池上俊一のレビュー一覧
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岩波ジュニア新書699~古代メソポタミアで栽培され始めた小麦は,ギリシャやローマでは粉にされてパンの材料になるとともに,練り粉をラザーニャのようにして食べることも始まった。中世では初期に小麦文化が衰退し,雑穀や野菜・豆類のミネストラが農民の日常食になる。水との結合の食品が登場したのは11~12世紀で,乾燥パスタがシチリアで,生パスタが北方イタリアで作られ始めた。小麦が機長だったので普及しなかったが,徐々に増産され,新大陸から南瓜・トウモロコシ・ジャガイモ・香辛料などが導入され,トマトソースが創造されて17世紀に野菜食いからパスタ食いへと市民が変貌したが,近代の経済危機や貧困化でパスタ消費は減り
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被告席にて裁きを待つのは、容疑者ならぬ容疑動物。
裁くは人間、広がる光景は今の私たちの常識からは異様なもの。法廷に立つブタ、破門されるミミズ、モグラの安全通行権。出廷しない鼠たちの事情を真面目に弁護する弁護人!
13世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパに広く見られた、動物裁判のお話。
「裁く」というニーズについて考察が深まるかなぁと思って手にとったんですが、西洋の歴史についての考察でした。
普遍的法の存在、人間中心主義・・・とまぁ法学部生でなくても一度は触れた西洋の歴史のキーワードがぽこぽこ出てきます。
問題は、「なぜ一時代にのみこのような事象が発生したか」という、歴史的固有性。この部分、筆 -
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[ 内容 ]
法廷に立つブタ、破門されるミミズ、モグラの安全通行権、ネズミに退去命令…。
13世紀から18世紀にかけてヨーロッパに広くみられた動物裁判とは何だったのか?
自然への感受性の変化、法の正義の誕生などに言及しつつ革命的転換点となった中世に迫る「新しい歴史学」の旅。
[ 目次 ]
第1部 動物裁判とはなにか(被告席の動物たち;処刑される家畜たち;破門される昆虫と小動物;なぜ動物を裁くのか)
第2部 動物裁判の風景―ヨーロッパ中世の自然と文化(自然の征服;異教とキリスト教の葛藤;自然にたいする感受性の変容;自然の観念とイメージ;合理主義の中世;日本に動物裁判はありえたか)
[ POP -
Posted by ブクログ
シエナという町を訪ねたことはない。ただ、大貫妙子の「シエナ」という歌で知っている。いい曲なのだ。この町を訪ね、こうした曲を作った人がいる、ということは相当にこの町は古さを今にいい形で伝えているに違いない。8月の旗祭りには帰っておいでよ、カンポ広場へと。そう大貫妙子が歌う。
初版が出てすぐに購入。それだけ魅力のある町なのだ。とはいえ、人の記憶というのはいい加減なもので、ふと立ち返るように今回3度目の読書。
著者もまたこの町を愛している人なので、悪口に至っても書き方がいい。愛憎半ばすることもあるようだと判る。ひとつの町で書き切っているのもいい。この町の成り立ちと今の形をきちんと伝えてくれる。
残念