源氏の血脈 武家の棟梁への道

源氏の血脈 武家の棟梁への道

990円 (税込)

4pt

3.3

その後700年におよぶ武家政権を本格的に開始したのは、なぜ源氏だったのか。そしてその地は、なぜ鎌倉だったのか。源氏を「武家の棟梁」に押し上げた4人――源為義・義朝・頼朝・義経の人物像から、日本中世の始まりを描く。
武士は、律令制が乱れた地方社会で自衛のために組織され、草深い東国の武者たちが貴族化した都の平家を滅ぼして武家政権を立てた――こうした通説的理解は、現在では成り立たない。近年の研究では、武士とはそもそも都市的な存在であり、源氏も平氏と同様に軍事貴族として王朝社会での栄達を目指していた。では、京武者・源氏はいかにして地方武士団を統合し、鎌倉に幕府を開くことができたのか。一族不遇の時代、列島各地に拠点を作った祖父為義。京都政界で地位向上に邁進し、挫折した父義朝。高貴な出自による人脈を駆使した頼朝・義経兄弟。河内源氏3代4人の長期戦略は、貴族対武士、東国対京都といった単純な図式を超えたドラマを見せる。
東国武士団の研究に多くの成果を上げてきた著者によれば、源氏こそ「征夷大将軍」「武家の棟梁」たるべきという観念は、源頼朝や足利尊氏、徳川家康らによって作り上げられたものだった。また、為義の父にあたる八幡太郎こと源義家が、武門源氏の始祖として神格化されたのは、のちの北条氏・足利氏が系譜と伝説を捏造したことによるという。文庫化にあたり、「補章」を加筆。〔原本:中央公論新社、2012年刊〕

...続きを読む

源氏の血脈 武家の棟梁への道 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年06月11日

    2012年、中央公論新社から刊行された『武門源氏の血脈ー為義から義経まで』を改題し、修正・加筆して文庫化された本書は、源為義から義経まで武門源氏3代4人を取り上げて、源氏がその後700年に及んだ武家政権を築きあげていく過程を検討したものである。構成は以下の通り。

    序章 日本中世の幕開けと武門源氏
    ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年04月02日

    2012年刊行本を修正・加筆しての文庫版。為義・義朝・頼朝・義経の四人にフォーカスを当てて、武家の棟梁として確立される過程を追う内容。流通との関わりと、それを通しての各地への勢力展開などの様相が興味深かった。

    0

    Posted by ブクログ 2022年03月28日

     一昔前までの貴族対武士、東国対西国といった単純な対立軸で鎌倉時代開幕の歴史を論じることは無くなってきているが、本書は、河内源氏の嫡流、源為義、義朝、頼朝の三代にプラス義経を取り上げ、武家の棟梁に至ったのはなぜか、またどのようにしてそうなったのかを論じたものである。

     交易に力を入れていた平氏に対...続きを読む

    0

源氏の血脈 武家の棟梁への道 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社学術文庫 の最新刊

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

野口実 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す