講談社学術文庫 - タメになる作品一覧
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4.0世界は「粒」でできている! 砂時計の不思議をめぐる探究は、やがて雪崩や縞模様、果ては満員電車や交通渋滞のメカニズムの解明へと至り着く。異なるものたちのあいだに共通の法則を見出し、研究の最前線と日常生活を往還する物理学の「本当の面白さ」を伝える、自身第一線で活躍する著者による、絶好の入門書。 【本書の主な内容】 [満員電車]乗り降りをスムースにするには、ドアを大きくする? 数を増やす? [渋滞]発生の秘密は「1/fノイズ」にあった? [縞模様]砂漠の風紋はシマウマの縞に通ず? [山]麓より頂に重い砂粒が集まるのはなぜ? [砂丘]「三日月」に「星」……砂が風に飛ばされただけでなぜこんな地形が? [ピラミッド]その威容は、砂にはない「不自然」な角度のおかげ? [生命]粉粒体の縞々と生命の誕生は同じ原因? 【目次】 はじめに 第一章 流れ落ちる 第二章 吹き飛ばされる 第三章 かき混ぜられる 第四章 吹き上げられる 第五章 ゆすられる 第六章 粉粒体とは何か おわりに 参考文献ガイド 学術文庫版へのあとがき (*本書の原本『砂時計の七不思議』は第12回講談社科学出版賞受賞)
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3.0自然を研究する学問は自然科学だけではない。自然について哲学することは可能であるし、また、その必要もある。本書はそのことを示したもので、これは自然哲学と呼ばれる学問である。自然とは何か。自然の中で人間はいかに生きるべきか。現在、人間の文明が自然の逆襲を受けて自然と人間の関わり方が問題になり、その責任が問われかけている。自然の本質と生命の意味を哲学的に説いた注目の書下し。
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4.3南太平洋のマエンゲ族の一日当たりの平均労働時間は四時間だという。古代ギリシアにおいて多忙は倫理的悪であり、中世の修道士にとって労働とは神から課された罰であった。 しかし近代になると、労働の価値に大逆転が生じる。「労働の尊厳」が高らかに謳われ、経済のみならず政治・文化を含むありとあらゆる活動が労働化する、完全な意味での労働社会が人類史上初めて誕生する。 この逆転はいかにして、なぜ起こったのか。古代から中世を経て近代にいたる労働観の変遷をコンパクトに描き出し、現在の労働中心主義は決して当たり前のものでもなければ、長い歴史に裏打ちされたものでもないことをあざやかに浮かび上がらせる。 人は生産労働なしに生きることはできない。しかし労働に従事するかぎり人間は自由になることはない。この相克を超えて、本当の意味で「労働から解放」されることは可能なのか――。 労働の価値が再び大転換しつつある今こそ必読の労働論! かつて多忙は悪であり、余暇こそが自由人の本性にふさわしいとされた。しかし、近代においては資本主義も社会主義も等しく「労働はすばらしい」、「労働は人間を成長させる」と労働の尊厳を謳う。 労働が近代を創造したのであり、労働なしに近代は理解できない。そして、あらゆる人間が精神的にも物質的にも「労働する」社会、当事者が精神的・物質的活動を「労働」として表象する社会は、すなわちあらゆる人間が「奴隷となる」社会である。もし古代人が近代社会を見たら、最悪の社会の到来と仰天するだろう。 非西欧社会、古代、中世の労働観の変遷を踏まえたうえで、ベンジャミン・フランクリンやウェーバー、サン=シモン、コント、マルクス、アレント、ヴェイユなど主要な労働思想を参照しながら、近代的労働観の成立過程を明瞭簡潔に描き出し、我々が当然のものと刷り込まれてきた労働中心主義を見事に解体していく。 人間は労働に従事する限り自由にはなれず、しかし労働なしでは生きていくことができない。そうだとすれば、本当の意味での「労働からの解放」はいかにして可能になるのか。人類と働くことの関係を根底から問い直す、骨太の労働論にして近代論。(原本:『仕事』弘文堂、1988年) 【本書の内容】 はしがき 第一章 未開社会の労働観 第二章 古代ギリシアの労働観 第三章 西欧中世の労働観 第四章 近代の労働観 第五章 労働の批判的省察 注 解説(鷲田清一)
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3.7「社会とは、いくつもの齟齬感や、違和感や、隔たりの意識が複雑に交錯しあう苛酷な空間にほかなりません」――。 東大生の心を慄(ふる)わせた伝説の入学式式辞のほか、大学は知と人が行き交い別れる「寄港地」たれと説く「第三世代の大学」論、運動論、映画論など、仏文学・映画評論の大家が、学問と教育に関わるすべての人に真摯に呼びかける、知の革新のための書! [目次] いま、この書物の読者となろうとしているあなたに 一 齟齬の誘惑 二 真実の位置 三 第三世代の大学 四 東京大学をめざす若い男女に 五 視線の論理・視線の倫理 総長日誌 学術文庫版へのあとがき 「社会に生きているわたくしたちは、何かを理解することで変化するのだし、当然、その変化は社会をも変容させる契機をはらんでいるはずです。ところが、「何かを理解したかのような気分」の蔓延は、そうした変化や変容の芽を、いたるところでつみとってしまいます。」 ――「いま、この書物の読者となろうとしているあなたに」より
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4.5「20世紀最大の哲学者」として今なお読み継がれるマルティン・ハイデガー(1889-1976年)。その影響力は、現代思想、解釈学、精神病理学、文学研究に至るまで、あまりにも大きく決定的だった。本書は巨人ハイデガーの思想の全容を1冊で理解できる最良の入門書、待望の文庫化である。『存在と時間』の明快な読解から難解な後期思想の見取り図を掲げ、さらには今日再燃しつつあるナチズム加担問題に大胆に切り込む名著。 「20世紀最大の哲学者」として今なお読み継がれるマルティン・ハイデガー(1889-1976年)。その影響力は、サルトルからフーコー、デリダに至る現代思想、ガダマーに代表される解釈学、ビンスワンガーやミンコフスキーらの精神病理学、そしてバタイユ、ブランショといった文学研究まで、あまりにも大きく決定的だった。本書は、その巨人ハイデガーの思想の全容を1冊で理解できる、と長らく定評を得てきた名著、待望の文庫化である。 著者は、ハイデガーの生涯を概観した上で、「「ある」とは何か」という前代未聞の問いを掲げた『存在と時間』(1927年)を豊富な具体例をまじえながら分かりやすく読解していく。その理解を踏まえて難解で知られる後期思想の世界に分け入り、読者をたじろがせる膨大な著作群に明快な見通しが示される。その上で、20世紀末に突如として勃発した、ハイデガーのナチズムへの加担問題という微妙な話題にも躊躇することなく取り組み、この問題をどのように考えればよいのか、最良のヒントを与えてくれる一書ともなっている。ここにある「学問と政治」の関係という問題は、温暖化問題や原発問題など、今日世界中で次々にクローズアップされてきていることは誰の目にも明らかである。ハイデガーについては、「黒ノート」と呼ばれる草稿の公刊を機に、再び反ユダヤ主義と哲学の関係が取り沙汰されるようになってきている。 このように、今日ますます切迫した問題と深く関わるハイデガーの思想にアクセスするための最良の第一歩として、本書は他に類を見ない価値をもっている。学術文庫版のための書き下ろしをも加えた決定版、ついに登場。
