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金儲けを第一主義に、敵対的TOBなどで世間の注目を集める相馬ファンド。相馬との念願の取引にこぎつけた外資系証券会社の広田美潮だったが、買付を依頼された銘柄は、皮肉にも幼い頃自分を捨てた父の音楽会社だった。また相馬だけでなく他三社がTOBを仕掛けてくる異常事態発生。生き残りをかけた熾烈な戦いが始まった。金儲けは悪か? 企業の価値とは何か? 日本経済の希望を書き続ける著者渾身の長編小説。
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Posted by ブクログ
バイアウト=企業買収 大きなテーマは『会社は誰のものか』 株主か、経営者か、はたまた・・・ M&A・・・TOBやMBOと云った内容を繰り広げる。 3場面くらいが同時進行で話が進むのでスピーディー且つ、読みやすい内容。フィクションで記述されているが、内容としては恐らく06年に世間を騒がせ...続きを読むたライブドアショック、村上ファンド問題、スティール・パートナーズ問題などモチーフに描かれていると推察出来る。 ファンド、投資銀行、証券会社、事業会社、投資家、、経営者、従業員・・・ 様々なマーケットプレイヤーの思惑が交錯し合い、『マーケット』の中で揺れ動く心理戦。個人的にハラハラしながら読めたのが良かった。 著者の幸田真音(こうだまいん)さんは、バンカートラストで、外債の元トップセールスという事もあり、小説中にはふんだんに専門用語が使われていて読んでいて楽しかったです。知らない用語も多くて、勉強不足を痛感。 個人的には、黒木亮の『トップレフト』には見劣りするものの、真山仁の『ハゲタカ』と肩を並べる程にエキサイティングな小説だと感じた。 やはり・・・こういう小説を読む度に・・・こんなディールに携わりたいなぁ~って、思ってしまうww IBやファンド業界に進む方は読んでいて損はないと思います☆☆
金融用語たっぷりではあるけれど、バックの親子のストーリーがあるおかげか読みやすい。 「お金儲けが悪いことなのか」「自分が儲かれば、血の通った企業なんて後はどうなっても知らない」「法に触れることをしても、巧く振り切ればいい」、、、等々、お金儲けと人情との行ったり来たりの中、主人公はどんな結末を下すのか...続きを読む、、、圧巻でした。
企業買収をめぐる残念物語。TOBとかホワイトナイトとか、当時良く聞いた単語がたくさん出てきたライブドア事件を思い出す。
ホリエモン/堀江貴文 や 村上ファンド が想起される。 日本の社会では ものづくりするものは 尊く 金で金儲けするものは 下賎なもの という風潮がある。 企業買収という 会社が商品となる という時代がおとづれ そのなかで 会社とは『なにか』を 考える時代が やってきた・・・・ 株の世界は 不思議...続きを読むな力が 発揮される。 TOBにたいして どう対応するのか? どこからが インサイダーであり 株価操作なのか それが よくわからないことが わかった。 プロとしての 法律知識が いるんですね。 広田美潮は 父親への復讐 憎悪・・・・ それを 落としこめ 勝とうとするが 自分の中で 葛藤が起こり 意外な結末が 待っていた。 父と娘は永遠のテーマ。 美潮は りりしく やさしい。肝力がある。
真田さんの小説は文庫になるたびにちょくちょくチェックしています。 今回は、小さな音楽会社を巡って、 ファンドや事業会社がTOBを仕掛けるハゲタカ小説。 各社のTOB合戦は読み応えがあるし、 社内で繰り広げられる喧々諤々とした議論も面白い。 企業のM&Aについて楽しく学べる一冊。...続きを読む 個人的趣味を言うと、 ファンド内にもう少し「日本をよくするだー!」的な ヒーローがいてもよかったかなぁ。。 (安っぽい小説に成り下がっちゃいますが…。) 最後の終わり方があんまり好きじゃなかったですが、 これはあくまで人それぞれの好みでしょう。 最近、こういうそれなりに深くて楽しめる小説が出てきて嬉しい限りです。
経済小説は多く読んでいますが、とても読みやすく時間を忘れます。 外資系証券会社の女性を主人公とした、企業買収や彼女の生い立ちに おける葛藤がおもしろいです。
ハゲタカに続き、バイアウトを題材にした小説。今回は1社に対して3社がTOBをかけるという筋書き。最後にはまさかの逆転がある。ブロックトレードを扱う証券会社の立ち位置というのはなかなかネタにはならないので、その点では新しかった。ただし小説が問題提起しようとしていること自体はここ数年だいぶいい古されてい...続きを読むるような感じ。特に新しい視点は感じられなかった。[2009/11/24]
買収は怖い。 金が絡むと色々ありますよね。 必ずしも会社の価値や業務と関係ない 金というフィールドで会社の価値を決められるのは 怖いですね。
村上ファンドをモチーフにしているのは明らか。 登場人物の人物描写が非常に浅いと感じるものの、スピード感を大事にした展開を行うのであれば致し方ないか。 タイトルの「バイアウト」に関し、一般的には「株式のマジョリティ取得を狙ったファンドによるM&A」が定義であるのに対し、本書ではマイノリティ投資...続きを読むにも関わらず「バイアウト」という単語が使用されているのが残念。 鞘抜きを狙うファンド、不動産価値に重きを置く事業会社、そして人的資産に着目する事業会社・・・ 本書では最終的には人的資産に着目した事業会社が独り勝ちをしたが、個人的には儲けの手法はプレーヤーによって様々で、その手法に長短や是非はないと考えている。 その点、嫌金融、嫌ファンド、嫌資本主義の大衆感情に迎合している。 発売当時と異なり、投資家との対話に関し、重要視されている現在の風潮からすると違和感がある内容。 現在の風潮に合い、かつ本来の意味の「バイアウト」を反映するような、新作の上梓に期待したい。
なんか既読感があったのだが、それはまぁそれなりに楽しめました。 村上ファンドの事件を下敷きにしているのはよくわかりますが、ちょっと見方が一方的かな、と思うのと、登場人物の描写の甘さは彼女の小説の基本になってしまっているのが残念。主人公や歌手の苦悩ももう少し掘り下げて欲しかったし、いくら業界が違っても...続きを読むあんなに短期間で取引をうまいこと成功させることが現実的でないことはわかるので、そこは小説という逃げ場を作ってほしくなかったかも。
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