池上俊一のレビュー一覧

  • 王様でたどるイギリス史

    Posted by ブクログ

    1600年ほどの歴史を王中心にザザッと説明する。分かりやすいけれど、それぞれのエピソードには軽く触れるだけなので、印象が薄く記憶に残らない。サッと全体を理解するには向いてる

    0
    2023年04月14日
  • パスタでたどるイタリア史

    Posted by ブクログ

    「パスタでたどるイタリア史」という題名だが、むしろ「イタリア史の中のパスタ」と言うべき本(パスタがメイン)。
    パスタといえば、いまや日本を含め世界的な食であるが、それが発祥地であるイタリアにおいて、どのように民族・国民の歴史とともに歩み、発展していったかがわかる。
    いまやパスタには欠かせないトマトや唐辛子は、大航海時代にイタリアにもたらされたことや、貧しい人々にとっては長らくパスタは贅沢品であったこと、イタリアではずっと愛されてきたと思っていたパスタが、迫害されていた時代もあったことなど、イタリアとパスタの関係に関して知らない事実を多く知ることができた。

    0
    2023年04月04日
  • 動物裁判

    Posted by ブクログ

     西欧文明における動物裁判の発祥を多角的に検討する一冊。動物裁判の生々しい様子は、興味深かった。

     ただ、その考察に関しては、難解だった気がする。機械による自然の克服と宗教、哲学などが微妙に絡み合い、動物(自然)を人間の支配下に置こうとした、というのがおそらく主題だと思われる。近代以降は、動物裁判を野蛮なものとして克服し、動物保護の思想も定着したが、その反面、人間中心の動物・自然の支配という観念が生まれ、それが深刻な環境破壊の根深い要因になっている、というのが著者の主張なのだが、わかったようなわからないような、少ししっくりこないものが残った。

    0
    2022年11月29日
  • ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動

    Posted by ブクログ

    著者は「ヨーロッパというものは第一義的には『文化的概念』」という。そしてその構成要素を「キリスト教の霊性」、「ギリシャ・ローマの理知」、「ゲルマンの習俗」、「ケルトの夢想」とする。ヨーロッパ入門として読みやすく、コンパクトにまとまっているのは良い。しかし、著者の専門外の分野では内容が古い。ミケーネ滅亡ドーリア人原因説、ビザンツ=皇帝教皇主義、テマ制=屯田兵制、これらはいずれも今や否定されている旧説だ。文献案内にある本を読めば、これらの説が通用しないことは明らかになる。その意味で文献案内があるのは良心的か。

    0
    2022年04月07日
  • ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動

    Posted by ブクログ

    近世に入ったあたりから登場人物が増えて羅列されるようになったのが分かりづらかった。
    主旨ははっきりしているし参考文献欄も充実しているので気になるところを読者が深めていくといいかも。

    0
    2022年03月23日
  • ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動

    Posted by ブクログ

    読み終わって,早く後半が読みたいと思ったけど,まだ出ていなかった~ヨーロッパは文化的な均質性で括られる。それが完成したのは10世紀末から12世紀前半のロマネスク期で,「ギリシャ・ローマの理知」「キリスト教の霊性」「ゲルマンの習俗」「ケルトの夢想」だと考える~岩波のジュニア新書で西洋史を取り扱ってきた東大の名誉教授,何歳かなぁ?と思ったら,同い年で吃驚した

    0
    2022年01月20日
  • 中世イタリアの都市と商人

    Posted by ブクログ

     本書は、著者晩年の研究成果のエッセンスを取りまとめた論考が収められている。「遺稿」と記された学会報告を書き起こした途中稿が最後に収録されており、もう少し著者の文章を読みたかったとの思いを強くする。

     中世イタリアの海上商人と海賊が結び付いたものであったこと、ガレー船の形態と大型化の歴史、イタリア中世都市の有り様と市民・非市民の関係、職人や労働者の移動状況、文書から見える公証人の活動や役割等が論じられる。
     最後に、都市にまつわる研究史、研究状況の現在が語られる。北ヨーロッパ都市に対する南ヨーロッパ都市、都市と農村の関係、こうした点について著者ならではの整理、分析がなされている。

     小著で

    0
    2021年11月01日
  • 中世幻想世界への招待

    Posted by ブクログ

    中世ヨーロッパにおいて、人びとのなかに息づいていた「狼男」「妖精」「若返りの泉」などのイメージはどのような社会の欲求から生まれ、根付いたのか。また、当時絶対的な力を奮っていたキリスト教会が民衆の想像力をいかに誘導してきたのか、「聖体の奇蹟」や「煉獄」のイメージが誕生した経緯を通じて考える。


    タイトルからはファンタジーのネタ元を紹介するような本に思えるが、そうではなく、中世の人びとが共有していた空想的なイメージが当時の社会構造とどのように関わっていたのかという視点に常に帰っていく評論である。
    第一章で扱われるのは狼男。機械宇宙論によって理性に馴致されるべきものとみなされた〈自然〉=本能を、人