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3.3「打楽器を持たない民族はいない」。古来、人は自身の体やモノを叩いて感情を伝え、動物の鳴き声や雨風などの自然音を真似、再現してきました。楽器発祥から2万年。信仰の祭礼、政治儀式、軍事の士気高揚・・・・・・あらゆる場面に浸透していった「音」と「音楽」。気候風土や時代背景に合わせ、世界各地の「音」は、どのように姿を変えてきたのか。西洋音楽と民族音楽、その対比が示す真意は? 「音」で考える、ユニークかつ雄大な文化人類学!(解説・森重行敏) 本書の原本は『世界楽器入門 好きな音 嫌いな音』(1989年1月 朝日選書)を改題したものです。 はじめに 第一章 ミンゾク楽器・ 第二章 楽器の起源 1 生活周辺から生まれた楽器 2 食器から楽器へ 3 道具から楽器へ 4 自然界の音の再現から楽器へ 5 生存に必要な音を出す道具から楽器へ 6 呪術・信仰の道具から楽器へ 7 学問・研究の道具から楽器へ 8 音像から楽器へ 第三章 楽器分類を通して見た諸民族の楽器観 1 中国 2 インド 3 ギリシャ 4 ローマ 5 ヨーロッパ 第四章 楽器の音 1 打つ、擦る、吹く、弾く 2 楽器の成り立ち 3 音の出し方 第五章 楽器の分布と歴史 第六章 風土と音 1 風土と楽器 2 音の響き 第七章 音・数・楽器 第八章 メディアとしての楽器 1 経営メディアとしての楽器 2 視覚メディアとしての楽器 3 思想メディアとしての楽器 第九章 手作りについて 第十章 好きな音嫌いな音 第十一章 東方の楽器・西方の楽器 石笛/横笛/笙/篳篥/尺八/和琴/箏/琵琶/三味線/胡弓/鼓 /先史時代の楽器/オーボエとバスーン/クラリネット/トラムペ ットとトロムボーン/ホルン/テューバ/リコーダーとフリュート /バグパイプ/オルガン/キタラとライア/ハープ/ヴァイオリン /リュートとギター/ツィターとハープシコード/クラヴィコード とラングライク/ダルシマーとピアノ/カリヨン/ティンパニとシ ムバル/アフリカの楽器/インドの楽器/インドシナ半島の楽器/ インドネシア・オセアニアの楽器/雑音の効果/種々の撥/弦 楽器に関する参考文献 あとがきにかえてーー楽器研究の方法論―― 解説「人類共通の財産ーー音楽とは何か?ーー」森重行敏(洗足学園音楽大学現代邦楽研究所所長) 楽器索引 人名索引
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5.0「運命よ 私はお前と踊るのだ。」 理性と感情、男と女、東洋と西洋、二人の父、偶然と必然……幾多の対立に引き裂かれ、安定を許されなかった生のただなかで、日本哲学の巨星は何を探究しつづけたのか。その生い立ちから、留学、主著『「いき」の構造』『偶然性の問題』、最晩年の『文芸論』まで、その思索の全過程を、第一回中村元賞受賞の著者が明解かつ艶やかな筆致で辿る。九鬼哲学への決定版・入門書。 [目次] はじめに 第一章 出会いと別れ 第二章 「いき」の現象学 第三章 永遠を求めて 第四章 偶然性の哲学 第五章 偶然から自然へ 第六章 形而上学としての詩学 あとがき 学術文庫版へのあとがき
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3.5地質学者として大学の教壇に立った著者は、多くの学生が、高校の自然科学4教科、地学・物理学・化学・生物学のうちの二つくらいしか履修していないことに気付いた。しかし、自然科学のさまざまな分野を独立の学問として学ぶだけでは、その学問の意味を本当に理解することはできない。全体を見渡す「自然科学史」の視点から、個別のテーマが自然科学の発達史のなかでどんな位置にあるかを知ることが必要なのである。 本書は、この4分野をそれぞれ、宇宙・地球観の歴史、物質観の歴史、技術の歴史、生命観の歴史に区分し、人間と科学・技術の歴史として描き出す。 古代、どの文化圏でも、最初に生まれた科学は天文学と医学だった。古代ギリシアの自然哲学に始まったヨーロッパ科学は、中世にはアラビア人が伝統を受け継いで発展させ、シチリア島やスペインでそれらをヨーロッパに伝えた。一方、古代以来、中国の科学と技術はヨーロッパを凌いでいたが、中世末期に中国から伝来した技術を背景に、ヨーロッパにルネサンスと科学革命が起こる。やがて産業革命は蒸気機関と、さらに電気の時代を生み出していく。そして20世紀末に至り、人類は核エネルギー開発による放射能汚染と、遺伝子操作という「神の領域」に触れる難題を抱え込むようになったのである。『自然科学史入門』(1998年、東海大学出版会刊)を改題して文庫化。 目次 まえがき 序章 科学史概観 第一章 宇宙・地球観の歴史 1 古代自然哲学における天文学 2 ニュートンによる天体力学の完成 3 二〇世紀初期までの地球観 4 現代の宇宙論 5 二〇世紀後半の地球観 第二章 物質観の歴史 1 哲学的原子論と錬金術 2 科学革命と近代的原子論・分子論 3 有機物質の化学 4 物質の究極的構造の解明│現代物理学の誕生と発展 5 二〇世紀後半の合成有機化合物 第三章 技術の歴史 1 技術の起源と古代の技術 2 中世から近世初期の技術 3 産業革命と技術の近代化 4 電磁気学の発展とその応用 第四章 生命観の歴史 1 古代・中世の医学 2 生物学の近代化 3 産業革命後の生物学 あとがき 自然科学史年表 人名索引
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3.0古来、思想は<出版>という形で普及し、後世へ残った。ならば、知の媒介者たる「印刷・出版業」から16世紀から20世紀の近代を眺めてみよう。そこには、名著を支えた蒐書家や出版人などの人間模様、「知」の商品化による印税騒動など、歴史に埋もれた事件が浮かび上がってくる! 思想史でも書物史でもない、碩学によるユニークな書。 本書は1985年4月、筑摩書房から刊行された『知の商人―近代ヨーロッパ思想史の周辺』を改題、加筆修正したものです。 目次 1 商品としての思想 エルセフィエル書店 リヴァイアサンの顔 ハーリーとソマーズ 知の商人―ストラーンのばあい 知の商人―エディンバラの出版業者 バーゼルのトゥルナイゼン 固有名詞の読み方 『ケール版ヴォルテール全集』始末記 イギリスのワイン アメリカ革命の導火線 『エディンバラ評論』の運命 紅茶の話 ジン横丁 2 知識人層の成立 音楽の商品化 うたは世につれ 『共産党宣言』の英訳者 パリ・コミューンと芸術家たち 芸術至上主義と無政府主義・ 黒猫のスタンラン 大学と女性 ディーツ出版社 ユニウスとジュニアス ブラウンス・アルヒーフ マスク・ヴェーバーをめぐる女性 3 ファシズムのもとで グーテンベルク図書組合 マリク書店とハートフィールド 亡命知識人とスイス 左翼読書クラブ 一九三〇年代の墓標 ウォーバーグ家の人びと 空襲下のコンサート 内容抜粋) 「私は昨夜、ヴォルテールが死んだということを聞きました。これで人びとは、安心して彼の著作を買うことができるでしょう。彼はもう、あとからあとから書き直すということができないからです」(一七七八年一月十七日)。この知らせは誤報で、ウォルポールの安心は四ヵ月余り早すぎたのだが、ヴォルテールの止まるところを知らない改訂癖に蔵書家が悩んでいたことは、誤報ではない。 1「『ケール版ヴォルテール全集』始末記」より ルイジ・エイナウディ研究所 本を愛した外科医 あとがき 学術文庫あとがき 人名索引
