャンダル、外交・経済政策などの失敗で、3年の任期を残すも死に体と化した朴槿恵政権。本書は、朴政権論であると同時に、現在の韓国を過去の歴史に照らし合わせて理解する現代韓国論でもある。
  • パシパエーの宴
    完結
    5.0
    ナンセンスギャグからシリアス系、映像作品の脚本・原作まで幅広い活動を展開する漫画家、とり・みきのSF・ホラー作品集が電子書籍として待望の復刊! ワイドショーのディレクター玉木康介は、人気女優が新興宗教「みことの会」に入信した事件を追っていたが、担当をはずされてしまう。代りに怪奇ネタを探していた玉木は、「件(くだん)」という人面牛身の妖怪の存在を知る。「件」は生後数日しか生きられないが、その間に予言をし、それは必ず的中するというのだ。取材を進めるなかで、「件」が「みことの会」とつながりがあることが判明する……。(表題作「パシパエーの宴」より) 他に「レンタルビデオ」、「カラオケボックス」、「木突憑」、「宇宙麺」、「甕」、「冷蔵(庫)人間第1号」、「金玉人間第1号」、「day dream」、「鏡地獄」(原作・江戸川乱歩、脚本・薩川昭夫)、「望楼」を収録。
  • パチンコ 上
    4.8
    全米図書賞最終候補作!オバマ元大統領も絶賛 日韓併合下の釜山沖の小さな島、影島。下宿屋の娘、キム・ソンジャは、粋な仲買人のハンスと出会い、恋に落ちて身籠るが、実はハンスには妻子がいた。妊娠を恥じる彼女に牧師のイサクが手を差し伸べる。二人はイサクの兄が住む大阪の鶴橋へ。しかし過酷な日々が待ち受けていた――。全世界で共感を呼んだ大作、ついに文庫化! ※この電子書籍は2020年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • パパのおくりもの
    -
    作家でもある神経科のお医者さんが、フランス人の奥さんとの間に生れた三人の娘たち、ユキ・ミト・チカに贈る愛のプレゼント。幼な子たちのかわいい行状と、パパの昔の留学の思い出からヨーロッパ紀行と、数々の挿話の中に卓抜な文明批評が織り込まれている愛と機知とユーモアに溢れた楽しいエッセイ集。家族が変容しつつある現代にあって、見失われている父親の愛とはなにかを問い直し、こどもとの心の交流の偉大さに気付かせてくれる言葉のかずかず。
  • パラサイト日本人論 ウイルスがつくった日本のこころ
    4.2
    なぜ京都人は恐妻家で九州人は男尊女卑なのか。死後の世界を信じる日本人VS「死んだら終わり」と現世利益にいそしむ日本人。容姿のいい男に群がる女は暑い国に多く、イヌイットでは短足夫でもそれなりに困らない。それら深遠なる人類の謎を解くカギは寄生者(パラサイト)にあった! ミトコンドリアが語る日本人のルーツ、縄文人だけがもっていたウイルスの秘密など最先端の研究を駆使して人間とパラサイトの不思議な関係を論じた、目からウロコの落ちる傑作。
  • パラレル
    3.6
    1巻550円 (税込)
    妻の浮気が先なのか、それとも僕が勝手に会社を辞めたせい? とにかくゲームデザイナーの僕は失職し、離婚した。長年の親友でキャバクラ大好き・顔面至上主義者の津田と、別れた後もしきりにメールをよこす元妻、そして僕の新しい恋人……錯綜する人間関係と、男と女の微妙なくい違いを絶妙な距離感で描く、長嶋有初の長篇。タランティーノ監督の映画をイメージして書いたという斬新な構成と、思わず書きとめたくなる名言満載の野心作!
