作品一覧

  • 真実と修復――暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策
    4.3
    1巻3,740円 (税込)
    〈社会のあり方から心的外傷が生じている以上、そこからの回復も、個人の問題プライベートではありえない。個々のコミュニティにある不正義によって外傷が生じているなら、傷を治すためには、より大きなコミュニティから対策を引きだして、不正義を修復しなくてはならない。 回復していく途上、難しい問いがさまざまに浮かび上がってくる。皆の前でこのことを話せるか? 真実を、周りのひとは受け止めてくれるだろうか? この傷は治るだろうか? そのために何を差し出さなくてはならないのか? どうして加害者と同じコミュニティに所属しつづけないといけないのか? 和解は可能か? どうやって? コミュニティはどうすれば現在の、そして将来の被害を防げるのか? この問いに答えるため、私はもう一度、話を聞くことにした。生き延びたものたちの声である。皆のための、より良い正義を求めることのために本書はある〉暴力被害者は何を求めているのか。加害者の謝罪やアカウンタビリティはどうあるべきか。補償や再発防止の具体策は、司法のあり方は。トラウマ問題のバイブル『心的外傷と回復』を継ぐ総決算の書。
  • 心的外傷と回復 増補新版
    -
    1巻5,940円 (税込)
    〈心的外傷体験の核心は孤立と無縁である。回復体験の核心は有力化と再結合である〉あらゆる心的外傷(トラウマ)の諸相とその治療の方向性、回復への道を具体的・情熱的にしめした『心的外傷と回復』は、1992年の初版刊行以来、世界中の読者から感動をもって迎えられ、現在ではトラウマ問題の「バイブル」の地位をゆるぎないものにしている。本書は、原書2022年版にもとづき、長大な「あとがき――心的外傷の弁証法は続いている(2015)」と「エピローグ(2022)」を付した増補新版である。アフガニスタン侵攻以後に表面化したアメリカ軍人、特に女性兵士の心的外傷、児童虐待の後遺症としての複雑性PTSD、カトリック教会による組織的な性虐待などの問題を取り上げ考察しながら、この30年間の心的外傷研究の発展を関与観察的態度で詳細に追い、その展望に及んでいる。そしてハーマンは、最後に結んでいる。〈結局のところ、心的外傷を癒すためには身体と脳と心を一つに統合することが必要なのだという、基本に立ち戻ることになる。まず安全な場をもつこと、そして思い出すこと、服喪追悼すること、そしてコミュニティにもう一度つながることである。…回復の土台石となるのは、心理療法と社会的支援である。この原理は、どんな治療技法によっても、どんな薬物によっても変わることはない〉
  • トラウマ・リカバリー・グループ 実践のための手引き
    -
    1巻3,366円 (税込)
    対人暴力によるトラウマで被る主要な痛手は,被害者と社会との関係が崩壊し,被害者が孤立させられることにある。 トラウマ・リカバリー・グループ(TRG)は,複雑性PTSD概念の提唱者として知られるジュディス・L・ハーマンが示す治療モデルのなかでも,被害者が対人的つながりを取り戻すための重要な回復過程に位置づけられる目標指向的・相互支援的なグループ療法である。 本書は,TRGを導くための手引書であり,ハーマンたちの理論と実践の成果も示す,複雑性トラウマ支援のための包括的マニュアルと言える。

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  • 真実と修復――暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    被害者の視点から被害者の回復のために、社会は何ができるかを書いた本。ここ最近で一番納得する内容が多く、一気に読み進められた。最近、性被害のニュースが多く流れるようになってから、性加害者には厳罰化したほうがよい、という意見をXでよく見かけるようになった。もちろん、憤りがあることはもっともで、でも、そこには被害者の視点が入っていないような気がして、ずっと違和感があった。ハーマンも、被害者よりも周囲の人間のほうが、厳罰化を求めると書いていて、こういうことかと。でも被害者が何を求めるかを聞き取って、それを実践していくことが被害者の方の回復に役立つのだ。それが場合によっては厳罰なのかもしれないし、修復的

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    2024年11月01日
  • 真実と修復――暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策

    Posted by ブクログ

    医学とか心理臨床を超えてコミュニティや法整備などの問題も大きいよなぁと改めて思った。日本語訳はこなれていて読みやすい。また繰り返して読むべき価値のある本だと思う。

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    2024年10月03日
  • 真実と修復――暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策

    Posted by ブクログ

    うーん・・・。

    なんかこう、基本的には、今の男性支配社会システムの中で、どう道徳のコミュニティを広げていくか、という話だった。
    言わんとしていることは理解するのだけど、それって奴隷が御主人様におこぼれを乞うのとどう違うの?と思った。

    例えばどんなに性売買のシステムが改善されても、女性が人身売買させられていることの根本は変わらない。
    男性支配社会システムがいかに愚かであるか、その解体が必要で、その方法はおこぼれを乞うことではない、という作品が読みたかった。

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    2024年06月26日

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