池上俊一のレビュー一覧
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フランス菓子は世界一?
著者はカントリー風のお菓子も良いには良いが、なんだか冴えない印象だと述べている。
少し言い過ぎのような気もするが、確かに映画『マリー・アントワネット』にでてくるようなお菓子にふさわしいのは素朴な茶色いお菓子ではなく、真っ白な生クリームに柔らかなカスタード、うっすらと頬をそめたような桃色......。
デパートの地下にあるお菓子売り場に行けば、人が群がっているのは入り口近くのフランス菓子を扱う店。
人気なのは間違いない。
著者は和菓子については対抗関係にない、全く別の「美」であるとして同じ土俵においていないことを付け加えておく。
フランスの歴史をお菓子とともに歩むのは面 -
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Posted by ブクログ
メンクイである。ルドルフ・ヴァレンティノに代表される二枚目スター
(今のイケメンではない)も勿論好きだが、麺類が好きだ。
うどん、そば、ラーメン、焼きぞ場、そうめん、冷麦。そしてパスタ。
白米がなければ3食が麺でもまったく問題なしである。
本書はイタリアと言えばパスタ!のパスタの変遷を、イタリアの歴史と
共に辿るジュニア向けのお話である。
ジュニア向けなので少々物足りない部分もあるのだが、駆け足でパスタと
イタリアの歴史を覚えるのにはいいかも。
既にイタリアの国民食と認識されているパスタも、その昔は王侯貴族や
富裕層の食べ物であり、庶民が口に出来るのはハレの日のみだった。
今じゃアル -
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Posted by ブクログ
シエナを愛する歴史学者がシエナを愛するがゆえに、シエナへの愛を心の限り綴った、シエナ讃歌。
しかしそこは歴史学者、アカデミックな内容を想像よりも濃く盛り込んでおり、加えて無味乾燥な事実の羅列になりがちな編年体の記述を捨てて、今のシエナから過去を紐解いてくという、全編にわたって読み手を飽きさせない構成をとっている。
この書を読み終える頃、読み手はなんとなく、おぼろげながらシエナをわかった気になり、読む前よりは確実にシエナを身近に感じることになるだろう。
この書の読者にシエナの歴史や文化を緻密に、正確に学ぼうとしている人がどれほどいるのか、ということを考えれば、このおぼろげ、なんとなく、が非 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ東大名誉教授でヨーロッパ中世史がご専門の池上俊一氏によるシエナ本。
シエナの魅力を歴史や文化を深め・厚めに説明する旅行ガイド!?
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今年の初め、上の子と私ら夫婦でイタリアに旅行に行きました。
ローマが30%、フィレンツェ70%という日程配分でした。フィレンツェといっても中心部のみならずトスカーナの郊外にも足をのばしました。その際シエナにも行ったのですが、本当はそれまでに読んでおきたかった本。
結局古本しかなく、しかも値段がそこまで安くなく読まずに行きました。
で、帰ってきてから結局ほぼ同じくらいの値段で買うという。。。
相変わらず間抜けなことをやっております。
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シエ -
Posted by ブクログ
ヨーロッパでは、かつて動物裁判が真面目に行われて行われていたことを紹介し、なぜそのようなことが行われるようになったのか、著者が考察を加えた本。
人間に迷惑をかけた動植物が、訴訟され、裁判に呼ばれ、検察官や被告には弁護士まで登場したようだ。これを真顔でやってたなんて、信じられない話しだが、人間がアニミズムの世界から、合理的な世界に移行していくなかで、畏れていた神々が宿る動植物に対して裁きを行う上では、必要だと考えていた(ようだ)。
ナルホド。
以下は備忘録。
動物裁判は、ヨーロッパにおいて12世紀かそれ以前からみられ、13世紀以降本格化のきざしをみせ、14〜16世紀をピークとし18世紀まで続く -
Posted by ブクログ
中学生のころ、デュマの『ダルタニャン物語』にどハマりして、そこからフランス史に興味を抱いた。ジャンヌ・ダルクの奇跡を知ったのは、その頃だった。それから、専門書、一般書、漫画に小説、映画…多様なジャンルでジャンヌの物語に触れてきた。多くの人が私と同じような経験をしていることと思う。
本書はフィクションで描かれたジャンヌに飽き足りなくなって、ジャンヌの実像に迫りたいという方にとっては格好の一冊である。図版も多く、巻頭カラーの静謐なジャンヌ立像は想像をかき立てる。10代の少女がなぜ、と思わずにいられない。
一方で、ここからさらに深めたいという方にとっては、巻末の引用・参考文献が少なく、物足りないか