作品一覧

  • 古代ギリシア哲学講義 ――生きるヒントを求めて

    古代ギリシア哲学講義 ――生きるヒントを求めて

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,716円 (税込)
    ソクラテスは言う――「いちばん大切なのは、単に生きることではなく、よく生きることだ」。では「よく生きる」とはどのようなことか。「単に生きること」だけでも容易ではない状況を、人はいかに生きるべきなのか。本書はそうした根源的な問いについて、『ソクラテスの弁明』『オイディプス王』『国家』をはじめとする古代ギリシアの哲学、文学の名作を手引きに、深く掘り下げて考える。2400年のはるかな時を超えて現代の我々に生きるヒントを示してくれる古代の叡智の数々を、ギリシア哲学研究の碩学が縦横に論じ、わかりやすく読み解いて伝える連続講義。
  • ゴルギアス

    ゴルギアス

    ビジネス・実用

    5.0
    1巻1,298円 (税込)
    プラトン初期対話篇の代表作、練達の訳者による決定版新訳が完成! 本書では、当時を代表するソフィストであるゴルギアス、その弟子ポロス、気鋭の政治家カリクレス、ソクラテスの崇拝者カイレポンの四人を相手にしてソクラテスが対話を展開します。その中心的な主題は「弁論術とは何か」です。 ただ雄弁に語り、聞く人を説得するのが理想的な弁論術ではありません。大した内容もなく、正しい知識を与えることもないのに、相手を論破したり、耳障りのよいことを訴えたりするだけの言葉が今もよく聞かれます。言うまでもなく、そのような言葉を語る人が政治的な意図を隠しているなら、聞く者は気づかぬうちに意図された方向に導かれ、特定の政治的な主張を支持するようにもなるでしょう。古くは「プロパガンダ」と呼ばれ、今日では「フェイクニュース」や「ポルトトゥルース」、「オルタナティブファクト」などと呼ばれる現象には、そのようなからくりが含まれています。 では、正しい弁論術とはどのようなものなのか? ソクラテスは、ゴルギアス、ポロス、カリクレスの順に濃密な対話を交わし、その答えを明らかにしていきます。それは最終的に「正しさ」とは何かを知ることに行き着くでしょう。何が正しいのかを知っている人にしか正しい弁論術は使えない――当たり前に思えますが、その当たり前のことを残念ながら人類はプラトンの時代よりよく理解し、実践していると言えるでしょうか? 価値の基準が崩壊したと言うしかない現代世界の中で、道徳的であること、正しくあることとは何か、という問いは、ますます重要性を増しています。練達の訳者によって蘇ったプラトン渾身の対話篇を手に、今と未来を考えていただけるなら幸いです。 [本書の内容] [プロローグ ゴルギアスとは何者か] [第一幕 ゴルギアス対ソクラテス] [第二幕 ポロス対ソクラテス] [第三幕 カリクレス対ソクラテス] [エピローグ 死後の裁きについて]
  • 和辻哲郎 建築と風土

    和辻哲郎 建築と風土

    ビジネス・実用

    -
    1巻902円 (税込)
    いまだかつて哲学研究者たちによって顧みられることがなかった和辻哲郎の建築論を、四つの著作『風土』『古寺巡礼』『イタリア古寺巡礼』『故国の妻へ』と、「桂離宮印象記」をはじめとした桂離宮論のうちに探り、知られざる和辻の射程を、その広がりと深さにおいて示す試み。唐招提寺、薬師寺、法隆寺から、マルセーユ、ローマ、ゴスラー、ローテンブルクの寺院や遺跡を訪ね歩き、そして桂離宮へ――。その足取りをたどりなおし、空間的要素と時間的要素を総合する和辻の眼を手に入れる。
  • リュシス 恋がたき

    リュシス 恋がたき

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻770円 (税込)
    美少年リュシスとその友人メネクセノスの二人を相手にして「友」とは何か、「友愛」とは何かを論じていく『リュシス』は、後世に幅広い影響を与えた名作として知られる。同じく二人の少年を相手にして「知を愛すること」としての「哲学(ピロソピア)」という主題を追求していく『恋がたき』をも併録した。「愛すること」という根本的な主題で貫かれた二つの対話篇、初の文庫版となる新訳が登場!
  • アルキビアデス クレイトポン

    アルキビアデス クレイトポン

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,210円 (税込)
    ソクラテス哲学の根本を伝える重要な対話篇、初の文庫版で新訳が登場! 『アルキビアデス大』または『第一アルキビアデス』と称されてきた『アルキビアデス』は、一個人としての「この私」と捉えられる「自己」を認識すること、さらには「人間一般」を認識することを目指し、魂と徳の探究に乗り出す。短篇『クレイトポン』では、その魂と徳の探究への疑問が提示され、ソクラテス哲学の極限に向かって対話が進行していく。