  • パリ仕込みお料理ノート
    3.6
    なぜかしら音楽家には食いしん坊が多いのです とろとろのチーズトーストに、二時間煮込んだシチュー、たきたてご飯にバター、しょうゆ、おかかを混ぜ、おみそ汁のお豆腐をのせた現代版ウツミ豆腐……戦後シャンソン歌手としてデビューしたパリで“食いしん坊”に開眼した著者が、人生で出会った忘れがたい料理と世界の友人たちを自在に綴るエッセイ集。
  • パリに住むこと、生きること
    4.5
    パリ暮らしが15年を超えた雨宮塔子さんにとって、この数年は「人生の大転換期」でした。パティシエ青木定治氏との離婚後、思春期前の子供たちを連れて雨宮さんは新居へ引っ越します。そして2016年には、TBS「NEWS23」のキャスターという仕事のオファーを引き受けることに。新しいキャリアへの挑戦を前に、いっしょに暮らすフランス人のパートナーはどんなアドバイスをくれたのか。パリの家や暮らしを描くエッセイで、女性として、母としての転機に、何を感じ、どう行動したのかを赤裸々に告白します。パリ暮らし16年で迎えた転機。.2014年に結婚を解消してから、TBS「NEWS23」のキャスターを引き受けるまで。“家には物語がある” 雨宮塔子の住まいと人生を巡るエッセイ。
  • パンダの丸かじり
    4.5
    パンダはなぜ偉大なのか。子猫の写真を10枚撮れば7枚かわいい程度だが、 パンダは10枚かわいい。笹一筋で打率10割の可愛さなのだ。 うどんの太さを選ぶ無意識の根拠とは何か。心細いときは細麺。 心太いときは太麺。心の太さとリンクするのだ。 かくして今日も深い深い考察は続く。爆笑人気食べ物エッセイ。 解説=春風亭一之輔
  • パンチパーマの猫
    4.0
    「猫の世話を通じて親の苦労を知る私」 「若い頃に異性にモテた記憶をいまだに引きずっている知人」 「家族からの愛がほしいと涙目で訴えるおじさん」……。 身の回りのとほほな出来事や勘違いな人々に心を惑わされつつも、 先人の知恵をかみしめ、今日も前向きに生きていく。 思わず笑いがこぼれる共感必至のエッセイ集(新装版)。 ※この電子書籍は2005年3月に刊行された文春文庫の新装版です。
  • パンデミックの文明論
    3.6
    新型コロナについての議論で意気投合した二人が緊急対談。 古代ローマ帝国から現代日本まで、歴史を縦軸に、洋の東西を横軸に目からウロコの文明論が繰り広げられる。世界各国のコロナ対策を見れば、国民性がハッキリ見える。 ・「空気」という戒律が、日本でコロナを生きづらくさせた ・イタリアで大流行してしまったのは、ハンカチで洟をかむから? ・古代ローマ帝国の弱体化もパンデミックから始まった ・「自粛警察」は不倫カップルのことも許せない ・オランダ人の50%はトイレに行っても手を洗わない ・「浮気遺伝子」と感染拡大地域のビミョーな関係 ・疫病が拡大すると「マイノリティ」排除が起きやすい
  • パンデミックを終わりにするための 新しい自由論
    -
    この5月で新型コロナは2類から5類に移行し、日本のパンデミックもやっと終わりを告げることになる。 世界でパンデミックが発生した当初こそ、欧米での死者のあまりの多さに比べ、日本ではそこまでの被害が出ていなかったことから、ファクターXなどと、日本の特殊性を賛美する声があがった。しかし、それは幻想だった。欧米ではいち早くパンデミックを終息させ、マスクのない日常を取り戻しているのに、日本ではだらだらと感染拡大は続き、まる3年たってもマスクを外せない暮らしが続いている。 なぜなのか。 それは、日本が人権を制限できない国だからだ。 前の戦争の反省から、日本は人権の制限に極端に及び腰な国家になった。 しかし、感染症対策は、どこかで人権を制限しなければ効果的に行えないところがあるのだ。たとえば行動の自由を制限するロックダウン。欧米ではほとんどの都市でロックダウンが行われたが、日本では「お願い」「自粛」のレベルでしか行動は制限されず、感染は拡大を続けた。 ワクチンの接種も「推奨」であって「義務」ではない。今回がパンデミックは史上初めてワクチンによって終息することは最初から明らかだった。それでも、ワクチン接種を義務化できなかったことで、いつまでも重症者が減ることがなかった。 本書はWHOで感染症対策に従事したおともある筆者による、新しい自由論である。 人権は大切だが、それが制限される局面もある。国家は国民を説得し、そのことを許してもらわなくてはならない。それこそが、今後、国家に期待される役割なのである。 国民は3年間、不自由に耐え、できることはすべてやった。あとは政府の決断だけだ。
  • パンドラ・ケース よみがえる殺人
    3.8
    「悪趣味だな。仲間で最初に死んだ人間の十三回忌に開くタイムカプセルなんて」。昭和四十六年、雪の温泉宿に集まった八人の大学生は、卒業記念のカプセルに、思い思いの品を納めた。「あたしがきっと最初だわ」と呟いた半田緑は、五年後に失踪。十七年後、七人が彼女の箱を開けると、中には干涸びた指と指輪。その三日後、仲間の一人が首無し死体に! 塔馬双太郎は仲間と事件に挑む。高橋克彦ならでは、“思い出したくない過去の、懐かしく甘美な恐怖”を堪能できる傑作長篇!
