講談社文庫作品一覧

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  • 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル
    3.9
    民主主義は熟議を前提とする。しかし日本人は熟議が苦手と言われる。それならむしろ「空気」を技術的に可視化し、合意形成の基礎に据える新しい民主主義を構想できないか。ルソーの一般意志を大胆に翻案し、日本発の新しい政治を夢想して議論を招いた重要書。文庫オリジナルとして政治学者・宇野重規氏との対論を収載。
  • 実現可能な五つの方法 琉球独立宣言
    -
    なぜ今、独立なのか? 現在、辺野古新基地建設で政府と対立を深める沖縄。戦後70年、"本土復帰"から43年経った今も、在日米軍基地の74%が集中する現実。沖縄において"戦争"は決して終わっていない。その現状、政府による差別の歴史、琉球国の歴史や民族独立運動、世界の独立運動などをふまえ、琉球人学者が独立の具体的な方法とその未来図を提案する。決して絵空事ではない、実現可能な政治的・経済的道筋が示される。
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石
    3.2
    神隠し伝説が残る田舎町の高校に転校してきた久守徹は、天狗と呼ばれ人に遠巻きにされる孤高の少年・野見大地に誘われ廃部寸前の地学部に入部する。風のようにあらわれ石と戯れる大地に徹は惹かれるが、大地にはまだ誰にも明かせない秘密があった。それは人の記憶を内にとどめ後世に伝える「決壊石」の不思議だ。大地は初めてその秘密を徹に打ち明ける……。
  • 修羅の宴(上)
    3.4
    1~2巻759円 (税込)
    大手銀行から出向し、三百億円もの累積赤字にまみれていた老舗の専門商社をたった二年で再建した敏腕社長、滝本。高卒という自身の学歴コンプレックスをばねに、未踏のビジネスを開拓し、出身銀行の頭取から依頼された汚れ仕事をも引き受け、日本経済界をのしあがっていく。剥き出しの人間ドラマ、開幕!
  • 幕が上がる
    4.3
    ある地方の高校演劇部を指導することになった女性教師が部員らに全国大会の出場を意識させる。高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。演劇強豪校からの転入生に戸惑い、切磋琢磨して一つの台詞に葛藤する役者と演出家。彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。2015年2月に映画化する、爽快感を呼ぶ青春小説の決定版!
  • 源氏物語 巻一
    4.2
    1~10巻759~880円 (税込)
    全力傾注のライフワーク。原作に忠実に、美しい現代日本語でつづる源氏物語現代語訳の決定版。帝に熱愛された桐壺の更衣の悲劇的な死と残された幼い皇子。皇子は源氏姓を賜り、やがて意に染まぬ結婚。少年期を過ぎて、近衛の中将の身分を得た光源氏のさまざまな女性達との愛の遍歴。第1巻は、桐壺・帚木・空蝉・夕顔・若紫を収録。
  • スノーホワイト
    3.6
    「何でも知ることのできる不思議な鏡」をつかって小さな探偵事務所を営む女子中学生・襟音ママエ。自分の頭ではまったく推理をせず、鏡の力に頼りきりのママエだったが、ある事件がきっかけで、悪がしこい名探偵・三途川理(さんずのかわことわり)に命を狙われることになってしまい――!? 奇想の新鋭・森川智喜がおくる、知恵と勇気のファンタジックミステリー!
  • 時の鳥籠(上)
    3.8
    1~2巻759~803円 (税込)
    来世紀小説の方向を示す超絶の問題作品! 初対面のはずの少女を見て女は思った。(私はこの子がもうじき死ぬのを知っている)と。そのまま女は意識を失い、救急病棟に運び込まれた。女は何を知っている? 迫真の上巻!
  • 司法記者
    4.0
    地検特捜部が追うゼネコン汚職事件は中央政界にも波及していた。元国交相の収賄疑惑という大スクープの直後、掲載紙の美人記者が絞殺された。逮捕されたライバル紙記者は殺人容疑を全面否認、何かを隠し沈黙する。悲劇の裏に潜むのは、スクープを求める記者の意地と、「正義」と銘打たれた特捜部の横暴で杜撰な捜査だった。記者が守る「秘密」を唯一知る特捜検事は、己が所属する「日本最強の捜査機関」との対決を決意する。
  • 黄金の騎士団(上)
    3.0
    地上げの脅威に晒される、四谷の孤児院「若葉ホーム」。肩を寄せ合って暮らす六人の少年たちの元に、ある時から「黄金の騎士団」と名乗る謎の人物名義の生活資金が届けられる。認知症で失踪癖のある院長先生に代わり、目付け役になったホームのOB外堀公一は、“騎士団”の驚くべき正体を突き止める!?
  • 空飛ぶタイヤ(上)
    4.4
    1~2巻759円 (税込)
    走行中の大型トレーラーが脱輪し、はずれたタイヤが歩道を歩く若い母親と子を直撃した。トレーラーの製造元ホープ自動車は、トレーラーを所有する赤松運送の整備不良が原因と主張するが、社長の赤松は到底納得できない。独自に真相に迫ろうとする赤松を阻む、大企業の論理に。会社の経営は混迷を極め、家族からも孤立し、絶望のどん底に堕ちた赤松に、週刊誌記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。(講談社文庫)
  • タイムスリップ紫式部
    3.0
    古典の授業中、教師に鞭で打たれた本間香葉子は、そのショックで平安時代にタイムスリップ。『源氏物語』の作者・紫式部の身体に宿ってしまう。さらに、折りも折り、時の最高権力者・藤原道長が殺害される事件が発生。紫式部こと香葉子は、ライバル・清少納言とともに下手人探しを依頼される。果たして真相は?(講談社文庫)
  • 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima
    4.1
    文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。
  • 40 翼ふたたび
    4.0
    人生の半分が終わってしまった。それも、いいほうの半分が。会社を辞めて、投げやりにプロデュース業を始めた喜一・40歳の元を訪れる、40代の依頼人たち。凋落したIT企業社長、やりての銀行マン、引きこもり……。生きることの困難とその先にある希望を見つめて、著者が初めて同世代を描いた感動長編。(講談社文庫)
  • 天璋院篤姫(上)
    3.9
    激動の幕末維新、薩摩の島津家から徳川13代将軍家定に嫁いだ篤姫――しかしその結婚生活は、短く、そして常ならざるものであった……。2008年NHK大河ドラマ「篤姫」原作。
  • 読書画録
    -
    エッセイとスケッチで綴る36の小説の娯しみ。樋口一葉『たけくらべ』から幸田文『おとうと』まで、なつかしい日本の心の情景。読んで歩いて描く大好きな小説36景――檸檬を一顆、美術書を積みあげた上にそっと置いてきた梶井基次郎のあとをたどって描く、京都河原町・丸善の面影。樋口一葉「たけくらべ」の吉原大門あたりから、幸田文「おとうと」の向島まで、こよなく読書を愛しむ画家が描く小説の舞台。懐かしい日本の36の風景を、スケッチとエッセイで織りなす珠玉の画文集。
  • 東京ボイス
    4.1
    牛丼屋のカウンター、向こう側から注がれる以前とは違う視線。スキャンダルが元でアイドルでなくなったカズヤは、そんなものには慣れっこになった。マイナスからのしあがるうち、様々なことが麻痺していく。さあ、ボイス・スタジオへ行こう。ここには東京の空の下に居続けたいと喘ぐ人間が集まってくる――。東京で暮らす「普通」の人たちの喘ぎが響く!
