書店員のおすすめ
男に媚びない、というポリシーで活動してきた5人組女子アイドルグループ「デートクレンジング」。
彼女たちが解散した後、その女性マネージャー・実花が婚活にチャレンジする様子を、親友の既婚者・佐知子の目線から描いたストーリー。
結婚に対する社会的な風潮への疑問視が、きれいごとではなく自然な流れで描かれていて安心しました。
特に、ジェンダー的な目線でアイドルを運営してたことを誇りに思っていた実花が、婚活市場では男ウケを狙わないといけないというジレンマに翻弄されていく場面は本当に胸が痛くなりました。
そして同じように、「独身の女性と、先に結婚してしまった女性の友情は本当に続くのか」というテーマも、身近に感じている悩みだったので、登場人物たちの一緒に悩むことができて、救われた気持ちになりました。
そして、作中に登場するアイドルたちのその後の人生も素敵です。
アイドルのファンである著者だからこそ描ける、祈りのような理想に、しみじみと感動しました。
何かを必死で応援したことがある、悩める女性たちに読んでほしい一冊です。