  • パーク・ライフ
    3.3
    昼間の公園のベンチにひとりで座っていると、あなたは何が見えますか? スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる。『東京湾景』の吉田修一が、日比谷公園を舞台に男と女の微妙な距離感を描き、芥川賞を受賞した傑作小説。役者をめざす妻と上京し働き始めた僕が、職場で出会った奇妙な魅力をもつ男を描く「flowers」も収録。
  • パーネ・アモーレ イタリア語通訳奮闘記
    4.1
    家族で食卓を囲んでいたら、突然、テレビ局からの電話。法王のクリスマス・メッセージが英語でなくイタリア語で送られてきた! 通訳はいないのに、オンエアまであと20分! 電話で必死に音声を聞き、訳した紙を持って6歳の息子がFAXまで走る…聖夜の椿事を始め、最強のイタリア語同時通訳が明かすエピソード満載。地方名門女子校の優等生がシモネタ好きの妖艶な(?)イタリア語通訳になるまでのストーリーと、著者をシモネッタと名づけた米原万里の名解説も収録。
  • パーマネント・ブルー
    4.0
    1巻1,800円 (税込)
    圧巻の青春小説、EXILE橘ケンチついに小説家デビュー! ダンスに焦がれ、人生を懸けると決めた。昂る想いを胸に、夢を追った。実体験をもとに紡がれた、狂おしいほどに熱い日々の物語。 あの時、一歩を踏み出したから今がある――! EXILE、そしてEXILE THE SECONDのパフォーマーとして活躍中の橘ケンチさんにはそんな想いがあるそうです。 「あの時」とは、ダンスにハマって夢中で練習し続けた大学生の頃。 ダンス仲間の友だちは一人抜け、二人抜け、皆、就職活動を始めていく。でも俺は、もっと上を目指したい! そんな想いを主人公・賢太に重ね、彼らを応援するかのように、3年の月日をかけて書き上げられたのがこの物語です。 賢太は、奇跡的にめぐり逢えた仲間とともにダンスチーム「PRIMAL IMPACT」を結成。地元横須賀から横浜、東京へと活躍の場を拡げていきながら、自分を見つめ葛藤し、夢に向けて走り続ける……。狂おしいほどに熱い青春小説を、みなさんにもお楽しみ頂けたら幸いです。
  • 緋あざみ舞う
    5.0
    謎と恋とアクションで綴る大江戸版「キャッツ・アイ」! 船宿を営むは世を忍ぶ仮の姿、お路とお律姉妹の正体は盗人・緋薊。幼い頃に失明した妹お夕を守り、亡父の無念を晴らすべく奮闘する。
  • 光ラズノナヨ竹【文春e-Books】
    3.0
    1巻204円 (税込)
    壇蜜、小説家デビュー作! ガールズバーで働いて貯めたお金を、付き合っていた男にごっそり盗まれた大学4年生の私。 卒論を書くパソコンを買うため、源氏名「サクヤ」として時給4500円の「おっぱいパブ」で働くことに。 入店から2ヶ月たったある日、サクヤは客として来た男と衝撃の再会を果たす・・・。 「竹取物語」をモチーフに描かれた、誰にもみつけてもらえなかったお姫様のお話。
  • 光と影
    -
    将来を嘱望された陸軍大尉の小武は右腕負傷の憂き目にあう。偶然にも同じ傷で同期の寺内と病院で一緒になるが、小武は切断、寺内は腕を残した施術となった。廃兵となった小武はしだいに転落の気分を味わうが、いっぽうの寺内は……。カルテの順番という小さな偶然がわけた人生の光と影を、的確なタッチで構築した直木賞受賞作に、人間の皮肉を巧みに描き出した「宣告」「猿の抵抗」、若く美しい女に潜む戦慄をあつかった「薔薇連想」の三篇を加えた卓抜な作品集。
  • ひかりナビで読む竹取物語
    4.0
    日本最古の物語にして成立年、作者ともに不詳という謎につつまれた古典の名作を、人気古典エッセイスト大塚ひかりが全訳。いきいきと躍動する現代語が作品の魅力を現在に呼び覚ます。かぐや姫はなぜ結婚を嫌がったのか? かぐや姫の犯した罪とは? 作者は誰なのか? 作品にまつわる数々の謎に迫る解説も必見。古典世界をさらに楽しむための珠玉のエッセイを厳選収録。
  • ひかりの剣【電子特典付き】
    3.6
    1巻1,100円 (税込)
    『チーム・バチスタの栄光』でお馴染みの面々が、メスの代わりに竹刀で鎬を削る。 医療ミステリーの旗手が放つ鮮烈な青春小説! 1988年、バブル真っ盛りの頃。 いずれ医療の世界で悪戦苦闘する医学生も最初は医学の素人で、普通の大学生のようにサークル活動に部活に励んでいた、そんな時代。 桜宮・東城大剣道部の猛虎・速水晃一と天下の官僚養成大学、東京・帝華大の臥龍・清川吾郎もまだ医学生で、剣道部員だった。 医学部剣道部の象徴的大会「東日本医科学生体育大会」(東医体)。 この大会の覇者は将来、外科の世界で大成するという言い伝えがあった。 優勝校に送られる「医鷲旗」をめぐって、速水と清川による伝説の闘いが繰り広げられる。 解説・國松孝次(元警察庁長官) 【電子特典】 全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。 電子版あとがき 『ひかりの剣』 【関連小文】1 「ジェネラル・ルージュの伝説」自作解説より『ひかりの剣』 【関連小文】2 「夢はいつか叶う」 【関連小文】4 「すべては剣道場から始まった。」 【関連小文】5 「大学道場で剣道 体にたたきこむ」
  • 光の人
    4.3
    1巻1,629円 (税込)
