レイシズム

レイシズム

ビジネス・実用
1,012円 (税込)

5pt

日本人論の「古典」として読み継がれる『菊と刀』の著者で、アメリカの文化人類学者、ルース・ベネディクトが、1940年に発表し、今もロングセラーとなっている RACE AND RACISMの新訳。
ヨーロッパではナチスが台頭し、ファシズムが世界に吹き荒れる中で、「人種とは何か」「レイシズム(人種主義)には根拠はあるのか」と鋭く問いかけ、その迷妄を明らかにしていく。「レイシズム」という語は、本書によって広く知られ、現代まで使われるようになった。
「白人」「黒人」「黄色人種」といった「人種」にとどまらず、国家や言語、宗教など、出生地や遺伝、さらに文化による「人間のまとまり」にも優劣があるかのように宣伝するレイシストたちの言説を、一つ一つ論破してみせる本書は、70年以上を経た現在の私たちへの警鐘にもなっている。
訳者は、今年30歳の精神科医で、自らの診療体験などから本書の価値を再発見し、現代の読者に広く読まれるよう、平易な言葉で新たに訳し下ろした。グローバル化が急速に進み、社会の断絶と不寛容がますます深刻になりつつある現在、あらためて読みなおすべきベネディクトの代表作。

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レイシズム のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    1940年代に「菊と刀」の著者である文化人類学者が人種主義について書いた本。人種による優劣はないと科学者として言っている。人種間の敵対は本能的なものではなく、まず別の対立があり、そこに利用されている。とても読みやすい文章で、それは一般の人向けに書かれているためか、訳者のおかげなのか、また読み直そう。

    0
    2023年11月16日

    Posted by ブクログ

    ルーズ・ベネディクトと言われると、『菊と刀』が思い浮かぶ。

    だが、この『レイシズム』も、古典でありながらも、現代に通じる、というよりも、現代で改めて考え直さなければならない一冊だった。

    人種差別はよくない、ということは誰でも知っている。しかし、なぜよくないかを、「人種」で説明しようとする。例えば、肌の色だとかわかりやすい外見を使って。
    しかし、目を向けるべきなのは、「人種」でなく、「差別」の方であり、人種差別とは、「外見の特徴」という、「わかりやすい基準」に目を向けた、差別なのだ。

    読みながら思ったのは、こうした、差別がなぜ起こっているのか、ということをこれほどまでに詳しく、網羅的に書かれている本が、第二次世界大戦の時代に書かれていたにもかかわらず、現代でも解決されていないのはなぜかということ。
    それどころか、より複雑さを増してきているようにも思える。

    今まで見えてこなかった、隠されてきたものが顕在化されたり、意識化されたりしたから、かもしれないが、解決策が示されているのにも関わらず、根強く残り続けているのには、「わかりやすさ」があるように思える。

    『私たちはそういうシンボリックなものに心を奪われてしまいますから、私たちが具体的な対人関係を軽視して、抽象的なことばかり考え詰めてしまうパターンはこれからも続くでしょう。でもだからこそ確固としたもの、事実といえるところにまで立ち返って、そこから話を始める必要があるのではないでしょうか。『レイシズム』は、その拠り所となる本だと思います。』(訳者あとがきより)

    複雑性に耐えられなくなったとき、例えば、自分にとってわからない知識が目の前に出てきたら、「検索する」ように、「解決策を探す」のではなく、じっくりと腰を据えて考えてみる。回答を思いついても、それを保留にしておく。

    「答えを出すこと」に急ぎすぎてしまった自分にとって、「寝かせる」という発想は『ネガティブ・ケイパビリティ』に通じていくような気がします。

    0
    2022年02月06日

    Posted by ブクログ

    『菊と刀』の著者が第二次世界大戦のさなか執筆したもの。国家や言語、遺伝、文化に対して優劣があると喧伝するレイシストを糾弾している。俯瞰的に考えれば、純粋な人種や民族などというものは存在しないことはわかりきっており、特にヨーロッパは長い歴史の中で混血が繰り返されている。
    その中でレイシズムに陥るのは自分の立場が不安定になったときだ。
    「自暴自棄になったとき、私たちは誰かを攻撃することによって自分を慰める」という表現は実に的を射ていると思う。当時は政治がその心理を利用し、レイシズムを推し進めることになった。結局は差別を原動力とした国々は自壊したものの。
    現代ではオリンピックなどにより、国家、民族の意識が大きくなっている。その意識が暴走した時、第二次世界大戦ほどではないがレイシズムが席巻するのではとの危惧がある。さらに、未来永劫レイシズムは根絶されないと思う。社会システムに不公正が存在する限り、敵愾心はなくならないからだ。

