あらすじ
現象学、ゲシュタルト心理学、アインシュタインの相対性理論、ウィーン学団の論理実証主義、ウィトゲンシュタインの後期思想、ケルゼンの実証法学など、すべてマッハの影響下に生まれた。ニーチェの最後期の思想「遠近法的展望」もマッハの「現象」の世界と重なる。まったく交流のなかった物理学者と古典文献学者は、同時期に同じような世界像を描き、それが、十九世紀から二十世紀への思想の中心となった。世紀転換期思想を解読。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
マッハとニーチェを中心に、世紀転換期のヨーロッパ思想史について論じた本です。
著者の盟友だった生松敬三がヨーロッパ思想史にかんする名著を数多く残していますが、現象学やハイデガーの研究者として知られる著者もまた、この分野にかんする造詣が深く、それぞれの思想家の影響関係について綿密な考察が展開されており、たいへん勉強になりました。また、雑誌『大航海』(新書館)に17回にわたって連載された記事をまとめたものということもあって、親しみやすい語り口で議論が展開されているのも、個人的には高評価のポイントでした。
マッハからフッサールへの影響関係はむろんのこと、マッハ=アヴェナリウスの「経験批判論」に対して厳しい批判をおこなったレーニンや、マッハの思想から影響を受けたといわれるアインシュタイン、さらにムージルやホフマンスタール、ヴァレリーといった作家たちにおける世紀転換期思想の受容のされかたなど、該博な知識に基づく議論が自由闊達に展開されています。
Posted by ブクログ
面白いのに、ちゃっちゃと読み終われない。現象学の始まりの世界がボンヤリ頭の中に浮かびつつある。
ユクスキュル・マッハそしてニーチェ、その向こうにハイデガー、メルロ・ポンティが待っているらしい。
いまのところはそんな・・・・、