    1000人の孤児を救うため、ひとりの男が立ち上がった。 戦後。 廃墟と化した東京を中心に、全国で十二万三千人の「戦争孤児」が生まれた。自ら飯を調達して食べることができず、寝泊りする場所すら持たない子供が、唐突に十二万人以上現れたのだ。 国から見捨てられた孤児たちの命と未来を守るため、一人の男が立ち上がる。当時、彼は十七歳の少年先生。 職も我欲もなげうって、半世紀に及ぶ茨の道を歩いた――。 「プロジェクトX」元プロデューサーの著者が、実在の人物をモデルに描く感動の物語。 「この国の歴史には記されなかった 切なく雄々しい愛の物語である」(今井彰)
  • 彼岸花が咲く島
    4.3
    1巻790円 (税込)
    【第165回 芥川賞受賞作!】 彼岸花を採りに砂浜にやってきた島の少女・游娜(ヨナ)は、 白いワンピース姿で倒れていた少女を見つける。 記憶を失っていた少女は、海の向こうから来たので「宇実(ウミ)」と名付けられた。 この島では、〈ニホン語〉と〈女語(じょご)〉、二つの言語が話され、 白い服装のノロたちが指導者、歴史の担い手、司祭だった。 宇実は游娜 、その幼馴染の拓慈(タツ)という少年に〈ひのもとことば〉を教え、 〈女語〉を教わって仲良くなるが、やがて進路を選ぶ時期がくる。 「成人の儀」にのぞむ3人それぞれの決意とは――。 国籍・言葉・性別などの既存の境界線を問い直す世界を描いた問題作。 解説=倉本さおり ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 蜩の鳴く夜に  [分冊版]
    -
    長いがん治療を終え自宅マンションへ戻ってきた誠司。心労で少し痩せてしまった妻の身体に半年ぶりに触れ、生きて帰ったことを実感する。 ※この電子書籍には、単行本「MILK」所収の短篇「蜩の鳴く夜に」が収録されています。
  • 日暮れのあと
    3.9
    過ぎてみれば、全部、どうってことなかった―― 日々老いを感じつつ山裾の町で暮らす絵本作家の雪代。 ある日やってきた植木屋の青年に興味を惹かれ話をしてみると、 彼が結婚を望む恋人は、還暦を過ぎた現役の風俗嬢だという――。 生と死、そして性を描き、人生を謳いあげる短編集。名手がつむぐ至高の7作。 【収録作】 ミソサザイ/喪中の客/アネモネ/夜の庭/白い月/微笑み/日暮れのあと
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界
    4.3
    世界遺産の登録対象は、かならずしも栄光の歴史を語る場所ばかりとは限りません。 そこには、戦争、災害、人身売買、虐殺、拷問、疾病をはじめとして、人類の悲劇の記憶も同時に数多く残されています。 世界遺産という仕組みは、もともと「人類が持つ普遍的な価値を後世に伝える」という精神に基づいて作られましたが、日本では地域活性化や観光振興の起爆剤のように誤解されています。 そこで、本書では「人類の悲しみの記憶を巡る旅」と定義される「ダークツーリズム」の方法論を用いて、世界遺産のなかでも、 とくに悲劇の場(負の世界遺産)として扱われている登録地を旅した文明論的な紀行集として展開していきます。 本書を通じて、世界遺産が持つ意味の核心や、ダークツーリズムという新しい旅のスタイルが持つ可能性に触れることができる1冊となります。
  • 悲劇は防げなかったのか 子どもに「死にたい」と言われたら【文春e-Books】
    -
    2017年10月末、座間市のアパートで女性8人、男性1人、計9人もの切断遺体が発見された。逮捕されたアパートの住人・白石隆浩容疑者は、自殺願望のある若者たちをSNSで言葉巧みに誘い出し、犯行へと及んでいた。この事件では、9人も遺体を解体、部屋に置いていた白石の残忍さもさることながら、SNS上で「死にたい」と訴える若者の存在にも注目が集まった。なぜ彼、彼女たちは「死にたい」と発信したのか。社会は、彼らにどう手を差し伸べ、対処していくべきなのか。教育評論家の尾木直樹氏、精神科医の岩波明氏、ジャーナリストの石川結貴氏が徹底討論した。(※月刊文藝春秋2018年1月号掲載記事を再編集した電子書籍オリジナル)
  • ひさしぶりの海苔弁
    3.8
    新幹線で食べる海苔弁の美味さ、油揚げが人格者である理由、そしてかまぼこ板の美学とは――。 食を愉しみ、食を哲学する。週刊文春の人気食エッセイが電子版で登場! 春の終わり、にょきにょき伸びるアスパラガス。真夏に囓るきゅうりの爽快さ。 目にしみるさんまの煙に秋の到来を感じ、酉の市で手に入れる切山椒は歳末の風物詩。 おつな味、いまの味が記憶の扉を開く。 惜しくも急逝された安西水丸画伯のイラストレーションも、単行本版から大増量して、計60点収録。 食を楽しみ、食を哲学する絶品エッセイ特盛83篇をご賞味ください。 【主な内容】 すいか相手にぶつかり稽古 どうする、目玉焼き れんこん讃歌 パセリを丼いっぱい パパパパパインはいかがです ニッカボッカの男めし 南国おでんの宇宙 「うみねこパン」を盗み喰い かまぼこ板の美学 さよなら、ホットケーキ 二十五年めのハンバーグ ……など。
  • 非情の常時リストラ
    4.5
    人事のプロが教えるリストラ新基準。非管理職40代社員が狙われる! 同期入社でも500万円の年収差! 「慎重に検討しましたが、社内にあなたの経験と能力を十分に活用できる場がなくなっています」。これが、リストラ担当マニュアルに書かれている最後の決めゼリフ。では、どのような人がリストラ候補に挙がるのか? 評価の基準は? 給与との関係は? ここ数年間で極めてドライになった会社と社員の関係。社員を厳しく選別する新しい基準が次々に導入されている。会社はあなたをどうしようとしているのか? 人事のプロが教えます。
