藤田覚のレビュー一覧

  • 遠山金四郎の時代

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    江戸後期、幕府は財政窮乏化のなか風紀粛清と質素倹約を旨とする天保の改革を断行する。風俗取り締まりのため庶民の娯楽である寄席の撤廃や歌舞伎三座の移転、廃止まで打ち出した老中水野忠邦に対し、真っ向から対立したのが北町奉行の遠山金四郎だった。庶民生活の実情を重視し、厳しい改革に反対しながら骨抜きにした名奉行の論理を明らかにする。(親本は1992年刊、2015年文庫化)
    ・まえがき
    ・第一章 遠山の金さん像の虚実
    ・第二章 繁栄の江戸か寂れた江戸か
    ・第三章 寄席の撤廃をめぐって
    ・第四章 芝居所替をめぐって
    ・第五章 株仲間解散をめぐって
    ・第六章 床見世の撤廃をめぐって
    ・第七章 人返しの法をめぐ

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    2015年09月24日
  • シリーズ日本近世史 5 幕末から維新へ

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    シリーズ日本近世史の最終巻は、藤田覚先生の「幕末から維新へ」。昔、「遠山金四郎の時代」を非常に面白く読んだ記憶があるが、本書も前半の語り口が快調で非常に面白い。その分やや後半が「教科書的」なのだが、その間をつなぐ第3章「近代の芽生え」は教育と思想史に焦点を合わせた思い切った叙述になっていて短いながらも読ませる。近世民衆の地の到達点は、しかし、西洋近代を生み出したようなサイエンスではなかったのだが……。

    あと43ページに触れられている水野忠成の貨幣改鋳を「そっちこそ贋金作り」と喝破した贋金づくりのエピソードの元は『藩秘録』でいいのかしらん?

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    2015年09月11日
  • 幕末の天皇

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    光格天皇をここまで掘り下げた本は研究書・論文以外ではないと思う。
    孝明天皇からその後の皇室の姿を規定したともいえる光格天皇にさらに興味が湧いた。良質の文庫。

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    2015年09月07日
  • シリーズ日本近世史 5 幕末から維新へ

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    通常近代は開国から語られる。しかし、この巻では18世紀末から描き、外圧以外も含む、謂わば崩壊の予兆を描くところから始まる。そして、相次ぐ飢饉、外圧、社会の変化の前に上手く対応できない幕府の姿が描かれる。200年超に及ぶ安定とはなんだったのか、開国後一気に崩壊に突き進んで行く。
    開国後の歴史は案外あっさりしている。むしろ、それ以前の「予兆」の説明が詳しい。倒幕の内在的な部分を理解したい人におすすめ。

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    2015年08月17日
  • シリーズ日本近世史 5 幕末から維新へ

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    維新への萌芽を17世紀後半に求め、そこでの民衆の様子を描いている。天保の飢饉への対応策のまずさから、相対的に朝廷の権威が強まっていく。もちろん同時に迫り来る外圧が明治維新を引き寄せることになる。
    器としての朝廷が権威を回復していくのとは逆に、孝明天皇個人の権威は地に堕ちる。このあたりを踏まえての幕末動乱の記述は新鮮だ。

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    2015年06月26日
  • 幕末の天皇

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    江戸も幕末も詳しくないのだが、とても読みやすかった。
    幕末の天皇となると、孝明天皇が思い浮かぶが、その祖父・光格天皇から書き起こされているところが興味深い。

    形式だけでない権威となり得た経緯が面白かった。

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    2014年01月15日
  • シリーズ日本近世史 5 幕末から維新へ

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    ある程度幕末史を知っている人向けの本かも。
    生麦事件とか薩英戦争とか戊辰戦争のような有名な出来事についてはサラッと書かれているだけ。
    代わりに外圧や内政の課題については少し詳しく書かれている

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    2026年01月21日
  • 勘定奉行の江戸時代

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    勘定奉行というと荻原重秀が代表的かもですが
    地味に遠山景晋という学問吟味で見いだされた
    英才が印象深いです・・・元々勘定という武士
    にとって特殊技能は、家柄重視と思われる江戸
    時代においても実力本位であり、歴代の勘定奉
    行の中には後家人あがりで末端実務方から内部
    昇進を果たし奉行になったものが続出、更には
    「百姓と胡麻の油は搾るほど…」で有名な神尾
    春央に至っては伊豆の百姓で、代官の不当な裁
    判判決に不満を持ち、発奮して御家人株を買い
    成り上がったとまで言われる・・・実務優先の
    面白い幕府機構がありました(´・ω・`)

