作品一覧

  • インテリジェンス都市・江戸 江戸幕府の政治と情報システム
    4.0
    インテリジェンスを制する者が国を治める。徳川260年の泰平も崩壊も極秘情報をめぐる暗闘の成れの果て。将軍直属の密偵・御庭番、天皇を見張る横目、実は経済スパイだった同心──近世政治史の泰斗が貴重な「隠密報告書」から幕府情報戦略の実相を解き明かす。
  • 〈名奉行〉の力量 江戸世相史話
    値引きあり
    -
    1巻522円 (税込)
    時代劇でおなじみの名奉行や悪代官の意外な実像から、驚くほど便利な江戸の暮らしまで、研究者ならではの視点で江戸の風もあざやかに切り取った短編集。 桜吹雪で知られる「遠山の金さん」の父は、とある試験を転機に異例の大出世を遂げた名官吏だった!?  「おれがわるかつた」、「ゆるせゆるせ」とざっくばらんに詫びる「暴れん坊将軍」吉宗の肉声に、文字通り女房を「借金のカタ」に差し出してしまった旗本、年利一二〇〇%の超高金利金融「烏金」利用者の実態に、宛名に記された「殿」と「様」の格付けをめぐるひと悶着……。 読めばもっと江戸が好きになる。第一人者の篋底から取り出された珠玉の掌編の数々! (原本:『大江戸世相夜話』中公新書、2003年) 【本書の内容】 はしがき   遠山金四郎の入墨 遠山金四郎の入墨/遠山金四郎父子/江戸の受験参考書/名奉行の「条件」/官職名の由来/銭形平次と目明/親の歳を間違える金四郎   お代官様――悪の代名詞 将軍吉宗の肉声/遊芸を許す田沼意次/お代官様――悪の代名詞/秘薬「熊胆」の値段/「謙譲の美徳」の裏側 二十二時間・二十三日間・三年間/白いカラスは吉兆か/殿と様はどちらが偉いか   大御所の犯罪 大御所の犯罪/無 尽/談合体質の根深さ/拾った金は誰のものか/象をめぐる暗闘/国民の生命の重み/女房を借金のカタに置いても   女髪結い繁盛記 便利すぎて困る/女髪結い繁盛記/江戸の贈答事情/江戸の高利貸し/証文の怖さ または、江戸の女性はしたたか/地獄の沙汰も金次第   放蕩息子の矯正 読み書き算盤/放蕩息子の矯正/「うろたえる」老人たち/天明七年のポスター/上流女性をどう呼ぶか 初出一覧 あとがき 学術文庫版あとがき
  • 天皇の歴史1 神話から歴史へ
    値引きあり
    3.3
    1~10巻885~1,116円 (税込)
    三輪山の麓、大和に生まれた王権はどのように古代国家を形成したのか。古事記、日本書紀に描かれた神話の解読や考古学の最新成果などから、神武以降の天皇の実像を解明。群臣に擁立された天皇中心の畿内政権が、全国を統一していく過程を検証する。また東アジア情勢の緊張により、大化の改新が引き起こされ、律令国家形成が促進された背景も明らかに。天皇号と日本の国号の誕生も解析し、日本の歴史の原点を究明する。
  • 勘定奉行の江戸時代
    3.9
    1巻825円 (税込)
    江戸幕府の財政は、初期の頃からほとんどいつも火の車。お金の問題を切り盛りした勘定奉行だが、財政だけでなく農政、交通、司法など政治機能の多くを担い、寺社奉行・町奉行とともに三奉行の一員として、政治案件の意思決定にも深くかかわった。そんな重要役職にもかかわらず、いや重職だったからこそ、家格でなく実力で、ノンキャリアの叩き上げが奉行にのぼりつめる内部昇進の仕組みもあった。社会・文化の変化・成熟、幕藩体制の揺らぎなど、江戸幕府二七〇年の盛衰を、勘定奉行の業績や素顔から解明かす。
  • 幕末の天皇
    値引きあり
    4.5
    1巻495円 (税込)
    近代天皇制を生み出した、十八世紀末から八十年にわたる朝廷の"闘い"のドラマ――。神事や儀礼の再興・復古を通して朝権強化をはかった光格天皇。その遺志を継いで尊皇攘夷のエネルギーを結集しカリスマとなった孝明天皇。幕末政治史の表舞台に躍り出た二人の天皇の、薄氷を踏むような危うい試みを活写し、「江戸時代の天皇の枠組み」を解明する。
  • 遠山金四郎の時代
    4.5
    1巻990円 (税込)
    天保の改革で幕府最後の改革に挑んだ老中・水野忠邦。歌舞伎三座の移転から庶民の娯楽・寄席の撤廃まで風俗取締で断行しようとしたが、町人の実情を理解し、抵抗したのが町奉行・遠山金四郎だった。仮設店舗や屋台店など「床見世」の撤去や、江戸に流入した人口を農村へ強制的に返そうとした「人返しの法」に、江戸の内情を考慮して反対したのも遠山だった。名奉行の見識と行政手腕を、江戸町奉行所の史料から実証した名著。(講談社学術文庫)
  • 松平定信 政治改革に挑んだ老中
    4.5
    1巻1,034円 (税込)
    貨幣経済を刺激した田沼時代は商業の活性化に貢献したが、農村、都市双方に疲弊を招き、しかも浅間山爆発や大洪水という自然の脅威によりその政策は破綻、各地で百姓一揆や打ちこわしが続出、ついには定信の登場となる。彼は内外に危機を抱える幕府の立直しに腐心、直面する課題を慎重に処理して「名君」を称されたが、気紛れな世間に、いつしか保守政治家の烙印を押されて挫折し権力の場を去る。バブル崩壊の今、定信は甦るか?

