パーク・ライフ

パーク・ライフ

小説・文芸
710円 (税込)

3pt

昼間の公園のベンチにひとりで座っていると、あなたは何が見えますか? スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる。『東京湾景』の吉田修一が、日比谷公園を舞台に男と女の微妙な距離感を描き、芥川賞を受賞した傑作小説。役者をめざす妻と上京し働き始めた僕が、職場で出会った奇妙な魅力をもつ男を描く「flowers」も収録。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    パーク・ライフ
  • タイトルID
    :
    129437
  • ページ数
    :
    177ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年08月19日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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パーク・ライフ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    吉田修一多才だわ、直木賞っぽい作風なのに芥川賞も取ってるんか。これに低評価してるやつらは、自分の読解能力の低さを棚に上げてることに気付いた方が良い。ちなみに難しすぎてよく分からんかった!

    0
    2026年05月16日

    Posted by ブクログ

    僕は、この文章群からなにも取り出せない様な気がする。もっともそれ自体は悪いことではないんだけれども、なんだか惜しい気持ちになる。芥川賞受賞作として読むと、なんだか、かつては感じられなかった時代の連続というか、繋がっているのだと感じる。

    0
    2026年04月18日

    Posted by ブクログ

    「なんにも隠してることなんてないわよ。逆に、自分には隠すものもないってことを、必死になって隠してるんじゃないのかな」

    ビデオの時計は、電話をかけたときが「20:34」で、受話器を置いたときが「20:43」だった。あと一分でちょうど十分だったのだが、その一分で何が話せたというわけでもないのに、その一分で何かが話せたような気もした。

    .
    読んでいると、人は何か決定的なことを取りこぼしながら、それでも生きていかなければいけない、むしろそれが必要なんじゃないかとおもった。

    0
    2025年09月30日

    Posted by ブクログ

    サラリーマンが公園で知り合って、ふとしたことで口をきき、何気ない付き合いが始まる。それだけ。
    以前、話題になった「悪人」を読んだ感想で、可もなく不可もない話だと書いた覚えがある。被疑者にされた恵まれない育ちの素朴な青年と、電話で知り合った女性が逃げているうちにお互いに情が湧く、ストックホルム症候群的いきさつだろう。それがそんなに話題になるほどいい小説なのか、長いし。と思った。

    この「パーク・ライフ」を読んでから再読すると、とんだ勘違いで、浅い読み手だったと反省した。
    これは日常生活の1シーンを切り取ったようないい話だった。

    取り立てて驚くようなこともなく、公園でふと知り合ったサラリーマンと、何処かに勤めているが(尋ねもしない)自然体の女性が、顔見知りになり、時間を共有する。そんな話だった。

    初めて出会った時、

    僕はドアに凭れたまま、ガラス窓の向こうに見える日本臓器ネットワークの広告をぼんやり眺めていた。広告には『死んでからも生き続けるものがあります。それはあなたの意思です』と書かれてあった。(略)
     「ちょっとあれ見て下さいよ。なんかぞっとしませんか」
    ガラス窓に指を押し当て、僕は背後に立つ見知らぬ女性に笑みを向けてしまった。

    女性がなにごともないようにこたえてくれた。そいうことで知りあって、いつも行く日比谷公園のベンチで再会する。それから時々会っては、ベンチに座って、持ってきたスタバのコーヒーを飲む。いつも気球を上げている老人に話しかけたり、人体解剖図に興味を持ったときは、二人で町の店に入り人体模型を手にとって見たりする。

    写真展に誘われると、その写真は彼女の育った所の風景だった。それまで聞きもしなかったが秋田の角館の人だとわかる。

    平凡なような、ちょっと変わったような淡々とした男女の付き合いがある、公園の中の出来事や、公園の中の出会いが書いてある。

    それでどうなったかと言うものでもなく、自由で行動的な彼女は時間が来ると「よし決めた」などとと言って人混みの中に消えていくような人だ。なんだかいい。ちょっと普通でないようだけどそんなこともあるかも知れない、そんなさっぱりした人もいるかもしれない。そんな時間がとても奥行きがある表現で書かれている。静かに読むにはいい話だった。

