池上俊一のレビュー一覧

  • お菓子でたどるフランス史

    Posted by ブクログ

    LGBT(お菓子)が主流の異成婚(水とか食料)より軽視されて当然だと思う。お菓子は文化発展に貢献してるんだからいいんだよ。何故主流と同じ扱いになりたいと思うのかって疑問もある。

    「しかし甘味料つまり砂糖は、香辛料とおなじように、生きるために必要というわけではありません。それはむしろより良く生きるために必要なものなのです。だから、甘いもの、そしてお菓子は、さしあたり、政治的・経済的な支配ではなく、文化的な支配の力関係のなかに取り込まれることになりました。文化的な価値であるがゆえに、人々は甘いものに夢中になるのです。そのことをまず押さえておきましょう。」

    —『お菓子でたどるフランス史 (岩波ジ

    0
    2025年06月02日
  • 魔女狩りのヨーロッパ史

    Posted by ブクログ

    ヨーロッパ史において度々発生した「魔女狩り」について、その起源とメカニズム、魔女が持つイメージの変遷について、多様な事例を取り上げつつ分析した書籍。村落や中小都市での生活の中で共同体が危機に陥り、それを契機に魔女の妄想が噴き出し、特定の住民への糾弾に結びついていく過程が平易な言葉で解説されていて、分かり易くかつ恐ろしく読んだ。形こそ異なれど、危機の時代における人々の悪意の向き方は現代もそう変わりないように思う。
    また、ヨーロッパの魔女には勝手に中世のイメージを抱いていたが、むしろ近世に魔女狩りが集中して起きていたことは意外だった。

    0
    2025年02月25日
  • パスタでたどるイタリア史

    Posted by ブクログ

    これも超面白かった。パスタもこんな紆余曲折を経てイタリアのメジャー料理になったんだって。しかもメジャーになったのは20世紀とかの最近の話っていう。植物性より動物性が優遇されてパスタ(小麦)とオリーブオイルが消えていた時代とかもあるらしい。大好きなニョッキの話もあった。

    0
    2025年01月05日
  • 動物裁判

    Posted by ブクログ

    891

    236P

    ヨーロッパって日本は辿らない歴史辿ってて面白いなと思う。動物裁判でモグラとか毛虫に裁判かけてるってギャグとしか思えないことが本当にあったからな。中世の世界史とか全然知らない所とかめちゃくちゃあってほんと教養が無くてつらい。

    中世の世界史とか全然知らない所とかあって、中学受験でもしてればもっと教養があったんだろうなと思う。ほんと付け焼き刃な勉強しかしてこなかったことを後悔してる。中学受験しないと勉強に目覚めるのが遅くなるからね。

    池上俊一
    1956年、愛知県に生まれる。1983年、東京大学大学院西洋史学科博士課程中退。1986〜88年、フランス国立社会科学高等研究院留学

    0
    2024年06月28日
  • 魔女狩りのヨーロッパ史

    Posted by ブクログ

    2024.05.24
    私には大変良書。「ヨーロッパ近世」というわかりにくい時代を「魔女狩り」という側面から解きほぐしてくれた。
    大いに知的好奇心を満足させてもらえた。岩波新書の存在意義を感じる。

    0
    2024年05月23日
  • シエナ-夢見るゴシック都市

    Posted by ブクログ

    私のクリスチャンネームである「シエナのカタリナ」ゆかりの町について知りたくて読んでみた。シエナの歴史、芸術、見所、魅力がコンパクトにまとめられていて、「行くぞ、シエナ!」という気にさせられた一冊であった。