    0
    2020年11月08日

    Posted by ブクログ

    レイシズムは科学ではなく政治によって作られ、利用される。一部の人間の利益のために憎悪が利用される。
    言い方を変えると、レイシズムを唱える者たちはあらゆる科学に対して背を向けている。
    文明や文化の発展が行われるためには、多彩な人種や文化が混ざり合う事が重要なのにもかかわらず、彼らは単一種族や文化でありつづけることが自分たちの生存に重要だと言い張る。

    0
    2020年10月30日

    Posted by ブクログ

    時代がアメリカにおいて必要としたパンフレットという性格もあるのか、わかりやすく書かれている。レイシズムは、「弱い少数派の自分(たち)」の仲間を増やし、向こう側よりも少しでも優位に立とうとして、無理やり「差異」を言い立てて攻撃することで、不安を内在する同志たちが内なる自尊心を甘やかすというプリミティブな心情に基づくものなのだろう。藁人形論法とも共通するところがあるな。

    0
    2020年07月13日

    Posted by ブクログ

    歴史から差別の構造がわかりやすく書いてある。人間は同じことを現代まで繰り返している。差別は経済的、社会的に不安定な立場から疑心暗鬼となり何でも非難してしまい差別にも繋がる。

    0
    2026年09月12日

    Posted by ブクログ

    結構テキトーに買ったのに思いのほか良かった
    前半レイシズム、後半レイシズムと歴史。
    知能など能力は遺伝よりも環境に左右されることを論証。

    ・ダーウィンの自然淘汰理論が発表されてからレイシストはそれを振りかざすようになったが、他の動物のように人間は自らの体を変化させることなく発明の才能を発揮することで環境に適応しているので他の動物と同列に語るのは的外れ(というかそもそもレイシズムに妥当性は無い)。

    ・人種ごとにことなる身体的特徴は17世代間で純血を保ち続ければ環境適応という形で生じる。

    ・キリスト教による単一起源論に支配されてた中世。レイシズムは政治的目的に使われてきた、大衆の不満を政治から逸らすため、白人のみの利益を罪悪感なしに行うため。

    ・人は群生生物であるから文化の理想とする所が大多数の性質となる。

    0
    2025年04月22日

    Posted by ブクログ

    文化人類学者であるルース・ベネディクトが著した菊と刀に並ぶ代表作。
    その表題の通り、人種差別に対して社会人類学者として確固たる証拠を突きつけながら明確なNOを突きつけている。

    著作が書かれたのは1942年のナチスドイツが勢力拡大している最中であり、ナチスドイツが掲げる人種差別政策への批判を念頭に書かれたように見える。

    ただ、話題はナチスドイツだけにとどまらず、白人の有色人種に対する差別にも踏み込み、こちらにもNOを突きつけている。
    中には社会に阿るために差別を助長する学者もいる中で、白人である彼女が既得権益を捨ててNOというのはとても勇気ある行動だし、人として素晴らしい人物だったのだろうと思う。

    以下はいいなと思ったところ

    ・レイシストに特徴的なのは、自分たちの主張を根拠づけるために絶えず歴史を書き換えるところである。

    ・子供が大人を手本として一から学び取っていくものだけを文化という

    ・歴史の教える通り、条件さえそろえばどんな民族であっても時には冒険者、時には侵略者となりうる

    ・衣食住が満たされれば、人間は自分が所属する社会が推奨している形で尊敬を獲得しようとする。

    ・本質においてレイシズムは「ぼく」が最優秀民族の一員であると主張する大言壮語である。

    ・私たちが傲慢無知であったり、恐怖に煽られて平常心を失う時、わかりやすくて耳に心地よい物語がそっと忍び寄る

    0
    2022年06月26日

    Posted by ブクログ

    そもそもの人種や国の定義の曖昧さ。(前半)

    人種の違いから湧いてくると思われがちなレイシズムが、あくまで「あらゆる不平等への不満のはけ口としての手段」に過ぎないこと。そして解決への方向性も示されてる。(後半)

    前半部は今でこそスタンダードな考えなので目新しさはないけど、第2次世界大戦時中に書かれたと思うとすごい。後半けっこうおもしろかったです。

    .

    ー 本質においてレイシズムとは、「ぼく」が最優秀民族(ベスト・ピープル)の一員であると主張する大言壮語である。その目的を達成するためには1番うまい手段であろう。

    .
    あと表紙おしゃれ

    0
    2022年05月21日

    Posted by ブクログ

    古典的なもの。1940年代に書かれたものだが、内容は現代にも通じるところがあり、レイシズムの本質を突いている。しかしそれレイシズムを人がズルズルと引き摺っている証拠だろう。

    0
    2021年10月30日

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