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    2023年07月09日
  • インテリジェンス都市・江戸 江戸幕府の政治と情報システム

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    <目次>
    序章   幕藩体制の核心はインテリジェンスだった!~情報と江戸時代の政治・交通
    第1章  将軍直属の「スパイ」がいた!~御庭番の情報収集と幕府政治
    第2章  大名と幕臣を監察する将軍の「目」~小人目付の情報収集と幕政の
    第3章  「探検家」の真の任務とは?~勘定所普請役の情報収集
    第4章  犯罪捜査と経済調査のエキスパート~町奉行所隠密廻り同心の情報収集
    第5章  異国船とアヘン戦争、鎖国下の情報戦~オランダ風説書と対外政策
    第6章  「敗戦」という不都合な事実の拡散~文化露寇の情報と政治
    終章   インテリジェンスの大失策が幕府の命取りに!~天皇・朝廷情報の収集

    <内容>
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    2022年07月04日
  • 勘定奉行の江戸時代

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    <目次>
    第1章  勘定奉行は幕府の最重要役人
    第2章  御家人でも勘定奉行になれる
    第3章  財政危機の始まり
    第4章  行財政改革の取組み
    第5章  新たな経済政策の模索
    第6章  深まる財政危機
    第7章  財政破綻

    <内容>
    タイトルは”勘定奉行”だが、江戸時代中~晩期の経済史にもなっている。驚きは、勘定奉行は三奉行の一つなのに、ここだけ世襲の江戸時代において、実務官僚ゆえに、御家人からでも出世できた(いやいや一般の町人クラスからでも)唯一の役職だったということ。
    江戸時代の経済の基本は年貢=米だったので、貨幣経済の発達により、早晩破綻する流れだったのだが、勘定奉行はそれに抗うように様

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    2018年06月24日
  • 勘定奉行の江戸時代

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    ネタバレ

    難しい!金の鋳造比率や重さを長々と数字を並べられてもよくわからない。
    結局勘定奉行は同時に何人かいたのか?
    年代を元号だけで西暦は時々しか出てこないので、時間の前後がわかりにくいのも難しい。
    最後も突然終わったという感じで全般的に読みにくい。

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    2018年03月25日
  • シリーズ日本近世史 5 幕末から維新へ

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     天明の大飢饉から大政奉還まで、1780年代から1860年代までを対象とする通史。近年の江戸時代後期の通史は、国際関係と日本国内の社会変動の関連がうまく把握できていないことが多いが、本書では明治維新を生み出した必然的な国内・国際要因の関係性がバランスよく叙述されている。ただし狭義の幕末期については、近年の近代史サイドの研究潮流とは異なり、伝統的な「植民地化による民族の独立の危機」「尊皇攘夷と公武合体の対抗」といった枠組みを前提とし、なおかつ近代主義的な発展段階説に拠っており、異論があろう。琉球にほとんど言及がないのもマイナス。

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    2015年12月01日
  • シリーズ日本近世史 5 幕末から維新へ

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    <目次>
    はじめに
    第1章  近世の曲がり角~維新の起点
    第2章  内憂外患の時代へ
    第3章  近代の芽生え
    第4章  開国・開港
    第5章  幕末政争から維新へ
    おわりに

    <内容>
    岩波新書近世史シリーズの最終巻。よかったのは、宝暦・天明期から化政期の文化がコンパクトにまとまっていたこと。政治史の流れはかなり早めだけど、要点は抑えてあるので、受験生も教科書を一通り読み終えたらこのシリーズを通して読むのもいいかもしれない。

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    2015年08月12日
  • シリーズ日本近世史 5 幕末から維新へ

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    静かに幕末維新期の歴史が語られる。幕末物はどうしてもドラマティックな人物中心の歴史が語られがちで、それを期待してしまうが、実際はこのような本の記載が正しく時代の様子を表しているのだろう。

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    2015年07月03日
  • シリーズ日本近世史 5 幕末から維新へ

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    私には、日本の歴史は幕末から第二次世界大戦敗戦から米軍による占領期までが一番興味を惹かれます。異国船打払令を出しても、日本と戦争をするために軍艦を派遣することはないという甘い現状認識(アヘン戦争の情報で目が醒めるのですが)の当時の幕府と、想定しがたい危機感の煽りよう(ホルムズ海峡の封鎖が現実となるのでしょうか)のいまの政府とはとても対照的であります。安政の改革が、近代的な陸海軍創設の出発点となったと記載されています。翻って、安倍首相が推し進めようとしている一連の政策は、遠い将来どう評価されるのでしょうか。

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    2015年06月14日