    0
    2024年04月03日
  • 魔女狩りのヨーロッパ史

    Posted by ブクログ

     魔女狩りという暗黒の歴史を分かりやすく説明している。予想通りかなり不愉快な内容だ。
     キリスト教が背景とするアダムとイブの伝承において女が邪婬なものと考えられていたことが関係している。閉経した女性に対する露骨な差別が魔女伝説につながっている。
     また教会や王権の正当性を高めるために対局の悪の存在を創出したとも言える。愛の宗教であるはずなのに、どちらが悪魔なのか分からない。
     キリスト教に限らないが、原理主義的な考え方は極論になりやすい。正義の強調のために、強力な悪の存在が想定されてしまう。これは欧州の人々の底流を流れる考え方なのだろうか。科学を生み出す土壌であるとともに魔女狩りのような暗黒史

    0
    2024年04月01日
  • パスタでたどるイタリア史

    Posted by ブクログ

    19世紀末に出版されたアルトゥージのレシピ本が現代に直接つながるイタリア語を作り、イタリアという統一国家を作ることに貢献した、という部分と、母=パスタ、パスタ=母、という部分、野菜食いからパスタ食い、という部分に、イタリア社会におけるパスタを中心とした食文化の存在感の大きさを感じた。

    0
    2023年07月11日
  • 歴史学の作法

    Posted by ブクログ

     「はじめに」として、「どのように歴史を考え、研究を進めるべきか、学会の状況をも踏まえて深く、そして広く考え、明確なメッセージとして読者に届けたい」とあるように、近時の歴史学の動向を大掴みに示しつつ、それらに対する著者の考え方や見解がはっきりと打ち出されていて、非常に面白かった。

     著者の主張を端的に言えば、社会史及び心性史をもっと進めようということになる。輪郭が曖昧との批判もあるが、社会的結合関係や心性こそが歴史の母体にして骨組みなのだから。

     以下、まずは史料批判や歴史叙述の方法論など歴史家にとって必要な技法についての説明がある。
     ます、歴史学にとって重要なことは、時間的パースペクテ

    0
    2023年03月27日
  • ヨーロッパ史入門 市民革命から現代へ

    Posted by ブクログ

    今までのヨーロッパ、そしてこれからのヨーロッパが非常に分かりやすく書かれていた。大戦以降、ヨーロッパは影響力を失っているように見えるが、実は世界は急激にヨーロッパ化(生活スタイルや民主主義など)しているという記述が興味深かった。

    0
    2023年01月28日
  • お菓子でたどるフランス史

    Posted by ブクログ

    ジュニア新書だが、高校生でも楽しめる内容で大変面白かった。フランス史は今まで興味を持っていなかったが、この機に自分の興味ある分野の他にもフランス史の本を読み込んでみようと思った。

    0
    2021年09月06日
  • 動物裁判

    Posted by ブクログ

    中世の時代、人間は自然を自分達のシステムの中に押し込めようとした。その結果の一つとして、動物裁判が行われたのだ。
    現代から見れば滑稽無糖な風習も、本質を探っていけば当時の人々の価値観や思想が垣間見得る。
    歴史的事象からその時代の本質的部分を探っていくことが、歴史を学ぶ楽しさの一つであると知った。

    0
    2020年09月03日
  • パスタでたどるイタリア史

    Posted by ブクログ

    料理が苦手な男性でも、パスタは作る人は多いと思う。スペイン統治時代の貧困や、母親と家庭、新世界からのトマトなどの融和など、興味深い話が多かった。

    学生自体にこんなことを教えてくれる先生がいたら、興味を持って世界史をより学んだと思う。姉妹本のお菓子でたどるフランス史、もおすすめ。

    0
    2019年11月26日
  • お菓子でたどるフランス史

    Posted by ブクログ

    いろいろなケーキを目にすることはあっても、その由来は知らずにいたので読んでみた。お酒や絵画と同じく、ケーキもそのストーリーを知ることで楽しめると感じた。

    ル・ププランというお店で、サントノーレというケーキを一目惚れして購入し、そのいわれを調べたのが本書を読んだ遠因だが、スイーツにそこまで興味がない私でも興味深く読むことができ、ケーキを好きになったと思うので、とても印象に残った本となった。