  • 飛族
    4.3
    日本海のはずれ、朝鮮との国境に浮か養生島。 かつては漁業で栄えていた離島で暮らす三人の老女のうち、ナオの死で、いまはイオとソメ子のふたりが取り残されている。 九十二歳でひとり暮らしのイオの娘、ウメ子も六十五歳になった。 イオは海女をなりわいとして、八十五歳までアワビを獲るほど、心身ともに丈夫ではあるけれど、娘のウメ子としては心配でならない。 二十五年前の海難事故で命を落とした夫を供養するイオとソメ子。 異国からの密漁船による侵略や、地球温暖化など、不吉な未来を予感しながら、泰然と暮らしを守り続ける老女たち。 そんな島に、おそろしい台風が近づいてきて……。 名作映画「八月の鯨」のように、海辺での厳しい暮らしとシンプルに生きようとする姿に胸を打たれる。 いまの時代こそ、こんな世界に浸りたくなる。谷崎潤一郎賞受賞作品。解説・桐野夏生 ※この電子書籍は2019年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 直面(ヒタメン)三島由紀夫若き日の恋
    4.3
    多くの假面を纏い、読者の前で華麗に舞い、駆け抜けた三島由紀夫。その若き日には、一人の女性との知られざる恋愛の季節があった。『金閣寺』執筆前後の作家の全盛期を共に生き、しかし思い出を固く封印した女性が、半世紀を経て始めて恋の顛末を著者だけに語った。従来の三島像を一新する歴史的証言を文庫化。解説・中江有里
  • 陽だまりに至る病
    3.8
    あなたのお父さんは、殺人犯なの――? ネグレクト、貧困、そしてコロナが少女たちを追い詰める。 タイトルの真の意味がわかると、きっと胸が熱くなる。 現代社会の闇に迫る切ない社会派ミステリー 小学五年生の咲陽は、「父親が仕事で帰ってこない」という同級生の小夜子を心配して家に連れ帰る。 だが、コロナを心配する母親に小夜子のことを言いだせないまま、自分の部屋に匿うことに。 翌日、小夜子を探しているという刑事が咲陽の家を訪ねてくる。 小夜子の父親が、ラブホテルで起きた殺人事件の犯人ではないかと疑念を抱く咲陽だが――。 『希望が死んだ夜に』で「子どもの貧困問題」に、 続く『あの子の殺人計画』で「子どもの虐待」に迫った〈仲田・真壁〉の神奈川県警刑事コンビが、 次は「コロナと貧困」の陰で起こった事件に挑む。 話題の社会派ミステリー第3弾!
  • 秀吉の枷 上
    3.7
    覇王(信長)を討つべし! 多くの謎に包まれた秀吉の生涯に迫る迫真の歴史ミステリー 「殿は、いつまでもあの『覇王』の手先であってはなりませぬ」。死を目前にした軍師・竹中半兵衛は、病床で秀吉に4つの忠言と秘策を授けた。天正7(1579)年6月、蜂須賀小六、前野小右衛門ら播州から駆けつけた異能集団《山の民》を伴い、秀吉は密かに天下取りに動き出す。大ベストセラー『信長の棺』に続く、「本能寺3部作」第2弾登場!
  • 人殺し(上)
    -
    1~2巻550~660円 (税込)
    糖尿病検査に家から遠く離れた京都の病院を選んだのは、作家、井崎の計算である。古い友人が勤務ばかりでなく、からだの関係がある酒場の女、瑛子が、入院する前の日を私にちょうだいと言ったのも理由のひとつだった。青年でもなく老年でもないというのは、何か中途半端である。井崎は疲れていた。疲れているという感じは他人には説明のしようのないものだった……。年齢の重みが人の心に与える苦渋と、香ばしい人生の漿果の甘露を思う存分啜り味わう快楽の交差する著者会心の傑作。
  • 人質の経済学
    4.2
    ◆トランプ後の世界に必読の一冊◆ 「恐ろしい本。人間が、単なる商品として取引される実態を克明に描く」 解説:池上彰(ジャーナリスト・名城大学教授) ベストセラー『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』の著者が、 次なるテーマに選んだのは「人質ビジネス」。 交渉人、誘拐専門の警備会社、囚われた人質、難民らに取材を重ね、 「テロリズムの経済」を明らかにする! ・一番金払いが良いのはイタリア政府。 それゆえここ15年ほどの間に大量のイタリア人が誘拐されている ・助けたければ誘拐直後の48時間以内に交渉せよ ・武力による救出の3回に1回は失敗に終わり、人質または救出部隊に死者が出る ・10年前、200万ドル払えばイラクで人質は解放された。 今日ではシリアでの誘拐で1000万ドル以上支払う ・誘拐された外国人は出身国によって、助かる人質と助からない人質に分けられる ・誘拐組織は難民たちの密入国斡旋に手を拡げ、 毎週数万人をヨーロッパの海岸に運び、毎月一億ドル近い利益を上げている
  • ひとつになるまでの時間  [分冊版]
    -
    倫太郎の妻早季子は、北海道へ長期出張に駆りだされていた。妻が東京へ戻るその前夜、二人は心の底に秘めた性的なファンタジーを電話で語り合う。 ※この電子書籍には、単行本「MILK」所収の短篇「ひとつになるまでの時間」が収録されています。
  • 人妻裏物語 専業主婦のいけない昼下がり
    3.5
    覗いてみたらスゴかった! 結婚して10年の転勤族主婦・泉慶子が全国で見聞きした、「専業主婦」の“昼間の顔”。その秘密の世界を赤裸々レポート。人妻のいけない恋、ネットゲーマー主婦、白昼宴会、セクハラ舅、サイコホラー主婦友、奴隷契約バイト…「ヒマそう」「楽そう」と言われがちな主婦の日常、実はこんなにドラマチック。「うちの妻に限って…」なんて思ってるダンナさん、あなたの奥さまも登場しているかもしれません!
