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本書の主題は、具体的事例に則して言えば、贈与と交換の社会哲学である。より正確に言えば、本書は、贈与と交換を峻別する。そうすることで、近代に出現した市場経済、そして特殊近代的な資本主義経済の歴史的位置づけ、ひいてはそれらがかかえる歴史的限定性を明らかにできるからである。…… 要するに、本書は、人類が歴史的に経験してきた種々の相互行為を観察することを通して、社会存在としての人間の根源に迫る試みである。
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Posted by ブクログ
人類学者のモースの思索などを参照しながら、人間の諸活動を「交易」という観点から解き明かす試みがなされています。 従来の社会学や人類学においては、利益を中心とする相互行為が根幹に据えられてきました。たとえばレヴィ=ストロースは、贈与システムを当事者の神話的想像力から切り離し、社会システムの構造を科学...続きを読む的に認識することをめざしました。しかし著者は、こうしたレヴィ=ストロースの見方が、贈与体制の社会における当事者の意識を切り捨ててしまっていると批判します。 交易は、人と人のあいだだけではなく、人間と自然のあいだでもなされています。さらに著者は、感情や信念、表象といったものの相互行為も交易という観点からあつかう必要があると主張します。本書におけるモースの贈与論の読みなおしは、このような立場からなされたものです。贈与体制のおこなわれている社会では、人びとはなにか大きなものから自己の存在を負っているという感情を抱いています。このことが、人と人、あるいは人と自然のあいだの交易を可能にしていると著者はいい、こうした人間学的洞察に基づいて、労働や宗教の形成が解き明かされていきます。さらに著者は、同様の立場から市場経済の成立まで説明しようと試みています。 贈与から交換へという社会変動論的な視座からの考察ではなく、「交易」という普遍的な人間のありように基づく人間学的な社会論という、スケールの大きな議論が展開されており、著者の「第三項排除」の発想をさらに普遍的なものへと拡張した理論とみなすことができるように思います。
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