    本書に限らず、児童文学は大人にとっても面白い本が多いと感じる。

    0
    2019年11月10日
  • お菓子でたどるフランス史

    Posted by ブクログ

    趣味が高じて本出しちゃった、みたいな本。 フランス史、と書いてあるものの、特に序盤などはフランス以外の部分も多い。簡単にではあるが世界史の流れも書いてくれているので、背景知識がゼロでも常識程度の世界史の知識で何とかなると思う。読んでいてとても楽しい。

    0
    2018年08月03日
  • 西洋中世奇譚集成 東方の驚異

    Posted by ブクログ

    講談社学術文庫が送る「西洋中世奇譚集成」シリーズの第2巻であり、中世ヨーロッパにおける「東方幻想」にまつわる作品を紹介する書。7世紀頃に成立の『アレクサンドロス大王からアリストテレス宛の手紙(Epistola Alexandri ad Aristotelem)』、及び『司祭ヨハネの手紙』のラテン語版(1150~60年頃)・古フランス語版(1240~50年頃)の3作品の邦訳を収録している。
    本書は、中世ヨーロッパにおいて流布した「東方」にまつわる3作品を日本語訳したものである。「東方幻想」、つまり伝説・空想上の「インド」を描くこれらの作品は、ヨーロッパ世界の外にある「善悪双方を山盛り生み出す驚異

    0
    2015年02月05日
  • 西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇

    Posted by ブクログ

    12~13世紀の聖職者・ティルベリのゲルウァシウスが著した"Otia Imperialia"(1209-1214)の第三部を全訳した書。アルル王国を中心とする世界各地の「驚異」譚、全129篇を収録する。
    本書は、ティルベリのゲルウァシウスが主君たる神聖ローマ皇帝オットー4世の為に物した奇譚集(の第三部)を邦訳したものである。激務に勤しむ皇帝の気晴らしの為ゲルウァシウスが本書で紹介するのは「自然のものでありながら、わたしどもの理解を越えた物事」たる《驚異 mirabilia》、即ち世界各地の奇譚・伝説どもである。古代ローマの詩人にして「魔術師」たるウェルギリウスの伝説、煉獄よ

    0
    2015年02月03日
  • パスタでたどるイタリア史

    Posted by ブクログ

    イタリアのことがわかったし、イタリアに行きたくなったし、読んでいる間はそのへんで相当パスタ食べました。Reading with eating! このようなエキサイティングな本はなかなかありません。良書。

    0
    2014年07月18日
  • パスタでたどるイタリア史

    Posted by ブクログ

    パスタの豊富な種類の情報を得ながらイタリア史を学ぶという非常な美味しさ!なぜ、いつからパスタが国民食になったのか。古代ローマの歴史から1861年のイタリア半島統一、イタリアからの南北米への大量移民の発生、そして第2次大戦後の米国への憧れまで。古くて新しい!そして、切り離せない関係にあると思われたトマト、唐辛子などが大航海時代の導入であることから、むしろ地域性がなく半島全体に及んだ!イタリアの南北問題、宗教、そして国民性などを理解できる楽しい好著。ジュニア向けであるが十分大人に堪えられる。なお、日本でパスタ輸入自由化元年が1971年で390トン。1998年には8万トンを超え208倍。今や日本人の

    0
    2014年04月14日
  • パスタでたどるイタリア史

    Posted by ブクログ

    「いや、これジュニア向け?」
    一番最初に出た感想は、とにもかくにもコレだった。
    言葉遣いは中高生向けに平易になっている感はるが、なにしろ内容が濃い。
    パスタという日本に根付いて久しい食文化を通してイタリア史を語る。

    その目の付け所といい、切り口といい、クォリティも高くてジュニア向けにくくってしまうのは非常にもったいない。目を留めない大人も結構いるような気がする。

    日本でパスタが置かれた状況から語り起こし、しだいにパスタがイタリアで国民食にもぼりつめていく過程を、その時々の世相と絡めてつづっていく手法はスリリングだ。
    パスタが一時期、その時々の権力からは弾圧までされていた、ということも驚きだ

    0
    2012年05月29日