藤田覚のレビュー一覧

  • インテリジェンス都市・江戸 江戸幕府の政治と情報システム
    【江戸時代、江戸は全国の、また外国の情報も集中する「インテリジェンス都市」だった】(文中より引用)

    泰平の世が長く続いた江戸時代。徳川幕府が国内や国外の情報を入手するために張り巡らせたインテリジェンス網に関してまとめた一冊です。著者は、日本近世史を専門とする藤田覚。

    いわゆる鎖国下の中、日本がど...続きを読む
  • 勘定奉行の江戸時代
    どんな人が勘定奉行になったのか,勘定奉行へのキャリアパスはどのようなものであったのか,また勘定所の仕組みや役割などはどのようであったのいかについて前半で解説されている。後半は,実際に彼ら勘定奉行が何をおこなったのかについて,財政・金融政策を中心に述べられている。

    平易でわかりやすい叙述であるが,最...続きを読む
  • 幕末の天皇
    江戸時代最後の天皇、孝明天皇。
    そっから遡って祖父の光格天皇の話からスタートして
    なんで大政奉還、公武合体、尊王攘夷、安政の大獄などなど
    日本全国揺るがす激動の時代になったのか
    大名と幕府と朝廷と天皇のその時の在り方はどうだったのかを
    分かりやすく書いてある本。
    しかも明治時代スタートした時の
    幼い...続きを読む
  • 遠山金四郎の時代
    「遠山の金さん」の主人公を入口に、モデルとなった人物が活躍した天保年間辺りの様子を広く考えられる内容の本書は興味深い。そして…江戸時代にも「とりあえず“上”の意向」という考え方で何かをしようとする人も在れば、「本当に善いのか?」とい人も在ったというのが、妙に面白かった…
  • 幕末の天皇
    著者の藤田覚先生が以前、2011年明治維新史学会秋季大会の講演中に「近世幕藩体制に天皇を如何に位置付けるか」ということを話されておりました。
    この江戸時代の「天皇」を考える上でも、欠かせない一冊だと思います。

    講談社選書メチエで出版された時期が、昭和天皇崩御の5年後ということもあり、歴史学の世界で...続きを読む
  • 幕末の天皇
    幕末の天皇、というとおそらく孝明天皇を思い浮かべる人が大半だと思います。
    大河ドラマをはじめとする幕末ものにも孝明天皇は登場します。
    強硬に攘夷を唱え、公武合体派にも尊皇攘夷派にも推戴されかつ利用された天皇。
    ですが、そこまでの過程はほとんど知られていないのではないでしょうか。
    そこに登場するのが孝...続きを読む
  • 松平定信 政治改革に挑んだ老中
     藤田覚『松平定信』(中公新書1142)

     最近めきり藤田先生のファンになりつつあります(笑)
     今回は寛政の改革を推進した老中首座の松平定信の本です。
     前回は芸術面から見た定信だったので今回は政治面、特に老中として活躍していたある意味彼の人生の最高潮のときの本を選んでみました。
     この本では定...続きを読む
  • 天皇の歴史4 天皇と中世の武家
    これまで考えもしなかったが、明治維新と共に、幕府と朝廷も終わった!との主張からこの本は始まる。朝廷とは今の天皇だけを考えておればイメージできない。天皇と貴族たちにより構成されていた機関。平治の乱は単なる信西・清盛vs信頼・義朝の戦ではない、後白河・二条の天皇親子の対立でもあったとは全くの驚きだった!...続きを読む
  • 天皇の歴史1 神話から歴史へ
    神話の時代から天武天皇まで。詳細な記述を堪能した。卑弥呼が戦前の皇国史の中でどの位置に同定されていたのか、興味深いところだったが、著者によれば、西暦239年(己未、景初3年)の卑弥呼による朝貢の魏志の記述に合わせるために120年遡って神功皇后の「日本書紀」に神功皇后による朝貢との記述津があること、ま...続きを読む
  • 勘定奉行の江戸時代
    叩き上げから就任した者を含めて勘定奉行達が、財政運営に限らず諸政策に深く関与していく様が興味深かった。
  • 天皇の歴史3 天皇と摂政・関白
    このシリーズは有難い。天皇の存在は古代史において特に重要だが、一方見えにくいところもあるから。個人的には宇多天皇の個性が際立って書かれていて印象的だった。桓武になぞらえるのも新鮮だし、醍醐への忠告も当時の天皇の教えを押さえていて面白い。
  • 勘定奉行の江戸時代
    江戸時代を通じて勘定奉行・勘定所がいかに重要な役職・役所であったか、また幕府経済がどのように破綻していったのかがわかる一冊
  • 天皇の歴史10 天皇と芸能
    天皇と和歌との関わりを中心に歴史的に遡って記述している。明治以降の論考がないのと、それ以外の雅楽や舞踊についても、ほかに触れる書物が少ないだけにあればよかったと思う。
  • 天皇の歴史6 江戸時代の天皇
    江戸時代の天皇なので儀式についての記述が多く、その点では少々退屈であった。しかしながら、その中でも天皇は制度として一貫して権威を保ち続け、幕末にそれが一気に爆発することとなる。その過程が非常に興味深い。
  • 天皇の歴史2 聖武天皇と仏都平城京
    なぜ日本に仏教が広まったのか。


    鳴くよ鶯平安京、その前に大きな都であった「平城京」
    その平城京の誕生の裏側、そして平安京に続く流れ、
    今まで教科書的にしか勉強していなかったことを
    わかりやすく解説してくれる本。

    奈良時代の研究、とりわけ東大寺の研究としては
    日本で一番ともいえる著書による解説は...続きを読む
  • 勘定奉行の江戸時代
    江戸時代、経済成長とその拡大から生じた米価の低迷・諸物価の高騰という難問に対処したのが勘定所。本書は幕府のお財布事情を通して江戸時代二百六十年余りを俯瞰したものだ。

    幕府の直轄地(天領)経営とそこから得た年貢米を中心とした収入を元に、将軍家の台所の遣り繰りから幕府財政全般を担うに至った勘定所は、計...続きを読む
  • 遠山金四郎の時代
    江戸後期、幕府は財政窮乏化のなか風紀粛清と質素倹約を旨とする天保の改革を断行する。風俗取り締まりのため庶民の娯楽である寄席の撤廃や歌舞伎三座の移転、廃止まで打ち出した老中水野忠邦に対し、真っ向から対立したのが北町奉行の遠山金四郎だった。庶民生活の実情を重視し、厳しい改革に反対しながら骨抜きにした名奉...続きを読む
  • 幕末の天皇
    光格天皇をここまで掘り下げた本は研究書・論文以外ではないと思う。
    孝明天皇からその後の皇室の姿を規定したともいえる光格天皇にさらに興味が湧いた。良質の文庫。
  • 幕末の天皇
    江戸も幕末も詳しくないのだが、とても読みやすかった。
    幕末の天皇となると、孝明天皇が思い浮かぶが、その祖父・光格天皇から書き起こされているところが興味深い。

    形式だけでない権威となり得た経緯が面白かった。
  • 天皇の歴史1 神話から歴史へ
    日本の歴史を改めて知ろうとしたら、やはり天皇と公卿の成り立ちからかと思い、この本を手にしました。

    なかなか難しく、かなり読みきるのに時間を要してしまいましたが、とても勉強になる一冊でした。

    天皇家のレガリアが玉、鏡、剣の三種神器であることを知って、宝剣が大切に保管されている奈良の神社まで出掛けて...続きを読む