哲学は人生の役に立つのか

哲学は人生の役に立つのか

699円 (税込)

3pt

江田島の海軍兵学校で終戦を迎え、あてもなく焼け跡の東京へ。テキ屋の手先や闇屋をしながら、何があっても食べていける術は身につけた。しかし、いかに生きるべきかという悩みは深まるばかりの青年期。ドストエフスキー、キルケゴール、やがてハイデガーの『存在と時間』に難問解決の糸口を見出す。それから半世紀以上を経て、はたして答えは見つかったのだろうか──。八十歳を迎えた哲学者が、波瀾の運命をふり返りながら、幸福、学問、恋愛、死生観までを縦横に語る。著者は哲学の勉強をはじめるまで、農林専門学校に通うなど、さんざんまわり道をしてきた。そしてハイデガー思想を理解したいために、カントやヘーゲル、フッサール、メルロ=ポンティという具合に何十年もまわり道をした、と言う。しかし、まわり道をしたからこそ、新しい道が開けてきたのだと思う、と回想する。思いきり悩み、迷いながらも、力強く生きることの大切さを教えてくれる好著である。

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哲学は人生の役に立つのか のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    役に立つか立たないかではなく、その経験を生かせるか生かせないかは本人次第。これは何でも同じだと思う。
    哲学そのものではなくてもそれにかかわってきたことが著者にとっては生きるための役にたち、そのように生きてきたことを楽しめている。
    自分もそのように思えるように生きたい。

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    Posted by ブクログ 2011年02月28日

    ご自身の幼少から、哲学に没頭していった大学時代、そして現在に至るまでを書かれた本。

    タイトルの「哲学は人生の役に立つのか」という問いについて、ご本人は「おわりに」の中で以下のように答えられています。

    はじめにも言いましたように、「人生の役に立つ」ということが、世のため人のためになるという意味なら...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    タイトルに惹かれて買った本
    内容にはそれほど期待はしていなかったのだが、意外と面白かった
    ある意味幸福論的な内容で、大半の部分が著者の生涯を書いたものとなっている。
    結論としては好きなことをしろってことでしょうか

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    Posted by ブクログ 2020年07月31日

    題名はともかく、本書は哲学の有用性(あるいは無用性)について語った本ではなく、木田元という哲学者の半生を振り返った自伝としての性格が強い。ただし、哲学という学問が個人の人生にどのような意味を与えたかという視点から読むことは可能であり、役に立つか立たないかだけを尺度とする価値観へのアンチテーゼへと敷衍...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年12月02日

    まあ斯界では知らぬ者のいない超ビッグネーム。
    こういう余技で書いたとも言えぬだらだらエッセイ本も、それはそれで味わい深いのではないでしょうか。

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    Posted by ブクログ 2017年11月29日

    現象学やハイデガーの研究で知られる著者が、自身の生涯を振り返りながら、若い読者に向けて人性について語った本です。

    終戦直後にはテキ屋で働き、農林専門学校に入学するもほとんど勉強せず遊んでばかりいたのが、ドストエフスキーの文学に出会いハイデガーの『存在と時間』を読みたいという一心で猛勉強し、東北大学...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年04月30日

     著者の語学習得のコツを改めて知りたいと思い読みました。でも本書の後半は人生一般(恋愛、仕事、子育て、死)について記してあるので、読んで良かったなと思いました。基本的にこの著者はどの本を買っても(哲学専門書を除けば)、大概書いてあることは一緒なので、もし読むのであればどれか気に入った本一冊を読めば十...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年07月18日

    哲学者・木田さんの半生を振り返るエッセイのような本でした。おじいちゃんの話をを聴かせて頂いている感じです。

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    Posted by ブクログ 2011年06月30日

    タイトルに期待をしてはいけない。しかし、著者の波瀾万丈な来歴を読み当時の若者と現代の若者の違いを知り、本自体は役に立ったと言える。生きる環境によって普遍的な若者像が構築されるのではないか。横並び主義の日本において、追随する若者が増える。これにより揶揄されている「ゆとり」や「草食系」などの造語が新しく...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年04月11日

    有名な哲学者である木田元氏の自伝的な位置づけの本。戦後の混乱期、闇市で生計を立てていた件など、哲学とは無関係な部分が面白い。

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