ユーザーレビュー

  • ゴルギアス

    Posted by ブクログ

    ソクラテスを含めて登場人物が言う皮肉がすごいなと思ったが、解説を読んでみると自分の読解力不足が恥ずかしくなった。
    この本の内容を実生活で活かせるか?と聞かれると難しい気もするが、なんとなくソクラテスの本が読みたいと思っていた自分がもっとソクラテスの本が読みたいと思うくらいには良い本だった。

    0
    2026年07月20日
  • ゴルギアス

    Posted by ブクログ

     古典は様々に訳される。たとえ同じ作品の翻訳だとしても、全く違った印象を抱くということさえあるのではないだろうか。プラトンのゴルギアスはまさにそのような著作の一つである。最初に読んだ藤沢令夫訳では、完膚(かんぷ)なきまでに論破されしどろもどろになるポロスとカリクレスの姿が、次に読んだ加来彰俊訳では、実にアイロニカルに問い詰めるちょっと嫌味な感じのするソクラテスの姿が印象に残る。そして今回の三嶋輝夫訳では、それぞれの登場人物が対等な立場から一つひとつの言葉の内実を確かめていく様子が印象に残った。
     自堕落という言葉がある。従来、「放埒」と訳されてきたアコラシアを新版アリストテレス全集のニコマコス倫理学で神崎繁訳は「自堕落」と訳したのである。アンソニー・ケニーの英訳ではself-indulgentと訳されており、自堕落という訳語は読者の心にぐさっと刺さるものであり、翻訳の妙と言えよう。アリストテレスのニコマコス倫理学においてアコラシアは節制の徳と対置され、アコラストスな人は倫理的な考察の対象外とされている。アコラシアの言葉の意味そのものは、コラコス(しつけ、懲らしめ)に否定辞のアがついたもので、「不躾」や失礼な人をも想起させ、やりたい放題な人のことを指している。その内実は理性的な反省や葛藤なしに欲望に従う人のことであり、時に獣的な非理性的存在者としてさえ扱われている。自堕落も放埒も、私たちの欲望との向き合い方を内と外から考えさせる訳語であると言えよう。
     なぜ自堕落に言及したかといえば、ゴルギアスに登場するカリクレスがその典型に思われるからである。アリストテレスが考察の対象から外して放っておくべきとさえ見做している節のある種類の人々と粘り強く関わろうとするソクラテスの、あるいはそれを描き出すプラトンの強い意志をそこに感じるのである。そのことに気づいたときは、一見すべての人へと開かれた人間主義でありながら理性的動物の一線を引いて倫理的考察の対象外とするアリストテレスに比して、どこまでも理想を追い求めるプラトンの姿に気づき、感動を禁じ得なかった。
     ゴルギアス篇は問いかけの多い対話篇である。カリクレスをして「人々が思っていながら口に出さないことをよくぞ言ってくれた」とソクラテスに言わしめたその言葉は、あるいは私たちが抱いているものかもしれない。不正に僭主となったアルケラオスを幸福だと見なすポロスのことを果たして読者である私たちは一笑に付すことができるのだろうか。いくつかの翻訳を読み比べて立ち上がる語り手たちの姿の、どこに私たち自身を見出すのか、容易にソクラテスに同調して安住させてはくれないところにプラトンの創造性が表れているのではないだろうか。
     三嶋輝夫訳は、それまでの翻訳の成果を参照しながらも堅実な文体で中立的に訳そうとしていることが印象的である。細部に亘って対話篇を味わわせてくれる訳文はそれぞれの登場人物のアンビバレントな議論の道行きを伺わせてくれるものである。ゴルギアスを精読しようと思う読者はぜひとも手に入れておきたい一冊である。

    0
    2025年12月08日
  • リュシス 恋がたき

    Posted by ブクログ

    友愛について探る“リュシス”と、哲学と知について探る“恋がたき”の2つの対話篇が収録されています。
    ソクラテスと若者が対話を通して真理を求める内容です。
    短編ですが、きちんと理解して読み進める必要があります。
    読み応えもあり、楽しみながらプラトンに触れられる一冊。

    0
    2018年04月04日
  • 古代ギリシア哲学講義 ――生きるヒントを求めて

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    哲学はあまり馴染みがないというか、性に合わないと思って避けて来たが、プラトンとかソクラテスとか名前だけ知っててもなぁと言うことで、とっつきやすそうだし読んでみた。
    古代ギリシアだとキリスト教の影響がないからとっつきやすいのもあるかもしれない。

