日本妖怪異聞録

日本妖怪異聞録

ビジネス・実用
1,210円 (税込)

6pt

3.8

妖怪に秘められた敗者たちの怨み声を聞く。
大江山の酒呑童子、那須野の妖狐・玉藻前、是害坊天狗、大魔王・崇徳上皇……

妖怪は山ではなく、人の心に棲息している。妖怪とは幻想である。そして、自分たちの否定的分身である。国家権力に滅ぼされた土着の神や人々の哀しみ、怨み、影、敵が形象化されたものである。
酒呑童子、玉藻前、是害坊天狗、崇徳上皇、紅葉、つくも神、大嶽丸、橋姫。日本妖怪変化史に燦然と輝く鬼神・妖怪たちに託されたこの国の文化史の闇を読み解く。

酒呑童子は山の神や水の神と深いつながりを持っている。彼ら鬼たちは龍神=大蛇=雷神のイメージと重ね合わされており、酒呑童子が大酒飲みと描かれているのは、近江誕生説にしたがえば、彼がヤマタノオロチ=伊吹大明神の血を引く異常な「人間」であったからである。酒呑童子は仏教によって、もともと棲んでいた山を追われてしまう。それは山の神が仏教に制圧されたプロセスと同じであろう。(中略)酒呑童子の物語から、土着の神や人びとの哀しい叫び声が聞こえてくる。征服者への怨み声が……そしてその声は、自然それ自体が征服されていく悲鳴であるのかもしれない。――<「第一章 大江山の酒呑童子」より>

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日本妖怪異聞録 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    個人的にとても興味深く読めました。
    大変読みやすく面白かったです。

    小学館?だったけ?の連載物の再録ということで仕方ないのですが、欲をいうと参考文献や橋姫神社などもう少し踏み込んで書いて欲しかったです。著者も字数制限の中での…とおっしゃっているので仕方ありませんが…

    他にもこの小松さんの本を読んでみたいと思いました。

    0
    2011年11月30日

    Posted by ブクログ

    基本妖怪を網羅していて、入門書としてちょうどいい。時代が下るにつれて、妖怪がスケールダウンしていくのが興味深い。

    0
    2020年05月22日

    Posted by ブクログ

    古本で購入。

    民俗学者にして妖怪研究の大家・小松和彦が少年向け雑誌に連載した、妖怪たちの「身上調書」をまとめたもの。
    酒呑童子や玉藻前、天狗につくも神…登場するのはどれも有名な妖怪ばかり。
    彼らにまつわるエピソードだけでなく、その誕生や描かれ方の背景にも(ざっくりとではあるけど)踏み込んでいる。

    人間世界の逆写しとしての妖怪世界、宗教の宣伝素材としてやっつけられる妖怪たち。
    このあたりの要素にニヤリとしてしまう人にぴったり。
    著者自身が「時間が不足した後半は不満が残る」と言うように、大嶽丸・橋姫の2編は確かにちょっとやっつけ感が漂う。
    でも概説本としては、原著の出版が約20年前とは言え、結構いい。

    小松さんには、2009年に開催された国立歴史民俗博物館・国文学研究資料館共催の「百鬼夜行の世界」展でお会いしたことがある。
    まぁ会ったと言うか、ギャラリートークをする氏の話を間近で拝聴したっていうだけなんだけど…

    丁寧な話でわかりやすい解説だったが、その際
    「『百鬼夜行絵巻』は妖怪たちのパレードと言えるのか。絵巻という装置のせいでそう見えるのでは」
    という説を披露しておられた。
    ところが、この本では『百鬼夜行絵巻』をパレードであると言い切っている。
    きっと執筆後の研究で、そうしたそもそもの部分に対する疑問が生まれたんだろう。

    こういう学説の変遷を見るのも、研究者の古い本を読む楽しみのひとつかも知れない。

    0
    2013年09月09日

    Posted by ブクログ

    有名な著者だけあって、非常に読みやすい。
    酒呑童子、玉藻前、天狗などのメジャーな大妖怪から、現代ではあまり名前の知られていないものまでカバー。

    0
    2010年08月08日

    Posted by ブクログ

    なんでも、小中学生向けの本だとか。

    え〜・・・

    確かに、わかりやすいです。けどもこれをそんな子供むけだなんてもったいない。
    古文が苦手な理系妖怪好きにはとっても素敵なほんです。
    おもしろい。
    この本を読むことにより、そのほかの本へ、媒体へと興味を持つことができる本。
    勉強になります。

    続巻希望

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    1992年に小学館から出版された同名ハードカバー本の文庫版。「酒呑童子」・「玉藻前」・「是害坊天狗」など、日本の妖怪伝説における著名な妖怪をを紹介し、その背景にあるものを考察する。文庫化に当たっては、ハードカバー版にあった語句の解説がカットされているほか、掲載されている図版が一部差し替えられている。
    元々中・高校生向け雑誌の連載であった為、文章は平易で読みやすい。内容も比較的深い点を掘り下げていて(酒呑童子の誕生譚や、是害坊天狗・鬼女紅葉伝説の元ネタなど)、初学者が妖怪伝説を知るにはうってつけである。後半の「鈴鹿山の大嶽丸」・「宇治の橋姫」が(雑誌掲載時の都合もあってか)ほぼ伝説の紹介で終始してしまったことや、参考文献が載っていないなどの不満点はあったが、兼ね楽しめる一冊であった。

    0
    2013年02月11日

    Posted by ブクログ

    初心者の為の妖怪手引書。

    絵巻図も掲載され読みやすく面白かった。
    また妖怪を詳しく知らない私でも、内容や逸話が細かく記されている印象を受けた。

    鬼・酒呑童子(しゅてんどうじ)
    妖狐・玉藻前(たまものまえ)
    天狗・是害坊(ぜがいぼう)
    天狗大魔王・崇徳上皇(すとくじょうこう)
    鬼女・紅葉(もみじ)
    器物の妖怪・つくも神
    鬼・大嶽丸(おおたけまる)
    鬼女・橋姫

    8つの妖怪を詳しく紹介している。

    つくも神がイタズラっ子のように可愛い印象を受けたのは私だけだろうか…。
    あとの妖怪の悪行は、欲深い人間にも非はあると思う。

    妖怪は逸話や空想上の出来事で終わるもの。
    しかし妖怪の習性や感情は人間にも似ていて、とても興味深く勉強になった本でした。

    0
    2012年04月30日

    Posted by ブクログ

    酒呑童子、玉藻前、是害坊天狗、崇徳上皇、紅葉、つくも神、大嶽丸、橋姫。日本妖怪変化史に燦然と輝く鬼神・妖怪たちに託されたこの国の文化史の闇を読み解く。

    0
    2009年10月04日

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