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4.0関孝和、貝原益軒、渋川春海、杉田玄白、平賀源内……。伝記を通して、江戸に花開いた科学や技術の発展の軌跡を紹介する。科学者小伝付き!(解説:池内了氏) 『解体新書』、『蘭学事始』で知られる杉田玄白が生まれたときは大変な難産でした。看護の人たちは母親に気をとられ、生まれたばかりの赤ん坊のことは忘れてしまいました。死産だろうと思われ、とり合わせの布に包んで横に置いたままにされたのです。しかし、ようやく落ち着き、赤ん坊を見ると元気で生きていました。その後の玄白は元気に育ちます。17,8歳のころ、医官である父に医業を学びたいと申し出ると、幕府の医師である西玄哲に入門することになりました。西玄哲は通訳の家の出身で、ポルトガルやオランダの医術を覚え医師となった人物でした。玄白はこの頃から西洋医術の優秀さに触れることとなったのです。――西洋医術の導入、日本人のための暦、エレキテル、鉄砲の大量生産……など。著名な杉田玄白や渋川春海から砲術家の坂本天山まで、江戸時代を代表する科学者たちの幼少時や師事した先生とのエピソード残した業績をコンパクトに紹介する伝記集です。科学者たちの生涯を通し、江戸時代の科学や技術の発展の過程を生き生きと描き出します。29人の科学者小伝付き。解説は池内了氏。 (原本:吉田光邦『江戸の科学者たち』、社会思想社(現代教養文庫)、1969年) 本書の内容 関流をめぐる人びと ――関孝和たちと会田安明―― 本草から大和本草へ ――貝原益軒―― 本草から博物学へ ――稲生若水・小野蘭山―― 日本暦の誕生 ――渋川春海―― 町人天文学者たち ――麻田剛立の一門―― 測地事業の推進者 ――伊能忠敬―― 幸福な蘭学の始祖 ――杉田玄白―― 異端の科学者 ――平賀源内―― 電気学の正統 ――橋本宗吉―― 最初の自然哲学者 ――三浦梅園―― 自然哲学の展開者 ――帆足万里―― 通訳から科学者へ ――本木良永・志筑忠雄・馬場貞由―― 桂川家の人びと ――名門の学者たち―― 宇田川家の人びと ――家学を守った人たち―― 悲劇の科学者たち ――シーボルトとその門下―― 職人と発明家 ――国友藤兵衛―― 哲学的な砲術家 ――坂本天山―― 農業技術の変革者 ――宮崎安貞・大蔵永常―― 科学者小伝 参考文献とあとがき 解説(池内了氏) 索引
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3.3いつの時代も私たちを惹きつけてやまない神話。 文学や絵画はもちろんのこと、現代でもアニメやゲームのキャラクターとして神話のモチーフは取り入れられています。神話の知識がなければ興味は半減してしまうでしょう。 神話が人を楽しませ、ときには人を感動させるのは人間世界の真実の断面を私たちの目の前に投げ出して見せてくれるからです。神話は人間そのもののあり方、本質に迫ろうとします。そして倫理や法などの根本理念を考えさせます。 西洋古典学の第一人者が世界の神話の成り立ちや共通点を、ギリシア神話を中心にやさしく紹介する、神話を味わうために最適の一冊。(原本:『入門・世界の神話』講談社、1965年) 目 次 はじめに 第1章 神話のさまざま 1 大蛇退治――アポロンと素戔嗚尊 2 花物語――ヒヤシンスとすいせん 3 星座――天に上ったくまの母子 4 七夕祭り 5 湖畔に立つポプラとかしの木 第2章 神話の成り立ち 1 裁く神から踊る神まで 2 『死と少女』 3 金色のひつじの皮衣 4 オデュッセウスと百合若 5 史謡の世界――トロイの木馬 第3章 世界の神話 1 永遠の生を求めて 2 ノアの大洪水 3 ピラミッドの秘密 4 美しく奥深い北欧の神話 5 さるのつくった岩橋 第4章 世界のはじめ――ギリシア神話(1) 1 世界のはじめ(天地開闢) 2 神々の誕生 3 人類のはじめ 4 黄金時代 第5章 オリュンポスの神々――ギリシア神話(2) 1 オリンピックの由来 2 銀の弓と竪琴との神――アポロン 3 処女神宮のいわれ――アテーナとポセイドン 4 海のあわから生まれた女神――アフロディテ(ヴィーナス) 5 酒と芝居の神――ディオニュソス 6 商人とどろぼうの親方――ヘルメス神 7 月の女神アルテミス 第6章 海と地下の神々 1 ほら貝ふきのトリトオン 2 六粒のざくろの実 第7章 英雄時代 1 ヘラクレスの一生 2 迷宮と牛人退治 3 スフィンクスのなぞ 4 白鳥の皇子 5 さかはぎの駒 第8章 日本の神話 1 よみがえり 2 日の御子 3 海幸彦と山幸彦 4 因幡の白うさぎ 5 金色の鵄 第9章 伝説と史実 1 トロイア遠征の伝説 2 帰還の物語 3 説話の世界 4 神話の永遠性 5 神話と現代 索引
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4.0〈わが国初のノーベル賞に輝く湯川博士、生涯の記念碑的作品〉 〈1946年の初版*以来、学問に志す多くの若者達の心をとらえ続けてきた名著!〉 「中間子」を発見し素粒子物理学を大きく前進させた著者が、現代物理学の物質観を、そして同時に、今日の自然科学的なものの見方・考え方を、だれにもわかる平易な言葉で説く、不朽の科学入門。 「目に見えないものの世界」への旅立ちを伝える諸篇には、深く豊かな知性が光り、「真実」を求めてのあくなき思索が生み出した珠玉の言葉には、ひとつの確かな思想がある。 現実は痛切である。あらゆる甘さが排斥される。現実は予想できぬ豹変をする。あらゆる平衡は早晩打破せられる。現実は複雑である。あらゆる早合点は禁物である。(本書「真実」より) *本書の原本は1946年に甲文社より刊行されました。 【本書の内容】 第一部 1.理論物理学の輪郭 1 自然哲学 2 近代物理学 3 現代物理学 2.古代の物質観と現代科学 1 古代インドの自然観 2 現代の物質観との対比 3 因果と時間の問題 3.エネルギーの源泉 1 物質の構造 2 放射線の本体 3 力とエネルギー 4 原子内のエネルギー 5 太陽のエネルギー 4.物質と精神 1 二つの通路 2 物理学的世界 3 物質から精神へ 4 科学の根源 第二部 1.半生の記 2.ガラス細工 3.少年の頃 4.二人の父 第三部 1.物理学に志して 2.科学と教養 3.真実 4.未来 5.日食 6.眼の夏休み 7.読書と著作 8.話す言葉・書く言葉 9.『現代の物理学』 10.『物質の構造』 11.『ピエル・キュリー伝』 12.目と手と心 13.目に見えないもの 14.思想の結晶
