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Posted by ブクログ
「塩の道」「日本人と食べもの」「暮らしの形と美」
文献だけでなくフィールドワークで得た情報が、リアルに立ち上がってくる。
塩は必要不可欠なものだから、山の民は灰(麻を白くする)と交換したとか、牛を使って運ぶと道草を餌にできるし、ついでに向こうで牛も売れる(馬は管理が厳しかった)とか、当時の生活が垣間見れておもしろい。
また、塩の摂取の仕方も現実的で興味深かった。塩イワシは必ず焼く(煮たら塩が散る)し貴重品だから四日かけて食べる、わざとニガリのある悪い塩を買って分離させ豆腐作りに使う、塩が不足すると新陳代謝が悪くなって吹き出物が出たり目が悪くなる、等々。
動物も塩を欲するから、野宿をする場合は必ず火をたく(そうしないと翌朝牛が獣に喰われている)、小便を壺にためたり立ち小便をするとオオカミが舐めに来るから駄目、という話に驚いた。
わらじは消耗品で三日に1つ破れるから一年に百足は作らなければならない、ということさえ実感としてわかなくなってしまった今、こういう生活に密着した記録は非常に貴重なものだと感じた。
Posted by ブクログ
宮本民俗学なるものを一度くらい読んでみようと思って。話し口調で説明もわかりやすく、たいへん読みやすかった。
塩水をそのまま煮詰める方法から揚浜式へ、石釜方式へ。
山から材木を流してそれを海に行って焼く。材木と塩の物々交換。麻をさらすための軽い灰を売って塩を焼く。牛で塩を運ぶ。細い道の道草を食わせる。人の背で運ぶ、塩魚を売る。
米の伝来、騎馬民族、壺の発達、畳の発明、一つ一つの営みを合理的に限られた中でやっていくことに、文化の繋がりや社会制度が見えてきて面白い。
民俗学に詳しくないからこの見解がどこまで正しいのかわからないけど。
P200
それは、そこにいる人たちのたんなる美意識というよりも、そこにあるものを、長い生活の体験の中から見つけていって、そしてそれを美に転化していった。その美がたんなる美ではなくて、自分らの生活を守る強さをもつ美であった、ということを忘れてはいけないと思います。
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