  • 人に話したくなる世界史
    3.5
    ちょっと気になる面白エピソードから、世界史を理解する入口がみつかる! メソポタミア-インダスの貿易ルートがなければ、アレクサンドロス大王の大帝国はなかった? ペルシア戦争は“元寇”だった? コロンブスよりはるか前に“新大陸”に渡っていたのは? 大航海時代の始まりはアフリカの金が目当てだった? ヨーロッパ商業がグローバル・スタンダードのなったのはグーテンベルグのおかげ? “航海王子”は船酔いに弱かった? 『母をたずねて三千里』のマルコはなぜイタリアからアルゼンチンへ渡ったのか? 経済歴史学、情報、ソフトウェアの重視など先端の歴史研究の成果を生かした、 教科書には載っていない世界史のツボ。明日、誰かに話したくなること必至! 【目次】 1 アレクサンドロス大王はなぜインダス川を越えられなかったのか? 2 ヴァイキングはイスラーム商人と商売していた 3 大航海時代の始まりはアフリカの黄金目当て? 4 織田信長「天下取り」を支えた東南アジア貿易圏 5 グーテンベルグのもうひとつの「革命」 6 本当はしぶとかったポルトガルとスペイン 7 大数学者フェルマーが保険の基礎をつくった 8 大英帝国は借金上手? 9 綿が語る「アジアvs.ヨーロッパ」の大逆転 10 「中立」がアメリカを大国にした 11 蒸気船の世界史――マルコはなぜブエノスアイレスへ? 12 「手数料」を制する者、世界を制す 13 中国がヘゲモニー国家になれない理由
  • ヒトのオスは飼わないの?
    4.0
    ロシア語通訳、エッセイスト、作家として多忙な日々を送った故・米原万里さんは、常に複数の猫と犬の母でもありました。そのニギヤカなる毎日を描いたエッセイが本書。執筆時、米原家は猫4匹、犬2匹、人間ふたりのメンバー構成でした。その状況を恩師に年賀状で報告したところ、「ネコイヌもいいけれどねえ、君、そんなことより、早くヒトのオスを飼いなさい、ヒトのオスを!!」と言われた……というのがタイトルの謂れです。ヒトのオスにはちと厳しいが、猫と犬には惜しみない愛情を注いだ米原さんの傑作ペット・エッセイ。猫好きも犬好きも楽しめます!
  • ヒトは何歳までセックスできるのか? 【文春e-Books】
    -
    文藝春秋の電子書籍オリジナルレーベル「文春e-Books」始動! 本格的な高齢化社会に伴ってクローズアップされている「老人と性」の問題。男性も女性も、歳を重ねても無理なくパートナーとセックスライフを楽しめるなら、それは後半生を彩り豊かにするだけでなく、格好の「アンチエイジング」にもなります。「男64歳、女49歳」限界説とは? 性交を成功させる「ゴールデンタイム」って? 中国医学が伝える、精力を高める食べ物は? 精力剤は本当に効くのか? 気鋭のジャーナリスト・藤吉雅春氏が性の深淵に迫り、大好評を得た「週刊文春」短期集中連載を文春e-Books化!
  • ヒトは120歳まで生きられるのか 生命科学の最前線
    4.0
    超長寿時代はもうはじまっている。誰しもが持つ疑問にジャーナリスト田原総一朗が挑む。山中伸弥京大教授ら生命科学研究者への連続取材から見えてきたものとは──。 ゲノム編集、iPS細胞、デザイナーベビー、ヒトゲノム……。名前だけは誰もが知っている生命科学の課題に、日本の最高峰の研究者たちが易しく答える。人間はどこまで変わっていくのか、その時、世の中はどう変わるのか!? 「ヒトが120歳まで生きられるとするならば、私はまだ3分の2を生きたに過ぎない。この取材は私自身の人生観すら変えることになる──そう思いながら取材を始めることにした」(本文より) 【本書の内容】 ●遺伝子組み換えとゲノム編集の違いって何? ●iPS細胞の開発が世界をどのように変えたのか ●がん治療が遺伝子解析で劇的に進んでいる ●人工知能(AI)が生命科学の研究を加速度的に発展させた ●遺伝子操作で赤ちゃんを創っていいのか? ●人生120年時代になると雇用も年金も大改革が必要 ●新時代に必要なのは欽ちゃんのような生き方だ
  • ひとまず上出来
    3.8
    重ねる歳はあるけれど、明けない夜はないはずだ。 CREA連載「●●と▲▲と私」に加え、話題沸騰の推しエッセイ、 楽しいお買い物についての書きおろしも収録。 いまの私にジャストサイズの最新エッセイ集! 四十路、化粧が写真に写らないミステリー/なぜ私のパンツは外に干せないのか/「疲れてる?」って聞かないで/ていねいな暮らしオブセッション2021/「四十代になれば仕事も落ち着く」は幻想です/「愛される」は愛したあとについてくる、らしいよ/#今日の鍛錬/「怒ってる?」って聞かないで/私はちょっと怒っているんですよ/「おかしい」言うことの難しさよ /やりたいか、やりたくないかの二択です/中年の楽しいお買い物/ラブレター・フロム・ヘル、或いは天国で寝言。…ほか50エッセイ収録!
