木田元のレビュー一覧

  • 反哲学史
    『反哲学入門』からの続きとして読んだ。
    『反哲学入門』と比べ、この本は、重なる内容もあるが、個人的にはより詳しく丁寧に述べられている印象があった。この本を読むことで前書の復習になり頭に残ったので、個人的にはよかった。

    ある特定の哲学者の思想を理解しようとしたとしても、その人限定の書籍を読むだけでは...続きを読む
  • 反哲学史
    生涯を通して「反哲学」を標榜されていた著者の反哲学。
    決して難しい哲学の本ではありません。

    木田先生が訳されておられる書籍にはかなり難しいものが多いですが、一般向けにお書きになられる本はとても分かり易くて助かります。
    メルロ=ポンティとか現象学の本も読んではみたいのですが、まだまだ力量不足でその域...続きを読む
  • ハイデガーの思想
    ハイデガーの存在論や哲学観の全体像がよくわかる。カント、ヘーゲル、ニーチェ、フッサールなどの関係性や影響も時系列ごとに綺麗に整理されていて読みやすい。
  • 反哲学史
    反哲学といえばニーチェだという決めつけ。それ以上の知識の拡がりがないままの自分がこの本を読んで得られたのは、哲学というものをめぐる大きな歴史の動きと、それに伴い変化していく哲学者たちの考え方だった。哲学者一人ひとりの考えを深く理解することはこの本だけでは不可能だが、各々の哲学者が「なぜ」そのように考...続きを読む
  • 現代の哲学
    反哲学入門の続きのような感覚で読み始めたけど、ちょっと趣が違う。哲学に限らず20世紀の学問・思想の限界(理性の崩壊)から話が始まり、そこを突破するための存在論・認識論の新しい地平、生理学などの力を統合し進む現象学中心の展開を見る。後半マルクス主義の潮流あたりは特に難しくてあんまり読めていないなと思う...続きを読む
  • わたしの哲学入門
    ここ最近、木田元の哲学書を連続して読んだが、その中でも最高の書。形而上学=哲学というのがプラトンが、現実社会(事実存在)と現実にはない理想の世界(本質存在=神の世=イデア)とを分離したことから始まり、それがニーチェにて終了し、現代哲学はこの形而上学的な二元論から、自然な存在というものを中心に論じるギ...続きを読む
  • 反哲学史
    哲学とは何かを体系的に考えるのに大変有用な本。要は、イデアも純粋形相も神も理性もすべては一つの形而上学的(現世とは異なる理想的な世界が存在し、それに向かって世界は進んでいく的)な同じ思想形態であり、西洋哲学、西洋思想はすべてこの思想形態を中心に発展してきたということがよく分かった。実存主義はそれを真...続きを読む
  • マッハとニーチェ 世紀転換期思想史
    マッハとニーチェを中心に、世紀転換期のヨーロッパ思想史について論じた本です。

    著者の盟友だった生松敬三がヨーロッパ思想史にかんする名著を数多く残していますが、現象学やハイデガーの研究者として知られる著者もまた、この分野にかんする造詣が深く、それぞれの思想家の影響関係について綿密な考察が展開されてお...続きを読む
  • 反哲学史
    哲学というのは私を含めた一般の人々にとってはおそらく難解で近づきがたいものである。しかしながら、この本は、とてもわかりやすく、哲学に苦手意識を持つ私でも最後まで楽しく読むことができた。わかりやすさの理由として第一に、読者の疑問に沿う形で文章が構成されている。用語であれ、論理展開であれ、疑問がわく部分...続きを読む
  • わたしの哲学入門
    16/1/2
    著者と哲学との関わりについて書いたあと、歴史に沿って哲学の流れを説明するというのが本書の構成である。
    ハイデガーという一つの視点から、様々な哲学者の思想を批評しながら歴史に沿って進展するため、それぞれの思想をかいつまんで説明するような入門書よりも、思想と思想のつながりや思想の流れがわか...続きを読む
  • 現象学
    ハイデガーの存在論を理解する近道は、まずフッサールの現象学を勉強することだと思う。読後にそういう感想を持った。木田元は現象学の勘所を本当に丁寧に説いてくれている。
  • ハイデガーの思想
    ハイデガーの言う「存在」とは何か。本書はそれを丁寧に説き明かしてくれる。その説明の中で「世界内存在」という概念についてわかりやすい解説が行われている。これらを杖にもう少しハイデガーの思想について勉強していこうと思う。
  • わたしの哲学入門
    木田さん自身おっしゃってますが、哲学者がなぜ哲学を学ぼうとしたのか。というところから話をした方が、とっかかりがいいのではないか?ということで書かれた本らしく大変面白かった。
    哲学独自の言葉に言及された部分は笑ってしまいました。そもそも日本語の翻訳は、その日本語がさっぱりわからないことが多い。と...続きを読む
  • 反哲学史
    「 事実彼は芸術こそが「生(レーベン)の本来的課題」であり、「生の形而上学的活動」だと言っております。してみれば、もっとも肉体的な機能でありまた肉体の機能の最高次の実現である芸術を認識の圧制から解放して復権せしめることこそが、ニーチェの目指したニヒリズムの克服の決定的方策だった、と見て良さそうです」...続きを読む
  • 反哲学史
    二周目。高3春以来二年ぶり。
    この19年の自分の思考の成長が、順調に西洋哲学の変遷を辿ってきてたことがよく分かった。
    環境に感謝。
  • ハイデガーの思想
    読もう読もうと思いつつも、難解で近寄りがたいハイデガー。この本は大変分かりやすかった。存在の見方をひっくり返すハイデガーの考えが平易な言葉で読みとかれている。


    存在は、〈それが何であるかということ〉「本質存在」と、〈それがあるということ〉「事実存在」とに区別される。その区別とともに形而上学として...続きを読む
  • 現象学
    1970年の刊行以来、ロングセラーとなっている現象学の入門書。(今でも読まれてるかしら?)フッサール,ハイデガー,サルトル,メルロ=ポンティに至るまで、読み易い文体で現象学の変遷を解説しています。
  • ハイデガーの思想
    とかく難解と言われるハイデガーの著作。もともと日本語で訳すことができるのかどうかさえも疑わしいハイデガーだが、木田先生特有の言葉で綴るハイデガーのエッセンスは、おそらく他の追随を許さないほどの見事な解釈とわかりやすさである。木田先生は日本を代表する知性だとあらためて思う。
  • ハイデガーの思想
    読み終わってから時間が経ってしまったので記憶がぼけてしまったり、理解が間違ってるかもしれないのでご了承を。哲学に疎い自分でも読めるように分かりやすく解説されてる本だった。同時代の人たち、詩人や哲学者との関係について紹介し、またナチスとの関連についても解説されている。当時は第一次大戦に敗北した極限的な...続きを読む
  • 哲学は人生の役に立つのか
    役に立つか立たないかではなく、その経験を生かせるか生かせないかは本人次第。これは何でも同じだと思う。
    哲学そのものではなくてもそれにかかわってきたことが著者にとっては生きるための役にたち、そのように生きてきたことを楽しめている。
    自分もそのように思えるように生きたい。