  • 江戸老人旗本夜話
    -
    勤務先・江戸城。職業・旗本。天野弥五右衛門(やごえもん)81歳、赤裸々な日々の記。時代小説ではわからない武士の真実――。武士道とは長生きして出世競争に勝ちぬくことなり。武芸とは健康法なり。性は「接して泄(も)らさず」が善し。ある老旗本が書き残した、組織・仕事・カネ、家庭の悩み、性生活、老いへの惑い。江戸の「性」と「老い」を語れば当代随一の著者が武士の実像を生々しく描く、目から鱗(うろこ)の傑作エッセイ。(『元禄養老夜話』改題)
  • 週末は山歩き 「初めて」からのお役立ちガイド・エッセイ
    -
    山はおいしい、山は楽しい! 実践ノウハウ満載ーー季節を肌で感じ、草花に目をとめながら、のんびり歩く快楽。思い立ったとき、まず用意するもの、初心者が気をつける点は? 山歩きの魅力を知り尽くし、毎週末を山に遊ぶ著者が綴る、実用エッセイ。他人には訊(き)けない素朴な疑問、いざというときの鉄則、山好きならではの親身なアドバイスがいっぱい。
  • 大阪弁の詰め合わせ
    4.0
    あなたもツッコミ上手に! どこからでも読めれ、 しゃべりに味が出る! ーー世界最強のコミュニケーションツール「大阪弁」。標準語が基礎ならば、大阪弁は応用編。情報交換にとどまらない、ホンマの「会話」がここにある。「あかん、やられた」「やってもたー」など、日常使われている大阪弁の、本当の意味が分かりやすく身につく。一度使ってみたくなる。お得でおもろい辞典仕立てのエッセイ集。
  • 海の稲妻(上) 根来・種子島衆がゆく
    -
    戦国修羅を疾駆する船と鉄砲と熱き青春群像。若き日の呂宋助左衛門、傭兵隊を率い山野に海洋に灼熱の戦を挑む! 種子島の火弾が迸る! ――根来鉄砲衆族長の子・十郎太は、島の若者たちと種子島党を結成して、堺に渡る。信長の下で石山本願寺・雑賀党と戦う父の陣へ赴き、戦国傭兵隊として活躍する。手練の鉄砲技術を駆使し、毛利水軍を撃破、秀吉の鳥取城攻めにも貢献する。修羅の戦場を疾駆しながら己の信念を貫く若者たちの、熱き青春群像を描く歴史長編。<上下巻>
  • 金融夜光虫
    -
    売国奴の正体を暴く! ――夜の六本木。高層ビルの一室に、金融担当大臣ら要人たちが集まり、ある銀行の破綻処理について、互いの腹を探り合った。その直後、大手銀行と監査法人の争いが勃発。監査法人のエリートが、失踪してしまう。彼はなぜ消えたのか? 金融界に蠢く男たちの「暗部」を描きだす、迫真の経済ミステリー。 ◎「外資に銀行を売り渡す男が政権の中枢にいる! 衝撃の問題作だ」<佐高信氏>
  • ワシントンハイツの旋風
    3.6
    中学生の謙吾は、母と妹を追って高知から上京した。昭和37年、新聞配達でまわるワシントンハイツは、渋谷区にありながらアメリカそのものだった。謙吾は高校を卒業し、旅行会社へ就職する。東京オリンピックや万博に沸く昭和。ひたむきに働き、ひたむきに恋をする。自身の青春を描いた、初めての現代小説。(講談社文庫)
  • 不正会計
    4.0
    組織人の心にくい込む迫真の経済小説。巨大粉飾決算発覚し「無限責任」の嵐が会社を襲う! ――分不相応な拡大路線、放漫経営……。大手監査法人が健全だと判断を下した老舗メーカーに、粉飾決算疑惑が浮上した。内部告発が業界を駆け巡り、金融庁も動き始める。監査法人の会計士・青柳は、粉飾幇助の疑いから、組織を、己の正義を、守ることができるのか? 未曾有の企業不正を描く経済小説。
  • 噂の娘
    -
    言葉による映像美の頂点。鮮やかな記憶の破片、重なるあの日の心情――遠いどこかの街で父親が入院し、母は私と弟を、懇意の美容院に預けて旅立つ。50年代のどこか、夏から秋にかけての数日間を、女ばかりが暮らすその家で過ごす私は、漠然とした不安に発熱する。おびただしい噂話、錯綜する記憶、懐かしい物が織りなす重層的な映像(イマージュ)。時間と感覚を縦横に描く繊細にして強靭な長編。
  • 虹の絆 ハワイ日系人 母の記録
    3.0
    逆境の中、母の笑顔が家族の絆をつないだ。感動ドキュメント! ――真珠湾攻撃によって、ハワイ日系人家族の幸福な日々は覆った。貿易会社を営むシゲキ・フジモトは、収容所へ送られ、私財は接収、妻・キクエは、2人の男児を抱え、妊娠中の身。しかし数々の苦難を、キクエは持ち前の笑顔で乗り切り、3兄弟を育て上げる。母の偉大さ、家族の絆を描く、愛と涙と感動のドキュメント!