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3.5私たちが生きている現代世界において、決定的な役割を果たしているのは、「西欧近代科学」であるといえるでしょう。しかし一方で「科学」は、時間的・空間的な規定を受けており、普遍的・絶対的ではないことを認識する必要があります。 本書では科学の起源を問い直します。ラテン語の《scientia(知識)》に淵源し、古代ギリシアに生まれた「自然現象を自然現象として認め、ある原理的な体系から、そうした個々の現象の説明を与える」という思惟構造が、西欧で独自の発展を遂げたものです。 キリスト教敵世界では、「神の意志」と「理性による世界支配」が、自然界と人間界両方の秩序の根幹であるとの考え方が」だんだんと支配的になります。そして中世ラテン世界は、十字軍を経て、アラビア文化圏から流入したギリシア・ローマの「科学」的遺産を吸収し、本格的な「西欧・近代・科学」へと発展していきました。その流れの中で、アニミズムの否定、自然の世俗化、それが進展しての実証主義が支配的になります。魔術から技術へという流れです。そして未来はつねに「進歩」をもたらすものでなければならないというドグマのようなものが支配的になったのです。 そしてこの科学の考え方が、私たちの思考法をどのように呪縛しているのかを、点検していきます。「観測の問題」「言語による外界の把握」「造られた科学」「《整合性》と《簡潔性》」などなど、実際の例を取り上げながらやさしく解説していきます。まさに「科学史」の入門書といえる一冊です。 【原本】 村上陽一郎『科学・哲学・宗教』(レグルス文庫)第三文明社 1977年刊 【目次】 I 科学・哲学・神学 1 科学を準備したもの 2 科学のなかのヴェクトル 3 科学の反省 4 未来への展望 キリスト教の自然観と科学 1 キリスト教と近代合理主義 2 キリスト教からの科学の「離脱」 3 現代への示唆 II 科学的知識と信仰との異同 植木屋の譬え話 自然科学での実際の話 誰が素粒子を見たか 「見える」ことが「存在する」ことか 「……を見る」と「……として見る」 「……として見る」の基礎構造 「ことば」による把握 「……を見る」ことと「……を存在させる」こと 科学は何によって造られるか 自然科学的理論の「流行」 簡潔性と整合性 価値の世界との「整合性」 「心」の私秘姓 「こころ」の存在 こころと素粒子 自分の「こころ」と他人 人間の「こころ」の特殊性 こころの普遍化への二つの方法 あとがき 学術文庫版あとがき
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4.0■世界の真理は、単純明快! てこの原理からE=mc2、量子力学まで全部わかる!■ 中学校理科から量子力学まで物理学全体を見渡し、歴史のエピソードや文学作品を引きながら「基本の基本」をわかりやすく伝授。さらに、人間の思考は自然の論理をどこまで捉えられるのか、という根源的問いにまで誘う。宇宙物理学の先端で研究に取り組み、科学とは何かを深く問い続けてきた名手が放つ、画期的入門テキストにして深遠なメッセージ。 「文系のための物理学入門」の決定版! □単純、簡明、統一、原理主義□ 物理学者は、多様で複雑に見える自然だが、真理は意外に単純明快であり、論理を忠実にたどっていけば必ず真理に到達できると信じている。アインシュタインが述べたように、「神は老獪だが、意地悪ではない」のである。そのための自然を解剖していく手法は、本書に書いたような原理・法則・原則に則っている。どのような建築物もレンガ一つひとつの積み重ねから成り立っているように、壮大な物理学の成果も、最も基本的な原理の上に構築されているのである。―本書より (本書は2011年にPHPサイエンス・ワールド新書より刊行された『物理学の原理と法則』を大幅に改稿・加筆し文庫化したものです)
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5.0本書は、20世紀の日本を代表する哲学者・田中美知太郎(1902-85年)による生前最後の単行本です。 古代ギリシア哲学の専門家として、数々の著作や翻訳を送り出すとともに、日本西洋古典学会の設立に携わるなど、日本の哲学界の大きな礎を築いた著者が最後に残したのは、「古代哲学史」という単刀直入なタイトルを冠した1冊でした。全三部から成る本書の第I部では、万物の始源は「水」だと説いたタレス(前585年頃)に始まり、アナクシマンドロス、アナクシメネス、ヘラクレイトス、エンペドクレス、アナクサゴラスなどを経て、ソクラテス、プラトン、アリストテレスに至る哲学史の流れを大づかみにしてみせる「西洋古代哲学史」が収録されています。文庫版で100頁にも満たない分量で要点を的確に押さえた思想史を描く力量は、まさに出色です。 第II部では、古代哲学をより深く知りたいと願う読者のために碩学がアドバイスをする、という趣きを帯びています。残された哲学者たちの著作に触れる時に注意すべきこと、そして参考書や研究書を含めた読書案内まで、実践的な哲学ガイドとして役立つことでしょう。 そして、第III部には、著者が何度も改訂を繰り返してきたヘラクレイトスの残された断片の日本語訳が収録されています。ここに読むことのできる言葉は、時に謎めき、時に不思議な魅力を放つ、古来、多くの人たちを惹きつけてきたものです。 著者がその最期に読者に向けて贈った本書には、長年月にわたる研鑽の果実が惜しみなく凝縮されています。近年は政治論や文明論などに光をあてられることの多い偉大な学者の神髄に触れられる絶好の1冊です。学術文庫版には、田中美知太郎に思い入れを抱いてきた國分功一郎氏の解説を収録し、文字どおりの決定版となります。 [本書の内容] I 西洋古代哲学史 古代アトム論の成立 II 古代哲学 一 古代哲学 二 III ヘラクレイトスの言葉 あとがき 解 題(國分功一郎)
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4.21932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だった――。宇宙と心、二つの闇に理を見出した二人が、戦争と平和、そして人間の本性について真摯に語り合う。養老孟司氏・斎藤環氏による書きおろし解説も収録。
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3.5霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活。不快なものには近寄らない、危険であれば逃げてゆくという基本戦略を、人類は約1万年前に放棄する。ヨーロッパ・西アジアや日本列島で、定住化・社会化はなぜ起きたのか。栽培の結果として定住生活を捉える通説はむしろ逆ではないのか。生態人類学の立場から人類史の「革命」の動機とプロセスを緻密に分析する。(講談社学術文庫)
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4.2「国民の存在は日々の人民投票である」―― この有名な言葉が見出される本書は、エルネスト・ルナン(1823-92年)が今からちょうど140年前、1882年3月11日にパリのソルボンヌで行った名高い講演の記録です。 文献学者として出発したルナンは、その手法を用いて宗教史に取り組み、コレージュ・ド・フランスの教授に就任しましたが、イエスを「比類なき人間」だと断言したことで物議を醸しました。その主張は1863年に『イエスの生涯』(邦訳・人文書院)として出版され、たちまち大ベストセラーとなって名を馳せます。 そんなルナンが、なぜ「国民」について論じることになったのか? そのきっかけは普仏戦争(1870-71年)での祖国フランスの敗北にあります。第二帝政の崩壊、パリ・コミューンの騒擾、そしてアルザス・ロレーヌの割譲といった政治的悲劇を目のあたりにした宗教史家は、にわかにナショナリストとしての顔を見せ始め、政治的な発言を積極的に行うようになりました。その白眉とも言うべきなのが、敗戦から10年あまりを経て行われた本書の講演にほかなりません。 