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近代天皇制を生み出した、十八世紀末から八十年にわたる朝廷の"闘い"のドラマ――。神事や儀礼の再興・復古を通して朝権強化をはかった光格天皇。その遺志を継いで尊皇攘夷のエネルギーを結集しカリスマとなった孝明天皇。幕末政治史の表舞台に躍り出た二人の天皇の、薄氷を踏むような危うい試みを活写し、「江戸時代の天皇の枠組み」を解明する。
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Posted by ブクログ
江戸時代最後の天皇、孝明天皇。 そっから遡って祖父の光格天皇の話からスタートして なんで大政奉還、公武合体、尊王攘夷、安政の大獄などなど 日本全国揺るがす激動の時代になったのか 大名と幕府と朝廷と天皇のその時の在り方はどうだったのかを 分かりやすく書いてある本。 しかも明治時代スタートした時の 幼い...続きを読む天皇はなぜ決まったのかとかも。 まぁはっきり言えばもうグチャグチャなわけで 裏切りと裏切られの連続なわけ。 朝廷vs幕府で盛り上がってるけど肝心の天皇は 放置されながら名前だけ使われてる始末。 民衆はもう幕府はあてにならねー! 天皇万歳イェイイェイなわけで そこを朝廷がうまいこと利用したり失敗したり。 まぁ今現在に至る天皇の儀式等は ほぼこの光格天皇が復活させようぜ! という感じであれよあれよと 御所も儀式も復活したわけで。 その行動力はすさまじいと思う。 もう徳川さんちの言うこと聞いてりゃええねん時代に 終止符を打ったと言っても過言ではないし もちろん飢饉とか海外からの圧力とか色々あるわけだ。 いやはや、なんだか幕末って 新選組や明治政府の方にスポット当てがちけど これはとても読んでよかった。
著者の藤田覚先生が以前、2011年明治維新史学会秋季大会の講演中に「近世幕藩体制に天皇を如何に位置付けるか」ということを話されておりました。 この江戸時代の「天皇」を考える上でも、欠かせない一冊だと思います。 講談社選書メチエで出版された時期が、昭和天皇崩御の5年後ということもあり、歴史学の世界で...続きを読むも「天皇」について考える流れが始まった時期ともリンクしますね。 主な内容について。 本書の問題関心は、幕末の孝明天皇が頑ななまでに通商条約を拒絶するなどの「政治化」を果たしたのか、という点にある。 要は、いつから江戸時代の天皇・朝廷と幕府の力関係が変化したのか。 そこで、著者が注目したのが光格天皇の頃である。 光格天皇の代には、 「神事や儀礼の再興・復古が集中的に」行われ、「天皇・朝廷の神聖(性)と権威を強化する試みが、主体的にかつ執拗に続けられ」たとされる。 また、「朝廷の権威を求める当時の客観情勢とあいまって、政治、思想、宗教などのさまざまな分野で天皇の存在がクローズアップされ、その政治的、思想的、宗教的権威が強化された」としている。 この光格天皇の時から、「主体的」な天皇が登場したのである。(本書p.p.255〜256) 光格天皇が何故、「天皇権威」の上昇にこだわったのかというと、著者は光格の生い立ち(閑院宮家に生まれ、皇位につく)に触れ、皇統から離れた傍流から即位したために「軽んじられる」天皇と記載された史料もあることから、 傍流出身であるが所以の行動と考えられている。 一般的に光格天皇について知られている尊号事件もこの頃の「天皇権威」上昇にまつわる事件として取り上げられている。 この「天皇権威」が仁孝、孝明と受け継がれ、 幕末の「政治化」された天皇の登場にいたるとされている。 本書の内容は、近年では教科書『詳説 日本史B』などにも取り上げられている内容なので、ご存知の方も多いように思います。 それだけ本書が一般的にも評価されていると言えるのです(幕末部分は、著者の専門時期でないため、この場では割愛)。
幕末の天皇、というとおそらく孝明天皇を思い浮かべる人が大半だと思います。 大河ドラマをはじめとする幕末ものにも孝明天皇は登場します。 強硬に攘夷を唱え、公武合体派にも尊皇攘夷派にも推戴されかつ利用された天皇。 ですが、そこまでの過程はほとんど知られていないのではないでしょうか。 そこに登場するのが孝...続きを読む明天皇の祖父・光格天皇です。 幕末の尊皇攘夷運動の発端はこの人にあると言ってもいいくらいの天皇です。 外国船が日本沿岸に頻繁に現れ、ついにペリーがやってくる。 アヘン戦争の衝撃を受け、日本は異国船打払令を撤回、 止むなく開国をしていく。 と始まる幕末史。通商条約締結に伴い、ついに幕府は条約締結の勅許を天皇に求めます。 ですが、ちょっと待ってください。 幕府は自ら禁中並公家諸法度を制定して朝廷の政治権力を制限し、 国政のすべてを握っていたはずです。 なのになぜこの時は勅許を求めたのか。 朝廷のことを気にする必要があっのか。 その下地を用意したのが光格天皇なのです。 そこまで影響力のあった人物であるにも関わらず、 彼について触れた書籍類は非常に少ない。 これはなぜなのでしょうか。 この本はそんな光格天皇にスポットを当て、 彼の行動から幕末の政治史がどのように動いていったのか、 朝幕関係がどのように推移していったのか、 その流れを詳しく掘り起こしています。 にひんじんとして、光格天皇の事績はぜひ知って欲しい。 広く読まれて欲しい一冊だな、と思います。
光格天皇をここまで掘り下げた本は研究書・論文以外ではないと思う。 孝明天皇からその後の皇室の姿を規定したともいえる光格天皇にさらに興味が湧いた。良質の文庫。
江戸も幕末も詳しくないのだが、とても読みやすかった。 幕末の天皇となると、孝明天皇が思い浮かぶが、その祖父・光格天皇から書き起こされているところが興味深い。 形式だけでない権威となり得た経緯が面白かった。
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幕末の天皇
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藤田覚
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