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災害は突然のごとく襲ってくる。生きることと死ぬことの偶然の分かれ目、今まで自分たちを抱え、守ってくれていた家の消滅。救援がはじまる。被災者は避難所に移り、あるいは病院に搬送される。家族や友人を喪ったなかでの長びく避難所生活、救援にあたる者、救急医療の現場に携わる人の積み重なる疲弊… そこから、こころの病いをはじめさまざまな二次災害も広まる。東日本大震災からひと月余、誰もがはじめて経験する日々がつづくなか、16年前の阪神淡路大震災の経験から学ぶことは少なくないのではないか。小社で刊行した『1995年1月・神戸』より、中井久夫の文章を再編集、併せて新稿も収めて、ここにおくる次第である。歴史に学ぶ・「神戸」から考える――こころのケアを中心に、精神科医が関与観察した震災後50日間の記録。
...続きを読むPosted by ブクログ 2016年08月18日
再読。
本棚に登録されていなかったことにびっくり。
出版直後に読んだはずなのに、何でだろう??
熊本地震の直後に読もうと思いながら手許に置きつつ、読めたのは今でした。地震の後しばらくの間、文章がうまく読めませんでした。読み始めたら一気に最後まで。随所に思いやりを感じて、あたたかく胸に響く記録でした...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月04日
「災害がほんとうに襲った時」。
1934年奈良県生まれの精神科医・中井久夫さん。
終戦時11歳。2016年現在82歳でまだお元気なようです。
精神医学の専門書を始め、専門外のエッセイ的なものなど、多数の著作があります。
神戸大教授だった1995年1月、阪神淡路大震災。
そのときの体験を記録した「...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年08月26日
「総じて、役所の中でも、法律を墨守する者と現場のニーズに応えようとする者との暗闘があった」(p.49)
・平時において法を遵守することは極めて常識的な事柄に属するが、危急の事態においてはこの「常識」がいかに足手まといとなることか。それよりも、その場その場で最優先課題をしっかり見定め、その解決のため...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年11月08日
終わり部分にある筆者の急性ストレス障害に関する記述が一番気になった。たんたんとした記述だが、現実には相当堪えたものがあったのだ。
・デブリーフィーング
・フクシマ・フィフティズは架空なのでは?
・「状況が全てである」というドゴールの言葉
・神戸のホームレス受容
・取材のヘリコプターに対する過敏、憎...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年09月19日
17年前、大阪の実家で阪神淡路大震災に遭った。昨年、結婚して転居してきた千葉で東日本大震災に遭った。東日本では、1晩ながら避難所で過ごすということも経験した。
家に帰ってテレビに映し出される画像が、阪神淡路のときの街の様子と重なり、しばらくの間息をするのも苦しくなったことがあった。そんなころ、こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年10月31日
この本は阪神・淡路大震災のときに現地で医療活動にあたったある精神科医の記録です。出版社が同じなこともあるのですが「夜と霧」を連想させました。
今も現状が刻々と変わっているそうなので、この記事を書いたときにどうなっているのかわかりませんが、東日本大震災や福島の原発事故で被災した現地の写真や映像を見...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年07月21日
かつて「神戸」で、被災者からぜひとお菓子や果物を差し出された医者がいた。避難所で物が余っていたわけではない。全財産をなくしても、感謝の気持ちを表したかったから。
阪神淡路大震災の救護に関わった精神科医は、当時、躁状態の中で記録を残した。そこで何が起こり、何が必要だったか。今回の大震災に寄せて、...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年09月12日
東日本大震災からまもなく五十日を迎えようとしている。第一次世界大戦の時の記録によると、戦争のプロでも四〇~五〇日たつと、戦闘消耗と呼ばれる状況に陥り、武器を投げ捨てて、わざと弾に当たろうとするような行動に出るものが現れたという。そろそろ新たなステージに入るべき時が、来ているのかもしれない。
本書は...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月05日
東日本大震災を受けて復刊。最相葉月の勧めによるものと。阪神大震災時のエピソードは他のエッセイでも触れられているので、なんとなくイメージはついていた。わりと後方支援に徹していた様子で、なかなかこういうやり方はやろうと思っても難しいだろう。著者自身も「旗艦先頭」の美学がないわけではないと言っているくらい...続きを読む
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