振り返れば、フランス革命に起源をもつとされる「国民国家」の根幹をなす「国民」とは、いったい何なのでしょう? ルナンは、人種、言語、宗教、さらには利害の共通性、国境など、さまざまな要因を検討した上で、それらのいずれも「国民」を定義するには不十分であることを明らかにします。そうして至りついたのが「国民とは魂であり、精神的原理です」という主張でした。国民という「魂」を形成しているものは二つ――過去の栄光と悔恨の記憶、そしてともに生きていこうとする意志です。これら二つを現在という時の中に凝縮した形で述べた定義が、冒頭に挙げた「国民の存在は日々の人民投票である」だったのです。 本書は、フィヒテの『ドイツ国民に告ぐ』(1808年)と並ぶ「国民」論の古典中の古典として読み継がれ、アーネスト・ゲルナー『国民とナショナリズム』(邦訳『民族とナショナリズム』岩波書店)、ベネディクト・アンダーソン『想像の共同体』(邦訳・書籍工房早山)など、20世紀のナショナリズム研究を生み出す基礎になりました。その流れは、グローバリズムの進展の中で逆説的にも国民国家が存在感を増している今日もなお継続されています。 にもかかわらず、本書は日本では文庫版で読むことができずにきました。最適任の訳者を得て実現した明快な新訳は、現代世界を理解するために不可欠の1冊となるはずです。
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4.4ガリレオにしか作れなかった高倍率の望遠鏡に、宇宙はどんな姿を見せたのか?──1609年7月に初めて製作した望遠鏡の倍率は3倍。その4カ月後には、他の誰にも追随できない20倍の倍率を実現したガリレオは、翌年初頭から天体観測を開始した。人類が初めて目にしたレンズの先には、月の表面の起伏が、天の川をなす無数の星が、そして木星をめぐる四つの衛星が現れた。人類初の詳細な天体観測の貴重な記録、待望の新訳!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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3.0本書は、現象学を土台にして幾多の哲学者や思想家を扱ってきた第一人者が「近代哲学の祖」ルネ・デカルト(1596-1650年)との「対話」に挑んだ記念碑的な1冊です。 よく知られているように、デカルトはあらゆる学問を修めた末、そこに自分が求める「真理」はないことを悟りました。そうして「世界という大きな書物」と向き合うために旅人として生きることを選んだものの、やはりそこにも「真理」を見出すことはできませんでした。そうしてたどりついたオランダの地で、まさに生死を賭けた思索に取り組むことになります。それが、少しでも疑いうるものはすべて斥けて「絶対に疑いえない」ものを目指す「方法的懐疑」と呼ばれる思索でした。 その過程でたどりついたのが「われ思う、ゆえにわれあり(私は考える、ゆえに私は存在する)」という、よく知られた命題にほかなりません。しかし、それは決してデカルトが到達した最終結論でもなければ、デカルトが求めた「真理」でもありませんでした――本書は、そのことを哲学者との真摯な「対話」の中で明らかにしていきます。この命題はデカルトにとっては通過点にすぎず、方法的懐疑が導き出したのも「近代的自我」とされる「私」では決してなかった。ならば、その思索はいったいどこに進み、何を明らかにしたのでしょう? 本書は『方法叙説』(1637年)と『省察』(1641年)という二つの主著をていねいに読み解きながら、驚愕すべき結論に向かっていきます。著者とともに歩んでいくことで、「哲学」とはいかなる営みなのか、そして本当に「考える」とはどういうことなのかを実際に体験することができるでしょう。 [本書の内容] 序 章 哲学とは何か 1 死んだものとの対話 2 「よき生」のために 第一章 「われ思う」のは誰か 1 夢 2 狂 気 3 「私」とは何か 第二章 「われ思う」に他者はいるか 1 観念の起源へ 2 「無限」ということ デカルト小伝 読書案内
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3.5イマヌエル・カント(1724-1804年)が1795年に発表したこの小著の日本語訳の主なものは四種類あります(高坂正顕訳(1949年)、宇都宮芳明訳(1985年)、中山元訳(2006年)、池内紀訳(2007年))。それらはすべて『永遠平和のために』というタイトルで出され、多くの読者の手にされてきました。 では、なぜあえて新しい訳を出すのか――練達の訳者は、思案した末、やはり新しい日本語訳が必要だという結論に達して、本書を仕上げました。その一例は、本書第1章のはじめにある「Friede, der das Ende aller Hostilitaten〔原文はaにウムラウト〕bedeutet」という個所です。既存の訳の訳文を一覧にすると次のようになります。 (高坂正顕訳)「平和とはあらゆる敵意の終末を意味し」 (宇都宮芳明訳)「平和とは一切の敵意が終わることで」 (池内紀訳)「平和というのは、すべての敵意が終わった状態をさしており」 (中山元訳)「平和とはすべての敵意をなくすことであるから」 これらの日本語を読むと、カントは誰もが「敵意」を捨て、心のきれいなよい人になった状態を「平和」と呼んでいる、と思うのではないでしょうか? そのとおりだとすれば、ほんの少しでも「敵意」を抱くことがあるなら、決して「平和」は訪れない、ということになります。しかし、そもそも「敵意」をまったく抱かないなどということがありうるのだろうかと考えると、カントは現実離れした理想を語っていたと感じられてきます。 でも、ここでちょっと考えてみよう、と本書の訳者は言います。原文にある「Hostilitaten」を「敵意」と訳すのは本当に正しいのだろうか、と。確かに「Hostilitat」(単数)は「敵意」だけれど、カントがここで書いているのは「Hostilitaten」という複数形です。これは「敵対行為、戦闘行為」を意味します。だから、この個所は次のように訳すべきでしょう。 (本書)「平和とは、あらゆる戦闘行為が終了していることであり」 上の四種の訳文とはずいぶん意味が異なるのではないでしょうか。こんなふうに、この著作は現実離れした理想を語ったものではなく、現実から離れずに「永遠の平和」というプロジェクトを提示したものなのです。カントの本当の意図は、本書を通してこそ明らかになるでしょう。 [本書の内容] 第1章 国どうしが永遠の平和を保つための予備条項 その1/その2/その3/その4/その5/その6 第2章 国と国のあいだで永遠の平和を保つための確定条項 永遠の平和のための確定条項 その1/永遠の平和のための確定条項 その2/永遠の平和のための確定条項 その3 補足 その1/その2 付 録
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3.820世紀最大の哲学者マルティン・ハイデガーが第二次大戦後に行った「技術」をめぐる三つの講演。瓶(かめ)や橋、家屋といった身近な物から出発し、それらの物がどのようなあり方をしているのかを考え、ついには「世界」に到達する講演「物」と「建てること、住むこと、考えること」、そしてモノとヒトを資源として用いながら膨張を続ける現代技術のシステムを問う「技術とは何だろうか」。第一級の研究者による決定版新訳!
