ルース・ベネディクトの作品一覧

「ルース・ベネディクト」の「菊と刀」「レイシズム」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • レイシズム
    4.1
    日本人論の「古典」として読み継がれる『菊と刀』の著者で、アメリカの文化人類学者、ルース・ベネディクトが、1940年に発表し、今もロングセラーとなっている RACE AND RACISMの新訳。 ヨーロッパではナチスが台頭し、ファシズムが世界に吹き荒れる中で、「人種とは何か」「レイシズム(人種主義)には根拠はあるのか」と鋭く問いかけ、その迷妄を明らかにしていく。「レイシズム」という語は、本書によって広く知られ、現代まで使われるようになった。 「白人」「黒人」「黄色人種」といった「人種」にとどまらず、国家や言語、宗教など、出生地や遺伝、さらに文化による「人間のまとまり」にも優劣があるかのように宣伝するレイシストたちの言説を、一つ一つ論破してみせる本書は、70年以上を経た現在の私たちへの警鐘にもなっている。 訳者は、今年30歳の精神科医で、自らの診療体験などから本書の価値を再発見し、現代の読者に広く読まれるよう、平易な言葉で新たに訳し下ろした。グローバル化が急速に進み、社会の断絶と不寛容がますます深刻になりつつある現在、あらためて読みなおすべきベネディクトの代表作。
  • 菊と刀
    3.4
    西洋との比較の枠組みを与え日本文化への反省と自負の言説を巻き起こしつづけた日本論の祖。事実誤認をも丁寧に注釈しながら、強固な説得力をもつこの書を精確かつ読みやすく新訳。
  • レイシズム

    Posted by ブクログ

    1940年代に「菊と刀」の著者である文化人類学者が人種主義について書いた本。人種による優劣はないと科学者として言っている。人種間の敵対は本能的なものではなく、まず別の対立があり、そこに利用されている。とても読みやすい文章で、それは一般の人向けに書かれているためか、訳者のおかげなのか、また読み直そう。

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    2023年11月16日
  • レイシズム

    Posted by ブクログ

    ルーズ・ベネディクトと言われると、『菊と刀』が思い浮かぶ。

    だが、この『レイシズム』も、古典でありながらも、現代に通じる、というよりも、現代で改めて考え直さなければならない一冊だった。

    人種差別はよくない、ということは誰でも知っている。しかし、なぜよくないかを、「人種」で説明しようとする。例えば、肌の色だとかわかりやすい外見を使って。
    しかし、目を向けるべきなのは、「人種」でなく、「差別」の方であり、人種差別とは、「外見の特徴」という、「わかりやすい基準」に目を向けた、差別なのだ。

    読みながら思ったのは、こうした、差別がなぜ起こっているのか、ということをこれほどまでに詳しく、網羅的に書か

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    2022年02月06日
  • レイシズム

    Posted by ブクログ

    『菊と刀』の著者が第二次世界大戦のさなか執筆したもの。国家や言語、遺伝、文化に対して優劣があると喧伝するレイシストを糾弾している。俯瞰的に考えれば、純粋な人種や民族などというものは存在しないことはわかりきっており、特にヨーロッパは長い歴史の中で混血が繰り返されている。
    その中でレイシズムに陥るのは自分の立場が不安定になったときだ。
    「自暴自棄になったとき、私たちは誰かを攻撃することによって自分を慰める」という表現は実に的を射ていると思う。当時は政治がその心理を利用し、レイシズムを推し進めることになった。結局は差別を原動力とした国々は自壊したものの。
    現代ではオリンピックなどにより、国家、民族の

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    2020年11月08日
  • レイシズム

    Posted by ブクログ

    レイシズムは科学ではなく政治によって作られ、利用される。一部の人間の利益のために憎悪が利用される。
    言い方を変えると、レイシズムを唱える者たちはあらゆる科学に対して背を向けている。
    文明や文化の発展が行われるためには、多彩な人種や文化が混ざり合う事が重要なのにもかかわらず、彼らは単一種族や文化でありつづけることが自分たちの生存に重要だと言い張る。

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    2020年10月30日
  • レイシズム

    Posted by ブクログ

    時代がアメリカにおいて必要としたパンフレットという性格もあるのか、わかりやすく書かれている。レイシズムは、「弱い少数派の自分(たち)」の仲間を増やし、向こう側よりも少しでも優位に立とうとして、無理やり「差異」を言い立てて攻撃することで、不安を内在する同志たちが内なる自尊心を甘やかすというプリミティブな心情に基づくものなのだろう。藁人形論法とも共通するところがあるな。

    0
    2020年07月13日

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