彼岸花が咲く島

彼岸花が咲く島

790円 (税込)

3pt

【第165回 芥川賞受賞作!】
彼岸花を採りに砂浜にやってきた島の少女・游娜(ヨナ)は、
白いワンピース姿で倒れていた少女を見つける。
記憶を失っていた少女は、海の向こうから来たので「宇実(ウミ)」と名付けられた。
この島では、〈ニホン語〉と〈女語(じょご)〉、二つの言語が話され、
白い服装のノロたちが指導者、歴史の担い手、司祭だった。
宇実は游娜 、その幼馴染の拓慈(タツ)という少年に〈ひのもとことば〉を教え、
〈女語〉を教わって仲良くなるが、やがて進路を選ぶ時期がくる。
「成人の儀」にのぞむ3人それぞれの決意とは――。

国籍・言葉・性別などの既存の境界線を問い直す世界を描いた問題作。

解説=倉本さおり

※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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彼岸花が咲く島 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    重い作品を読んだ後だったのでちょうど良い長さだった。島の自然と、女性が力強く生きている様子があって好感を持った。表現も嫌味を感じない。
    彼女の中にはマイノリティの隔たりという大きなテーマがあって、読者に伝えたい事が明確であると思った。

    0
    2025年01月26日

    Posted by ブクログ

    ニホン語、女語、ひのもとことばが入り混じり、はじめは読みにくさも感じるが、次第にスムーズに読めてくる。それこそがこの物語の主題とも繋がるのだろう。
    言語は思想と繋がる。ジェンダー、国、歴史、様々な力の配分が物語世界を築く。
    「小説」の力を思い知らされた。

    0
    2024年12月18日

    Posted by ブクログ

    記憶を失い目を覚ますと、微妙に通じるようで通じない言語を操る人が住む、見知らぬ島だった という出だし。自分のルーツを思い出すことを求めながらもそれを知ることで今の生活が脅かされるのでは、とうっすらと恐怖を抱きながらも進んでいく年月。歴史と制度とその理由は全て繋がっていること。何が正解かはどんな長老に

    0
    2024年11月25日

    Posted by ブクログ

    ⚪︎文化の細かい描写より、「ここはどこ?」「いつの話?」「どんな社会?」など、どんどん疑問が浮かび、想像力が掻き立てたれる。

    ⚪︎主人公の選択を見ながら、自分の未来へ責任をもつには、過去を知り、現状を知る事が大切だという事を学んだ。人生において、どう生きるかは正解や不正解がなく、迷いながら、自分自

    0
    2024年10月24日

    Posted by ブクログ

    近未来デストピアSFの設定だが、琉球の島を舞台にした小説。普段文学とか一般小説を読まないSFの人にも大丈夫だと思う。文庫になって電車読みにも最適。ジェンダーや国籍などの背景はデストピア舞台だが当然今に通じるものがある。

    0
    2024年08月14日

    Posted by ブクログ

    オーディブルで聴いた。

    内容は凡そSF系でいいのかな。
    かなり強いジェンダー系の話になっていったことに驚いた。
    これが芥川賞受賞を取っていることは、不思議に感じた。

    0
    2025年09月23日

    Posted by ブクログ

    エックスツイッターで著者が自身の発言からバッシングされていて著者のことをしりました
    どんなひとか検索すると外国人で日本語で本を書いて芥川賞をとったひとだとしり読んでみることにしました
    あっさりとしていて読書初心者でも読みやすそう
    可もなく不可もなく外国語(日本語)でここまで書けるのはすごいとおもいま

    0
    2024年09月25日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ディストピアの後の、ユートピア。そこは弛まぬ努力と歴史認識の確度で持ち堪える世界。決して楽しく幸せなユートピアではなく、過去の歴史から今を勝ち取り、誰からも奪わず、いや奪われたり奪った過去を神事として秘匿し、安寧を維持するのだ。

    李さんは台湾育ち最初は独学で日本語を学び自らの書き言葉を日本語に定め

    0
    2024年08月23日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    きっかけ
    芥川賞受賞作。外国籍の作家さんでも受賞できるのね!という驚きと書評家の倉本さおりさんがあとがきを寄せていたのが気になって。

    気付き
    日本の西にある島が舞台なのは読みながら理解したものの、台湾なのか沖縄なのか、最終的には巻末にある参考文献をみるまで理解できなかった。沖縄や与那国には私自身個

    0
    2024年08月03日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ★3.5
    日本の昔話かと思いきや、遠い未来の日本の話。
    荒んだ日本から追い出された異民族が小さい島で独自の文化を築いてました~の落ち
    けど、設定にリアリティーがあって、李さんの本は二冊目だけど結構よかった!
    歴史、文学、そういったものの生い立ち?に感銘うける本

    0
    2025年08月10日

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