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3.0◆◇自由に生きるって、こういうことなんだぜ!◇◆ 儒教の権威が失墜し、政治社会が揺れ動くアナーキーな魏晋時代、自由闊達な思想が炸裂した! 詩を詠み、議論を戦わせ、楽器をかき鳴らし、そして心ゆくまで痛飲し、葛藤を抱えながら己の思想を貫こうとした彼ら。 権力に睨まれ刑死した者あり、敢えて世俗にまみれた者あり、いずれも激烈に生きたその群像を、シャープな筆致で簡明に描ききる! 中国史、中国思想に興味のあるものならば、「竹林の七賢」と彼らがおこなった「清談」というものについて、強い印象がのこっているだろう。 しかしながら、彼らがどのような背景をもつ思想家で、どのような知的交流をしたのか、具体的なことを知っているだろうか? 政治・社会が流動し価値観が変わりゆく時代にあって、それぞれの切実さをもって己の思想を生きた彼らは、いずれも「世俗を離れた、純粋な知的探求者」という一面的な見方ではとうてい捉えきれない思想家たちであった― 彼らの人間くさい生き様と、為した仕事のエッセンスを知る、とてもコンパクトで、楽しい一冊。 【本書「はしがき」より】 七人の人物が「竹林の七賢」という一つのグループにまとめられはしたものの、そのなかにはさまざまのタイプの人間が含まれていて実に個性豊かである。それだけではなく、一人の人間についても、その性向と行動とが一見すると矛盾するかのように思われる場合すらないではない。その点においてもまた、儒教が唯一絶対の価値の源泉であった漢代とは異なって、価値が多様化した魏晋の時代の一つの指標をみとめることができるのだが、「竹林の七賢」の面々は、ある場合には文学作品や哲学論文によって、ある場合にはそのライフ・スタイルによって、それぞれに強烈でしたたかな自己主張を行なったのである。 *本書の原本は、1996年に『風呂で読む 竹林の七賢』として世界思想社より刊行されました。
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4.2インフレは投資家に対し不公正で、デフレは借り手に不公正。 ケインズの代表作を、わかりやすい訳で読む! 第一次世界大戦後、世界中で起きた急激な物価水準変動に対し、ケインズは何を考えたか。 物価安定か、為替の安定か。金本位制をどうとらえるか。 「邪悪な現実」と格闘するケインズの思考が、ここにはのこされている。 [本書の価値とぼくたちにとっての意義―訳者から] まず本書で重要なのは、インフレとデフレの相対的な被害についての明示だろう。1990年代からの20年以上にわたり、日本経済はデフレに苦しんできた。2013年に日本銀行が黒田東彦総裁の指揮下で2パーセントのインフレ目標政策をはっきり採用し、そのために大規模緩和(黒田総裁は「量的・質的金融緩和(QQE)」と呼んでいるが、あまり名称としては普及していない)を行ったことで、執筆時点ではようやくデフレの時代が終わりつつあるようだ。だが、デフレが有害だという認識が浸透するにはあまりに時間がかかりすぎた。デフレは物価が安くなるんだからいいものなんだ、という「よいデフレ」論を、高名な経済学者を含む多くの「有識者」なる人々が言いつのっていた。本書に書かれた認識―デフレは生産者に負担を与え、生産活動を控えさせ、人々を失業に追いやり、喜ぶのは既得権益を持った金持ちばかり―がもっと浸透していれば。 ここは重要なポイントだ。インフレやデフレは、実体経済に影響を与える。そして本書は、その仕組みについても簡潔に指摘している。お金の市場の状況が実体経済に影響を与え、持続的な失業を引き起こすこともある―これはケインズ『一般理論』の肝だ。本書は『一般理論』ほどきちんと定式化してはいないものの、それにつながる明確な認識がすでにある。 (中略) むろん、本書は管理通貨制度の夜明けに書かれたものだし、現在の中央銀行や金融当局ははるかに高度な理論もあり、考えるべき内容もきわめて多い。だがこの基本的な知見は、未だにかわらないものであるはずだ。 もちろん、もっと歴史的な文書として本書を読むこともできる。金本位制や、いわば「強い通貨」を主張する人々の変な議論は、現在でもいろんなところで見かけるものだ。それを見て、人間の進歩のなさを嘆く/おもしろがることもできる。さらに本書は、ケインズの一、二を争う名言が出てくる本でもある。「長期的には、われわれみんな死んでいる」というもの。経済学者は目先の問題―たとえば失業に対して、長期的にはそれが解決される、と言いたがる。できることは何もないとか、「自然に」任せるべきだとも言う。でも手をこまねいてそんなものを待つだけでは、経済学者も金融当局も存在価値がない。いまできることを考え、実行しよう!
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4.0地球上に生まれた瞬間から40億年近く、あらゆる生物は太陽の光、月の満ち欠け、潮の流れに同期しながら、体の中にリズムを奏で続けてきました。我々の小さな細胞がなぜ、宇宙のサイクルに呼応してしまうのか。眠り、刺激、脳波、心臓――体内で繰り返し起こるリズム発生のメカニズムとは? 「繰り返し」に安らぎを感じてしまう人間の本能を、生命の神秘にまつわる21の視点から解き明かします。 本書は1994年10月に中公新書より刊行された『いのちとリズム』を改題、加筆したものです。 目次 1天体の動きとリズム 2サーカディアンリズムの進化 3サーカディアンリズムの分子生物学 4眠りのリズム 5刺激の伝達のリズム 6脳波のリズム 7心臓の拍動 8非線形振動 9線虫の運動のリズム 10受精波 11細胞分裂のリズム 12細胞という繰り返し構造 13細胞性粘菌の集合のリズム 14ベローソフ-ジャボチンスキー反応 15体節という繰り返し構造 16進化のリズム 17DNAの繰り返し構造・ 18遺伝子の繰り返し構造 19非平衡系と生命現象 20繰り返しと心の安らぎ 21文化とリズム おわりに 参考文献 講談社学術文庫版あとがき
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3.5山高帽にこうもり傘、優美なマナーとさりげないダンディズム。英国紳士たちの悠揚せまらぬ精神から大英帝国を彩るユーモアが生まれた。当意即妙、光る知性、グロテスクなまでにブラック、自分を笑う余裕。ジョンソン博士、イヴリン・ウォー、チャーチルほか、帝国最上の産物たる紳士の最高のユーモアを味わいつつ、英国流人生哲学の真髄にせまる。(講談社学術文庫)
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3.71831年、英海軍の測量船ビーグル号に同乗したダーウィンが南米大陸沿岸や南太平洋諸島で目にした世界の驚異。進化論へと結実する着想を得た調査記録『ビーグル号航海記』はこの旅で誕生した。その記念碑的著作から動物・人類・地理・自然の記述を抜粋、細密な銅版画を豊富に交えて再編集。『航海記』のエッセンスを凝縮し、世界で愛された1冊。(講談社学術文庫)
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4.4まもなく完成というところまできて、国鉄末期に建設が中止された、幻のローカル新線。開通を待ち望んでいた著者が、計画上の沿線をたどり、風景を見、路盤に立ち、関係者へのインタビューを行ったルポタージュに、架空の時刻表を添えた「線路のない時刻表」。取り上げた各線の工事再開は困難に思われたが、その後、第三セクター方式により7線すべてが開業。本書は開業までの経緯と新線の乗車記を加えて刊行された「全線開通版」。(講談社学術文庫)