  • 『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。
    3.0
    星飛雄馬はカーブを投げられなかった!? 目から鱗の新発見! ――がんこ親父の代名詞ともいえる星飛雄馬の父・一徹は、ちゃぶ台をひっくり返したことは一度もなかった。中日に入団した大リーガー・オズマは、なぜカタカナで喋るのか? 飛雄馬はどこのマンションに住んでいたのか? ……など、名作『巨人の星』に隠されたナゾを、気鋭のデータコラムニスト・ホリイが徹底解明!
  • 自分の顔、相手の顔 自分流を貫く生き方のすすめ
    4.0
    少しは「まとも」でいたい人のために、筋のとおったエッセイ――「失われた10年」を過ぎても、日本人は、人間としてのまっとうな感覚が、こわれたままだ。過度の贅沢や安楽の果てに、わたしたちは、思いもかけぬところに行こうとしているのではないだろうか……。もう一度、確固とした価値観を模索し、よく生きようとする人への、「曽野綾子流考えるヒント」が満載の、辛口エッセイ。
  • 邪馬台洞の研究
    3.6
    「主人公・比夏留の名字“諸星”は諸星大二郎さんからいただいたものです」――作者 「本当です。」――諸星大二郎 女子高生・諸星比夏留(ひかる)は、古武道〈独楽(こま)〉の達人で、民俗学研究会所属の大食い少女だが、部活の仲間たちと、いつも摩訶不思議な事件に巻き込まれる。学校の裏で邪馬台国を探す表題作をはじめ、子供たちが洞窟の中で消失する「人喰い洞の研究」など、今回もめちゃめちゃ笑えるトンデモ伝奇「私立伝奇学園」シリーズ。第2弾
  • お白洲無情
    -
    八州廻りに歪められた理不尽な晩年。大原幽学、無念の生涯――江戸末期、農民に性学の道を説いた大原幽学。貧しい農村を立ち直らせ、多くの道友が集まる。農民たちは協力して教導所「改心楼」を建てるが、その壮観さゆえに関八州取締出役から目をつけられる。事件を捏造され御白洲をたてられた幽学に、理不尽な晩年の日々が待ち受けていた。<『吾、器に過ぎたるか』改題作品>
  • 麝香姫の恋文
    3.0
    本当にもう、バカばっかり……。「退屈」のため息をもらす美貌の女怪盗・麝香姫(じゃこうひめ)に天才(かもしれない)青年探偵・間宮諷四郎が挑戦! 美貌の女盗賊VS.遊民探偵青年! ――近頃、帝都・東京を賑わすのは、「真に美しいものしか狙わない」美貌の女怪盗・麝香姫の噂ばかり。彼女からの予告状(こいぶみ)が舞い込んだ神宮寺家でも、幻の「青い薔薇」が盗み出されるのでは、と戦々恐々。しかし裏には、もっと巨大で黒い陰謀が、隠されていたのだった……。天才探偵・間宮諷四郎との戦いの行方は?
  • 蓬莱洞の研究
    3.6
    高校に入ったらきみも洞窟を探検しよう! 変な学園伝奇小説――高校に入学したばかりの諸星比夏留(ひかる)は、女子ながら古武道〈独楽〉の達人。吹奏楽部に入るつもりだったのに、なぜか奇妙な部活に入部し、不思議な事件に出会う。伝奇、ミステリー、ユーモア、そして学園小説が合体した「私立伝奇学園高等学校民俗学研究会」シリーズ、第1弾! ◎「読んでると、妙に落ち着くキャラクターと一緒に、洞窟探検に出かけてるような気がします。」<はやみねかおる>
  • この愛は石より重いか
    5.0
    僕と彼女が接近すると、空から石が降ってくる!? ――啓太は、野球観戦していたスタジアムで、高校時代の同級生だった美菜子と、偶然、再会する。美しく変貌をとげた彼女にドギマギしていると、突然、空から何かが降ってきた。小石だ。しかしなぜ、二人の頭上から? という表題作ほか、3編を収録。愛とファンタジーと笑いと恐怖が融合する、傑作短編集。<『コールドスリープ』改題作品>
  • アナン、(上)
    4.2
    1~2巻764~806円 (税込)
    その少年は、「進化した人類」なのか。それとも……? 美しく、力強い奇跡の物語――東京に初雪が降った夜、高級料亭のゴミ置き場に、生まれたばかりの赤ん坊が捨てられていた。その子を発見したのは、流(ながれ)という名の記憶喪失のホームレスだった。拾われた赤ん坊は「アナン」と名付けられ、流と仲間たちによって育てられる。やがて、アナンの周囲で不思議な現象が次々と起こるようになる……。<上下巻>
  • Gift
    4.2
    消えた記憶と51億円……俺は一体誰なんだ!? ――病院で目覚めた由紀夫は、みずからの記憶を失っていた。どうやら彼は、消えた51億円の行方を掴んでいるらしく、周囲には、謎の女社長・奈緒美ら、怪しげな面々が……。奈緒美の考案で、頼まれたものは何でも運ぶ「届け屋」となった由紀夫。はたして彼は、失くした過去を取り戻せるか? ミステリータッチで描く、感動のストーリー。
  • 戦場のハローワーク
    3.4
    危険だからこそ行く! 戦争現場を伝える、これは自分の天職だ! ――「そうだ戦争行こう!」……建設会社のサラリーマンを辞め、気鋭の軍事ジャーナリストになった加藤健二郎が贈る、キケンで楽しい転職講座。「北朝鮮にはじめて密入国? その方法は」「チェチェンの反政府ゲリラに気に入られ、バスジャックに同行取材」など、紛争・危険地帯に行かないとわからない、戦場の真実とは? 独自のスクープはどうやってモノにしたか?