    結局人間って古今東西変わらんのだなぁ、というのが一番の感想である。
    弁論術に至っては、昔からいたんだな「はい論破」タイプ、という感想である。わかるよ、ウザいよね。論破になってないんだもんな。大体自己満足。
    きっとソクラテスの周りにもそういうタイプが量産されていたんだろう。知らんけど。

    デルフォイの神殿の柱に「汝自身を知れ」と書いてあったのは聞いた記憶があるけど、「度を過ごすことなかれ」とも書かれていたとは知らなかった。度を過ごさないのは大事だと思う。特に権力を握っている人間は、最初は良くても慣れて行くうちに度を過ごすようになるので。というのも、古代ギリシアから変わらないことであったらしい。

    最後に、一番響いたところを引用する。
    【第20講 国のかたち、人のかたち】
    民衆の指導者となった者が、何でもよく言うことを聞く群衆をしっかりと掌握したうえで、同胞の血を流すことを差し控えることなく、よくやる手口で不正な罪を着せては法廷に引き出して殺し、こうしてひとりの人間の生命を消し去り、その汚れた口と舌で同族の血を味わい、さらに人を追放したり死刑にしたりしながら、負債の切り捨てや土地の再分配のことをほのめかすとするならば、このような人間は、その次には、敵対者たちによって殺されるか、それとも僭主となって人間から狼に変身するか、このどちらかの途を選ばなければならない運命にあるのではないだろうか?

    0
    2026年06月24日
  • リュシス 恋がたき

    Posted by ブクログ

    プラトン著作の中から『リュシス』と『恋がたき』の2編を所収。(但し『恋がたき』は偽書の可能性があるとのこと)
    『リュシス』は「友」とはどういう人か、さらに「愛する」とはどういうことかを問うた対話篇で、『恋がたき』は「哲学」とは何か、さらにどんな「知」を愛することなのかを問うた対話篇である。
    根本としてどちらも「愛すること」「愛するとは」をテーマとした対話篇であるが、非常に短い短編となっていて、プラトンの対話篇に親しむにはとっつきやすい作品であるといえる。
    それぞれの対話の構造的解釈は本書の「解説」に詳しい。

    『リュシス』では美少年2人を相手に(しかも、ソクラテスの知人が対話の一方である美少年リュシスに恋をしている!)、『恋がたき』では哲学オタクの文系少年と体育会系少年を相手に、例によってソクラテスは議論をふっかけているのであるが、議論のテーマや対話相手(美少年!)にも関わらず、期待に反して(?)艶やかな場面は一切ない。(笑)
    むしろ、ソクラテスのいつもの議論主導にもかかわらず、『リュシス』では「友とは、友のために、敵のゆえに友の友である」とか「本当の友とは、何かある友のために友であるのではないことになる」とかのようにややこしい議論に発展していき(笑)、結局は似た者同士もお互いに足りないところを補う者同士も友ではないという結論になってしまい、「友」とは何かわからなかった・・・という結末を迎えることになってしまって、読んでいるこちらも頭がくらくらと混乱したままの放置プレイ状態であった。
    大体、病人が医者が友で愛するというのと、父が息子を愛するというのと、同一比較できる対象でないし・・・。逐次、話の論点がすり替わっていくので、議論経過でも頭がくらくらとした・・・。(笑)
    また、『恋がたき』では、哲学が好き!と言っていた文系少年は実は一通りの知識があり専門知識に精通していなくても世の名声は得られるよね!との考えの持ち主であることが判明、哲学魂に火が点いたソクラテスの「哲学ってえのはなあ」という質問攻撃でぼこぼこにして自称・哲学オタクの文系少年を恥じ入らせるという話で、最後はスカっ!とくるものの、いつもの我田引水的な議論の誘導にまたもや頭がくらくらしてしまった。(笑)
    反対に、善い人間と悪い人間の区別がつかないような人間は自分自身も知らないということ、つまり節度がない人間であり正義を全うできない人間で、その「知」を得るのが哲学するということで知識を得るのに2等賞に甘んじてはダメ!というくだりは、自分自身にも身につまされる思いがして、哲学オタク少年とともに恥じ入りそうになってしまった・・・。
    両篇ともに議論の結末としては中途半端さがあるものの、議論だけをみるならテーマがテーマなだけに割と真面目な議論だったのではなないかな。

    いつもの通り議論の展開の仕方に疑問点は相当湧くものの(笑)、プラトンの思想のとっかかりとプラトンそのものに親しむには格好の短さで、そうした議論のわかりにくさの故か「解説」の方は充実しているので、これからプラトンを手にとりたい方にもぴったりの一書かもしれない。
    但し、すぐに結論に飛びつきやすい人、求めやすい人には・・・!?(笑)

    0
    2018年01月21日

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