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5.0東京大学が「帝国大学」だった頃、すべては始まった―― 「東大」出生の秘密を暴き、その虚像と実像を抉り出す! * 明治19年の帝国大学の誕生は、のちの東京大学をも貫く基本性格を確立した歴史的特異点であった。エリート官僚養成、アカデミズムの独占的権威、立身出世・受験競争の頂点――伊藤博文、森有礼、井上毅ら設計者たちの政策的意図を辿りつつ、今日まで続く東大の本質とイメージの淵源を明らかに! [目次] 第一章 帝国大学の出自――リヴァイアサンの生い立ち 第二章 帝国大学のモデル――ドイツの大学から学ばなかったこと 第三章 官庁エリートの供給源――工科系から法科系へ 第四章 出身と出世――上昇気流にのって 第五章 明治アカデミズムの体質――講座制と研究 第六章 もしも帝大がなかったら――批判的展望 あとがき 解説 科学史/大学史を超えた「学問の歴史」 石井洋二郎
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4.0「世界に固定した実体は存在しない。あらゆるものは“空”である」。 ものへの執着と、輪廻の恐怖から人々を解放した「般若経」。 1世紀半ばといわれる成立以降、数々の翻訳や加筆により、分散や繰り返しも多く、理解が難しかった大経典に、<空思想>の泰斗が正面から対峙。素朴で力強い思想の魅力を描きつつ、仏教思想史における位置と意味を明らかにする! 本書の原本は二〇〇二年八月、中公文庫BIBLIOより刊行されました。 目次 まえがき 序章 説話と思想 玄沙出家 『ヴィシュヴァーンタラ・ジャータカ』 布施太子の入山 常悲菩薩本生 サダープラルディタ(常悲)とダルモードガタ(法来) 哲学の発生 第一章 大乗仏教への道 シャーキヤ・ムニと大乗の菩薩 出家と在家 ストゥーパ (舎利塔)とヴィハーラ(精舎) 教団の分裂 ジャータカ (本生話)とアヴァダーナ(譬喩) 第二章 般若経の背景」 ボサツと菩薩 僧院の仏教 すべてがあると主張する者――有部の哲学(1) 区別の哲学――有部の哲学(2) 三世実有・法体恒有――有部の哲学(3) 第三章 「般若経」の出現 『八千頌般若経』の成立 過去仏・現在仏・未来仏 アクショービヤ如来 哲人マイトレーヤ (弥勒) 「般若経」の発展 第四章 「般若経」の思想(1) 仏母の発見 菩薩大士 大乗――声聞・独覚の批判 本来清浄――実在論批判 第五章 「般若経」の思想(2) 不二 般若波羅蜜 廻向――ふりむけの思想 巧みな手だて 菩薩の階位 縁起と空 参考文献 内容紹介 たとえば私の目の前にある机という個物は机という本体をもっていない。なるほど私がその前にすわってその上で原稿を書けば、それは机である。しかし私がそれに腰かければそれは椅子以外の何であろうか。(中略)そのようにさまざまな認識とさまざまな効用が起こるのは、その机に机の本体がないからである。机は机として空であり、本体は思惟における概念にすぎない。愛情は凡夫にとっては迷いの絆きずなであるけれども、菩薩や仏陀にとっては有情を見捨てない慈悲である。どうしてそこにただ煩悩という本体だけを認めることができようか。―――第五章「般若経」の思想(2) より
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4.0男女同権はすくなくとも社会通念上は、あたりまえの前提となって久しい。 だが、日本の各地には、女性の立ち入りを禁止する聖域や、特定の神事には女性を参加させないという慣行が現在も存在している。 そして、大相撲の土俵についての「禁制」は、たびたび物議をかもしてきた。 「女人禁制」とはいかなる背景から生まれ、変化する政治や社会の中で受け継がれてきたか。 なぜ、時に激しい批判にさらされながらも、人々はそれを守ろうとするのか。 女性たちは禁制をどのように受容し、あるいは抵抗し、つくり変えてきたのか。 「差別」として批判をする人々と、「伝統」として守ろうとする人々。 この対立構図は、当事者達にとって調停不可能であり、今後も継続することが予想される。 本書では、文化人類学的分析を柱にしつつ、宗教学、民俗学、歴史学、国文学、社会学など様々の分野の成果を取り込んで、 暗黙の前提を覆し、賛成か反対か、伝統か差別かという二分法を乗り越える視点を提示するものである。 第一人者が、真の解決に不可欠な知見を、この一冊でわかりやすく示す! 【本書の内容】 学術文庫版の刊行に際して 女人禁制の現在―プロローグ 女人禁制への視角 大峯山の現状 山と女性 女人結界 仏教と女性 穢れ再考 あとがき 二十年の後に―学術文庫版あとがき
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3.3その後700年におよぶ武家政権を本格的に開始したのは、なぜ源氏だったのか。そしてその地は、なぜ鎌倉だったのか。源氏を「武家の棟梁」に押し上げた4人――源為義・義朝・頼朝・義経の人物像から、日本中世の始まりを描く。 武士は、律令制が乱れた地方社会で自衛のために組織され、草深い東国の武者たちが貴族化した都の平家を滅ぼして武家政権を立てた――こうした通説的理解は、現在では成り立たない。近年の研究では、武士とはそもそも都市的な存在であり、源氏も平氏と同様に軍事貴族として王朝社会での栄達を目指していた。では、京武者・源氏はいかにして地方武士団を統合し、鎌倉に幕府を開くことができたのか。一族不遇の時代、列島各地に拠点を作った祖父為義。京都政界で地位向上に邁進し、挫折した父義朝。高貴な出自による人脈を駆使した頼朝・義経兄弟。河内源氏3代4人の長期戦略は、貴族対武士、東国対京都といった単純な図式を超えたドラマを見せる。 東国武士団の研究に多くの成果を上げてきた著者によれば、源氏こそ「征夷大将軍」「武家の棟梁」たるべきという観念は、源頼朝や足利尊氏、徳川家康らによって作り上げられたものだった。また、為義の父にあたる八幡太郎こと源義家が、武門源氏の始祖として神格化されたのは、のちの北条氏・足利氏が系譜と伝説を捏造したことによるという。文庫化にあたり、「補章」を加筆。〔原本:中央公論新社、2012年刊〕
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3.8妖怪に秘められた敗者たちの怨み声を聞く。 大江山の酒呑童子、那須野の妖狐・玉藻前、是害坊天狗、大魔王・崇徳上皇…… 妖怪は山ではなく、人の心に棲息している。妖怪とは幻想である。そして、自分たちの否定的分身である。国家権力に滅ぼされた土着の神や人々の哀しみ、怨み、影、敵が形象化されたものである。 酒呑童子、玉藻前、是害坊天狗、崇徳上皇、紅葉、つくも神、大嶽丸、橋姫。日本妖怪変化史に燦然と輝く鬼神・妖怪たちに託されたこの国の文化史の闇を読み解く。 酒呑童子は山の神や水の神と深いつながりを持っている。彼ら鬼たちは龍神=大蛇=雷神のイメージと重ね合わされており、酒呑童子が大酒飲みと描かれているのは、近江誕生説にしたがえば、彼がヤマタノオロチ=伊吹大明神の血を引く異常な「人間」であったからである。酒呑童子は仏教によって、もともと棲んでいた山を追われてしまう。それは山の神が仏教に制圧されたプロセスと同じであろう。(中略)酒呑童子の物語から、土着の神や人びとの哀しい叫び声が聞こえてくる。征服者への怨み声が……そしてその声は、自然それ自体が征服されていく悲鳴であるのかもしれない。――<「第一章 大江山の酒呑童子」より>
