無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
バードの『日本奥地紀行』を、つっかえながら、しかしもう半年以上、読み終えられず。
今、青森あたりを、バードとともにうろうろしている(苦笑)。
いや、読みはじめたら面白いと思うところもあるのだが、なかなか手が伸びない。
これを打開するには、優れた先達あれ、と思い、本書を手にする。
この本を読むと、バードの紀行文のどこを面白がっていいか、とてもよくわかる。
自分だけでは、「へ~、当時はそうだったんだ」で終わってしまう。
それが、博識の宮本さんから、次々と関連情報が示されるので、バードの記述が立体的に見えてくる。
例えば。
バードが宿屋で障子に穴をあけて覗かれることに閉口する記述は有名だ。
彼女はお金が盗られるかも、とも心配しているのだが、宮本さんは昔の泥棒は放り出してあるものは盗らなかった、という証言を引っ張ってくる。
昔は家に鍵をかけなくても平気だった、と祖父母の世代の人からよく聞いたものだ。
これは狭い地域で限られた人間関係の中で暮らしていたから、と解釈してきたのだけど、泥棒の側にも今とは違う仁義の通し方があったのかも、と思わせられるエピソード。
こんな風に、バードの記述を通して、現代の日本との違いに目を開かせられる。
清潔度や健康の面で、本州にもずいぶん地域差があったことにもバードは触れているが、アイヌはこの点で高く評価されている。
まだ北海道に入ってからの部分は読んでいないので、どんなことが書かれているか楽しみになってきた。
やはり、この本を読むという判断は間違ってなかった、と自画自賛して、レビューを書き終えることにする(笑)。
Posted by ブクログ
イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を、民俗学者の宮本常一氏が解説する作品。宮本氏が実際に行った講読会が、この作品のベースとなっている。
本作を読む前は、イザベラ・バードと宮本常一と聞いて、チョット意外な組み合わせだなと思ってしまった。でも、何の先入観も偏見も無い外国人が描いた、開国直後の素の日本という背景を考えれば、実は民俗学的要素が満載なのである。
昔の日本にはノミがたくさんいて、ノミによる寝不足解消を祈願したのが、ねぶた祭りの起源であった事。そして日本の警察官は元々士族階級だったため、一般の人々に対する態度がデカい事などなど、バードの描写に対する宮本氏の説明がとても面白い。
バードの旅の途中によく登場する、好奇心旺盛でデリカシーの無い日本人の態度が印象に残っていたが、実はこの好奇心の強さこそが維新後の日本発展の一因であった、という考察には妙に納得してしまった。
Posted by ブクログ
宮本常一がイザベラ・バードの「日本奥地紀行」を解説している。
「日本奥地紀行」は明治11年にイザベラが横浜~北海道を旅した話であり、宮本が全国を調査した経験を元に、イザベラが話す明治の地方の暮らしを補足していくスタイルとなっている。
●彼らはめったに着物を洗濯することはなく・・・夜となく昼となく同じものをいつも着ている。(奥地紀行)
一年に一枚くらいの割合で着破ったと考えられるのです・・・着物一人分の一反を織るのにだいたい一ヶ月かかるとみなければならない・・・働いている上にそれだけのことをしなければならないのです。(宮本)
●日本人に病気が多い・・・その大部分の病気は、着物と身体を清潔にしていたら発生しなかったであろう・・・(奥地紀行)
日本人はきれい好きである、風呂好きであると言いますが・・・村へ入ってみると風呂のないところが非常に多かったのです・・・戦前はすごく垢を溜めた子が多かったし、特に洟をたらし、それを袖で拭くものですから袖口のぴかぴか光った服を着ている子が多かったのです。(宮本)
●昔アイヌ人は弓矢・槍・ナイフで戦ったが、彼らの英雄神である義経が戦争を永久に禁止したので、それ以来は両刃の槍は熊狩りに使われるだけになった・・・(奥地紀行)
「義経記」がアイヌの世界に入っていって、ここでユーカラと同じように語り継がれたのです。源義経は北海道へ行きアイヌの世界に入り、そこで英雄として祀られた。
アイヌはかつて北海道で一つの統一体をなしていたことがあった。北方民族と戦って、その時の様子をうたったのがユーカラなのだ。少数民族の場合、琉球王国は形成され、アイヌは国家的要素をかえって解体させていった。(宮本)
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。