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後醍醐天皇一行を追って私も京都へ向うことにする――。南北朝の動乱期から一向一揆、武田信玄をはじめとする武将の登場、奥州の伊達政宗と、天下統一の秀吉の生と死。いにしえの英雄たちはどのように戦国の舞台を俯瞰していたのか。地図、年表を手に歴史の現場を歩いた、著者渾身の人気エッセイ完結編。
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Posted by ブクログ
鉄道を利用する際の表現「東京発午前7時00分発の新幹線で出かけ」など正時も00分、その他もきっちり分単位で書き記されているのが鉄道ファンとして嬉しい。戦国時代に入り、年代順の紀行が難しくなったというのもよくわかる。山城の跡を訪れるが、石垣の遺構は少なく、後の一国一城令により廃城になった場所が多く、著...続きを読む者の苦労が察せられる。あとがきでは、加齢による体力の限界からシリーズ終了が告白されたのを見るにつけ寂しく思う。2000年に刊行された本書のわずか3年後に鬼籍に入られたことを予言するかのようだった。
「古代史紀行」「平安鎌倉史紀行」と続く、鉄道紀行作家・宮脇俊三の歴史紀行3冊目。本シリーズの最終巻であると共に、氏のほぼ最後の作品となっています。 史跡を年代順に愚直に辿っていくその真摯な姿勢は、最後までゆるぎなく一貫しており、歴史読本としても旅行記としても充分に読みがいがあります。ただ、「古代史...続きを読む紀行」辺りと比べてしまうと、やはり筆力の衰えを感じないわけにはいきません。 現地に行ってみてこその独特の観察眼や、名も残せぬ民衆達へ寄せる思い。そういった氏の「味」が徐々に消え失せ、史跡の説明版の丸写しやタクシー(果ては読者の自家用車まで)の多用といった安直さが目に付くようになります。 そして関ヶ原。脚力の衰えにより登れなくなってしまった石段を見上げた時に、はっきり自覚してしまった己の限界。ぷつりと途切れる文章。 正直、どんな歴史的大事件よりも僕の胸を打ったのは、しぼり出すように書かれたあとがきでした。巨匠が自ら筆を置いた瞬間。およそ2年の後、氏は戻る事のない旅に出ました。 作品としての評価もさることながら、宮脇俊三の一ファンとして大切に持っておきたい1冊です。
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