    もう一編、「frowers」がある。
    この話は、また違った奇妙な重みがある。
    墓石屋の仕事を辞めて上京して、水の配達をする会社に入る。そこで「元旦」と言う名前の水配達人の助手になる。
    社長は2代目でわがまま放題、常に部下の一人を目の敵にして叱りつけている。部下も弱みがあるので見苦しく従っている。
    「元旦」は社長の妻と不倫中なのだが、そこに呼びつけられたりする。
    だが、無骨な「元旦」が活花をしていて床に飾るのが抵抗なく感じられたりもする。暑い暑い日、疲れ切った運転手の男たちが、混み合ったシャワーで汗を流している。外から社長が、中にいる部下を怒鳴り始める。もう、汗の匂いと疲れた男たちと、怒鳴り声と、それをやめさせようと土下座する「元旦」と、たまらない様子が、息苦しい。暮らしの中で様々なことが起きる。短い中に暑い夏の、人のつながりが書き込まれていく。

    そして突然「元旦」がやめ、それでも日が過ぎ、田舎を出る時結婚した女優の卵の妻と相変わらずの暮らしを続けている。「元旦」から年賀状が届く。

    謹賀新年 元旦

    たぶんこの「元旦」というのは、自分の名前のつもりなのだろうと、空白の多いその紙面を眺めた。どこかで元気にしているわけだ。 

    毎日重い墓石を運んでいるとふわっと飛んでみたくなる。
    夕立に濡れながら歩き回って花の無い墓石を探し、泥が跳ねた足元を見て「東京へいってみようかなぁ」と思う。
    心の動きの小さなゆれが伝わってくる。平凡な日常がふと遠くに思われたり、何か変化があればいいと思ったり、それで暮らしを変えてみても変わらない日々が続いていくのだが。

    0
    2026年03月07日

    Posted by ブクログ

    素晴らしかった。なんでもない風景に描かれる繊細な描写が心地よかった。
    パークライフも良かったけどflowersの方が好き。

    0
    2026年02月01日

    Posted by ブクログ

    パークライフは大きなことは何も起こらない。
    読みやすいので一気に読めてしまう。

    フラワーズ、こちらの方が惹かれた。
    出てくるキャラがいそうでいないが、感情移入できる。ところどころで「おっ」となる展開もある。

    0
    2025年10月17日

    Posted by ブクログ

    まずこのふわっとした設定のなかで、常に読ませる展開を続けていくのが上手い。場所や人は、内側のものと外側のものがテセウスの船みたいに入れ代わり立ち代わりしていて、そういうのらりくらりとした面白さを小説でも展開できている。日比谷公園で会う女はちょっと春樹っぽいのだけど、距離感の近さが春樹より好き!

    0
    2025年12月16日

    Posted by ブクログ


    ビル街のなかにぽつんと大きな公園にある。
    そこにはどんな人たちが何を思い佇んでいるのか。
    都会の喧騒に疲れて癒しを求めるのも、ただボーッとするだけなのも、使い方は様々。
    そりゃ気球飛ばして上から見たいだなんて人もいるし猿を肩に乗せて散歩する人もいる。
    日常に疲れたら公園で人間観察でもするとしよう。


    悪人とか怒りとか国宝とか重かったり激情する作品が多いイメージだったけど、こちらはゆるーい人間模様が描かれていて、読みづらいイメージの芥川賞作品なのにこのゆるさがありがたくスラスラ読み進められた。とても意外。

    0
    2026年06月24日

    Posted by ブクログ

    ちょい、絶賛本の整理中にて。
    穏やかな日常にちょい不確実が絡む作品。
    わかっているけど、吉田さんの振り幅に驚いたのでとりあえず評価を(笑)

    0
    2026年05月09日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞の表題作は、2002年の作品。いまから20年以上も前か。日比谷駅と日比谷公園がでてくるが、このころちょうどこのへんで働いてた(リアルタイムで読んでおけばよかった)。
    今ならLINEでも交換するところだろうが、ほんとそういう文化のない最後の時代の作品かもしれぬ。スターバックスが象徴的に出てきてそれもまた時代を感じられてよい。ワイの最初のスターバックスは新宿の、今はバスタになってるとこにあった店舗だった。たぶんそこが銀座店についで二番目ではなかっただろうか。隙あれば自分語り失礼。

    0
    2026年04月04日

パーク・ライフ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    文藝春秋
  • 掲載誌・レーベル
    :
    文春文庫
  • タイトル
    :
    パーク・ライフ
  • タイトルID
    :
    129437
  • ページ数
    :
    177ページ
  • 電子版発売日
    :
    2011年08月19日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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