木田元の作品一覧
「木田元」の新着作品・人気作品や、最新のユーザーレビューをお届けします!
-
作者をフォローする
- フォローするとこの作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
値引き作品コーナー
ユーザーレビュー
-
『反哲学入門』からの続きとして読んだ。
『反哲学入門』と比べ、この本は、重なる内容もあるが、個人的にはより詳しく丁寧に述べられている印象があった。この本を読むことで前書の復習になり頭に残ったので、個人的にはよかった。
ある特定の哲学者の思想を理解しようとしたとしても、その人限定の書籍を読むだけでは
...続きを読む理解しづらい。なぜならその思想の背景には、当時より前の哲学者たちの思想を基にしていたり、あるいはその人たちに対する反論が存在しているためである。
本書は、その思想の歴史的なつながりを理解するのに最適である。索引も付いているため、これから原著を読む時はこの本を振り返るようにしようと思う。
Posted by ブクログ
-
生涯を通して「反哲学」を標榜されていた著者の反哲学。
決して難しい哲学の本ではありません。
木田先生が訳されておられる書籍にはかなり難しいものが多いですが、一般向けにお書きになられる本はとても分かり易くて助かります。
メルロ=ポンティとか現象学の本も読んではみたいのですが、まだまだ力量不足でその域
...続きを読むには至りませんが、木田先生の著書は語り口も好きで結構読ませて頂いております。
「哲学」の面白さは木田先生のお書きになった本に教えられたことが多く…
評価したり感想を述べたりするのは
やはり少し恐れ多い汗
Posted by ブクログ
-
ハイデガーの存在論や哲学観の全体像がよくわかる。カント、ヘーゲル、ニーチェ、フッサールなどの関係性や影響も時系列ごとに綺麗に整理されていて読みやすい。
Posted by ブクログ
-
反哲学といえばニーチェだという決めつけ。それ以上の知識の拡がりがないままの自分がこの本を読んで得られたのは、哲学というものをめぐる大きな歴史の動きと、それに伴い変化していく哲学者たちの考え方だった。哲学者一人ひとりの考えを深く理解することはこの本だけでは不可能だが、各々の哲学者が「なぜ」そのように考
...続きを読むえたのか(またはその考えに『縛られた』のか)、「なぜ」その時代にその考えが現れたのかを理解するには大変良い書であると思う。
Posted by ブクログ
-
反哲学入門の続きのような感覚で読み始めたけど、ちょっと趣が違う。哲学に限らず20世紀の学問・思想の限界(理性の崩壊)から話が始まり、そこを突破するための存在論・認識論の新しい地平、生理学などの力を統合し進む現象学中心の展開を見る。後半マルクス主義の潮流あたりは特に難しくてあんまり読めていないなと思う
...続きを読む。
自分にとっての「体」の持つ意味、心と体の分かちがたく結びつく様、世界内存在としての企投の場であるということを検討してからの言葉の検討、言葉とは思考のからだであるという流れがとても美しく、頭の中で強く広く響く。今まで持っていた言葉への違和感がするする解き明かされていくようで気持ち良かった。
鶏のエサ実験や失語症や色名健忘の話が面白かった。私は相貌失認とそれに関連してひどい方向音痴なのだが、これを読んで相貌失認はおそらく記憶の問題ではなくて鶏のエサ認識のように対象の差異を相対的に細かく認識する機能の欠陥なのではないかと感じる。
方向音痴も色名健忘の「障害によって侵されているのは、判断力であるよりは、むしろ判断力の生まれてくる地盤であり、……つまりそこに何らかの意図を造形するわれわれの能力なのである」という部分は非常に大きな気付きになった。
地図上で目の前の建物がどこにあるか分かり、地図上でどう進めば目的地へ着けるか分かるのに、目の前のどの道路をどちらへ進めばいいかは何分考えても分からないという自分の感覚は「頭がおかしい」という言葉でしか認識できていなかったが、そういうことなのかと腑に落ちてすっきりした。
欠けているのは理解ではなく要素をシンボル化し利用する「ベクトル」であるということがチンパンジーのところでも書いてあったが、左右盲だとかこうした細々した困りごとはたぶん頭の根っこでつながっているのだろう。
哲学の本でこの辺りのことに大きな収穫があるのは思いがけない嬉しいプレゼントだったけれど、たぶんもっと読めばさらに得られるものがあるだろうと思うので、また読みたい。
Posted by ブクログ
木田元のレビューをもっと見る