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オタクやヘンタイに続き、世界に誇るニッポン原産種HIKIKOMORI(ひきこもり)が、 コロナ禍で立場逆転、時代の最先端に。 世界中がひきこもる中、その道のプロである著者が時に鋭く本質を突き、 時に笑いと愛を込めてひきこもりを語り倒す60編。 文芸サイト・treeで評判を呼んだ連載を書籍化!<文庫オリジナル>
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Posted by ブクログ
ところどころでこの頃懐かしいなーと思いつつ突然吹き出してしまったりクスクスと笑ったりしつつ、頷ける所もあって読み終わったらなんだか少し元気になれました。めちゃくちゃゆるい自己啓発本だと思います。
知識が豊富で(マンガ、アニメ、ゲームが多い)頭いいのね、と思う。マニアックすぎて例えの半分以上はわからないけど笑える。「タタラ場」とかはまあなんとなくで読める。「江田島平八」はググッた。 同時に、笑わせようというサービス精神に隠れてヒリヒリするような孤独と疎外感も。それがひきこもっていてもいなくて...続きを読むも消えない、というのだから苦しい。 物書きとは自分を晒す行為だ。自分にはできなくてもカレー沢がそれをしてくれることで、救われたり楽になったりする人間が自分以外にもいると思う。
某ウイルスによる外出自粛が少し緩くなった辺りに連載されていた「ひきこもり」に関するコラムをまとめた本。 著者自身ひきこもりらしく、その生態やトリセツに加え社会背景から経済問題などシビアな内容に触れているのだが弁の立つ著者の言葉選びや例えが面白おかしくとても読みやすかった。 定義はあるにしろ一概にひ...続きを読むきこもりといってもライト層から本物まで幅広いのだと知った。 ひきこもりはどうしても社会的にネガティブな印象を拭えないし実際深刻な問題を抱えている家庭も多い。 適材適所という言葉があるように心身の安寧を守るための場所を選ぶのは自分自身でありそれが許される社会であって欲しいと思った。 私自身今はかろうじて社会に出ているが、ひきこもり予備軍の自覚があるのでとても他人事とは思えず未来の自分の姿を想像し読後背筋が冷たくなった。
カレー沢薫氏は、一日に68時間くらいTwitterをしている自称「引きこもり」である。私が氏のファンなのはその卓越した文章力と表現力にあるが、何よりも同じ属性だからだろう。すみっこが落ち着き、昼間でもカーテンを閉めていても平気で、外出が何よりも嫌いな性分だ。 本書はどうもコロナ禍で「引きこもり」が市...続きを読む民権を得たらしいという切り口から始まるコラムである。ここで言う「引きこもり」の定義は会社に行きながらも社会に溶け込めない、所謂本気で困って行政に相談する程度ではない人を指す。ただ、本の主軸として「引きこもり」が挙げられているので本当に悩む「引きこもり」も時にコラムのテーマになっており混乱する。ここはブレずに、引きこもり(と言うより引っ込み思案)高レベルの氏が手引書を書く勢いでいって欲しかった。
当事者からの貴重な話はとても興味深かったです。ひきこもりを解決するというよりは、自分の生き方は自分で肯定する話に近いような気がしました。 当事者によっては、社会に迷惑かけないためにも自宅で過ごす話に妙に納得してしまいました。 社会がもう少し余裕があれば、誰しもが生きやすくなるのかもしれないなと思い...続きを読むました。