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5.0カーバ神殿を擁する巡礼地・メッカ。七世紀初頭、アラビア半島の灼熱の岩肌に囲まれたこの地が、なぜ都市に発展し、世界の<聖地>となったのか。ムハンマドの生涯や、コーランはじめ文化、風習、儀礼など、ムスリム知識人が守った伝承“ハディース”から、多角的に考察。西欧的学問の思考からは見落とされてきた、イスラーム精神の本質に迫る。 目次)) 序 章 西欧的知の枠組/多様化する世界/「常識」をこえるイスラーム/イスラームとは/イスラームの成立/イスラーム的知の枠組/オリエンタリズムの克服 一 前 史 メッカの歴史地理/考古学の成果/ソロモンとシバの女王/紀元前のアラビアの歴史/紀元前後のアラビア/一神教革命 二 系図と部族 父系の系図/「部族」の概念/メッカは「部族社会」か/氏族の系図/クライシュの子孫ではない人々/マワーリー/ハリーフ/個人の社会 三 メッカのはじまり カーバ神殿/アブラハムとメッカ/ジュルフム族のメッカ追放/フザーア族とキナーナ族/クライシュ族のクサイイ 四 メッカの発展 牧民社会メッカ/集団意識の実態/イーラーフの制度/フムスの概念/ウカーズの定期市 五 メッカの社会 急成長するメッカ/ムハンマドの生涯/平等な人間関係/メッカの商人/アラビア文字の文書 六 メッカとイスラーム 自由都市/ムハンマドに対する例外的措置/預言者と信徒/メディナ/イデオロギーとしてのイスラーム おわりに 学術文庫版あとがき 内容抜粋) イスラームが勃興した七世紀から十四、五世紀までのイスラーム世界にわりあてられた(教科書の)ページ数は、同時期のヨーロッパ史のそれの半分以下なのだ。筆者の見解では、この時代のイスラーム世界とヨーロッパ世界をくらべれば、人口といい、政治力といい、経済力といい、文明の力ともいうべきものといい、前者が後者を圧倒していた。わりあてページ数は逆でなくてはいけない、と信じている。 ――――「序章」より *本書は1991年に中公新書より刊行されたものを一部、加筆修正したものです。
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4.0――皇帝ジギスムントが宮中伯ルートヴィッヒに向かって命令する。「囚人を受け取り、よろしく異端者として扱え」。今度はルートヴィッヒがコンスタンツの帝国代官に向かって命令する。「我ら双方によって断罪されたる者としてこの者を受け取り、よろしく異端者として焼け」。―― 1415年に異端として裁かれた宗教改革の先駆者、ボヘミアのヤン・フス処刑の克明な描写にはじまる本書は、中世のヨーロッパで異端審問がどのようにして生まれ、そして制度として定着していったのかを、具体的なエピソードを丁寧に積み重ねながら、当時の人々の息遣いもあざやかに描き出す。法も手続きも無視して「すべて殺せ」という13世紀の異端狩りの熱狂から、ウンベルト・エーコの小説『薔薇の名前』にも登場した、世界で最も有名な異端審問官ベルナール・ギーによって組織化・マニュアル化された14世紀の冷徹無比な異端審問を経て、15世紀末スペインでの過酷な弾圧に至る、その道のりの背後には、いかなる時代精神が見いだせるのか。 西洋中世史不朽の名著『異端カタリ派の研究』(岩波書店、1989年)の著者が、多彩な史料を駆使して知られざる中世世界への扉を開く!(原本:講談社現代新書、1996年) 【解説(轟木広太郎・ノートルダム清心女子大学准教授)より】 本書は、一三、一四世紀における異端審問の成立と制度的確立の経緯を、およそ関連するすべての種類の史料を博引旁証しながら描き切った労作である。……ヨーロッパ中世という日本人にはどこか掴みどころのない、しかしそれでいて魅惑的な個性を放つ時代の雰囲気を初学者に感得させると同時に、このテーマに興味を持つ専門家にとってもいまだ探求のヒントを数多く掘り出すことのできる鉱脈たり続けていると思う。(本書「解説」より) 【本書の内容】 第一章 薪と硫黄の匂い――異端審問とは何か 第二章 剣と火と異端者――異端審問の誕生まで 第三章 異端審問創設の頃 第四章 異端審問の制度化 第五章 審問官ベルナール・ギー 第六章 裁かれる者たち 第七章 スペインの火刑台 あとがき 参考書目抄 解説「異端審問と交差する四つの歴史の道筋」(轟木広太郎)
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3.9生活学の先駆者として生涯を貫いた著者最晩年の貴重な話――「塩の道」、「日本人と食べもの」、「暮らしの形と美」の3点を収録した。日本人の生きる姿を庶民の中に求め、村から村へと歩きつづけた著者の厖大な見聞と体験がここにはある。日本文化の基層にあるものは一色ではなく、いくつかの系譜を異にするものの複合と重なりである、という独自の史観が随所に読み取れる本書は、宮本民俗学の体系を知るための最良の手引きとなるだろう。
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4.1日本人論の「古典」として読み継がれる『菊と刀』の著者で、アメリカの文化人類学者、ルース・ベネディクトが、1940年に発表し、今もロングセラーとなっている RACE AND RACISMの新訳。 ヨーロッパではナチスが台頭し、ファシズムが世界に吹き荒れる中で、「人種とは何か」「レイシズム(人種主義)には根拠はあるのか」と鋭く問いかけ、その迷妄を明らかにしていく。「レイシズム」という語は、本書によって広く知られ、現代まで使われるようになった。 「白人」「黒人」「黄色人種」といった「人種」にとどまらず、国家や言語、宗教など、出生地や遺伝、さらに文化による「人間のまとまり」にも優劣があるかのように宣伝するレイシストたちの言説を、一つ一つ論破してみせる本書は、70年以上を経た現在の私たちへの警鐘にもなっている。 訳者は、今年30歳の精神科医で、自らの診療体験などから本書の価値を再発見し、現代の読者に広く読まれるよう、平易な言葉で新たに訳し下ろした。グローバル化が急速に進み、社会の断絶と不寛容がますます深刻になりつつある現在、あらためて読みなおすべきベネディクトの代表作。
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3.0古代ローマ史の泰斗による、古代地中海世界の歴史。講談社現代新書で好評を博したシリーズ「新書西洋史」全8冊のうちの第2巻として刊行されたが、単なる概説書にとどまらず、古代史への新しく、大きな視座を提供した、定評ある意欲作。 本書は、ほぼ2000年にわたるギリシア・ローマの歴史を扱うが、「ギリシア」と「ローマ」という二つの歴史を扱っているのではない。「ギリシア・ローマ」という一つの世界の一貫した歴史として追及する。 現在の西半球の主要な歴史の担い手とその文化は、地中海世界を母胎として生み出されたものであった。ラテン的・ゲルマン的世界、ギリシア的・スラブ的世界、オリエント的・アラブ的世界は、地中海世界の崩壊の中から生み出された第二次的世界であり、キリスト教的東西ヨーロッパ文明、イスラム的アジア文明は、地中海世界の転生の中から生まれたものだった。地中海世界は、それらすべてのものの出発点であり、母胎であり、故郷なのである。巻末解説を、東大名誉教授・本村凌二氏が執筆。〔原本:『新書西洋史2 地中海世界――ギリシアとローマ』講談社現代新書、1973年〕
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