  • ピピネラ
    3.3
    夫を捜す旅に出た「私」には、人に言えない秘密がある。誰にだって、そんな秘密はある――「ピピネラ」という不可思議な言葉を残し、夫が姿を消した。上野発の電車で北へ向かったことを知った加奈子は、友人の千紗(ちさ)と彼の足跡を追う。その旅は、夫を捜すだけでなく、加奈子を苦しめる体の変調の原因を探る旅へと発展する。個の存在意義を問いかける、珠玉のエンターテインメント。全面改稿による決定版。
  • お市の方 戦国の凰
    4.0
    信長の妹、浅井三姉妹の母、柴田勝家の妻。戦国一の女性(にょしょう)の気高き生涯――織田信長の妹として生まれ、仇敵へと転じる浅井長政に嫁ぎ、茶々(ちゃちゃ)、初(はつ)、小江(おごう)の三人の娘を守り育て、最後は信長の重臣・柴田勝家の妻となった。明日を約束されない時代で、波乱の生涯を生き抜いた、市(いち)。最後まで「想い」を貫こうとした相手は、誰だったのか? 新たな着想で、戦国随一の女性の真実に迫る歴史小説。
  • 美男忠臣蔵
    -
    死んで元々、美男として散れ。主君・浅野内匠頭(たくみのかみ)の敵討ちを果たした赤穂浪士たちは、武士道に殉じた忠臣なのか、それとも徒党を組んで天下太平の世を乱した重罪人なのか? 柳沢吉保は彼らの処分に思い悩む。五代将軍徳川綱吉と吉保の琴瑟相和(きんしつあいわ)す愛、四十七士の自己愛を通して、まったく新しい忠臣蔵を描く。赤穂浪士はなにゆえ切腹となったのか? 新視点で描く傑作時代小説。
  • 天使と罪の街(上)
    4.1
    悪魔からの挑戦状。探偵ボッシュと猟奇殺人犯の息詰まる頭脳戦。ロス市警刑事の私立探偵ボッシュは、仕事仲間だった友の不審死の真相究明のため調査を開始する。ネヴァダ州の砂漠では多数の埋められた他殺体が見つかり、左遷中のFBI捜査官レイチェルが現地に召致された。これは連続猟奇殺人犯、"詩人(ポエット)"の仕業なのか?そしてボッシュが行き着いた先には…
  • 雪花嫁の殺人 警視庁捜査一課事件簿
    3.0
    警察をも牛耳る政界の黒幕、壬生興之介。その息子で乱行を重ねる道安が殺された。雪の凶行現場には白無垢姿の「花嫁」がいた! 私兵を用いて報復を図る興之介を嘲るように起こる第二、第三の犯行。美しき殺人者の向こうに浮かびあがる、六年前の悲惨な出来事とは? 警視庁捜査一課シリーズ、渾身の第三弾。
  • 摘出
    3.0
    腎移植後、順調に回復していた元新聞記者の容体が急変し死亡した。後輩記者・木村は、不審に思い調査を始める。その頃、劉邦大学の吉岡医師は、殺人の罪に問われるリスクを負いながら、脳死による肝臓移植を行なおうとしていた。二つの移植手術、その背後に隠された秘密に迫る二人! 衝撃の医療サスペンス。
  • 遺稿集
    4.3
    僕はささやきながら彼女の手を強く握りしめた。それから2人はずっと手を離すことはなかった――この一文で絶筆し、42歳の生涯を閉じた「カモちゃん」こと鴨志田穣。彼がアルコール依存症の治療前~がん闘病中に書いた未刊行原稿のすべて。小説「焼き鳥屋修業」はベッドから1枚1枚編集者に原稿用紙を手渡した。
  • 田中角栄研究全記録(上)
    4.0
    きのうまで田中角栄は日本の英雄であった。日中国交回復と列島改造を叫んで華やかに登場してきた男が、実はいま金権政治の元凶として裁かれている。首相の座が金で買われ、政治が金で動かされていった戦後保守支配体制下最大の構造的腐敗の暗部を、厖大な取材データの分析で実証する著者執念の記録。
  • PLAY プレイ
    3.2
    読み始めたら、もうリセットできません!――瀧井朝世(ライター・「王様のブランチ」出演)外科医が、愛するぬいぐるみたちと興じる、秘密の「ごっこ遊び」。怖ろしい罠が待ち受ける「ボード・ゲーム」。引き籠もりたちが、社会復帰のためにと熱中する「隠れ鬼」。自分の家族がそっくりそのまま登場する「RPGゲーム」。4つの奇妙な「遊び」をモチーフにした超絶技巧の、ミステリ・ホラー短編集。
  • 管理職の本分
    3.3
    竹山総理銘柄として強引な営業で業績を伸ばした名門・東都生命は、不良債権問題の風評などで経営が悪化。合併間近の東亜銀行の融資も得られず、更生特例法で外資系生保が受け皿に。管財人室長に抜擢されたエースの友部陽平は、全社員の処遇に心を砕き、関連会社などの売却をめぐって管財人団と対決する。
  • お菓子放浪記
    3.7
    天涯孤独のシゲル少年の心を支えたのは、甘いお菓子への憧憬だった――戦争の敗色濃くなりゆく時代を背景に、過酷な運命を生きる少年の姿を描いた永遠のロングセラー。著者自身が体験した辛苦、絶望の中でも失わなかったささやかな希望を、人間愛の讃歌へと昇華させた感涙の物語。
  • 新装版 彩色江戸切絵図
    -
    退廃が翳を落とす江戸市井の片隅に、人知れず生きる男と女。色と欲、そして仮借ない世相が時にやりきれない犯罪を呼び起こす。残忍な手口で殺された乱暴者の遺体から、意外な犯罪のからくりと、その憐れな動機が浮き彫りになる「大黒屋」など、芳醇な情緒と狂おしい哀感を湛えた傑作時代ミステリー6編。
  • バベルの末裔
    3.8
    人間の意識はどのように生まれるのか? その謎は解明されないまま、PPC(パンパシフィックコンピュータ)社のニューロン型コンピュータに意識が発生した。死者であれモニターを通して永続的にコミュニケートできるという画期的な技術は、開発者の思惑を超えて暴走を始める。近未来サスペンス長編。
  • 明香ちゃんの心臓 東京女子医大病院事件
    3.8
    医師になることを夢見た12歳の少女が、名門病院の心臓手術で命を落とした。手術のデータは改竄され、両親に真実は伝えられなかった――。「よい医療」とは何か。患者側と医療側が互いの溝を埋めるべく歩み寄り、病院改革、医療改革の第1歩を踏み出した、試みと知見の記録。
  • 脳を知りたい!