◾️record memo 人間は言わば、家の外(社会)という陸と、家の中という海を行き来して暮らす半魚人である。ひきこもりというのは極めて魚(ぎょ)に近い生物である、だから家の中では快適に暮らせ、外に出すと苦しみだすのだ。よってひきこもりは出来るだけ家の中で暮らすのが生物学上正しい生き方である。...続きを読むつまり、ひきこもりに対して「もっと外出た方がいいよ」と言うのは、魚を「陸の方が楽しいから」と水槽の外に出すぐらい頭の悪い行為なので、小学校低学年以上になったらするべきではない。 すごく辛いが、定義に当てはまってないから問題として認識しないというのは「内臓が破裂しているような気がするが、熱が36.2度なので出社する」のと変わらない。自分の状況やコンディションというのは一般的な数字ではなく「内臓が破裂しているような気がする」という自分の感覚基準で判断した方が良い。周囲もたとえ平熱でも本人が「内臓が破裂しているかもしれない」と言って来たら、そちらを重視すべきである。 よってどれだけくだらないことでも相手がそれで悩んでいるというなら、まずそれを否定しないことが大事である。 しかし「会社は万病の元説」は昔からあった。健康になりたいなら酒やタバコなんぞを止めるよりまず会社を辞めた方が良い。そもそも会社のストレスで、ストロングゼロを静脈に直接打つ勢いで痛飲している人間だって大勢いるのである。 しかし諸悪の根源である会社を辞めると、今度は経済不安によるストレスや、飯が食えなくなるという物理で健康を害してしまうという、狂っているとしか思えないシステムを人間自ら作り出してしまったため、我々はデフォルトでちょっと病(ビョウ)であり、大人になると調子が良い日というのが基本的にない。もちろん体に悪いのは会社だけではない。人によっては学校も悪いし、PTAや自治会の集まりなども相当悪い。つまり「社会」、そして「他人」は体に悪いのである。 ひきこもりは、陸という社会より家の中という水の中の方が快適に生きられる生き物である。しかし、一生水から出ないということも不可能なのだ。たまには陸に上がって肺を鍛えておくことも、ひきこもりには大事なのである。 つまり孤独というのは、人間の脳みそを液状化して鼻から出させる力があるので、孤独にやられた人間は著しく知能と倫理観がなくなり、他人に迷惑をかけ、己の首を絞め、時には金すら失うような行為をさせてしまうのである。 その点、ひきこもりはパートナーが不在で寂しがるどころか「今日は帰らない」と言われるや否や、全裸になって全身にスパンコールをまぶし始める。それはそれで知能が下がっているような気がするが、テンションは上がっており「今夜のソロパーティーナイトをどうすごそうか」と、両手にスマホとニンテンドースイッチ、股間にリングフィットアドベンチャー状態になるので「寂しい」などと言って、マッチングアプリを立ち上げることはまずないのだ。「孤独」を「自由」というポジティブなものと捉えられるのはひきこもりの長所といえよう。 職場での会話など、要件が無事伝えられれば100点なはずである。そこに「オフっ」とか「ファっ」などの奇声を入れてしまい、85点ぐらいに減点されたとしても十分上出来の部類だ。ホンモノのコミュ症というのは、まず伝えなければいけないことすら伝えられないものだ。 しかし、家に帰って思い出すのは「15点の失点」だけで、85点取れたという部分には全く目を向けないので「今日の自分の発言はマイナス15点」となってしまい、俺はなんてコミュ症なのだ、と思い込んでしまうのだ。 このように、タタラ湯で生きづらさを感じている人間の中には、一日の終わりに「今日タタラ湯であった嫌なこと」だけを思い出して、何度も反芻しているタイプが一定数いる。本当に外で嫌なことしかないなら仕方がないが、楽しいこともあったのに嫌なことだけ思い出していたら、「外に向いてない」となってしまうのは当たり前である。もし、苦痛で仕方がないが外で生きざるを得ないという人は、まず外であった嫌なことを「思い出さない」ことから始めてみてはどうだろうか。そして万が一楽しいことがあったなら、そっちを味がなくなるまで、どころか、消滅するまで嚙み続けてみよう。 私が会社を辞めてひきこもり、丸3年外の世界や他人と関わりがなくても「孤独」を大して感じてないのは「孤独に強い」からではなく「一人でもやることがある」からな気がする。 