Posted by ブクログ
2009年10月07日
寝る前にチマチマ読みました。
私としては、前の「ビゴーが見た日本人」の方が好きでした。
そちらのほうが風俗習慣についての作品が多く掲載されていたからです。
好みの問題でしょう。
ただ、この本で注目すべきなのは「写実の日本−報道画」の章です。
彼は日本で、まだ写真が普及していなかった時代、現場を取材...続きを読むして絵に描くといったジャーナリストとしての仕事もしています。
その絵が大変写実的で、しかも原画はカラーとのことです。(この本では白黒で掲載されています。)
カラーで見てみたいーーー。
普段の、ちょっとデフォルメされたビゴーの絵とはまた一味違った面白さがあります。
写真が普及するにしたがって、その需要がなくなり、報道画は廃れていくようですが、これは一見の価値あり。
最後の章、「無念の日本−不安画」では、ビゴーが日本を離れることを決意した中で書かれた、諷刺色の強い作品が掲載されています。
ビゴーのようなすぐれた画家がそのまま日本に留まっていられるような環境だったら、他にもっといろんな作品が生まれただろうにな・・・と思いますが、当時の日本人の対外国人感情を考えると仕方の無いことかもしれません。
次は、「ビゴーが見た明治職業事情」を読んでみることにします。