    3.2
    脳についてあまり知識がなくてもわかりやすく、脳の専門家から見ても正確な内容が書かれていること――このふたつの条件を満たすべく、脳研究の最先端レポートにもかかわらず、専門用語をできるだけ使わずに脳の本質に迫った。誰もが知りたい脳の神秘を、入念な取材を積み上げスリリングで読みやすく解説した名著。
  • 叔父殺人事件 グッドバイ
    4.3
    叔父が死んだ。ネットで呼集された男女4人がワゴン車内で練炭集団自殺を図った。その中に"僕"の叔父の四郎がいた。リーダー格の女性だけが命を取り留めたが意識不明。叔父のふだんの言動から偽装殺人を疑う叔母の厳命で、関係者を調べ始めた"僕"に、黒い影が忍び寄る。※本書は2005年11月に原書房より刊行された『グッドバイ――叔父殺人事件』を文庫化にあたり、改題したものです。
  • 陪審法廷
    3.8
    米国フロリダに住む日本人少年、研一。隣人の少女パメラは、養父からレイプされていることを彼に打ち明ける。彼女を救うため研一は養父に向けて拳銃の引鉄(ひきがね)をひいた……。第一級殺人罪で裁かれる少年は、終身刑か無罪か。陪審員である12人の普通の市民が出した評決は? 国際派作家が描く迫真の法廷サスペンス。(講談社文庫)
  • 李巌と李自成
    3.6
    明朝末期、度重なる戦と凶作、そして苛酷な税に喘ぐ民の負担は限界を超えていた。各地に反乱の烽火が続々と上がる。叛徒を率いる李巌と紅娘子は、四川で反乱勢力を指導する李自成に合流し、厳しい軍規を掲げて明朝打倒の先頭に躍り出た。さらに、明を狙う強大な女真族も南下を始め、時代は大転換へ向け動き出した。
  • 逢わばや見ばや
    5.0
    15歳の少年は、たったひとりで上京し、月島の古本屋の小僧になった。だが孤独ではなかった――「私にとって書物は恋人であり、思想であった」。本の奥深さを知り、時には大人への戸口に佇み、人の心の温かさに触れながら成長していく姿を描く。昭和30年代の庶民の夢と郷愁を刻む、感動と笑いに溢れた自伝小説。(講談社文庫)
  • モンスターズ
    3.0
    この世で一番恐ろしいものは――もう一人の自分。ドッペルゲンガーに出会った男は、身の毛もよだつあることに手を染める(「もう一人の私がもう一人」)。ヒトラーが人体実験を繰り返していた、ナチス・ドイツのオカルト研究施設。ある日、謎の包帯男が潜入するが……(表題作)。ゴージャスな6つの中・短編集。(講談社文庫)
  • バンギャル ア ゴーゴー(1)
    3.7
    1~3巻764円 (税込)
    家にも学校にも居場所がない中学生のえりの心の拠り所は、大好きなヴィジュアル系バンド。札幌のライヴハウスに通い、ノリコとユキの3人でメンバーを「追っかけ」る時だけが「生きてる」気がする。くだらない日常から逃げるように、ライヴハウスの暗闇と轟音(ごうおん)にまぎれる少女たち。女の子青春文学の金字塔! (講談社文庫 )
  • 自殺のサインを読みとる 改訂版
    -
    1年に3万人以上の人間が自殺で亡くなっている。しかし「死の意志が固まっている人」はいない。周囲の人間が気を遣えば自殺は予防できるのだ。性格や体験などから発する「自殺のサイン」はどう発見すればよいのか。背後に隠れる心の病を見つける方法と治療を、第1章を最新の知見で全面的に改訂して解説。(講談社文庫)
  • 藤田嗣治「異邦人」の生涯
    4.2
    ピカソ、モディリアニ、マチス…世界中の画家が集まる1920年代のパリ。その中心には日本人・藤田嗣治の姿があった。作品は喝采を浴び、時代の寵児となるフジタ。だが、日本での評価は異なっていた。世界と日本の間で、歴史の荒波の中で苦悩する巨匠の真実。第34回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。(講談社文庫)
  • 翳りゆく夏
    3.9
    「誘拐犯の娘が新聞社の記者に内定」。週刊誌のスクープ記事をきっかけに、大手新聞社が、20年前の新生児誘拐事件の再調査を開始する。社命を受けた窓際社員の梶は、犯人の周辺、被害者、当時の担当刑事や病院関係者への取材を重ね、ついに“封印されていた真実”をつきとめる。第49回江戸川乱歩賞受賞作。(講談社文庫)
  • 村を助くは誰ぞ
    4.3
    尾張が美濃に攻め寄せるという。軍勢が村へ入れば村人たちには生き死にの大問題だ。オトナ衆の次郎衛門は戦火から村を守るため、織田勢から自軍の乱妨と略奪を禁止する命令書をとりつけようとするが……。戦乱の中で奔走する村人たちの、たくましさとせつなさを描いた表題作を始め、全6本の粒ぞろい歴史短編集。※本書は、2004年12月に新人物往来社より刊行されたものを文庫化にあたり加筆修正したものです。
  • 竹千代を盗め
    -
    駿府の今川家の人質となっている松平元康(もとやす)の子・竹千代と奥方らを救い出す依頼が、甲賀の忍びの頭目・伴与七郎(ばんよしちろう)に舞いこんだ。綿密な算盤(そろばん)をはじき、銭四百貫文で商談は成立したのだが、乗り込んだ駿府で予期せぬ困難が続出する。窮地に追い込まれた与七郎は、甲賀に伝わる「大きな瓶(かめ)」の話に光明を見出した。(講談社文庫)
  • 緋色の空
    -
    つけ火のせいで左腕に火傷を負い大工の夢を捨てた清吉は、自棄になって喧嘩を売った香具師(やし)の親分に叩きのめされ、そのまま香具師として生きることに。跡目相続をめぐる疑惑、対立する一家との抗争、親分の息子の失踪、幼馴染みのおとし、与助との強い絆。清吉は一度はあきらめかけた人生に再び全身で立ち向かう。(講談社文庫)
  • 艶女犬草紙
    3.7