今のご時世、ソシャゲを3つぐらい同時進行していたら「やることがない」などということは滅多にないし、去年からここに「桃鉄」が入ってきたため、もはやキャリアウーマンと言っていいほど忙しい。もしキャリアウーマンが孤独を感じるとしたら、「アタシってば仕事ばっかりして、気づけば婚期を逃しカレシもいない……」などという時ではなく、「久々の休みなのに意外とやることねー!」という時であり「待ってたぜこの時をよお!」と、シン・エヴァンゲリオンを一人で見に行くキャリアウーマンは孤独を感じていない気がする。 よって孤独を感じた時、その正体はただの「暇」かもしれないので、無理に人との繋がりを求め、マルチと不倫に定評があるテニサーに入ったり、元カレに「何してる」とLINEを送って股をドルチェ&ガッバーナする前に、「一人焼肉」などやってみてはどうだろうか。ソロ焼肉は忙しく、あれで孤独を感じられるのは井之頭五郎ぐらいのものである。あと単純に「腹が減っている」というのも、孤独の原因だったりする。 この考え方は家計にも応用できる。今の生活を見直し、生活のために必要な出費と、豊かな心のために絶対に必要な出費だけを残すことにより、家計もミニマム化できるのだ。 ただ他人とのコミュニケーションや人間関係は大事だが、全てが大事というわけではない。 一回しか使っていないサブスクに500円払い続けているのと同じように、どうでもよい付き合いに出費をし続けている場合も多く、その場合「飲み会代5000円」など単価も高いし下手をすると、大して祝福したくもない結婚に「ご祝儀代3万円」を払う場合もある。ひきこもりでなくても、そういう人間関係は早めに「解約」しておいた方が良い。 そもそも「逃げる」というのは悪いことなのか。『逃げるは恥だが役に立つ』という、5億倍売れている漫画もあるように、仮に恥であっても有益であるのは確かである。 また、それより大昔から「三十六計逃げるにしかず」という言葉もある。どんな戦法も逃げるに勝ることはなく、ある意味、外で戦い続けている人間よりも早々に家に逃げた人間の方が正しいまである、ということだ。つまり逃げを否定するのは、うちの孫子ニキが嘘をついているという言いがかりであり、ちょっと事務所に来て詳しい話を聞かせてもらっていいかな、という案件なのだ。 よって、ひきこもりが外で活動している人間と自分を比較して自己肯定感を下げるというのは、野球選手がサッカー選手を見て「あいつリフティングマジ上手いな」と落ち込んでいるようなものだ。 ひきこもりになったら外にいるプレイヤーのことは考えず、自分がフィールドに選んだ家の中で、どのようなスーパープレイをしていくかを考えた方が良いのだ。 ひきこもり一人を働かせるのに伝統工芸なみの工程を経ているような気もするが、逆に「社会に出て働く」ということの難易度が高すぎであり、それが「当たり前」と認識されている社会の方に問題があるのではないか。社会に出て働くというのは特別な才能を持った人のみが出来ることであり、カテゴリーとしては「プロ野球選手」と同じと言っても過言ではない。 パリコレでもたまに変質者以外何ものでもない服が出てくるが、それを着たモデルの「堂々」によりそれが「世界最先端のファッション」であるという説得力になっているのだ。 おしどり夫婦エッセイを書いていた人間が泥沼不倫離婚をすることもあれば、田舎でスローライフ最高と言っていた人間が数年後タワマン25階以上は虫が出なくて最高と言っている場合もある。 つまり、生き方に対する苦言の中には「何故自分よりブスの奴が自分より楽しそうに恥ずかしげもなく生きているのか」という、言いがかりでしかない嫉妬が一部含まれていると思った方がいい。 よって、そのようなことを言われても自己肯定感を下げるのではなく「自分も他人に嫉妬されるまでになった」と思って、むしろ肯定感を上げていってほしい。 肯定できる自分になるより、今の自分を屁理屈でもいいから肯定する方が簡単に決まっている。
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