池上俊一の一覧
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ユーザーレビュー
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イタリアの国民食であるパスタの歴史を通じて、小麦やトマト、アラブ世界との断絶と交流、都市国家の分立とイタリア統一の流れをつかむことができる。乾燥パスタはイタリア発ではなかった、色んな形状のパスタが生まれた背景にも土地柄や歴史があると。こういうアプローチは歴史を身近にしてくれてとてもよい。
19世紀
...続きを読むに統一したからこそ隣町との違いが浮き彫りになりローカル色が意識され始めた、というのは確かに。
しかも紹介に限らない。現代イタリアが抱えているもパスタを通じて浮かび上がるのがよかった。革新的?イタリア人が否定しようとしてできなかった件は笑える。ただ、お母さんが家でつくるものという伝統的な形態が崩れるのは止められない。パスタの過去、現在、未来を感じ、考え、では日本人の米食との類似点は?相違点はと考えると眠れなくなった。
Posted by ブクログ
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19世紀末に出版されたアルトゥージのレシピ本が現代に直接つながるイタリア語を作り、イタリアという統一国家を作ることに貢献した、という部分と、母=パスタ、パスタ=母、という部分、野菜食いからパスタ食い、という部分に、イタリア社会におけるパスタを中心とした食文化の存在感の大きさを感じた。
Posted by ブクログ
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「はじめに」として、「どのように歴史を考え、研究を進めるべきか、学会の状況をも踏まえて深く、そして広く考え、明確なメッセージとして読者に届けたい」とあるように、近時の歴史学の動向を大掴みに示しつつ、それらに対する著者の考え方や見解がはっきりと打ち出されていて、非常に面白かった。
著者の主張を端
...続きを読む的に言えば、社会史及び心性史をもっと進めようということになる。輪郭が曖昧との批判もあるが、社会的結合関係や心性こそが歴史の母体にして骨組みなのだから。
以下、まずは史料批判や歴史叙述の方法論など歴史家にとって必要な技法についての説明がある。
ます、歴史学にとって重要なことは、時間的パースペクティブ=道筋の下で全体としての歴史的世界の構造とその変容を見透し、出来事・行為などの意味と価値を明らかにし、理解していくこと、であると言う。その上で、「概念」の問題、因果関係、時代区分論について、見解が示される。
ここで今流行りのグローバル・ヒストリーについても言及があり、著者は、「接続・交差と統合に目を奪われて歴史的現実が平板化・標準化され、抽象的人間と空間のゲームのような歴史に見える」と手厳しい評価をしている。
「第2章 いかに歴史を叙述するべきか」では、言語論的転回に対する見解その他が、「第3章 史料批判は終わらない」では、各種歴史補助学の進展や、オリジナルとヴァリアントに対する考え方の変化、オーラル中島ヒストリーを巡る「記憶」と「歴史」の関係などが論じられる。
第5章以下は、心性史と感情史、社会史、民衆史(マルジノーのような周縁者、女性、子供等)、文化史、身体史、環境史、政治史など各分野ごとに、それぞれの成果や課題・問題点などを洗い出すとともに、今後の在るべき方向性が主張される。
”役に立つ歴史学“とすることについては著者は否定的である。しかしながら、歴史を知ることは現在の理解と未来に向かってのより良い生き方に繋がることを著者は信じてやまない。これまで自分は歴史関係の本を結構読んできたが、本書は、読者である自分にとって歴史を学ぶとは何なのか、改めて考える良いキッカケを与えてくれた。
Posted by ブクログ
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今までのヨーロッパ、そしてこれからのヨーロッパが非常に分かりやすく書かれていた。大戦以降、ヨーロッパは影響力を失っているように見えるが、実は世界は急激にヨーロッパ化(生活スタイルや民主主義など)しているという記述が興味深かった。
Posted by ブクログ
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自然環境との関わりを通して、ドイツ史を概観する内容。過去に現在ドイツ人と呼ばれる人々がどのように自然と関わっていたか、豊かな自然を通してどんなものを信仰していたか、影響を受けていたかが、分かりやすく説明されている。近隣諸国との環境や考え方の違いの比較もされており、興味深かった。
Posted by ブクログ
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