    文政年間の大坂。武士を捨て貸本屋泰平堂(たいへいどう)を営む町之介(まちのすけ)は、犬が縁で下宿(したやど)の若女将(わかおかみ)リサと愛しあう仲になる。町之介は魚屋の多助と共に「犬の口入屋(くちいれや)」を始めて評判となるが、それがきっかけで父の仇(かたき)の豪商・石田屋と手を組むはめに。ところが街に謎の「犬さらい」が現れて!? 色と欲を大胆に描く、書下ろし時代小説。(講談社文庫)
  • 総門谷R 白骨篇
    4.0
    失魂の仲間と殺し合う超伝奇シリーズ哀切の新展開。無残に踏み殺された聆雲(りょううん)の仇を討つべく、総門谷のある早池峰山(はやちねさん)に向かった和気諒(わけのあきら)たち。そこで出会ったのは、冥界の王によって肉体のみを甦らせられた聆雲だった。魂を失い魔童児となった仲間が、白骨女となった怨魔シバとともに諒たちを襲う。ベストセラー作家が放つ伝奇SFの傑作シリーズ、哀切の第4幕。(講談社文庫)
  • ベストセラー殺人事件
    3.0
    出版界の裏のウラまでよくわかる読者必読の業界ミステリー!! 推理作家・朝比奈耕作の担当になった美人編集者の恩田沙英。だが彼女の周囲では6人のベストセラー作家が謎の失踪を遂げていた。その沙英が朝比奈を招いた山荘は悪魔の館。そこには彼女が採集した人体標本箱が飾ってあったのだ。第7の標本となる前に、朝比奈は館から脱出できるのか? ※「私の標本箱」改題(講談社文庫)
  • 火のみち(上)
    4.2
    1~2巻764~785円 (税込)
    父が戦死し、戦後満州から引き揚げてきたどん底の生活の中で母まで亡くした南部次郎は、わずかな葬式費用の形に幼い妹を連れ去ろうとする男を撲殺してしまう。きょうだいは離散し服役中も渦巻く憤怒を抑える術すら知らない次郎は備前焼と出会い、ひたすら土を練ることで、ようやく心が鎮まっていく――。(講談社文庫)
  • 蝕みの果実
    -
    米国スポーツ社会に生きる日本人の壮絶な闘い方と苦悩を描く7篇。セミ・ファイナルに名を借りた“私刑(リンチ)”の開始ゴングは鳴った。だが、負け犬にも魂がある……。アメリカ・スポーツ社会の片隅で孤高の闘いを続ける日本人たち。彼らの壮絶な生き方と苦悩をダイナミックに描くハードボイルド小説集。冒険小説の第一人者が10年間の日米関係の変遷をも浮き彫りにする渾身の7篇。(講談社文庫)
  • キマイラの新しい城
    3.8
    「わが死の謎を解ける魔術師を呼べ」フランスの古城を移築後、中世の騎士として振舞い始めた江里。750年前の死の真相を探れ、という彼の奇想天外な依頼で古城を訪れた石動戯作(いするぎぎさく)は、殺人事件に遭遇する。嫌疑をかけられた江里が向かった先は……。ミステリの枠に留まらない知的エンタテインメントの傑作! (講談社文庫)
  • 不知火海
    3.3
    浅見光彦、謎の光芒と髑髏(どくろ)を追い九州へ。人目を避け暮らしていた男が消え、美人モデルが続いて消息を絶った。男が隣人に託した桐箱には、黒い石をかみしめた髑髏が。のこされた言葉「不知火(しらぬい)」を追い、浅見光彦は九州・八代(やつしろ)に向かう。かつての炭坑町に秘められた、20数年前の血塗られた事件の真相とは。壮大に叙情豊かに描く文芸ミステリー。(講談社文庫)
  • 夕焼け小焼けで陽が昇る
    3.5
    西洋の美味に憧れ鶏で試みた和製フォアグラ、「馬抜き流鏑馬」「競鶏」ほか珍奇なゲーム開発競争、自然界の蛋白源を用いた保存食作り。寝食を忘れ、精魂を傾け、知恵を絞り尽くして次々にクリエイトする馬鹿馬鹿しくも真剣な遊びの数々。昭和30年代の福島・阿武隈山地を舞台に描く笑いと涙の自伝的小説。(講談社文庫)
  • コンピュータの熱い罠
    3.5
    相性診断によって男女を引き合わせるコンピュータ結婚相談所。オペレータの夏村絵里子は、恋人の名前を登録者リストに見つけて愕然とする。「何かがおかしい」彼のデータを見直し、不審を抱いた絵里子を、正体不明の悪意が捕らえる。まずは兄嫁のデータを見たいと相談所を訪れた女性が謎の死を遂げ、それは連続殺人事件に発展。恐怖に引きずり込まれた絵里子は……。まだPCもあまり普及していなかった1986年に書かれたとは思えない。コンピュータや情報に関わる事件の先見性にも驚愕。(講談社文庫)
  • 増補版 三度目ならばABC
    3.5
    1984年に刊行された『三度目ならばABC』に、幻の未収録作品「はい、チーズ!」を加え、2011年に増補版が刊行された。ミステリーの様々なアイデア&トリックに溢れた、「ミステリーのお手本」。収録作「三度目ならばABC」「電話だけが知っている」「三人の夫を持つ亜矢子」「七人の容疑者」「十番館の殺人」「プールの底に花一輪」「はい、チーズ!」(講談社文庫)
  • 極限推理コロシアム
    3.2
    夏の館と冬の館に強制的に集められた男女に「主催者」は命じる。「今から起きる殺人事件の犯人を当てよ」。被害者は彼らの中から選ばれていき、しかも、もう一つの館より早く犯人を当てなければならない。不正解の代償は館に残る全員の「死」――。第30回メフィスト賞受賞作品。(講談社文庫)
  • 亡国のイージス(上)
    4.1
    在日米軍基地で発生した未曾有(みぞう)の惨事。最新のシステム護衛艦《いそかぜ》は、真相をめぐる国家間の策謀にまきこまれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を見失った《楯(イージス)》が、日本にもたらす恐怖とは。日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞をトリプル受賞した長編海洋冒険小説の傑作。(講談社文庫)
  • タイムスリップ明治維新
    3.6