    0
    2021年09月27日
  • お菓子でたどるフランス史

    Posted by ブクログ

     フランスの中世から現代までのお菓子の歴史とともに紐解く歴史書。
     お菓子が君主の威厳を表すためや、外交上に使用されていたというのは初めて知った。

    0
    2021年08月25日
  • 動物裁判

    Posted by ブクログ

    時代の間の現象としての検証。そこはうざい。
    単に、変な裁判があって、変な判決があったというくらいでいい。
    アホなことやっとるわ。

    0
    2021年08月18日
  • 森と山と川でたどるドイツ史

    Posted by ブクログ

    中高生向けレーベルなのに4章あたりからついて行けなかったMy頭脳。
    歴史書は通読してはいけない(戒め)
    そもそも西洋は宗教で喧嘩しすぎなんだよ!
    血統マウントの取り合いでくんずほぐれつ大勢入り乱れすぎなんだよ!
    高校時代日本史選択しなかった私が言えることではないが、島国の歴史を学ぶことがいかに簡単か思い知らされた気分である。
    でも世界史のロマンチシズムが好きなんだな。
    ドイツ史はまたチョー初心者向けの本を読むとして、グリム童話の下地に迫るべく、ドイツ文化に通奏するロマン主義の水脈を僅かでも掘り進められたことは一定の収穫だった。

    0
    2021年07月18日
  • 動物裁判

    Posted by ブクログ

    現代人から見ると奇異に見える中世ヨーロッパで広く行われていた動物裁判について、その実態や、なぜそのような裁判が行われたかを詳細に解説していて面白かった。

    0
    2020年11月03日
  • 動物裁判

    Posted by ブクログ

    シブ知2・6
    かかった時間 マジで不明

    講談社現代新書の、白い表紙に緑の四角がある表紙のやつを読んだが、バーコードを読んで旧カバーを見て納得。まさにそっち系。

    動物裁判という奇妙な習慣をとおして、中世の自然観や法、宗教についての価値観の変容を考察した著作。
    前半はケースの集約、後半はそれを支える価値観の考察で、前半は娯楽読み物として、後半は知的読み物としておもしろかった。一方で、個人的には後半部分についてもう少し丁寧に説明があればうれしいとも思った。初版1990年?らしいが、まあ単純に、30年前の読者のレベルではそれでよくて、わたし世代?わたし?の読者としてのレベルがやや残念なんだろうと思

    0
    2020年08月20日
  • パスタでたどるイタリア史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    モノからたどる世界史シリーズ、イタリア編。
    お隣フランスからイタリアへ。
    個人的に古代の話が好きなので、古代ローマとかの話はワクワクする。
    小麦の起源は何だろうとか、トマトが持ち込まれる前のパスタは何だろうとか、興味深い話が多かった。

    自分でパン作りしたり、調味料に興味が出てくるほど料理をするようになった今だから読んで面白いけど、高校生の課題図書としては、食に興味があるか、よほど好奇心が強くないと面白いとは思わないかも。
    作ってみるのもいいかも。

    以下まとめ

    ○日本のパスタ
     明治40年代(1907~)に大使館用にマカロニ製造機を新潟の製麺業者が開発
     1955~(昭和30年代)オーマイ

    0
    2020年07月12日
  • 情熱でたどるスペイン史

    Posted by ブクログ

    その情熱は激しく、どこか哀しく。

    岩波ジュニア新書のシリーズ。情熱の国、というフレーズは当たり前のように使われるが、ではスペインを貫く情熱とは何か、と言われるとフラメンコや闘牛くらいしか思いつかない。この本は「情熱」をキーワードにスペインの歴史を概観する。キリスト教・イスラム教・ユダヤ教がまじりあい、影響し合う文化、ヨーロッパにしてもアフリカにしても辺境の地、個性の強い地方が緩くまとまり、名誉を重んじる民衆のエネルギーの濁流。スペインの個性を知るのにいい一冊。

    0
    2020年06月22日
  • 王様でたどるイギリス史

    Posted by ブクログ

    王室を中心に見るイギリス史。面白く、へぇーと思うこともあったが、淡々として用語が頭に入ってこず理解に時間がかかった…

    0
    2020年05月31日
  • 動物裁判

    Posted by ブクログ

    興味深い。中世ヨーロッパを舞台に実際に行われてきた動物裁判をまとめて考察した一冊。当時の文化や宗教観を理解することができる。

    0
    2020年05月17日
  • 動物裁判

    Posted by ブクログ

    動物裁判という、現在から考えると特異な対応がどうして中世ヨーロッパで行われていたのかを解き明かそうとしたもの。題材の面白さに惹かれた。

    0
    2020年05月05日
  • お菓子でたどるフランス史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    お菓子、それはフランスの歴史を彩る武器。

    お菓子の歴史ではなく、フランスの歴史とお菓子。なぜフランス料理であったり、フランスのお菓子だったりが、一流の物として世界にフランスのイメージを作ったのか。フランスがフランスたる拠り所とは。

    イタリアからやってきた洗練された食文化。それを取り込み、発展する宮廷文化。フランス革命によって、市民のものになる食文化。砂糖を使えることの意味。庭園や建築と共通する飾りへの興味と追求。鉄道建設と地方の名品がパリに集まること。そして、戦争と植民地、技術革新と新しいお菓子。

    フランスは、このグローバル社会の中で、フランスであることをどこまで守るのだろう。また、どこ

    0
    2021年05月05日
  • お菓子でたどるフランス史

    Posted by ブクログ

    カトリック教会は食事と食卓において社会のエリートたちを文明人にふさわしい礼儀正しい立ち居振る舞いと慎ましやかな社交のできる人間に育てていこうとした。

    フランスには甘いものやデザートと女性が結び付けられる傾向があった。女性は甘いものを通じてこの好みを子供と共有するとされていた。

    0
    2019年11月24日