無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
私たちは酷い目に遭っても、ブチギレて薪を割る一方で、弱いものからは搾取しないし、下の世代が自分よりさらにひどい苦境に立たされているのをみると、憐れみではなく死に物狂いで宝石箱を託す。
「死ぬまでに一回でいい。強い感情に突き動かされて、後先考えず行動して、失敗してみたかった」
これができるのが、最も恵まれた境遇なんだ。
柚木麻子の女たちが本当に好きなのは、彼女たちがしたたかで逞しくて、judgyであり、それはすなわち価値判断する価値基準を育んできた人生なんだと裏付けるから。
そして、社会や時代というジャングルを個人がサバイブする世界観であること。世界の側に因果はなくて、単にそんな海の中を泳げるように泳げという個人主義は、構造が悪いと言うよりも承知している点で温かみがあるなあ。でもその海は冷たすぎる涙涙
Posted by ブクログ
2026.48
小説は時代をうつすと聞いたことがあるけど
この作品を読んで本当にそうだなと思った
過去であり現在であり未来だった
第5章の散りばめられた言葉たちが
小さな炎のように見えた
いいなあ、今読んで良かったなあ
====
P75 「私、怖いんですよ、もし、動けなくなったら、私どうなるんだろう」
P155 「大丈夫だよ。オール・ノットの真珠にすれば。あんたみたいながさつな子も。これは絶対に切れない、そういうつなぎ方をしているんだよ」〜「え、オール・ノットって、全部ダメだって意味じゃなかったつけ?」「それはall not だよ。このつなぎ方はall knot ね。あとall notは全部ダメって意味もあるけど、全部ダメってわけでもない、っていう意味もあるんだよ。そうだよ。全部ダメってわけじゃないんだよ。なにごとも」
P276 今年で四十歳になった。奨学金はあと半年で返し終わる。近隣諸国との関係悪化から防衛費が増大した分、文教および科学振興費は激減している。少子高齢化の影響もあって、大学が次々に廃校して全人時代がやってきたものの、授業料無償化には未だ至っていない。
P295 自分が同じ立場になったからわかる。下の世代が自分よりさらにひどい苦境に立たされているのを見ると、腹の底から湧いてくる感情は、憐れみではない。この国への怒りなのだ。
Posted by ブクログ
一回失敗したらアウト、親ガチャで人生が決まる――そんなふうに思われがちな日本社会で、「いや違う」とこの作品は語りかけてくる。まだ遅くない、選べる。失敗してもいい、傷ついてもいい。それでも、自分の人生を他人任せにはしない。これは、そんなふうに生きようとする女性たちの物語だった。
人生は理不尽で、心に傷を負ったり、後悔や諦めを抱えながら生きている人もいる。「もう無理」と思っていた登場人物たちは、人との出会いやふとした衝動をきっかけに、少しずつ変わっていく。
ここでのテーマは、失ったものがあっても別の何かを手にしながら生きていけるという事だと思う。それはさまざまな人間関係の結び目(knot)がつながって、人から人へと受け継がれていくことで生まれるもの。登場人物たちは自分一人の力で人生を変えたわけではない。人との出会いが人生を動かし、その人がまた別の誰かに手を差し伸べていく。読み終えて、人との出会いはやはり大切なのだと改めて感じた。
自分で変わりたいという衝動はもちろん必要だけれど、そっと手を差し伸べてくれる人がいないとなかなか踏み出せないもの。私も頑張って生きている人たちにそっと手作りのビーフティーを差し出せる人になりたいと思った。
ただ、第二章は正直かなり散らかっていて読みにくい。登場人物も多く、全体の焦点がつかみにくい。これは意図的だと思うので、挫折しないで頑張って読み続けてほしい。ここではミャーコさんのくだらない話にいつまでも付き合わされるが、真央も「自分が最短で見つけた情報よりも、彼女の無駄ばかりの人生の方が悔しいが、面白い。」と後で語っている。くだらない、時間の無駄と思った事が、実はいい経験だったなと思える事があるかもしれない。
最後まで読むと全体がつながってくる。ラストは地味だが、静かに心が温まる余韻を残してくれた。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
少年・青年マンガ
小説・文芸
小説・文芸
試し読み
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