心的外傷と回復 増補新版

心的外傷と回復 増補新版

〈心的外傷体験の核心は孤立と無縁である。回復体験の核心は有力化と再結合である〉あらゆる心的外傷(トラウマ)の諸相とその治療の方向性、回復への道を具体的・情熱的にしめした『心的外傷と回復』は、1992年の初版刊行以来、世界中の読者から感動をもって迎えられ、現在ではトラウマ問題の「バイブル」の地位をゆるぎないものにしている。本書は、原書2022年版にもとづき、長大な「あとがき――心的外傷の弁証法は続いている(2015)」と「エピローグ(2022)」を付した増補新版である。アフガニスタン侵攻以後に表面化したアメリカ軍人、特に女性兵士の心的外傷、児童虐待の後遺症としての複雑性PTSD、カトリック教会による組織的な性虐待などの問題を取り上げ考察しながら、この30年間の心的外傷研究の発展を関与観察的態度で詳細に追い、その展望に及んでいる。そしてハーマンは、最後に結んでいる。〈結局のところ、心的外傷を癒すためには身体と脳と心を一つに統合することが必要なのだという、基本に立ち戻ることになる。まず安全な場をもつこと、そして思い出すこと、服喪追悼すること、そしてコミュニティにもう一度つながることである。…回復の土台石となるのは、心理療法と社会的支援である。この原理は、どんな治療技法によっても、どんな薬物によっても変わることはない〉

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

心的外傷と回復 増補新版 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    心的外傷のテキストとしてあまりにも有名で、初版が出てすぐ読んでから、改めて増補新版を久しぶりに読みました。やはり素晴らしいの一言です。治療にあたり患者に寄り添おうという姿勢が、改めて勉強になり、三部作と言われる「真実と修復」も読んでみたいと思いました。

    0
    2025年08月17日

    Posted by ブクログ


    素晴らしい内容。
    心的外傷、トラウマによる影響が捉えられているにも関わらず、忘れられていく。
    忘れたい人も、忘れてくれて助かって来た人もたくさんいたのだろう。
    ただ、時代も世論もようやく変わりつつある今、改めてこの本に書かれていることを重く受け止める必要があると思う。

    そして、人がどのようにして

    0
    2025年07月13日

    Posted by ブクログ

    難しいが、おそらくこの本、この文章でなければ伝わらない内容。さすが名著。今は「理解する」より、「心の底に沈めておく」くらいの読み方でいいと感じている。
    事例が生々しいため注意。

    0
    2025年10月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    外傷を受けた人は些細な事に驚き、挑発に怒り、睡眠の質が下がる。悪夢もそのせい。
    闘争か逃走かしか考えられなくなる。
    助けられなかった大切な人の命、その情景は強い重荷になって非常にPTSDを起こしやすいらしい。
    当たり前だ。なんでこんな他人事だったんだ?
    普通の犯罪は被害者に周りの人が寄り添ってくれる

    0
    2025年10月05日

心的外傷と回復 増補新版 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す