ユーザーレビュー

  • 勘定奉行の江戸時代

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    勘定奉行に仮託した江戸時代の行財政史。
    荻原茂秀(1696-1712)貨幣改鋳によるマネタリー政策。世襲代官の整理。白石の評価が偏っていることは記述しているが高評価ではない。
    神尾春央(1737-1753)定免法・有毛検見法(商品作物等の年貢の評価と年貢増徴の場合の商品作物栽培許可)過酷奉行に仮託した江戸時代の行財政史。
    神尾春央(1737-1753)定免法・有毛検見法(商品作物等の年貢の評価と年貢増徴の場合の商品作物栽培許可)苛斂な収奪
    石谷清昌(1750-1779)長崎会所改革(俵物輸出と銀輸入による南鐐二朱銀(計数金貨)融通貸付(御用金による大名低利融資への幕府保証と債権先取)
    (定信・

    0
    2025年06月04日
  • インテリジェンス都市・江戸 江戸幕府の政治と情報システム

    Posted by ブクログ

    【江戸時代、江戸は全国の、また外国の情報も集中する「インテリジェンス都市」だった】(文中より引用)

    泰平の世が長く続いた江戸時代。徳川幕府が国内や国外の情報を入手するために張り巡らせたインテリジェンス網に関してまとめた一冊です。著者は、日本近世史を専門とする藤田覚。

    いわゆる鎖国下の中、日本がどうやって海外の情報を入手していたかが非常に興味深かったです。また、八代将軍である徳川吉宗の時代に情報網や役職が広く整理されたことから、吉宗に対する見方も重層化されたように感じます。

    固有名詞の読みづらさはありますが☆5つ

    0
    2023年01月19日
  • 勘定奉行の江戸時代

    Posted by ブクログ

    どんな人が勘定奉行になったのか,勘定奉行へのキャリアパスはどのようなものであったのか,また勘定所の仕組みや役割などはどのようであったのいかについて前半で解説されている。後半は,実際に彼ら勘定奉行が何をおこなったのかについて,財政・金融政策を中心に述べられている。

    平易でわかりやすい叙述であるが,最新の研究成果も取り入れつつ,江戸時代の経済政策史がうまくまとめられていて,勉強になった。

    0
    2018年05月22日
  • 幕末の天皇

    Posted by ブクログ

    江戸時代最後の天皇、孝明天皇。
    そっから遡って祖父の光格天皇の話からスタートして
    なんで大政奉還、公武合体、尊王攘夷、安政の大獄などなど
    日本全国揺るがす激動の時代になったのか
    大名と幕府と朝廷と天皇のその時の在り方はどうだったのかを
    分かりやすく書いてある本。
    しかも明治時代スタートした時の
    幼い天皇はなぜ決まったのかとかも。
    まぁはっきり言えばもうグチャグチャなわけで
    裏切りと裏切られの連続なわけ。
    朝廷vs幕府で盛り上がってるけど肝心の天皇は
    放置されながら名前だけ使われてる始末。
    民衆はもう幕府はあてにならねー!
    天皇万歳イェイイェイなわけで
    そこを朝廷がうまいこと利用したり失敗したり

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    2017年05月09日
  • 遠山金四郎の時代

    Posted by ブクログ

    「遠山の金さん」の主人公を入口に、モデルとなった人物が活躍した天保年間辺りの様子を広く考えられる内容の本書は興味深い。そして…江戸時代にも「とりあえず“上”の意向」という考え方で何かをしようとする人も在れば、「本当に善いのか?」とい人も在ったというのが、妙に面白かった…

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    2015年08月31日

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