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生活学の先駆者として生涯を貫いた著者最晩年の貴重な話――「塩の道」、「日本人と食べもの」、「暮らしの形と美」の3点を収録した。日本人の生きる姿を庶民の中に求め、村から村へと歩きつづけた著者の厖大な見聞と体験がここにはある。日本文化の基層にあるものは一色ではなく、いくつかの系譜を異にするものの複合と重なりである、という独自の史観が随所に読み取れる本書は、宮本民俗学の体系を知るための最良の手引きとなるだろう。
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Posted by ブクログ
「塩の道」「日本人と食べもの」「暮らしの形と美」 文献だけでなくフィールドワークで得た情報が、リアルに立ち上がってくる。 塩は必要不可欠なものだから、山の民は灰(麻を白くする)と交換したとか、牛を使って運ぶと道草を餌にできるし、ついでに向こうで牛も売れる(馬は管理が厳しかった)とか、当時の生活が垣...続きを読む間見れておもしろい。 また、塩の摂取の仕方も現実的で興味深かった。塩イワシは必ず焼く(煮たら塩が散る)し貴重品だから四日かけて食べる、わざとニガリのある悪い塩を買って分離させ豆腐作りに使う、塩が不足すると新陳代謝が悪くなって吹き出物が出たり目が悪くなる、等々。 動物も塩を欲するから、野宿をする場合は必ず火をたく(そうしないと翌朝牛が獣に喰われている)、小便を壺にためたり立ち小便をするとオオカミが舐めに来るから駄目、という話に驚いた。 わらじは消耗品で三日に1つ破れるから一年に百足は作らなければならない、ということさえ実感としてわかなくなってしまった今、こういう生活に密着した記録は非常に貴重なものだと感じた。
20131223 講演会のまとめのため、読みやすい。日本人とは?ということを考えるきっかけになりそうな本。日本人として大事な事は何か、考えさせられる。
塩が貴重だった時代、山に住む人にとっての塩。 その塩を活用するための日本人が編み出した暮らしに密着する知恵と工夫。 「日本人と食べもの」の内容に関心がありましたが、どの章をとっても、どの節をとっても、得るものが多かったです。
日々の暮らしの中に ひっそりと息づいている 大事なことが 腑に落ちる・・・村から村へと歩き続けた宮本常一さんの見聞と体験が ぎっしりつまっています。 「日本人と食べもの」「暮らしの形と美」とあわせて3作が薄い文庫本におさめられています。目からうろこ、のエピソードもたくさんあって、海外への旅のお供にも...続きを読む おすすめ。 p.77 すべての道が海につながる
塩がいかにして作られ、運ばれてきたのか。 塩は神として祭られたことがないという話から始まり、山奥に住む人が苦労して塩を手に入れていた話や、塩を運ぶために道が作られたという話などが続きます。 塩だけにとどまらず、日本の食べ物や道具や暮らしなど、興味を掻き立てられることがぎっしりと詰まっていました。 ...続きを読む 宮本常一さんは実際に自分が見聞きしたことを書き記しているからか、文章に血の通っているような温かみがあって好きです。
塩の流通だけに終わらず、日本の至るところまでの文化、生活基盤を見事に解き明かしている。日本の文化と生活を知る上では最高の一書です。 ◆稲作は中国の雲南省のあたりから戦から逃れ朝鮮を経て九州に伝わった。一方で東北ではヒエの栽培が行われていた ◆稲作をする上で最大の懸念は風であり、風を避ける為に各盆地...続きを読むで集落が形成される。稲作における共同作業により祭りが行われて祭祀を司る人物が統治者として必要になった。 ◆稲作が伝わった当初、米は炊くのではなく蒸したと思われる。最初の稲作はもち米が多かった為に炊くと土器にへばりつく破損に繋がる。竈の発達へ。 ◆戦国時代に平戸へサツマイモが伝わり水田のない地域に広がり、その後に餓死者はいなくなった。九州から大阪までの西日本では人口が増え、明治期では女性の労力が利用されて木綿織が発達 ◆日本に入ってきたジャガイモはエグイモだったが、甲斐の代官である中井清太夫が改良しセイダイモを各地で流通、北海道において川田龍吉男爵が広めたから男爵イモと云われる。 ◆不毛の地であった東北では月に100回味噌汁をすすり、栄養を保った。 ◆強靭になったわらを利用した日本人は家族総出で藁製品を作った。藁製品は子供でも作らせたので日本人の手先の器用さに繋がった。わらをゴザの下へつけて厚みをつけて床の上へ敷くことで畳が生まれた。
読みやすい文章 商圏や文化圏が どう伝わって どう広がっていったか イメージしやすく 分かりやすい それにしても ほんの少し前の世代の話なのに 全く知らない事が多い そういう情報が 途絶えてしまっているのは 悲しい事だ とよたブックマーケット内 積ん読屋にて購入
宮本常一氏の晩年の講演をまとめた一冊。「塩の道」「日本人とたべもの」「暮らしと形の美」の三篇を収録。 日本全国を歩き回って得た知識を縦横無尽に駆使して、新たな宮本常一ワールド紬上げる、魔法のようです。
元々内陸ではほとんど塩の取れない日本では、山で伐採した木を川に流し、海の河口で回収して薪に使い、海水を煮て得た塩を内陸に持ち帰ったという。生きるための知恵と 労力を惜しまぬ力技に感動。 また、そもそも塩魚というのは大量流通によって安くなった塩に付加価値をつけたもので、魚よりも塩を摂取することが本来の...続きを読む目的であったという。1日目は塩を舐め、2日目は頭を食べ、3日目は胴体、4日目に尻尾と大事に食べ分けたとのこと。まさに目からウロコの話し。
宮本民俗学なるものを一度くらい読んでみようと思って。話し口調で説明もわかりやすく、たいへん読みやすかった。 塩水をそのまま煮詰める方法から揚浜式へ、石釜方式へ。 山から材木を流してそれを海に行って焼く。材木と塩の物々交換。麻をさらすための軽い灰を売って塩を焼く。牛で塩を運ぶ。細い道の道草を食わせる...続きを読む。人の背で運ぶ、塩魚を売る。 米の伝来、騎馬民族、壺の発達、畳の発明、一つ一つの営みを合理的に限られた中でやっていくことに、文化の繋がりや社会制度が見えてきて面白い。 民俗学に詳しくないからこの見解がどこまで正しいのかわからないけど。 P200 それは、そこにいる人たちのたんなる美意識というよりも、そこにあるものを、長い生活の体験の中から見つけていって、そしてそれを美に転化していった。その美がたんなる美ではなくて、自分らの生活を守る強さをもつ美であった、ということを忘れてはいけないと思います。
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