    歴史は動くのか。渋谷の女子高生・麓(ふもと)うららは、幕末にタイムスリップしてしまった。時代を我がものにしようとたくらむ、小栗上野介によってゆがめられた歴史を、正しく進めなければ現代に戻れない。うららは、桂小五郎や坂本竜馬、西郷隆盛、勝海舟の間を奔走し明治維新を目指す。『タイムスリップ森鴎外』に続く第2弾。(講談社文庫)
  • タイムスリップ森鴎外
    3.9
    何者かに殺されかけ、大正11年から現代の渋谷にタイムスリップしてしまった、明治の文豪・森鴎外。道玄坂で若者に袋叩きにされているところを女子高生・うららに助けられる。彼女の友人達の助けを借り、元の世界に帰る方法を探るうちに、文学史上の大疑問に突き当たり、鴎外を狙う意外な犯人の名が浮かぶ。(講談社文庫)
  • 人間 井深大
    4.5
    日本の代表的メーカーSONYの創業者・井深大の人生を家系の源流にまでさかのぼり、その率直で飾らない人柄、会社においての人材の活かし方などを多くの証言から構成。SONY経営とともに生涯をかけて取り組んだ障害者支援や幼児教育など、科学万能主義と決別し人間性にスポットをあてる「パラダイムシフト」を重視した井深大の「経済人」としての側面だけでなく「人間」としての在り方、生き方を描き出す。(講談社文庫)
  • 名将がいて、愚者がいた
    4.2
    天下取りの好機に謙信と信長がみせた決定的な違いとは? 自ら家康の捨て石となる道を選んだ鳥居元忠が子孫に残したものは? 保科正之と水野忠邦の器量の差は? 直江兼続の品格とは? 戦国武将から幕末の志士まで、公平な史観に信頼ある著者による人物評が満載。歴史上の傑物たちの明暗を分けたのものは何か? 人物の真価は歴史の分岐点で問われる! 戦国、江戸、幕末。明快なる歴史人物列伝。(講談社文庫)
  • 新装版 懲戒解雇
    4.0
    旧財閥系の合繊大手トーヨー化成で中堅の筆頭株と自他共に認める森雄造は、常務の川井が主張する拡大強硬路線を批判した。その後、川井の不正を指弾する投書が社長宛に届く。森の仕業だと勝手に決めつけた川井は、手下に彼の粗探しを命じ懲戒解雇に追い込もうとするが……。勇気あふれる企業小説の傑作。(講談社文庫)
  • 猫間地獄のわらべ歌
    3.7
    江戸の下屋敷におわす藩主の愛妾和泉ノ方(あいしょういずみのかた)。閉ざされた書物蔵で御広敷番(おひろしきばん)が絶命した。不祥事をおそれた和泉ノ方は“密室破り”を我らに命じる。一方、利権を握る銀山奉行の横暴に手を焼いている国許(くにもと)では、ぶきみなわらべ歌どおりに殺しが続くと囁かれ……!? 大胆不敵なミステリ時代小説、ここに誕生!<文庫書下ろし> (講談社文庫)
  • 刻謎宮(1) 彷徨篇
    3.8
    ミケーネ遺跡の王墓を発掘中にシュリーマンが目にしたもの――それは十二年前に幕末の横浜で、自らが勝海舟に贈った金時計だった。歴史を歪めた“犯人”を探るため、“管理センター”は新選組の沖田総司を蘇生させ、古代ギリシァに向かわせた。ギリシァ神話と明治維新、奇跡のコラボレーション・ファンタジー。
  • 新装版 バンダルの塔
    3.3
    日本の技術力を結集してイランの砂漠に巨大石油化学プラントを建設する――。IJPCの現場に立つ山中を待ち受けていたのは、想像を絶する炎暑、民族性の違い、オイルショックによる経済の混乱、そしてイスラム革命……。次々と襲いかかる困難に立ち向かった男達の栄光と挫折。経済ドキュメント小説の金字塔。
  • 二重奏
    3.8
    18歳の香子は、「人の死を予知してしまう」不思議な能力の持ち主。両親の死後、その能力を封じ込めようと入院させられていたが、ある雨の夜、自力で脱出!そのときから「新しい運命の扉」が開いた!幽霊と知り合い、不幸な予感が次々と現実となっていく中で、傷ついた空っぽな心にも変化が生まれて……。
  • マッチメイク
    3.8
    プロレス団体の総帥ダリウス佐々木が対戦直後に急死した。額の傷からは蛇毒が。大観衆の見つめる中、何が起こったのか?新人レスラー山田聡は同期の本庄と謎を追い始めるが、それが第2の悲劇を生む。プロレスに全てを懸けた者が決して許せなかったこととは?感涙がとまらない第49回江戸川乱歩賞受賞作。
  • ざぶん 文士温泉放蕩録
    4.0
    日本の近代文学は湯ぶねの中から生まれた。東に締め切りから逃げてくる先生あれば、西に世を忍び不倫に走る作家あり。温泉は時に彼らを癒し、時に虜にする。夏目漱石、森鴎外から川端康成まで。知られざるエピソードを混じえながら、古き良き時代の温泉とそこに遊ぶ文士たちの交流を描く、異色温泉小説。
  • 京都七不思議の真実
    3.5
    醍醐寺、伏見城、龍安寺……、方位アドバイザー艮七星はTV番組で「京都の七不思議」を独自に選定し、その謎に迫る。だが、アシスタントの詩織が艮の陰に踏み込もうとすると、不吉な殺人事件が起こるのだった。北斗七星の呪術が現代人の怨念を呼び覚ますのか?もうひとつの京都が見える斬新ミステリー。
  • からくり乱れ蝶
    3.0
    幕末、甲斐の侠客・竹居の吃安の娘お冴えは売り出し中の若親分・黒駒の勝蔵と愛しあうが、吃安が獄死し一家は離散する。女壺振りに身を変えたお冴えは、清水の次郎長と抗争を続ける勝蔵を助けるため次郎長に近づくが、逆に惚れ込まれて後添いに……。二代目お蝶の短くも鮮烈な生き様を描く傑作時代小説。
  • 奴の小万と呼ばれた女
    4.0
    身の丈六尺近い、雪のように肌の白い〈奴の小万〉は、愛しい男を守るためなら、角材を手にしてでも大立ち回りに走る。大阪屈指の豪商の娘でありながら、「せっかくこの世に生まれたからには、くわっと熱くなる思いがしてみたい」と、型破りの生き方を貫く。歌舞伎にも登場する痛快な女侠客の実像を初めて描く!
