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1923(大正12)年9月1日、11時58分44秒。東京を襲った大地震は10万を超える人命を奪い、近代国家・日本に深い爪痕を残した。しかし、そこでは被害の拡大を阻止すべく奮闘した人々の姿があった。消防、医療、ボランティア、そして情報。今日、注目を集める災害時の人的活動を通して都市型災害の全貌を追い、共有すべき歴史の教訓を読みなおす。
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Posted by ブクログ
関東大震災における消防・救護・救援体制を検証した書。歴史学における関東大震災研究は長らく朝鮮人・中国人虐殺と亀戸事件・大杉虐殺事件の研究が先行していたが、本書は防災の観点からの震災研究に先鞭をつけた意義(原著刊行は2004年)がある。特に行政がうまく機能しない状況で、消火活動や負傷者救助や被災者支...続きを読む援において住民がいかに行動するべきか、あるいは逆に何をしてはいけないか、様々な教訓を示している。
日本近代史を専攻している大学教授による本。消防・医療・ボランティアの観点から関東大震災を検証している。 地震後に発生した大規模火災とその消化活動についての詳細に頁を多く割いている、100年ほど前の大混乱の中での話からよくぞここまで詳細がまとめられたと感心する。当時は科学技術の発展期で、新しい技術を...続きを読むいざという時に使いこなせなかった事例が挙げられているが、広域災害の大混乱の中でも迅速に行動できるかどうかは普段の備え(防災訓練含め)にかかってくるということは現代でも変わらない。 「火災旋風」という言葉が印象に残った。大規模火災が強風に煽られ、竜巻のような現象が発生して人もかなりそれによって巻き上げられて犠牲になったという。 本書では救護・復旧への取り組みが主眼となっているため震災の混乱の中で発生した朝鮮人、中国人への虐殺については大きく扱ってはいない。なぜこのような流言が発生したかについては不明な点も多いとしていて、他の本でまた詳しく読んでみたいと思った。
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関東大震災 消防・医療・ボランティアから検証する
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鈴木淳
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