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ライト兄弟はどうして大空を飛べたのか。それを可能にしたものは、勇気と主体的な制御思想だった。空が不安定なものであることを受け入れ、過度な安定に身を置かず、自らが操縦桿を握ることで安定を生み出すのだと。それはわれわれの人生に重なる発想ではないか――。現代社会を生きる人々に航空工学の泰斗が贈る不安定な時代を生き抜く逆転の発想。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
社内の某推薦図書に上がっていたので、購入。ライト兄弟の飛行成功に向けた技術的側面から、何かしらの示唆を提供している、とおもったら大間違い。ライト兄弟の成功の前にあった、失敗の数々。ライト兄弟成功後の「失敗」を採り上げ、航空理論とに掛けた人生論・世の中論といった感じ。いちいち表現が面白く、軽いディスり...続きを読むが満載。 もとは1977年に発刊。著者が指摘している「安定が過ぎると方針転換が難しい」ということは、今の日本の現状にぴったり。いろいろ示唆に富む一冊であった。
『不安定からの発想』(佐貫亦男、2010年、講談社学術文庫) 航空技術史とそこから学べることや私たちの生活に応用できるものをひろいあげた書。ライト兄弟までの航空技術の歴史を述べた後、ライト兄弟が目指した、安定な飛行を得るための不安定な機体のエピソードから学べることを述べる。 航空技術史の話もおも...続きを読むしろかったのですが、「安定のために不安定を求める」という第2部が非常におもしろかった。正直者を力学的に考えるというような記述や、過度に安定を求めすぎると初動の機動性が失われるなどの斬新な記述が印象的でした。
前半は「空を飛ぶ」と言うことに対して追求してきた人々(レオナルド・ダ・ビンチからライト兄弟まで)がなぜ失敗したのか、なぜ成功してきたのか、その活動内容を記したモノ。後半は工学的な見地から安定、不安定に対しての考察+そこから見える人生への教訓という構成。 興味深いのは安定を追求すれば素早い変化対応が困...続きを読む難であり、変化対応を追求すると安定からはほど遠くなるという点。絶対的な安定はないことから大切なのはほどよい安定と出来るだけ変化に対応出来るバランスということでこれは現在の社会に非常に当てはまると感じる。
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