  • 瞳のなかの幸福
    4.0
    私は、私の幸せを失いたくない―― 長く付き合った恋人から婚約を破棄され、仕事に打ち込む日々を送っていた妃斗美の前に、偶然、金色の目をした「幸福」が現れて……。 ※この電子書籍は2019年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ひとめぼれ
    3.7
    累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。 札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。 いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。 解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ひとりじめ
    3.7
    浅田美代子は、樹木希林さんの人生の、一番弟子だった。 ――林真理子 「美代ちゃんが私の人生の語り部になってね」 いつものように、二人でご飯を食べながら会話をしている最中に、希林さんが突然そう言った。 そこにどんな意図があるのかわからずに、驚き、困惑した。 「なに言ってるのよ。それに、希林さんの周りにはもっとふさわしい人がいっぱいいるでしょう? 私なんか、言葉もそんなに知らないし」 「いいんだよ。あなたが私のことをいちばん知っているんだから。気持ちがあれば伝わるんだよ」 (本文より) 姉であり、母であり、親友だった樹木希林さん。ずっと「ひとりじめ」にしてきた希林さんとの思い出と、青春の日々を綴ったエッセイ。 〈目次〉 となりの美代ちゃん、希林さんに出会う かけがえのない女友だち 夜遊びと人間関係 老いに抗わない女であるために 結婚のこと ロックな男とフォークな男 久世光彦さんとの決別と再会 少年のような西城秀樹さんのこと 冬は河豚、初夏はさくらんぼ 希林さんと裕也さん――不可解な熟年夫婦 身勝手な愛 私の中の悪女 忘れられないプレゼント 役の人生を積むこと いくつもの恋をしてきた 離婚のこと 明石家さんまさんとのご縁 父親を許せなかった 人生最愛のパートナー・4匹の犬たちのこと “おひとりさま”の明るくて新しい生き方 母を見送って 自分の命も、ものの命も使い切る 永遠の住処をともに探して 希林さんの終活 希林さんとのお別れ 縁は運であり運命だから あとがき
  • ひとり旅立つ少年よ
    4.4
    『音もなく少女は』『その犬の歩むところ』に続く感動作 悪党が狙う大金を奴隷解放運動家に届けるべく少年は一人でアメリカ縦断の旅に。非道の中の人間の尊厳を描き続ける巨匠の会心作。
  • 独りで学べる英会話
    3.0
    国際的に働きたい、海外旅行を楽しみたい。でも英語が……というあなたへ。国際派ジャーナリスト、塩谷紘はごく普通の英語教育を受けた少年に過ぎなかった。ただ人と違うのは、自ら編み出した独習法で英語を学び続けたこと。活用したのは、なんと子供向け英英辞典。英語圏の幼稚園児が母国語を覚えるように、基本単語を自在に使える力を鍛えるトレーニング。ニューヨーカーが電話で使う単語はたった500語、それを話せて聞きとれれば、あなたも英語には困りません!
  • ひとりの記憶 海の向こうの戦争と、生き抜いた人たち
    4.8
    太平洋戦争を機に海を渡り、戦後も帰国せずにその地で生きることを選んだ「日本に帰らなかった日本人」。インドネシア、台湾、サイパン、ポナペ、韓国、中国、ロシア、キューバに暮らす10人とひとりひとり言葉を交わし、終戦の混乱の中で下した選択、生き方を寄り添うように描く。 取材から完成まで20年の歳月をかけた渾身の書下ろしノンフィクション。
  • 火の神の砦
    5.0
    愛と裏切りと、衝撃の真実! ときは戦国。陰流の祖・愛洲久忠(移香斎)は、神々の国・出雲で「この世にないはず」の刀剣と出会います。 「とうに滅びた備中青江鍛冶の新作に見えた……」 この刀こそ、若き剣豪の理想を体現していました。 久忠は又四郎という陽気な若侍と、山奥をさまよいます。ようやくたどり着いたのは、年寄から赤子まで、女だけで暮らしている隠れ里。そこで出会うのは、女たちの驚くべき風習、いのちを脅かすものたち、雪舟という奇妙な老人……。 なんとしても生きのびようとする誇り高き女たちは、久忠の求める刀をつくることを条件に、「私たちを守ってほしい」と、次から次へと難題を持ち込みます。 久忠たちの運命や、いかに?