  • 誰かがこの町で
    値引きあり
    3.9
    江戸川乱歩賞作家が「地域の同調圧力」をテーマに描いた衝撃作。 ゾクゾクが止まらない、読む前には戻れないミステリー! 高級住宅街の恐ろしい秘密。住民たちが隠し続けてきた驚愕の真実とは? 人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。 やがて誰も理由を知らない村八分が行われ、誰も指示していない犯罪が起きる。 外界から隔絶された町で、19年前に何が起きたのか。 いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない惨劇の根源を追うサスペンス!
  • 軽井沢物語
    -
    娯楽を人に求めずして自然に求めよ。軽井沢のスローガンに初期の避暑客だった外国人の考え方が色濃く出ている。明治19年宣教師の来訪で幕をあけ、尾崎行雄が恋をし、堤康次郎が巨富を築き、明仁皇太子が思い出を作った。近代化と国際化の縮図だった軽井沢で、華麗な近現代の主人公たちが綾なす歴史を発掘。
  • 長勝院の萩(上)
    5.0
    今川氏の質子として忍苦の青春を送る松平元信(家康)は、流芸人おちいの翳りある美貌に魅せられる。桶狭間の戦を機に家康は独立を果し、おちいはお万の方とよばれる側室に。だが、そこには正室築山殿との凄絶な女の戦が待っていた……。家康の愛妾お万の愛と性の修羅を濃密艶冶に描く長編力作。
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    3.6
    ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた衝撃作! 深海魚 Secret Sanctuary 高校生の真央は友だちも彼氏もいないうえ、クラスメイトからいじめられていた。そんな真央が安息を得られるのは押入れの中だけだった。真っ暗にすると「海の底」のようで……。 楽園の破片 A Piece of Paradise ニューヨーク発の急行列車は遅れていた。ボストン美術館での講演会でスピーチをする予定の響子は焦る。もうひとりの話者のレイとは7年間の不倫関係を清算したばかりだった。 指 Touch 私は私大の日本美術史博士課程の2年生。家庭を持つ彼の研究室で助手をしている。ある週末に奈良の室生寺を訪れ、ずっと手をつないでいる私たちは、どう見ても不倫カップルだ。 キアーラ Chiara アッシジには10年ぶりの再訪だった。亜季は文化財の修復科のある芸術大学を休学して20歳で渡伊し、長年フレスコ画修復の修業をしていたところ、中部の大地震に見舞われ……。 オフィーリア Ophelia わたくしは絵の中の囚われ人。水に浸ってあとひと息で命が絶えるその瞬間を、生き続けています。ロンドンから日本へ連れて来られたわたくしが目撃した、残虐な復讐とは……。 向日葵(ひまわり)奇譚 Strange Sunflower 超売れっ子の役者・山埜祥哉の舞台の脚本を書きたくて、脚本家の私は、ゴッホが主人公の脚本を完成させる。が、脚本が仕上がった直後に、ゴッホらしき人物の奇妙な写真を入手して……。
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  • 現代生活独習ノート
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    「リフレッシュ休暇をもらったが、もはや私にはリフレッシュする気力自体が残っていなかったのだった。」 入社希望の学生のSNSチェックに疲れ果てた会社員。代々続く母と娘の台所戦争。遅れても許せてしまうことが美点のロバによる配送サービス……。膨大な情報の摂取と判断に疲れてしまった現代人の生活に寄り添うやさしさと、明日を生きるための元気をくれるユーモア満載! 味気ない日々をゆるゆると肯定し、現代人の張りつめた心をゆるめる短編集。 「もう何もしたくないという切実な本音に寄り添ってくれる稀有な小説」――金原ひとみ 本屋大賞2位『水車小屋のネネ』、Xで何度もバズった芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』など、 書店&SNSで話題を集める著者による、「脱力系」日常譚の真骨頂!
  • 夢の痕 古道具屋 皆塵堂
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    古道具屋皆塵堂は、小僧の峰吉で回っている。自在な客あしらい、目利きの確かさ、道具の修繕は職人並みの腕前、と釣り好きで店になかなかいない店主の伊平次に代わって、皆塵堂を切り回している。曰くつきの古道具を手に入れても、峰吉は幽霊を見ないから平気だ。向かいの油屋の小僧参太は、峰吉と違い、幽霊が見える。よその店の古道具の憑きものを見ては、いつも震えさせられている。 それが悔しくてたまらない参太は、一度くらい峰吉に幽霊を見せて、震え上がる姿を見てみたいと思う。幽霊話を仕入れては、峰吉に幽霊を見せようとするが、実際に見て怖い思いをするのはいつも参太ばかり。 そんな参太をご隠居の清左衛門たちも応援にまわる。大人の巳之助、茂蔵、円九郎がとっておきの幽霊話を引っさげ、峰吉に怖い思いをさせる刺客としてやってくるのだが……。 参太のまわりに集まってくるのは、夢がらみの幽霊譚。 夢はお告げか、誰かが救いを求める声か? 職人のじいさんが隠した櫛が気になって成仏できないばあさん。隠し先を峰吉は見破ろうとするが? 二階からあるいは草むらから自分の姿も見える夢を見る菊次郎、誰が夢を見せようとしているのか?  幸ちゃんとしか覚えていない幼なじみの夢を見る円九郎。やっと町名を思いだした円九郎は、峰吉と向かうが、蕎麦打ちに行き詰まり、首を吊ろうとしていた男と出くわした。 ……などなど。他人の夢の話はつまらない、とうそぶきながらも、峰吉は、夢の謎を解く鍵を見つけていく。 皆が期待する峰吉が震え上がる日は来るのか?

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