作品一覧

  • 二人であることの病い パラノイアと言語
    3.0
    フロイト精神分析を構造主義的に発展させ、20世紀の思想潮流にあって、確固たる地位を占めたラカン。本書は、ラカン最初期の1930年代に発表された五篇の論考を収録。「症例エメ」「≪吹き込まれた≫手記」「パラノイア性犯罪の動機」の三篇は、症例報告の記録性があり、明澄ですらある。現代思想の巨人の哲学の出発点を探るための必読書である。

ユーザーレビュー

  • 二人であることの病い パラノイアと言語

    Posted by ブクログ

    ジャック・ラカンがとうとう文庫になった!と妙に感慨深く、早速購入して読んでみた。
    ラカンごく初期の、症例報告などが5編収められている。訳者は宮本忠雄・関忠盛両氏。宮本氏は訳者たち自身がラカンをぜんぜん理解していないという悪訳『エクリ』(弘文堂)の翻訳者の一人で、「戦犯」(笑)である。精神医学の専門家であって、思想や文学にはあまり明るくないと思われる。
    このごく初期の文章を読んでみてなにより衝撃的なのは、「ラカンが<ふつうの、わかりやすい文章>を書けている!」という事実である。
    従って後年のあの超難解な、文脈が崩壊したような文章は、言語障害によるものではなく、思考があまりにも飛翔しすぎて文章とし

    0
    2012年01月09日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!