  • 火の国の城(上)
    3.8
    天下分け目の関ヶ原から五年。世情が落ち着きはじめた京の町にふらりと現われた偉丈夫。男はすぐれた技をもち、豪傑と熱情を秘めた伊那忍び、丹波大介であった。すでに陰の世界から足を洗い、農村でおだやかに妻と暮らすはずであったが、彼の腕を知る者によって武家の覇権争いに巻き込まれていく。天下統一への執念を燃やしつづける徳川家康と、復活を夢想する豊臣家とをめぐり、「忍び」というあらたな諜報戦が歴史の陰で繰り広げられる。いずれも個性的な超人たちの物語。
  • ヒノマル
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    昭和18年、戦時下の日本。国家のために死ぬことを夢見る軍国少年・勇二が出会ったのは、歴史学者の娘・涼子。 日本が戦争に負けると言い放ち、自由奔放に振る舞う不謹慎な彼女が、大学生の兄の恋人だと知ったのは、学徒出陣が近付く頃だった…。 「どうして俺が生き残っちゃったんだろうな」 「生き残ることは罪じゃないでしょう」 自由が統制され、夢を見ることさえ叶わない社会で、少年少女はどこへたどりつくのか。 秘密の図書館、真夜中の帝都、出征の朝、西へ向かう夜汽車、真っ白な日の丸。 『平成くん、さようなら』の著者による書き下ろし青春小説!!
  • 陽はまた昇る 映像メディアの世紀
    4.1
    20世紀最後にして最大の家電商品・ホームビデオ。VHS方式とベータマックス方式、二つの規格をめぐって、日本ビクターとソニーが死闘を繰りひろげる。規格統一はあるのか。欧州市場は、どちらを支持するのか。そしてついに、高野鎭雄という一人の男の信念が、技術者集団を引っ張り、井深大、盛田昭夫率いる巨人・ソニーとの闘いを制し、世界を相手にひとつの時代の幕を開く。NHKの「プロジェクトX」や映画化で話題をよんだ痛快無比の傑作ビジネス・ノンフィクション。
  • 響灘 そして十二の短編
    -
    休みでもとってみるか。家族サービスでなし、ゴルフでもなし、休暇の理由はとくに会社には言わずに……。一見ごくありふれたサラリーマンが思いついた、わずか二日間の旅の行き先は暖流と寒流がぶつかりあって、波が立ち、音をたてるという響灘だった。六年前に別れた愛人から電話をもらった男は、二日だけ休暇をとって、そこを訪ねることにした。──不思議な海が二人だけの景色となって騒いでいる──。再会した男と女の一夜を美しく描いた表題作と、家族をテーマにした連作短篇十二篇。
  • 日々是口実
    3.4
    週刊文春の人気連載! ツチヤ先生の「口実」満載のエッセイ集。 妻と弟をお供に旅行に出かけたり、78歳のスーパーボランティアに衝撃を受けたり、 教え子との会話に興じたり、不幸のモトに思いをはせたり。 まさかの骨折や、老人ホームへの入居を決意など、 人生にまつわる「口実」を考えるのにツチヤ先生の頭は今日もフル回転。 笑いがとまらないユーモア・エッセイ集。 週刊文春連載の文庫オリジナル。 解説・土屋幹雄
  • 日々是作文(ひびこれさくぶん)
    3.8
    31歳の私に、10年後の私をこっそり教えてあげたい──。離婚して仕事もお金もなく、実家に寄生するしかなかった31歳。直木賞を目標にかかげて、胃痛に苦しみながらも、必死で作品を生み出しつづけた30代中盤。念願の直木賞を受賞した38歳。ずっと一人で生きていくと思っていた矢先の、39歳での再婚。幸せな生活のはずが、うつ病で入院してしまった40歳。絶品の恋愛小説で読者の心をゆさぶる著者も、様々な葛藤を抱えながら生きてきた。心に沁みるエッセイ集。
  • 日々我人間
    4.5
    1~3巻764~1,100円 (税込)
    ひょんなことから数年を過ごした東京の漫画喫茶に別れを告げ、伊豆の山中に居を構えた玉さんを襲う、ネコ・シカ・ムカデ! 週刊文春好評連載、桜玉吉『日々我人間』がついに一冊に! 「いったいなぜ?」と反響を呼んだ週刊文春連載開始からはや3年、待望の単行本化!!「すぐに休載するんでは?」などの憶測もなんのその、ほぼ隔週連載から毎号掲載になっても見事皆勤賞。その3年分150回をどーんとお届け。 激動の3年間の前半は東京・漫喫編、後半は伊豆編。 隣人の音に悩まされる満喫の狭い個室から、野生生物の襲来に悩まされる山荘へと生活はガラリと変わっても(変わってない?)、玉吉節は健在! 「週刊文春お正月スペシャル号 丸ごと1冊タンマ君!」に寄稿した「タンマさん」もそっと収録。
  • 秘本三国志(一)
    4.4
    群雄並び立つ乱世を描く中国古典「三国志」を語るに、著者に優る人なし──世は前漢、後漢あわせて四百年、遂にその巨木も朽ちて、まさに倒れんとする時代。相続く天変地異、疫病の流行は悪政の報いか。ところが天子たる霊帝は遊び呆けてばかり……。道教『太平道』による造反、黄巾の乱をきっかけに、まずは、曹操、孫堅、劉備、関羽など天下制覇を夢みる梟雄、智将の登場。道教『五斗米道』からの視点を加え描く壮大な戦国ドラマ、陳三国志の幕開けである。

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