ハイデガー入門

ハイデガー入門

1,265円 (税込)

6pt

4.5

「20世紀最大の哲学者」として今なお読み継がれるマルティン・ハイデガー(1889-1976年)。その影響力は、現代思想、解釈学、精神病理学、文学研究に至るまで、あまりにも大きく決定的だった。本書は巨人ハイデガーの思想の全容を1冊で理解できる最良の入門書、待望の文庫化である。『存在と時間』の明快な読解から難解な後期思想の見取り図を掲げ、さらには今日再燃しつつあるナチズム加担問題に大胆に切り込む名著。


「20世紀最大の哲学者」として今なお読み継がれるマルティン・ハイデガー(1889-1976年)。その影響力は、サルトルからフーコー、デリダに至る現代思想、ガダマーに代表される解釈学、ビンスワンガーやミンコフスキーらの精神病理学、そしてバタイユ、ブランショといった文学研究まで、あまりにも大きく決定的だった。本書は、その巨人ハイデガーの思想の全容を1冊で理解できる、と長らく定評を得てきた名著、待望の文庫化である。
著者は、ハイデガーの生涯を概観した上で、「「ある」とは何か」という前代未聞の問いを掲げた『存在と時間』(1927年)を豊富な具体例をまじえながら分かりやすく読解していく。その理解を踏まえて難解で知られる後期思想の世界に分け入り、読者をたじろがせる膨大な著作群に明快な見通しが示される。その上で、20世紀末に突如として勃発した、ハイデガーのナチズムへの加担問題という微妙な話題にも躊躇することなく取り組み、この問題をどのように考えればよいのか、最良のヒントを与えてくれる一書ともなっている。ここにある「学問と政治」の関係という問題は、温暖化問題や原発問題など、今日世界中で次々にクローズアップされてきていることは誰の目にも明らかである。ハイデガーについては、「黒ノート」と呼ばれる草稿の公刊を機に、再び反ユダヤ主義と哲学の関係が取り沙汰されるようになってきている。
このように、今日ますます切迫した問題と深く関わるハイデガーの思想にアクセスするための最良の第一歩として、本書は他に類を見ない価値をもっている。学術文庫版のための書き下ろしをも加えた決定版、ついに登場。

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ハイデガー入門 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    哲学者に関する解説書は、大抵、解説対象の哲学者の著作の引用と、それに対する注釈からなります。
    本書もそうした記述をとるわけですが、そこはハイデガー。
    引用文が何を言っているのか、まるで分かりません。
    もちろん訳者の巧拙もあるでしょうから、1、2か所ならそういうこともあるかと思います。
    ですが、ハイデ

    0
    2025年09月29日

    Posted by ブクログ

    透徹した客観性でもってシステマチックにハイデガーの思想を整理しており(その問題点も含めて)、大いに理解を助けてくれた。特に『存在と時間』を解説した第2章・第3章がよかった。以下は『存在と時間』の主なキーワードについての引用。

    【実存】
    人間は、自分自身のあり方に対してさまざまなレベルで欲望、関心、

    0
    2022年08月17日

    Posted by ブクログ

    これが講談社学術文庫の力なのか、竹田氏他の著作に比べ難解なないようとなっており、読み通すだけで一苦労な非力な私である。

    しかし、ハイデガーの「存在と時間」を近々挑戦したい身であるから少なからず良い準備にはなったのではないかなと期待する。一般的な主客一致の観点からではなく、存在者(Da sein)と

    0
    2023年11月30日

    Posted by ブクログ

    なんとなく気になる存在ではあるが、難しそうでなかなか手がでないハイデガーの「存在と時間」。さらには、「存在と時間」より難解といわれる「後期ハイデガー」。

    全体主義について学んでいくなかで、やっぱハイデガーは欠かせないな〜、またその文脈で、アーレントを理解するためには、その師もある程度理解しとかなく

    0
    2021年07月04日

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