作品一覧

  • ゴルギアス
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    1巻1,265円 (税込)
    プラトン初期対話篇の代表作、練達の訳者による決定版新訳が完成! 本書では、当時を代表するソフィストであるゴルギアス、その弟子ポロス、気鋭の政治家カリクレス、ソクラテスの崇拝者カイレポンの四人を相手にしてソクラテスが対話を展開します。その中心的な主題は「弁論術とは何か」です。 ただ雄弁に語り、聞く人を説得するのが理想的な弁論術ではありません。大した内容もなく、正しい知識を与えることもないのに、相手を論破したり、耳障りのよいことを訴えたりするだけの言葉が今もよく聞かれます。言うまでもなく、そのような言葉を語る人が政治的な意図を隠しているなら、聞く者は気づかぬうちに意図された方向に導かれ、特定の政治的な主張を支持するようにもなるでしょう。古くは「プロパガンダ」と呼ばれ、今日では「フェイクニュース」や「ポルトトゥルース」、「オルタナティブファクト」などと呼ばれる現象には、そのようなからくりが含まれています。 では、正しい弁論術とはどのようなものなのか? ソクラテスは、ゴルギアス、ポロス、カリクレスの順に濃密な対話を交わし、その答えを明らかにしていきます。それは最終的に「正しさ」とは何かを知ることに行き着くでしょう。何が正しいのかを知っている人にしか正しい弁論術は使えない――当たり前に思えますが、その当たり前のことを残念ながら人類はプラトンの時代よりよく理解し、実践していると言えるでしょうか? 価値の基準が崩壊したと言うしかない現代世界の中で、道徳的であること、正しくあることとは何か、という問いは、ますます重要性を増しています。練達の訳者によって蘇ったプラトン渾身の対話篇を手に、今と未来を考えていただけるなら幸いです。 [本書の内容] [プロローグ ゴルギアスとは何者か] [第一幕 ゴルギアス対ソクラテス] [第二幕 ポロス対ソクラテス] [第三幕 カリクレス対ソクラテス] [エピローグ 死後の裁きについて]
  • 和辻哲郎 建築と風土
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    いまだかつて哲学研究者たちによって顧みられることがなかった和辻哲郎の建築論を、四つの著作『風土』『古寺巡礼』『イタリア古寺巡礼』『故国の妻へ』と、「桂離宮印象記」をはじめとした桂離宮論のうちに探り、知られざる和辻の射程を、その広がりと深さにおいて示す試み。唐招提寺、薬師寺、法隆寺から、マルセーユ、ローマ、ゴスラー、ローテンブルクの寺院や遺跡を訪ね歩き、そして桂離宮へ――。その足取りをたどりなおし、空間的要素と時間的要素を総合する和辻の眼を手に入れる。
  • リュシス 恋がたき
    3.8
    美少年リュシスとその友人メネクセノスの二人を相手にして「友」とは何か、「友愛」とは何かを論じていく『リュシス』は、後世に幅広い影響を与えた名作として知られる。同じく二人の少年を相手にして「知を愛すること」としての「哲学(ピロソピア)」という主題を追求していく『恋がたき』をも併録した。「愛すること」という根本的な主題で貫かれた二つの対話篇、初の文庫版となる新訳が登場!
  • アルキビアデス クレイトポン
    3.0
    ソクラテス哲学の根本を伝える重要な対話篇、初の文庫版で新訳が登場! 『アルキビアデス大』または『第一アルキビアデス』と称されてきた『アルキビアデス』は、一個人としての「この私」と捉えられる「自己」を認識すること、さらには「人間一般」を認識することを目指し、魂と徳の探究に乗り出す。短篇『クレイトポン』では、その魂と徳の探究への疑問が提示され、ソクラテス哲学の極限に向かって対話が進行していく。
  • リュシス 恋がたき

    Posted by ブクログ

    友愛について探る“リュシス”と、哲学と知について探る“恋がたき”の2つの対話篇が収録されています。
    ソクラテスと若者が対話を通して真理を求める内容です。
    短編ですが、きちんと理解して読み進める必要があります。
    読み応えもあり、楽しみながらプラトンに触れられる一冊。

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    2018年04月04日
  • リュシス 恋がたき

    Posted by ブクログ

    プラトン著作の中から『リュシス』と『恋がたき』の2編を所収。(但し『恋がたき』は偽書の可能性があるとのこと)
    『リュシス』は「友」とはどういう人か、さらに「愛する」とはどういうことかを問うた対話篇で、『恋がたき』は「哲学」とは何か、さらにどんな「知」を愛することなのかを問うた対話篇である。
    根本としてどちらも「愛すること」「愛するとは」をテーマとした対話篇であるが、非常に短い短編となっていて、プラトンの対話篇に親しむにはとっつきやすい作品であるといえる。
    それぞれの対話の構造的解釈は本書の「解説」に詳しい。

    『リュシス』では美少年2人を相手に(しかも、ソクラテスの知人が対話の一方である美少年

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    2018年01月21日
  • アルキビアデス クレイトポン

    Posted by ブクログ

    昔、所属していたモデル事務所にとてもお世話になった1つ年上の先輩がいた。その頃のモデルはほとんどがお金持ちの子女が暇潰しにやっているような感じで、またそういう人間特有のガッつかないギラギラしてない雰囲気がないと売れない、という業界の不文律のようなものもあったように思う。でもその先輩は逆に仕事にもお金にも苦労して売れたタイプで、そのせいか後輩にもとてもやさしかった。先輩の恋人の彼女にもたくさんお世話になった。今もとても感謝している。

    ある時、そんな先輩にお店を持ちたいと相談されたことがあった。しかしファッションモデルという仕事は、仕事のある日が不規則なうえ拘束時間も長いので、副業やアルバイト的

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    2022年01月05日
  • リュシス 恋がたき

    Posted by ブクログ

    自分が哲学に詳しくないせいか、結論を見てもピンと来ませんでした。
    友愛とは何か、哲学とは何かを前提知識を使わず検証していくのは面白かったです。

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    2021年05月16日
  • リュシス 恋がたき

    Posted by ブクログ

    「○○とはなにか?」と問いがたてられ、いろいろ議論したあげく、「○○ということについて、わたしたちは知らない」ということが確認される、ソクラテス対話シリーズかな?

    こうした「知らない」対話篇は、初期プラトンの特徴なんだけど、解説によると、中期に近い性質もあるとのこと。

    たしかに、議論の展開が複雑というか、精緻で、いろいろな角度から問題にアプローチして、それぞれが論理的に間違っていることが証明されていく。

    その手際は、なぜかデリダの脱構築を思い起こさせる。

    プラトンのなかでは、比較的マイナーな作品とのことだが、議論されているのが「愛」とか、「知」で、知を愛するという意味の「フィロソフィー

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    2019年11月06日

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